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7. 装置の校正
7.1 装置を稼動させ,適度なウォームアップをした後,暗室で開口部を開放した状態か,又は,ゼロ光
沢標準(5.3)を開口部に載せて,装置のゼロ点を校正する。ゼロの読みは機械的ゼロ点と一致していること
を確認する。
参考 ゼロ点の読みが一致しない原因として,余分な光が受光用窓に入っている,測光回路のオフセ
ットのずれなどが考えられる。
7.2 高光沢参照標準面(5.2.2)又は高光沢の作業標準面(5.2.4)を用いて,標準に対する正しい光沢値を与え
るように装置を校正する。
7.3 試験する紙と同じような光沢をもつ中間光沢標準面(5.2.3)又は中間光沢の作業標準面(5.2.4)を測定
し,測定値が正しいことを確認する。(高光沢参照標準面又は高光沢の作業標準面,並びに,中間光沢標準
面又は中間光沢の作業標準面の測定値が正しければ,厳密にではなくとも,おおむね,装置は仕様に適合
しているといえる。)。中間光沢標準面又は中間光沢の作業標準面の測定値及びその記載値の差が1光沢単
位以上の場合,標準板を含めて装置の幾何学構造,分光特性,及び測光特性が要求仕様に適合しているか,
標準板が正しく校正されているかを確認すべきである。
8. 操作
試験片を一度に1枚ずつ挿入し,光沢度値を読み取る。試験片の表裏のそれぞれについて,試
験片の縦方向と測定光との入射方向を一致させて測定し,次いで,試験片を90度ずつ回転して測定し,合
計4個の光沢度値の平均値を求める。少なくとも5枚以上の試験片について測定する。光沢度の測定を行
っている間,適当な間隔で作業標準面も測定し,装置が正しく調整されていることを確認する。終了時に
もこの操作を行う。試験片の表裏のそれぞれについて,平均値と標準偏差とを算出する。光沢度の平均値
を,JIS Z 8401に規定する方法によって丸めの幅1に丸める。
9. 精度
CTS-TAPPI Interlaboratory program reports 166-170(1997)から,繰り返し精度及び再現性に関する
データが得られている。表1は,少なくとも25以上の試験所で,5種類の試料の縦方向の光沢度値を測定
した結果を示す。それぞれの値は,試験片の縦方向と測定光の入射方向とを一致させた測定と,試験片を
180度回転した測定との平均値を1回の測定値とし,これを10回測定した結果に基づいている。
表 1 光沢範囲
試料No. 平均 繰り返し精度 再現性
信頼限界,r 信頼限界,R
1 84.2 1.4 2.1
2 72.9 4.6 4.9
3 48.6 2.0 3.1
4 42.7 2.2 3.0
5 28.6 2.1 2.7
10. 報告
本体を用いた報告書には,必要に応じて次の事項を記録する。
a) 試験年月日及び場所
b) 規格名称若しくは略号又は規格番号
例 75°ISO光沢度
c) 試験片の名称(種類)及び試験片の採取手順
――――― [JIS P 8142 pdf 6] ―――――
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d) 必要に応じて,表裏のそれぞれについて,75度ISO光沢度の測定回数,平均値,標準偏差
e) 特記事項
f) この規格と異なる条件及び方法で試験した場合はその内容
――――― [JIS P 8142 pdf 7] ―――――
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附属書A(規定)光沢度計の光学系仕様
A.1 序文 光沢度計の光学系に関する模式図を附属書A図1に示す。光源から伸びる一点鎖線は,コン
デンサレンズ,有効光源となる長方形の開口の中心,対物レンズ及び長方形の開口絞りの中心を通過して
試験片に至る光線の通路を示している。この軸上の光線は測定領域の中心点で試験片の表面と交わる(こ
の交点は試験片の照明領域の幾何学的中心である必要はない。)。
試験片として平面状の表面鏡を用いると軸上の光線は鏡面反射されて受光窓の中心を通過する。光源の
対物レンズによって,光源開口の像が受光窓に形成される。測定領域の中心から受光窓までの距離dが他
のすべての寸法を規定する基準となる。最も重要な寸法は入射角,受光窓の位置及び受光窓の直径である。
参考 距離dの最小値は規定されていない。全測定面積が少なくとも2 000 mm2以上の平均測定結果
であれば,距離dの下限を規定する必要はない。
A.2 光混合器 受光窓に集まる異なる光路の光に均一な重みを与えるために,受光窓と受光器との間に光
混合器を置かなければならない。受光窓には,ここを通るすべての光束を集め,試験片の照射面の像を受
光器の検知面又はこの検知面のすぐ前の拡散スクリーン上に形成するように凸レンズを取り付けなければ
ならない。試験片の表面で反射された以外の光束は受光窓に入れてはならない。
A.3 入射角 軸上の光線は法線に対してε1=(75.0±0.1)°の角度で試験片の表面と交わらなければなら
ない。
A.4 反射角 鏡面反射した軸上の光線は法線に対してε2=ε1±0.1°すなわち,|ε1−ε2|≦0.1°の角
度で試験片の表面と交わらなければならない。
A.5 受光窓 測定領域の中心から受光窓の入射面までの距離をdとすると,受光窓の直径は0.2d±0.005d,
窓の縁端厚さは0.005d以下である。試験片の位置に平面状の表面鏡を入れたとき反射される軸上の光線は,
