JIS R 2012:1998 ジルコン-ジルコニア質耐火物の化学分析方法 | ページ 6

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低温で加熱し(6),次第に温度を上げ,最後は電気炉中で1 100±25℃で約10分間強熱して融解する(7)。
時計皿で覆って放冷した後,エタノール (99.5) 5ml及び硫酸 (1+9) 50mlを加え,ときどきかき混ぜ
ながら沸騰水浴上で加熱して溶かす。少量の水で時計皿を洗浄して取り除き,砂浴上に移し(41),硫酸
の白煙が発生するまで加熱蒸発する(41)。放冷後,水50mlを加え,沸騰水浴上で加熱して塩類を溶か
す。ビーカー (300ml) を受け,ろ紙(5種B)を用いてろ過し,熱水で10回洗浄する。ビーカー (300ml)
中のろ液及び洗液は,必要なら濃縮して250mlの全量フラスコに移し入れ,水を標線まで加え,その
25mlを100mlの全量フラスコに分取し,水を標線まで加える。この溶液を試料溶液 (D) とする。
注(41) 酸化けい素 (IV) が5mass%以下の場合には,砂浴上での加熱は省略することができる。
b) 試料溶液 (D) の一部を原子吸光分析装置のフレーム中に噴霧し,波長359.3nmにおける原子吸光を吸
光度で測定する。
18.2.5 空試験 試料を用いないで18.2.4a)の操作を行う。ただし,融解操作は,省略する。得られた溶液
を空試験液 (D) を用いて18.2.4b)の操作を行う。
18.2.6 検量線の作成 18.2.2h)の検量線用溶液系列Vを用いて18.2.4b)の操作を行い(22),吸光度と酸化ク
ロム (III) の量との関係線を作成し,原点を通るように平行移動して検量線とする。
18.2.7 計算 試料中の酸化クロム (III) の含有率は,18.2.4b)及び18.2.5で得た吸光度と18.2.6で作成した
検量線とから酸化クロム (III) の量を求め,次の式によって算出する。
A1 A2 250
Cr2O3 100
m 25
ここに, Cr2O3 : 酸化クロム (III) の含有率 (mass%)
A1 : 試料溶液 (D) 又は希釈試料溶液中の酸化クロム (III) の
量 (g)
A2 : 空試験液 (D) 又は希釈試料溶液中の酸化クロム (III) の
量 (g)
m : 試料の量り取り量 (g)
18.3 ICP発光分光分析法
18.3.1 要旨 試料を炭酸ナトリウム及びほう酸で融解後,硫酸に溶かし,加熱して硫酸の白煙を発生させ,
生成したけい酸をろ別して,一定液量とする。この溶液を分取して一定の濃度に薄めた後,その一部をと
り,ICP発光分光分析装置を用いてクロムの発光強度を測定する。
18.3.2 試薬 試薬は,18.2.2による。
18.3.3 試料の量り取り量 試料の量り取り量は,0.50gとする。
18.3.4 操作 定量操作は,次の手順によって行う。
a) 18.2.4 a)に準じて試料溶液 (D) を調製する。
b) 試料溶液 (D) の一部をICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に噴霧し,例えば,波長
205.55nm(42)における発光強度を測定する。
注(42) 波長267.72nmは,白金の分光干渉を受けるので微量の酸化クロム (III) の定量には用いてはな
らない。
18.3.5 空試験 試料を用いないで18.3.4の操作を行う。ただし,融解操作は,省略する。ここで得た試料
溶液 (D) に対応する溶液を,空試験液 (D) とする。
18.3.6 検量線の作成 18.2.2h)の検量線用溶液系列Vを用いて18.3.4 b)の操作を行い(22),発光強度と酸化
クロム (III) の量との関係線を作成し,原点を通るように平行移動して検量線とする。

