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(16),放冷する。
e) 得られた金銀ビードをピンセットでつかんで取り出し,ハンマで軽くたたき薄片とした後,ブラシで
付着したキューペルの成分を完全に取り除く(17)。キューペルは保存する。
f) 金銀ビードをハンマでたたいて薄片とし,その質量を微量はかりを用いて0.001mgのけたまではかる。
注(14) 最適温度は,灰吹炉の構造,キューペルの種類,品質などで異なる。酸化マグネシウム製のキ
ューペルを用いたときの最適灰吹温度は,骨灰製キューペルを用いたときよりも高い。
(15) 高温で灰吹を行うと,銀の損失量が大きくなるおそれがある。また,低温ではビードが凝固し
て,灰吹が不完全になる場合がある。金だけを定量する場合は,約80%の鉛ボタンの融体が吸
収された後に,約890℃に炉温度を上げてもよい。
(16) 金銀ビードが大きくスピット(花吹)を起こすおそれのある場合は,灰吹炉中での放冷時間を
長くするか,予熱したキューペルをかぶせて静かに取り出す。
(17) 金銀ビードが灰白色又は黒みを呈するときは,セレン,テルル,ビスマス及び白金族などの有
無を調査し,セレン,テルル及びビスマスを含有する場合は7.4.1.5の湿乾併用法を適用して,
改めて7.4.1以降の操作を行う。また,白金族を含有する場合は,以降の操作を7.4.5.2の硝酸
分金法によって行う。
7.4.5 分金 分金は,次のいずれかの方法による(18),(19)。
注(18) 白金族を含有する場合,又は金含有量が極めて少ない場合は7.4.5.2の硝酸分金法を用いる。
(19) 注(4)を適用した場合,加銀しない試料から得られた金銀ビードは,7.4.5以下の操作は行わない。
7.4.5.1 硫酸分金法
a) 7.4.4のf)で得た金銀ビードを,硫酸520mlを入れた60mlの分金フラスコに移し入れ,510分間
穏やかに煮沸して,銀を溶解する(20)。
b) 放冷後,硫酸 (1+5) を用いて傾斜法によって数回洗浄し,更に温水を用いて傾斜法によって数回洗
浄して銀を完全に除去する(21)。
c) 分金フラスコに水を満たし,磁器るつぼ (30ml) をかぶせ,分金フラスコを逆さまにして,金粒を磁
器るつぼ中に沈降させる。
d) 分金フラスコを取り外した後,磁器るつぼ中の水を傾斜法によってすてる。
e) 磁器るつぼを加熱して,金粒を約100℃で乾燥させた後,磁器るつぼをマッフル炉に入れ,金粒を700
750℃で約5分間焼鈍する。
f) マッフル炉から磁器るつぼを取り出し,放冷する。
注(20) 金銀ビード中の銀の量が金の量の2.5倍以下の場合は,銀の溶解が不完全となる。この場合は,
試料に金の10倍量の銀を加えて,改めて7.4の全操作を行い金を定量する。銀は初めに得た金銀
ビードの質量から加銀して得た金の質量を差し引いて求める。
(21) 分金液(硫酸及び洗浄液)中に鉛が含まれているおそれがある場合は,分金液を保存し7.4.6に
よって鉛を定量する。
7.4.5.2 硝酸分金法
a) 7.4.4のf)で得た金銀ビード硝酸 (17+83) 10mlを入れた分金フラスコ又は試験管 (2030ml) に移し
入れ,ホットプレート上で穏やかに約20分間又は反応がなくなるまで加熱して銀を溶解する(20)。
b) 放冷後,温水を用いて傾斜法によって数回洗浄して,銀を除去する。分金液(硝酸及び洗浄液)は保
存する。
c) 7.4.5.1のc) f)の手順に従って操作する。
――――― [JIS M 8111 pdf 11] ―――――
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7.4.6 分金液中の白金,パラジウム,ビスマス及び/又は鉛の定量 分金液中の白金,パラジウム,ビス
マス及び/又は鉛の定量は,次のいずれかの方法による(22)。
注(22) 分金液中に含まれているおそれのない元素に関する操作は省略することができる。
7.4.6.1 原子吸光法
a) 注(21)で保存した分金液又は7.4.5.2のb)で保存した分金液を加熱して乾固する。
b) 王水(塩酸3,硝酸1)5mlを加え,加熱して溶解する。
c) 冷却後,水を用いて50mlの全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める(23)。
d) 数個の50ml全量フラスコに,標準白金溶液 [7.2 y) ] 04ml(白金として0200mg),標準パラジウム
