JIS R 5203:2015 セメントの水和熱測定方法(溶解熱方法) | ページ 2

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図1−水槽をもつ熱量計の例

――――― [JIS R 5203 pdf 6] ―――――

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記号
1 酸液かき混ぜ用モーター 7 土台
2 温度計 8 真空瓶支持台
3 周辺温度測定用の温度計 9 箱
4 真空瓶 10 酸液かき混ぜ棒
5 断熱材 11 栓
6 容器 12 漏斗
図2−空気槽をもつ熱量計の例
5.1.1 真空瓶
5.1.1.1 真空瓶の容量と試料量及び試薬量 この規格では,内径約75 mm,深さ約150 mmで内容積が約
600 mLの真空瓶を用いることを前提とし,試料量及び試薬量を規定する。
なお,酸液温度測定用温度計として,ベックマン温度計を用いる場合は,この規格に規定された量並び
に容積で行わなければならない。
5.1.1.2 真空瓶の仕様 真空瓶は,次の方法によって,適切な性能をもっていることを確認したものを用
いる。

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真空瓶に室温よりも約5 ℃高い温水約425 mLを入れ,コルクの栓をして酸液温度測定用温度計を差し
込み,温度降下が一定になった時点で温度を読む。その後30分間静置した後,再び温度を読み,最初の温
度との差から,温水の温度と真空瓶の周辺の温度との差1 ℃について,毎分0.001 ℃以上の温度降下がな
いことを確認する。真空瓶を内筒に入れた場合は内筒の周辺の温度とする。
なお,真空瓶は,内側に,適切な耐ふっ化水素酸性の物質(例えば,ポリエチレン,蜜ろう,ふっ素樹
脂)を塗布したものを使用する。また,真空瓶は断熱材製(例えば,コルク製)の蓋をする。蓋は三つの
穴をもっていなければならず,中央の穴には酸液かき混ぜ棒を,その両側の穴には温度計と漏斗とを,そ
れぞれ差し込む。
5.1.1.3 内筒 真空瓶は断熱用コルクのような断熱材を内張りした内筒に入れる。内筒を使用しない場合
は,熱量計の恒温槽には±0.2 ℃に温調できる水槽を使用する。内筒は,5.1.1.1に規定する内容積が約600
mLの真空瓶を使用する場合,内径約150 mm,深さ約230 mmとし,これに厚さ約25 mmの断熱用コルク
を内張りするとよい。
なお,水槽に入れる場合は,内筒に三つの穴をもつ蓋を設け,Oリングを使用して内筒と蓋とを締め付
ける。また,内筒の蓋の三つの穴からは水が入らない構造とする。
5.1.2 温度計
5.1.2.1 酸液温度測定用温度計 センサー方式の温度計又はベックマン温度計を用いる。
センサー方式の温度計は,0.001 ℃までの分解能をもつものを使用する。
ベックマン温度計は,0.01 ℃まで目盛られ,約6 ℃の範囲が測れる検定付きのものを使用する。
なお,酸液温度測定用温度計の真空瓶に入る部分には,適切な耐ふっ化水素酸性の物質(例えば,ポリ
エチレン,蜜ろう,ふっ素樹脂)を塗布したものを使用する。
酸液の温度は0.001 ℃まで測定する。ベックマン温度計を用いて酸液の温度を測定する場合は,ベック
マン温度計の読みを普通温度計の読みに換算する。
5.1.2.2 酸液温度以外の測定用温度計 酸液の温度以外の測定に用いる温度計は,最小目盛0.1 ℃のもの
で,校正済みの温度計とする。
酸液以外の温度は0.1 ℃まで測定する。
5.1.3 漏斗 試料を適切に酸液中に投入できるもので,測定中は蓋をする。
5.1.4 酸液かき混ぜ装置 酸液のかき混ぜ棒は,真空瓶に入る部分を適切な耐ふっ化水素酸性の物質(例
えば,ポリエチレン,蜜ろう,ふっ素樹脂)で保護したガラス製又は金属製のものを使用する。酸液に耐
久性のあるプラスチック製又は樹脂製のものを用いてもよい。
酸液かき混ぜ装置の軸受部は,ボールベアリング入りとし,プーリー及びベルトによって駆動するもの
か,モーターの軸に直接かき混ぜ棒を取り付ける形式の装置を用いる。直接かき混ぜ棒を取り付ける形式
の装置を用いる場合は,測定に影響を及ぼすことがないような低出力のものでなければならない。
なお,酸液かき混ぜ棒の回転数を1分間に450±50回転に調節でき,測定中に回転数を一定にする装置
をもつものとする。
5.1.5 熱量計の恒温槽 真空瓶を入れた内筒は20±1 ℃に温調された空気槽又は水槽中に置く。
なお,内筒を空気槽に置く型式の熱量計(図2参照)を用いる場合は,熱量計全体を20±1 ℃に温調さ
れた恒温槽又は恒温室に設置して試験を行うことでもよい。
水槽の場合は,水温が一様となるようにかくはん装置を付け,かくはんしながら温調する。
5.2 養生用恒温水槽 セメントペーストを養生する恒温水槽は,20.0±0.5 ℃に調節できるものとする。
5.3 水和セメント粉砕用機器 必要に応じて,粉砕機,鉄製又はステンレス製の乳鉢を用いる。