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18.3.7 計算 試料中の酸化クロム (III) の含有率は,18.3.4 b)及び18.3.5で得た発光強度と18.3.6で作成
した検量線とから酸化クロム (III) の量を求め,次の式によって算出する。
A1 A2 250
Cr2O3 100
m 25
ここに, Cr2O3 : 酸化クロム (III) の含有率 (mass%)
A1 : 18.3.4a)の試料溶液 (D) 中の酸化クロム (III) の量 (g)
A2 : 18.3.5の空試験液 (D) 中の酸化クロム (III) の量 (g)
m : 試料の量り取り量 (g)
19. 酸化ジルコニウム(酸化ハフニウムを含む。)の定量方法
19.1 定量方法 酸化ジルコニウム(酸化ハフニウムを含む。)の定量方法は,マンデル酸重量法による。
19.2 マンデル酸重量法
19.2.1 要旨 9.2.4,9.3.4,又は9.4.4の試料溶液(A,A'又はA")に塩酸を加えた後,加熱し,DL−マン
デル酸を加えてジルコニウム(ハフニウムを含む。)を沈殿させてろ過する。沈殿を強熱し,その質量を量
り,酸化ジルコニウム(酸化ハフニウムを含む。)とする。
19.2.2 試薬 試薬は,次による。
a) 塩酸
b) L−マンデル酸
c) 洗浄液 DL−マンデル酸10gを水180mlに溶かし,塩酸20mlを加える。
19.2.3 操作 定量操作は,次の手順によって行う。
a) 9.2.4d),9.3.4d),又は9.4.4a)で得た試料溶液(A,A'又はA")200mlを正しくビーカー (500ml) に分
取し(43),塩酸50mlを加えた後,砂浴又は熱板上で加熱する。液が沸騰したならば,注意してDL−マ
ンデル酸1618gを加え,泡立ち始めたら90℃以上の水浴上に移し,適切量(例えば,0.2g)のろ紙
粉末を加えて十分にかき混ぜ,水浴上で沈殿を熟成する。上澄み液が透明になった後,更に30分以上
水浴上で加熱を続け,適切量(例えば,0.2g)のろ紙粉末を加え,ろ過を通じて沈殿の入ったビーカ
ーを水浴上で保温しながらろ紙(5種C)を用いてろ過し,温洗浄液で10回洗浄する。
注(43) 含有率の低い試料の場合には,試料溶液(A,A'又はA")の分取量を200ml以上(例えば,400ml)
分取し,200mlに濃縮するとよい。必要なら,別に試料溶液を10.に準じて調製してもよい。
b) 沈殿をろ紙と共に白金るつぼ(例えば,30番)に入れ,初めは低温で加熱し,次第に温度を上げてろ
紙を灰化し,1 100±25℃で30分間強熱する。デシケーター中で放冷した後,その質量を量る。
19.2.4 空試験 試料を用いないで19.2.3の操作を行う。
19.2.5 計算 試料中の酸化ジルコニウム(酸化ハフニウムを含む。)の含有率は,19.2.3b)及び19.2.4の酸
化ジルコニウム(酸化ハフニウムを含む。)の量とから次の式によって算出する。
m1 m2 500
ZrO2 (HfO2 ) 100
m0 200
ここに, ZrO2 (+HfO2) : 酸化ジルコニウム(酸化ハフニウムを含む。)の
含有率 (mass%)
m0 : 9.2.4a),9.3.4a),又は9.4.4a)の試料の量り取り
量 (g)
m1 : 19.2.3b)で量った沈殿の質量 (g)
m2 : 19.2.4で量った沈殿の質量 (g)