溶液 [7.2 x) ] 010ml(パラジウムとして050 柿 ,標準ビスマス溶液 [7.2 v) ] 05ml(ビスマスとし
て0100 柿 及び標準鉛溶液 [7.2 w) ] 05ml(鉛として050 柿 を段階的にはかり取り,王水(塩
酸3,硝酸1)5mlを加え,水で標線まで薄め,検量線用溶液を調製する。
e) )及びd)で得た溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した,原子吸光光度計の空気・アセチレンフ
レーム中に噴霧し,波長265.9nm(白金),244.8nm(パラジウム),223.1nm(ビスマス)及び283.3nm
(鉛)における吸光度を測定する。
f) 検量線用溶液から得た吸光度と白金,パラジウム,ビスマス及び鉛量との関係線をそれぞれ作成し,
その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。
g) 検量線から白金,パラジウム,ビスマス及び鉛量を求める。
注(23) 塩化銀の沈殿が生じた場合,その上澄み液を測定溶液として用いることができる。
7.4.6.2 ICP発光分光法
a) 7.4.6.1のa) d)の手順に従って操作する。
b) 溶液の一部を,ICP発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長214.423nm(白金),340.458nm
(パラジウム),223.061nm(ビスマス)及び220.353nm(鉛)における発光強度を測定する。
c) 検量線用溶液から得た発光強度と白金,パラジウム,ビスマス及び鉛量との関係線をそれぞれ作成し,
その関係線を原点を通るように平行移動して検量線とする。
d) 検量線から白金,パラジウム,ビスマス及び鉛量を求める。
7.4.7 金粒のひょう量 7.4.5で得た金粒の質量を微量はかりを用いて0.001mgのけたまではかる。
7.4.8 金粒中の白金,パラジウム及び銀の定量 金粒中の白金,パラジウム及び銀の定量は,次のいずれ
かの方法による(24)。
注(24) 金粒中に含まれているおそれのない元素に関する操作は省略することができる。
7.4.8.1 原子吸光法
a) 7.4.5で得た金粒をビーカー (100ml) に移し入れ,王水(塩酸3,硝酸1)10ml及び水約5mlを加え,
加熱して溶解する。
b) 冷却後,水を用いて50mlの全量フラスコに移し入れ,水で標線まで薄める。
c) 数個の50ml全量フラスコに,標準白金溶液 [7.2 y) ] 04ml(白金として0200 柿 及び標準パラジ
ウム溶液 [7.2 x) ] 010ml(パラジウムとして050 柿 を段階的にはかり取り,王水(塩酸3,硝酸
1)5mlを加え,水で標線まで薄め,白金及びパラジウムの検量線用溶液を調製する。
d) 数個の50ml全量フラスコに標準銀溶液 [7.2 z) ] 05ml(銀として050 柿 を段階的にはかり取り,
硝酸10mlを加え,水で標線まで薄め,銀の検量線用溶液を調製する。
e) ) d)で得た溶液の一部を,水を用いてゼロ点を調整した,原子吸光光度計の空気・アセチレンフレ
ーム中に噴霧し,波長265.9nm(白金),244.8nm(パラジウム)及び328.1nm(銀)における吸光度
――――― [JIS M 8111 pdf 12] ―――――
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を測定する。
f) 検量線用溶液から得た吸光度と白金,パラジウム及び銀量との関係線をそれぞれ作成し,その関係線
を原点を通るように平行移動して検量線とする。
g) 検量線から白金,パラジウム及び銀量を求める。
7.4.8.2 ICP発光分光法
a) 7.4.8.1のa) d)の手順に従って操作する。
b) 得た溶液の一部を,ICP発光分光装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,波長214.423nm(白金),
340.458nm(パラジウム)及び328.068nm(銀)における発光強度を測定する。
c) 検量線用溶液から得た発光強度と白金,パラジウム及び銀量との関係線をそれぞれ作成し,その関係
線を原点を通るように平行移動して検量線とする。
d) 検量線から白金,パラジウム及び銀量を求める。
7.4.9 金及び銀の損失量の測定 金及び銀の損失量の測定は,次の手順によって行う。
a) 7.4.3のb)及び7.4.4のe)で保存したスラグ及びキューペルを約250 下に粉砕する。
b) 全量を7.4.3のb)で保存した粘土るつぼに移し入れ,7.4.1.1に準じて操作する。ただし,調合は,7.4.1