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5.4 養生用瓶 セメントペーストを封入する養生用瓶は,ポリプロピレン製で,内径約25 mm,高さ約
55 mmであり,蓋付きで密閉できるものとする。
5.5 ふるい 熱量計の熱容量の測定に用いる酸化亜鉛の調製に用いるふるいは,JIS Z 8801-1に規定する
目開き150 m又は125 mの試験用ふるいとする。
未水和セメントの異物の除去に用いるふるいは,JIS Z 8801-1に規定する目開き850 mの試験用ふるい
とする。
粉砕した水和セメントの試料の調製に用いるふるいは,JIS Z 8801-1に規定する目開き850 m又は600
mの試験用ふるいとする。
5.6 計時装置 温度の読み時間を秒単位で計測できるもの。
5.7 その他の装置及び器具 その他の装置及び器具は,JIS K 0050に規定するものを使用する。

6 熱量計の熱容量の測定

6.1 測定準備

  まず,熱容量の測定を開始する直前に,内筒を置く熱量計の恒温槽が20±1 ℃になっていることを確認
する。
次に,溶解反応後の酸液の温度が試験室の温度より僅かに低くなるように,試験室の温度より約5 ℃低
い硝酸(2 mol/L)約400 gを真空瓶に入れ,これにふっ化アンモニウム7.2±0.1 gを加え,更に硝酸(2 mol/L)
を加えて,酸液の全質量を425.0±0.1 gとする。ふっ化アンモニウムの量り採りには,ガラス製容器は使
用してはならない。次いで,真空瓶を内筒に入れ,蓋をしてから恒温槽内に置く。
なお,水槽の場合,10分間かくはんを行いながら水温を20±1 ℃に調節し,水槽のかくはんを停止する。
真空瓶内の酸液を20分間かき混ぜた後,酸液の温度を測定する。更に酸液を5分間かき混ぜて,この間
の毎分の温度上昇がほぼ一定であることを確かめる。一定でない場合は,更に5分間かき混ぜて温度上昇
を確認する。温度上昇が一定にならない場合は,測定を中止し,6.3によって熱量計の熱漏れ係数を確認す
る。
なお,5.1.1.1に記載するものと異なる内容積の真空瓶を用いる場合,真空瓶に酸液を入れたときに,酸
液の液面が蓋の下面から2 cm程度になるよう酸液を量り採り,その質量と試料量とがそれぞれ6.2,7.1
及び7.2.2に規定する関係になるように試料を量り採って,試験に供してもよい。
注記 水槽を用いる場合は,内筒の蓋から下15 mm程度まで水を入れて温調しておく。

6.2 熱容量の測定

  JIS Z 8801-1に規定する目開き150 m又は125 mの試験用ふるいを全通させ,シリカゲルデシケータ
ー中に保管しておいた酸化亜鉛を,熱容量測定の直前に950±25 ℃で12分間加熱し,シリカゲルデシ
ケーター中で試験室の温度になるまで冷却し,その7.0 gを0.000 1 gまで正確に量り採る。
次に,真空瓶内の酸液の温度を測定し,これをtc0とする。直ちに,量り採った酸化亜鉛を熱量計の漏斗
から1分以上2分以内に一定の割合で静かに入れる。酸化亜鉛を入れるとき以外は,漏斗に適切な栓をし,
真空瓶内に外気が流入しないように注意する。
熱容量はセメントの種類に応じ,6.2.1又は6.2.2によって求める。
なお,5.1.1.1に記載するものと異なる内容積の真空瓶を用いる場合,酸化亜鉛の量り採り量は(酸液の
質量/酸化亜鉛の量り採り量)=60±1となるようにする。
なお,熱量計の熱容量は定期的に確認することが望ましい。また,次の場合は,熱量計の熱容量を再測
定する必要がある。

