JIS R 5203:2015 セメントの水和熱測定方法(溶解熱方法) | ページ 3

                                                                                              9
R 5203 : 2015
確認を行う。
Kは,0.06(K/20分間・K−1)未満でなければならない。
(2tc0 (tc40
tc 10 ) tc20 )
K (5)
(tc20tc0 )
ここに, K : 熱漏れ係数(K/20分間・K−1)
tc−10 : 酸化亜鉛を熱量計に入れる10分前の酸液の温度(℃)
tc0 : 酸化亜鉛を熱量計に入れる直前の酸液の温度(℃)
tc20 : 酸化亜鉛を熱量計に入れ始めてから20分経過したときの
酸液の温度(℃)
tc40 : 酸化亜鉛を熱量計に入れ始めてから40分経過したときの
酸液の温度(℃)

7 溶解熱の測定

7.1 未水和セメントの溶解熱測定

  未水和セメント3.0 gを0.000 1 gまで正確に量り採る。
箇条6によって熱容量を求めた熱量計を6.1に従い準備し,真空瓶内の酸液の温度を測定して,これを
tu0とする。直ちに,あらかじめ量り採った未水和セメントを熱量計の漏斗から1分以上2分以内に一定の
割合で静かに入れる。
未水和セメントの溶解熱は,セメントの種類に応じ,7.1.1又は7.1.2によって測定する。
なお,5.1.1.1に記載するものと異なる内容積の真空瓶を用いる場合,未水和セメントの量り採り量は(酸
液の質量/未水和セメントの量り採り量)=141±1となるようにする。
7.1.1 ポルトランドセメント及び高炉セメントの場合
未水和セメントを熱量計に投入し始めてから正確に20分及び40分経過したとき,酸液の温度を測定し,
それぞれ,tu20,tu40とする。
未水和セメントの溶解熱hu1は,式(6)によって算出する。
未水和セメントの溶解熱は小数点以下1桁まで求め,2回の測定結果が許容差以内にあることを確認し
た上で,2回の測定結果の平均を整数に丸め,水和熱の計算に用いる。
なお,許容差の確認は2回の測定結果を整数に丸めて行う。
許容差は,5 J/gとする。
(tu20tu0 ) tu20 )
(tu40 c1
hu1 (8.0tu (6)
tu20 )
Wu1
ここに, hu1 : 未水和セメントの溶解熱(J/g)
tu : 未水和セメントを熱量計に入れるときの試験室の温度(℃)
tu0 : 未水和セメントを熱量計に入れる直前の酸液の温度(℃)
tu20 : 未水和セメントを熱量計に入れ始めてから20分経過した
ときの酸液の温度(℃)
tu40 : 未水和セメントを熱量計に入れ始めてから40分経過した
ときの酸液の温度(℃)
c1 : 熱量計の熱容量(J/K)
Wu1 : 未水和セメントを950±25 ℃で90分間強熱した後の状態
に換算した質量(g)
7.1.2 フライアッシュセメントの場合
未水和セメントを熱量計に投入し始めてから正確に80分及び120分経過したとき,酸液の温度を測定し,

――――― [JIS R 5203 pdf 11] ―――――

10
R 5203 : 2015
それぞれ,tu80,tu120とする。
未水和セメントの溶解熱hu2は,式(7)によって算出する。
未水和セメントの溶解熱は小数点以下1桁まで求め,2回の測定結果が許容差以内にあることを確認し
た上で,2回の測定結果の平均を整数に丸め,水和熱の計算に用いる。
なお,許容差の確認は2回の測定結果を整数に丸めて行う。
許容差は,5 J/gとする。
(tu80tu0 ) tu80 )
(2tu120 c2
hu2 (8.0tu (7)
tu80 )
Wu2
ここに, hu2 : 未水和セメントの溶解熱(J/g)
tu : 未水和セメントを熱量計に入れるときの試験室の温度(℃)
tu0 : 未水和セメントを熱量計に入れる直前の酸液の温度(℃)
tu80 : 未水和セメントを熱量計に入れ始めてから80分経過した
ときの酸液の温度(℃)
tu120 : 未水和セメントを熱量計に入れ始めてから120分経過した
ときの酸液の温度(℃)
c2 : 熱量計の熱容量(J/K)
Wu2 : 未水和セメントを950±25 ℃で90分間強熱した後の状態
に換算した質量(g)