で適用した試料及び試薬のはかり採り量の例における,補正のるつぼ融解の場合を用いる。
c) 7.4.27.4.5及び7.4.7の手順に従って操作して得た金銀ビードと金の質量を求める。銀の質量は,金
銀ビードと金の質量の差から求める。
7.4.10 計算
a) 金含有率 試料の金含有率は,次の式によって算出する。
m1+m2−m3
Au=
m
ここに, Au : 金含有率 (g/t)
m1 : 7.4.7で得た金の質量 (最 25)
m2 : 7.4.9で得た金の質量 ( 最
m3 : 7.4.8で得た白金,パラジウム及び銀の質量の合計 ( 最
m : 試料はかり採り量 (g)
注(25) 注(4)又は注(20)を用いた場合は,加銀した試料から得られた金の質量を用いる。
b) 銀含有率 試料中の銀含有率を,次のいずれかの式によって算出する。
1) 注(4)又は注(20)を適用しなかった場合
(m4−m1−m5 )+(m6−m2 )
Ag=
m
ここに, Ag : 銀含有率 (g/t)
m1 : 7.4.7で得た金の質量 ( 最
m2 : 7.4.9で得た金の質量 ( 最
m4 : 7.4.4で得た金銀ビードの質量 ( 最
m5 : 7.4.6で得た白金,パラジウム,ビスマス及び/又は鉛の質
量の合計 ( 最
m6 : 7.4.9で得た金銀ビードの質量 ( 最
m : 試料はかり採り量 (g)
2) 注(4)又は注(20)を用いた場合
(m4−m1−m5 )+(m6−m2 )
Ag=
m
ここに, Ag : 銀含有率 (g/t)
――――― [JIS M 8111 pdf 13] ―――――
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M 8111 : 1998
m1 : 加銀をした試料によって,7.4.7で得た金の質量 ( 最
m2 : 7.4.9で得た金の質量 ( 最
m4 : 加銀をしない試料によって,7.4.4で得た金銀ビードの質量
( 最
m5 : 7.4.6で得た白金,パラジウム,ビスマス及び/又は鉛の質
量の合計 ( 最
m6 : 7.4.9で得た金銀ビードの質量 ( 最
m : 試料はかり採り量 (g)
JIS M 8111(鉱石中の金及び銀の定量方法)原案作成委員会 構成表
氏名 所属
(委員長) 奥 谷 忠 夫 日本大学理工学部
揖 斐 敏 夫 通商産業省資源エネルギー庁鉱業課
天 野 徹 工業技術院材料規格課
末 冨 巧 大蔵省造幣局東京支局試験課
○ 中 村 靖 株式会社ジャパンエナジー分析センター
○ 永 井 巌 住友金属鉱山株式会社中央研究所分析センター
○ 丹 野 一 雄 東邦亜鉛株式会社安中製錬所品質保証部
○ 尾 上 喬 同和鉱業株式会社中央研究所分析室
○ 端 洋 志 三井金属鉱業株式会社総合研究所分析技術研究室
○ 佐 山 恭 正 三菱マテリアル株式会社中央研究所分析・材料試験研究部
因 幸二郎 財団法人日本規格協会
(事務局) 稲 垣 勝 彦 日本鉱業協会技術部
(関係者) 村 井 幸 男 株式会社ジャパンエナジー分析センター
塚 原 涼 一 住友金属鉱山株式会社
渡 辺 勝 明 住友金属鉱山株式会社
細 矢 一 仁 同和鉱業株式会社
岩 崎 守 彦 三菱マテリアル株式会社
備考 ○印が付けてある者は分科会委員を兼ねる。
JIS M 8111:1998の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 10378:1994(MOD)
JIS M 8111:1998の国際規格 ICS 分類一覧
- 73 : 鉱採及び鉱物 > 73.060 : 金属鉱物及びそれらの濃縮物 > 73.060.01 : 金属鉱物一般
JIS M 8111:1998の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK0050:2019
- 化学分析方法通則
- JISK0116:2014
- 発光分光分析通則
- JISK0121:2006
- 原子吸光分析通則
- JISK8090:2019
- 酸化鉛(II)(試薬)
- JISK8885:2018
- 二酸化けい素(試薬)
- JISM8083:2001
- 銅,鉛及び亜鉛硫化精鉱―サンプリング及び水分決定方法
- JISM8101:1988
- 非鉄金属鉱石のサンプリング,試料調製及び水分決定方法
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8402:1991
- 分析・試験の許容差通則