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・ 酸液温度測定用温度計を更新又は校正した場合
・ 熱量計を構成する真空瓶,内筒又は酸液かき混ぜ装置を更新した場合
6.2.1 ポルトランドセメント及び高炉セメントの場合
酸化亜鉛を熱量計に投入し始めてから正確に20分及び40分経過したとき,酸液の温度を測定し,それ
ぞれ,tc20,tc40とする。
熱量計の熱容量c1は,式(3)によって算出する。
熱量計の熱容量は小数点以下1桁まで求め,2回の測定結果が許容差以内にあることを確認した上で,2
回の測定結果の平均を整数に丸め,水和熱の計算に用いる。
なお,許容差の確認は2回の測定結果を整数に丸めて行う。
許容差は,5 J/Kとする。
w 1 0720.(4.030 (5.0tc
tc20 ) tc20 )
c1 (3)
(tc20 (tc40
tc0 ) tc20 )
ここに, c1 : 熱量計の熱容量(J/K)
w : 酸化亜鉛の質量(g)
tc : 酸化亜鉛を熱量計に入れるときの試験室の温度(℃)
tc0 : 酸化亜鉛を熱量計に入れる直前の酸液の温度(℃)
tc20 : 酸化亜鉛を熱量計に入れ始めてから20分経過したときの
酸液の温度(℃)
tc40 : 酸化亜鉛を熱量計に入れ始めてから40分経過したときの
酸液の温度(℃)
注記 ベックマン温度計を使って温度測定を行う場合,目的の時間の前後2分間に,1分間隔で連続
に5回温度を読み,その平均値とするとよい。
6.2.2 フライアッシュセメントの場合
酸化亜鉛を熱量計に投入し始めてから正確に80分及び120分経過したとき,酸液の温度を測定し,それ
ぞれ,tc80,tc120とする。
熱量計の熱容量c2は,式(4)によって算出する。
熱量計の熱容量は小数点以下1桁まで求め,2回の測定結果が許容差以内にあることを確認した上で,2
回の測定結果の平均を整数に丸め,水和熱の計算に用いる。
なお,許容差の確認は2回の測定結果を整数に丸めて行う。
許容差は,5 J/Kとする。
w 1 0720. (4.030tc80 )(5.0tctc80 )
c2 (4)
(tc80tc0 ) tc80 )
(2tc120
ここに, c2 : 熱量計の熱容量(J/K)
w : 酸化亜鉛の質量(g)
tc : 酸化亜鉛を熱量計に入れるときの試験室の温度(℃)
tc0 : 酸化亜鉛を熱量計に入れる直前の酸液の温度(℃)
tc80 : 酸化亜鉛を熱量計に入れ始めてから80分経過したときの
酸液の温度(℃)
tc120 : 酸化亜鉛を熱量計に入れ始めてから120分経過したとき
の酸液の温度(℃)

6.3 熱量計の熱漏れ係数の確認

  熱量計は真空瓶,温度計の更新などの場合,適宜,熱量計の熱容量測定時に,酸化亜鉛を熱量計に入れ
る10分前の酸液の温度を追加で測定し,熱漏れ係数Kを式(5)によって求め,適切な性能をもっているか

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JIS R 5203:2015の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 29582-1:2009(MOD)

JIS R 5203:2015の国際規格 ICS 分類一覧

JIS R 5203:2015の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISK0050:2019
化学分析方法通則
JISK8001:2017
試薬試験方法通則
JISK8005:2014
容量分析用標準物質
JISK8405:2018
酸化亜鉛(試薬)
JISK8541:2015
硝酸(試薬)
JISK8541:2021
硝酸(試薬)
JISZ8801-1:2019
試験用ふるい―第1部:金属製網ふるい