JIS R 1695:2014 ファインセラミックス用安定化ジルコニア粉末中の酸化イットリウムの定量方法 | ページ 2

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c) 冷却した後,外蓋,均衡板及び内蓋を取り除き,樹脂容器中の溶液を少量の水を用いてビーカー
(300 mL)に移し入れる。
d) 水を加えて液量を約125 mLとした後,溶液をかき混ぜながら,しゅう酸二水和物7 gを少量ずつ加え
る。
e) さらにかき混ぜを続けながら,アンモニア水(1+1)を加え,pH計を用いてpHを1.0から2.0の間
に調節する。
f) 約100 ℃のホットプレート上で,突沸しないように1時間加熱した後,室温で一夜間静置する。
g) 沈殿をろ紙(5種C)を用いてこし分け,ろ紙及び沈殿をしゅう酸洗浄溶液(6.4.4)で十分に洗浄す
る1)。
h) 沈殿をろ紙ごとあらかじめ恒量にした白金るつぼに移し入れ,穏やかに加熱してろ紙を灰化する。
i) るつぼを950 ℃の電気炉中で1時間強熱し,デシケーター中で室温まで放冷した後,その質量をはか
る。この操作を恒量となるまで繰り返す。
注1) 洗浄が不十分だと,共存するジルコニウムが残存し,強熱したときにプラスの誤差を与える。

6.7 空試験

  空試験は,行わない。

6.8 計算

  試料中の酸化イットリウムの含有率を,次の式によって算出する。
m1 m0
Y2O3 100
m
ここに, Y2O3 : 酸化イットリウムの含有率[%(質量分率)]
m1 : 6.6 i)で得た質量(g)
m0 : 6.6 a)で得た質量(g)
m : 6.6 b)の試料のはかりとり量(g)

7 加圧硫酸分解-ICP発光分光分析法

7.1 要旨

  試料を硫酸とともに加圧分解容器中で加熱して分解する。この溶液をICP発光分光分析のアルゴンプラ
ズマ中に噴霧し,イットリウムの発光強度を測定する(附属書A参照)。

7.2 試料のはかりとり量

  試料のはかりとり量は,0.20 gとする。

7.3 水

  6.3による。

7.4 試薬

7.4.1  硫酸(1+1)
7.4.2 ジルコニウム溶液(ZrO2 : 2 mg/mL) 酸化ジルコニウム[純度99.9 %(質量分率)以上]0.20 g
を6.6 b)によって加圧硫酸分解し,冷却した後,外蓋,均衡板及び内蓋を取り除き,樹脂容器中の溶液を
100 mLの全量フラスコに少量の水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
なお,ハフニウムは定量に影響しないので,酸化ハフニウムが含まれていても使用できる。この場合の
純度は,ハフニウムを含んでの表示とする。
7.4.3 イットリウム標準液 SIトレーサブルな市販品を用いる2)。使用時に,適宜希釈して使用する。

――――― [JIS R 1695 pdf 6] ―――――

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注2) 濃度表示が質量/体積のほかに,質量/質量の標準液もある。

7.5 分析器具

  容器類は,JIS K 0050の附属書Fによって洗浄したものを用いる。
7.5.1 化学はかり
7.5.2 空気浴 6.5.2による。
7.5.3 加圧分解容器 6.5.3による。

7.6 定量操作

  定量操作は,次の手順によって行う。
a) 試料の分解は,6.6 b)による。
b) 冷却した後,外蓋,均衡板及び内蓋を取り除き,樹脂容器中の溶液を100 mLの全量フラスコに少量
の水を用いて移し入れ,水で標線まで薄める。
c) 別の100 mL全量フラスコにb)の溶液を5.0 mL取り,水で標線まで薄める。
d) 溶液の一部をICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,例えば,波長371.030 nm付近に
おける発光強度を測定する。

