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管に入れ,水を20mlの標線まで加えてよく振り混ぜる。
(d) この溶液を誘導結合プラズマ発光分光分析装置に導入し,発光強度を測定する。
(e) 空試験は,同様に(b)(d)の操作を行って発光強度を測定する。この発光強度を用いて(d)で求めた
発光強度を補正する(この場合,加熱操作は行わなくてよい)。
(f) 各元素の標準液をプッシュボタン式液体用微量体積計を用いて段階的に数個の目盛付試験管にとり,
硝酸 (1mol/l) 5mlを加え,水を20mlの標線まで加える。引き続いて(d)の操作を行って発光強度を
測定する。この発光強度を標準液0mlのもので得た発光強度で補正した後,各元素の質量 (mg) と
発光強度との関係線を作成し,検量線とする。検量線は,試料測定時に作成する。
注(2) チタンを定量する場合には,硝酸 (1mol/l) に代えて塩酸 (1mol/l) を用いる。
(6) 計算 各元素の含有率 (ppb) は,次の式によって算出する。
V
C= 10 6
S
ここに, C : 元素の含有率 (ppb)
V : 検量線から求めた元素の質量 (mg)
S : 試料の質量 (g)
4.8.3 誘導結合プラズマ質量分析方法
(1) 要旨 試料を蒸発乾固し,蒸発残留物に硝酸を加え加熱して溶かし,水で一定量に薄めて誘導結合プ
ラズマ質量分析装置に導入し,各元素の最適質量数の発光強度を測定して各元素の含有量を求める。
測定する元素は,リチウム,銅,銀,金,ベリリウム,マグネシウム,ストロンチウム,バリウム,
亜鉛,カドミウム,アルミニウム,ガリウム,インジウム,タリウム,チタン,すず,鉛,バナジウ
ム,ひ素,アンチモン,ビスマス,クロム,モリブデン,マンガン,コバルト及びニッケルの26元素
とする。
(2) 試薬 試薬は,次のとおりとする。
(a) 硝酸 (1mol/l) IS K 9901に規定するものを用いて調製する。
(b) 塩酸 (1mol/l) IS K 9902に規定するものを用いて調製する。
(c) 王水 JIS K 9901に規定するものと,JIS K 9902に規定するものを使用時に1 : 3に混合して用いる。
(d) 標準液 JIS K 8001の4.2(2)に規定するもの又はJISに規定する金属標準液。市販のものでもよい。
(3) 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。
(a) 誘導結合プラズマ質量分析装置
(b) 蒸発皿 呼び容量100mlの白金製又は四ふっ化エチレン樹脂製のもの。
(c) 加熱板 電熱ホットプレートなど。
(d) 目盛付試験管 4.8.1(3)(d)による。
(e) プッシュボタン式液体用微量体積計 JIS K 0970に規定する容量1010
(4) 誘導結合プラズマ質量分析装置の操作条件 操作条件は,JIS K 8007の9.(4.2)による。
(a) 測定質量数 表4による。
――――― [JIS K 9903 pdf 11] ―――――
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表4 測定質量数[質量/電荷数 (m/z) ]
リチウム 7 カドミウム 114 ひ素 75
銅 63 アルミニウム 27 アンチモン 121
銀 107 ガリウム 69 ビスマス 209
金 197 インジウム 115 クロム 52
ベリリウム 9 タリウム 205 モリブデン 98
マグネシウム 24 チタン 48 マンガン 55
ストロンチウム88 すず 120 コバルト 59
バリウム 138 鉛 208 ニッケル 58
亜鉛 66 バナジウム 51
(5) 操作 操作は,次のとおり行う。
(a) 試料100gを1gのけたまで蒸発皿(3)にはかりとり,硝酸 (1mol/l) (3)5mlを加えて加熱板上でほとん
ど蒸発した後,水浴上で蒸発乾固して冷却する。
(b) 蒸発残留物に,硝酸 (1mol/l) (3)5mlを加え,加熱して溶かす。
(c) 冷却した後,少量の水とともに目盛付試験管に移し入れ,蒸発皿を少量の水で洗い,洗液も試験管
に入れ,水を10mlの標線まで加えて,よく振り混ぜる。
(d) 誘導結合プラズマ質量分析装置に導入し,信号強度を測定する。
(e) 空試験は,同様に(a)(d)の操作を行って空試験の信号強度を測定し,(d)で得た信号強度を補正す
る(この場合,加熱操作は行わなくてよい)。
(f) 各元素の標準液をプッシュボタン式液体用微量体積計で段階的に数個の目盛付試験管にとり,硝酸
(1mol/l) 5mlを加え,水を10mlの標線まで加えて振り混ぜる。誘導結合プラズマ質量分析装置に導
入し,信号強度を測定する。この信号強度を標準液0mlのもので得た信号強度で補正した後,各元
素の質量 (mg) と信号強度との関係線を作成し,検量線とする。検量線は,試料測定時に作成する。