受光窓の中心から0.004d以内のところを通過し,受光窓の面に垂直でなければならない。
A.6 光源開口の位置と大きさ 光源開口の像の位置は受光窓の面内にあり,その許容限界は軸上の光線方
向に沿って±0.04dでなければならない。長方形の像の大きさは(0.1d±0.005d)×(0.05d±0.005d)であり,長
方形の短辺は入射面内(入射光軸及び鏡面反射光軸を含む。)に平行である。
A.7 光源開口における光の均一性 光源開口における光の分布は均一でなければならない。
参考 適切なシステムについては,附属書B(参考)参考文献の[1][2]を参照のこと。
A.8 長方形の開口絞りの位置と大きさ 長方形の開口絞りの面は光軸に垂直で,測定領域の中心から0.6d
±0.1dの位置に置かれている。絞りの大きさは(0.1d±0.01d)×(0.05d±0.005d)でなければならない。短辺が
入射面内にある。他の絞りや隔壁で入射光束を遮断してはならない。
A.9 開口絞りにおける光の均一性 許容範囲は光源開口の場合と同様である(A.6参照)。
――――― [JIS P 8142 pdf 8] ―――――
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A.10 分光的条件 白熱光源は色温度2 850 K±100 Kで使用しなければならない。受光器は組み合わせた
後の分光感度がCIE分光視感感度効率V(λ)に一致するようなフィルターを使用して,分光的に補正され
ていなければならない[附属書B(参考)参考文献の[5]参照]。
A.11 受光器 受光器及び表示装置はどのような組合せでもよいが,全目盛にわたってフルスケールの±
0.2 %の精度,すなわち100等分したスケールの1目盛分の±0.2目盛の精度で,受光窓を通過する光束を
数値表示できるものでなければならない。
A.12 吸引板 試験片を保持するための吸引板に,厚さが均一で薄く,柔軟なプラスチックフィルム(例
えば,厚さ0.08 mmの光学グレードのポリエステルフィルム)を取り付けたとき,このプラスチックフィ
ルムによって受光窓に形成される像の位置及び大きさと,高光沢参照標準面によって受光窓に形成される
像の位置及び大きさとが変わらないように,吸引板の表面は十分に平たんであることが必要であり,測定
するとき,吸引板は光沢度計にしっかりと固定していなければならない。
1 開口絞り 7 長方形の光源絞り
2 試験領域の中心 8 対物レンズ
3 試験片 9 受光窓
4 光混合器 10 受光レンズ
5 光源 11 フィルター
6 コンデンサレンズ 12 受光器
附属書A図1 光沢度系の光学系模式図
――――― [JIS P 8142 pdf 9] ―――――
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附属書B(参考)参考文献
[1] TAPPI Test Method T 480 om-92,Specular gloss of paper and paperboard at 75 degrees
[2] ASTM D 1223-93,Standard Test Method for Specular Gloss of Paper and Paperboard at 75°
[3] Budde,W. The Calibration of Gloss Reference Standards,Metrologia 16 (1980),pp.89-93
[4] Budde,W.and Dodd,C.X. Stability Problems in Gloss Measurements,J.Coat Tech.52 (1980) o.665,pp.
44-48
[5] CIE Publication 17,4:1987,International lighting vocabulary(IEC/CIE joint publication)
[6] DIN 54502:1992-03,Prufung von Papier und Pappe;Glanzbeurteilung ebener Papier- und Pappeoberflachen
mit Hilfe von Reflectometerwerten
――――― [JIS P 8142 pdf 10] ―――――
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JIS P 8142:2005の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 8254-1:1999(MOD)
JIS P 8142:2005の国際規格 ICS 分類一覧
JIS P 8142:2005の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISP0001:1998
- 紙・板紙及びパルプ用語
- JISP8110:2006
- 紙及び板紙―平均品質を測定するためのサンプリング方法
- JISP8111:1998
- 紙,板紙及びパルプ―調湿及び試験のための標準状態
- JISZ8120:2001
- 光学用語
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8701:1999
- 色の表示方法―XYZ表色系及びX10Y10Z10表色系
- JISZ8741:1997
- 鏡面光沢度―測定方法