7.7 空試験

  試料を用いないで,7.6 a)   d)の操作を行う。

7.8 検量線の作成

  ジルコニウム溶液(ZrO2 : 2 mg/mL)(7.4.2)5.0 mLずつを100 mLの全量フラスコに取り,それぞれに
016 g/mLになるように,イットリウム標準液(7.4.3)を適宜希釈したものを段階的に加えた後,水で
標線まで薄める。これらの検量線用溶液を用いて7.6 d)の操作を行い,発光強度とイットリウム量との関
係より検量線を作成する。

7.9 計算

  7.6及び7.7で得た発光強度と7.8で作成した検量線とからイットリウム量を求め,試料中の酸化イット
リウムの含有率を,次の式によって算出する。
A1 A0 20 .1270
Y2O3 100
m
ここに, Y2O3 : 酸化イットリウムの含有率[%(質量分率)]
Y : イットリウムの含有率[%(質量分率)]
A1 : 7.6及び7.8から得たイットリウム量(g)
A0 : 7.7及び7.8から得たイットリウム量(g)
m : 7.6 a)の試料のはかりとり量(g)
1.270 : YからY2O3への変換係数

8 分析値のまとめ方

8.1 分析回数

  分析は,日を変えて2回繰り返す。

8.2 分析値の表示桁数

  分析値は,乾燥ベースの%(質量分率)で表し,JIS Z 8401によって,次のように丸めた有効桁数とす
る。
a) 加圧硫酸分解−しゅう酸塩沈殿重量法 有効数字4桁。
b) 加圧硫酸分解−ICP発光分光分析法 有効数字2桁。

――――― [JIS R 1695 pdf 7] ―――――

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8.3 分析値の報告

  分析値の報告は,次による。
a) 2回の分析値の差が表1に示す許容差を超えないときは,その平均値を報告値とする。
b) 2回の分析値の差が表1の許容差を超えるときは,更に,2回の分析を繰り返し,その差が許容差を超
えないときは,その平均値を報告値とする。これも許容差を超えるときは,4個の分析値の中央値を
報告値とする。
表1−分析値の許容差
単位 %(質量分率)
成分 Y2O3
定量方法 加圧硫酸分解−しゅう酸塩沈殿重量法 加圧硫酸分解−ICP発光分光分析法
含有率 1以上10未満 10以上20以下 1以上10未満 10以上20以下
許容差 0.200 0.20 0.5 1

8.4 分析報告書

  報告書には,次の事項を記載する。
a) 規格番号
b) 分析者名
c) 分析日時及び分析室名
d) 試料
e) 定量方法の種類
f) 装置名及び測定条件
g) 報告値
h) 分析に際して気付いた点
i) その他,報告に必要な事項

――――― [JIS R 1695 pdf 8] ―――――

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附属書A
(参考)
分析系統図
A.1 酸化イットリウムの定量方法
定量方法の分析系統図を,図A.1に示す。
試料 1.00 g
硫酸(1+1)10 mL
加圧分解(PTFEa)分解容器,230 ℃,16 h)

ビーカーに移す
水を加えて約125 mLに
しゅう酸二水和物 7 g
かくはん,溶解
アンモニア水(1+1)でpH 1.02.0に調節
加温(ホットプレート上,100 ℃程度,1 h)
一夜間静置
ろ過(ろ紙5種C)
洗浄(3 % しゅう酸洗浄溶液)
ろ紙ごと白金るつぼに移す
灰化して強熱(950 ℃,1 h)
ひょう量
注a) 四ふっ化エチレン樹脂
a) 加圧硫酸分解−しゅう酸塩沈殿重量法
図A.1−酸化イットリウムの定量方法

――――― [JIS R 1695 pdf 9] ―――――

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試料 0.20 g
硫酸(1+1)10 mL
加圧分解(PTFEa)分解容器,230 ℃,16 h)

100 mLに定容
5.0 mLを採取

100 mLに定容
ICP発光強度の測定
注a) 四ふっ化エチレン樹脂
b) 加圧硫酸分解−ICP発光分光分析法
図A.1−酸化イットリウムの定量方法(続き)

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JIS R 1695:2014の関連規格と引用規格一覧