注(3) チタン及びすずを定量する場合には,硝酸 (1mol/l) に代えて塩酸 (1mol/l) を用いる。
また,金を定量する場合には,四ふっ化エチレン樹脂製蒸発皿を用い,硝酸 (1mol/l) に代え
て王水1mlを用いる。
(6) 計算 各元素の含有率 (ppb) は,次の式によって算出する。
V
C= 10 6
S
ここに, C : 元素の含有率 (ppb)
V : 検量線から求めた元素の質量 (mg)
S : 試料の質量 (g)
5. 容器 ポリエチレン容器又はアンモニア水に侵されず,品質を損なわない気密容器とする。
6. 取扱い上の注意事項 取扱いは,JIS K 8007の7.に規定するクリーンルーム又はクリーンベンチ内で
行うのが望ましい。
7. 表示 容器には,次の事項を表示しなければならない。
(1) 名称 “高純度試薬”及び“アンモニア水”の文字
(2) 化学式,式量
――――― [JIS K 9903 pdf 12] ―――――
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(3) 品質(濃度)
(4) 保証期限(年月)又は製造後の保証期間(保証期間の場合は,製造年月を記載する。)
(5) 内容量
(6) 製造番号
(7) 製造業者名又はその略号
付表1 引用規格
JIS H 6202 化学分析用白金皿
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0121 原子吸光分析通則
JIS K 0970 プッシュボタン式液体用微量体積計
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8007 高純度試薬試験方法通則
JIS K 8102 エタノール (95) [エチルアルコール (95) ](試薬)
JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬)
JIS K 9901 高純度試薬−硝酸
JIS K 9902 高純度試薬−塩酸
JIS R 1302 化学分析用磁器蒸発ざら
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
JIS R 3505 ガラス製化学用体積計
JIS Z 8401 数値の丸め方
――――― [JIS K 9903 pdf 13] ―――――
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原案作成委員会 構成表
(委員長) 川 瀬 晃 社団法人日本分析化学会
細 川 幹 夫 通商産業省基礎産業局生物化学産業課
○ 地 崎 修 工業技術院標準部繊維化学規格課
(分科会長) ○ 久保田 正 明 工業技術院物質工学工業技術研究所
○ 喜多川 忍 通商産業省通商産業検査所
坂 本 勉 財団法人日本規格協会
加 山 英 男 財団法人日本規格協会
梅 崎 芳 美 財団法人産業公害防止協会
藤 貫 正 社団法人日本分析化学会
飯 島 弘 淳 財団法人化学品検査協会
中 村 靖 株式会社日鉱共石
池 田 久 幸 横河アナリティカルシステム株式会社
鶴 田 利 行 硫酸協会
○ 池 田 稔 保 関東高圧化学株式会社
○ 北 田 佳 伸 和光純薬工業株式会社
○ 飯 岡 寛 一 柳島製薬株式会社
○ 中 野 忠 男 関東化学株式会社
○ 藤 川 和 幸 米山薬品工業株式会社
○ 児 島 茂 富山薬品工業株式会社
○ 西 英 勝 石津製薬株式会社
(関係者) 阪 本 公 昭 工業技術院標準部繊維化学規格課
(事務局) ○ 平 井 信 次 日本試薬連合会
○印は分科会委員を兼任
JIS K 9903:1994の国際規格 ICS 分類一覧
JIS K 9903:1994の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISH6202:1986
- 化学分析用白金皿
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0121:2006
- 原子吸光分析通則
- JISK0970:2013
- ピストン式ピペット
- JISK8001:2017
- 試薬試験方法通則
- JISK8007:1992
- 高純度試薬試験方法通則
- JISK8102:2012
- エタノール(95)(試薬)
- JISK8576:2019
- 水酸化ナトリウム(試薬)
- JISK9901:1994
- 高純度試薬―硝酸
- JISK9902:1994
- 高純度試薬―塩酸
- JISR1302:1980
- 化学分析用磁器蒸発ざら
- JISR3503:1994
- 化学分析用ガラス器具
- JISR3505:1994
- ガラス製体積計
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方