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参考 酸化クロム (III) を含まない試料には,次のクペロン重量法を適用することもできる。ただし,
結果は,参考値とする。
a) 操作 10.2.3a)で得た沈殿をろ紙と共に白金るつぼ(例えば,30番)に入れ,初めは低温で加
熱し(44),次第に温度を上げてろ紙を灰化し,1 100±25℃で30分間強熱する。デシケーター
中で放冷した後,その質量を量る。
注(44) 赤外線ランプを使用するとよい。
b) 空試験 10.2.4で得たろ紙について,a)の操作を行う。
c) 計算 試料中の酸化ジルコニウム(酸化ハフニウムを含む。)の含有率は,a)及びb)で得た混
合酸化物量とから次の式によって算出する。
m1 m2 500
ZrO2 (HfO2 ) 100 (Fe2O3 TiO2 )
m0 200
ここに, ZrO2 (+HfO2) : 酸化ジルコニウム(酸化ハフニウムを含む。)の
含有率 (mass%)
m0 : 9.2.4 a),9.3.4 a),又は9.4.4 a)の試料の量り取り
量 (g)
m1 : a)で量った沈殿の質量 (g)
m2 : b)で量った沈殿の質量 (g)
Fe2O3 : 11.で求めた酸化鉄 (III) の含有率 (mass%)
TiO2 : 12.で求めた酸化チタン (IV) の含有率 (mass%)
備考 酸化ハフニウムは,次の方法によって定量することができる。
(1) 操作 10.3.3a)で得た試料溶液 (B) の一部をICP発光分光分析装置のアルゴンプラズマ中に
噴霧し,例えば,波長277.34nmにおける発光強度を測定する。
(2) 空試験 10.3.4で得た空試験液 (B) を用いて(1)の操作を行う。
(3) 検量線の作成 10.3.2i)の検量線用溶液系列Iを用いて(1)の操作を行い(22),発光強度と酸化ハ
フニウム量との関係線を作成し,原点を通るように平行移動して検量線とする。
(4) 計算 試料中の酸化ハフニウムの含有率は,(1)及び(2)で得た発光強度と(3)で作成した検量線
とから酸化ハフニウム量を求め,次の式によって算出する。
A1 A2 500
HfO2 100
m 20
ここに, HfO2 : 酸化ハフニウムの含有率 (mass%)
A1 : (1)の試料溶液 (B) 中の酸化ハフニウムの量 (g)
A2 : (2)の空試験液 (B) 中の酸化ハフニウムの量 (g)
m : 9.2.3,9.3.3又は9.4.3の試料の量り取り量 (g)

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R 2012 : 1998
JIS R 2012原案作成委員会 構成表
氏名 所属
(委員長) 山 口 明 良 名古屋工業大学材料工学科
○ 仁 科 利 純 品川白煉瓦株式会社
富 田 育 男 通商産業省生活産業局
岡 林 哲 夫 工業技術院標準部
加 山 英 雄 財団法人日本規格協会
○ 村 田 守 鳴門教育大学自然系地学教室
藤 貫 正 (元)社団法人日本分析化学会
多 田 格 三 フジ研究所
荒 木 慎 介 耐火物協会
中 村 幸 弘 新日本製鐵株式会社無機材料開発部
高 橋 忠 明 日本鋼管株式会社製鋼技術開発部
鈴 木 隆 夫 住友金属工業株式会社製鋼技術研究所
海老名 克 己 三菱マテリアル株式会社セメント事業部
小 松 英 雄 旭硝子株式会社セラミックス事業部
鹿 野 弘 黒崎窯業株式会社
沓 掛 行 徳 旭硝子株式会社高砂工場
前 田 繁 徳 ハリマセラミック株式会社
岡 本 孝 雄 川崎炉材株式会社
(分科会主査) ○ 三 橋 久 岡山県工業技術センター
(分科会幹事) ○ 朝 倉 秀 夫 品川白煉瓦株式会社
△ 吉 田 清 志 川崎炉材株式会社
○ 兼 近 勝 則 黒崎窯業株式会社
△ 森 邦 夫 旭硝子株式会社セラミックス事業部
○ 板 倉 正 勝 東芝セラミックス株式会社
△ 福 井 洋 一 ハリマセラミック株式会社
△ 平 松 康 宏 株式会社ヨータイ
△ 江 尻 勉 九州耐火煉瓦株式会社
△ 戸 松 一 郎 株式会社TYK
△ 中 山 信 司 東芝モノフラックス株式会社
△ 鬼 塚 浩 次 大光炉材株式会社
△ 宮 脇 正 夫 日本特殊炉材株式会社
△ 河 野 久 征 理学電気工業株式会社
(事務局) 細 川 周 明 耐火物技術協会
○は,分科会委員併任,△は分科会委員

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JIS R 2012:1998の関連規格と引用規格一覧