7.2 水和セメントの溶解熱測定

7.2.1  水和セメントの試料の調製
試験に際しては,養生用瓶から水和セメントを取り出して,鉄製又はステンレス製乳鉢で手早く砕き,
JIS Z 8801-1に規定する目開き850 m又は600 mの試験用ふるいを全通させる。必要に応じて粉砕機を
用いてもよいが,使用時間は極力短くし,水分の逸散及び炭酸化を起こさないように注意する。粉砕時間
は15分以内に行うことが望ましい。
所定材齢に対し,次の時間以内に水和セメントの溶解を開始し,溶解熱測定を行う。
a) 材齢7日では±4時間
b) 材齢28日では±8時間
なお,フライアッシュセメントの場合,材齢7日の試験は±6時間で行ってもよい。
7.2.2 溶解熱の測定
粉砕した水和セメント4.2 gを,はかり瓶を用いて0.000 1 gまで正確に量り採る。
箇条6によって熱容量を求めた熱量計を6.1に従い準備し,真空瓶内の酸液の温度を測定し,これをth0
とする。直ちに,あらかじめ量り採った水和セメントを熱量計の漏斗から1分以上2分以内に一定の割合
で静かに入れる。
水和セメントの溶解熱の測定は,異なる養生用瓶から採取した試料を用いなければならない。
水和セメントの溶解熱はセメントの種類に応じ,7.2.2.1又は7.2.2.2によって測定する。
なお,5.1.1.1に記載するものと異なる内容積の真空瓶を用いる場合,試料の量り採り量は未水和セメン
トの溶解熱測定時の質量の1.4倍量となるようにする。
7.2.2.1 ポルトランドセメント及び高炉セメントの場合
水和セメントを熱量計に投入し始めてから正確に20分及び40分経過したとき,酸液の温度を測定し,
それぞれ,th20,th40とする。
水和セメントの溶解熱hh1は,式(8)によって算出する。
水和セメントの溶解熱は小数点以下1桁まで求め,2回の測定結果が許容差以内にあることを確認した

――――― [JIS R 5203 pdf 12] ―――――

                                                                                             11
R 5203 : 2015
上で,2回の測定結果の平均を整数に丸め,水和熱の計算に用いる。
なお,許容差の確認は2回の測定結果を整数に丸めて行う。
許容差は,10 J/gとする。
(th20th0 ) th20 )
(th40 c1
hh1 (7.1thth20 ) tu20 ) (8)
(3.1th20
Wh1
ここに, hh1 : 水和セメントの溶解熱(J/g)
th : 水和セメントを熱量計に入れるときの試験室の温度(℃)
th0 : 水和セメントを熱量計に入れる直前の酸液の温度(℃)
th20 : 水和セメントを熱量計に入れ始めてから20分経過したと
きの酸液の温度(℃)
th40 : 水和セメントを熱量計に入れ始めてから40分経過したと
きの酸液の温度(℃)
tu20 : 未水和セメントを熱量計に入れ始めてから20分経過した
ときの酸液の温度(℃)
c1 : 熱量計の熱容量(J/K)
Wh1 : 水和セメントを950±25 ℃で90分間強熱した後の状態に
換算した質量(g)
7.2.2.2 フライアッシュセメントの場合
水和セメントを熱量計に投入し始めてから正確に80分及び120分経過したとき,酸液の温度を測定し,
それぞれ,th80,th120,とする。
水和セメントの溶解熱hh2は,式(9)によって算出する。
水和セメントの溶解熱は小数点以下1桁まで求め,2回の測定結果が許容差以内にあることを確認した
上で,2回の測定結果の平均を整数に丸め,水和熱の計算に用いる。
なお,許容差の確認は2回の測定結果を整数に丸めて行う。
許容差は,10 J/gとする。
(th80th0 ) th80 )
(2th120 c2
hh2 (7.1thth80 )
(3.1th80 (9)
tu80 )
Wh2
ここに, hh2 : 水和セメントの溶解熱(J/g)
th : 水和セメントを熱量計に入れるときの試験室の温度(℃)
th0 : 水和セメントを熱量計に入れる直前の酸液の温度(℃)
th80 : 水和セメントを熱量計に入れ始めてから80分経過したと
きの酸液の温度(℃)
th120 : 水和セメントを熱量計に入れ始めてから120分経過した
ときの酸液の温度(℃)
tu80 : 未水和セメントを熱量計に入れ始めてから80分経過した
ときの酸液の温度(℃)
c2 : 熱量計の熱容量(J/K)
Wh2 : 水和セメントを950±25 ℃で90分間強熱した後の状態に
換算した質量(g)

8 水和熱の計算

  水和熱はセメントの種類に応じ,8.1又は8.2によって計算し,整数に丸める。

8.1 ポルトランドセメント及び高炉セメントの場合

  セメントの水和熱h1は,式(10)によって算出する。
h1 hu1 hh1 (4.0200. (10)
tu20 )

――――― [JIS R 5203 pdf 13] ―――――

12
R 5203 : 2015
ここに, h1 : 水和熱(J/g)
hu1 : 未水和セメントの溶解熱(J/g)
hh1 : 水和セメントの溶解熱(J/g)
tu20 : 未水和セメントを熱量計に入れ始めてから20分経過した
ときの酸液の温度(℃)

8.2 フライアッシュセメントの場合

  セメントの水和熱h2は,式(11)によって算出する。
h2 hu2 hh2 (4.0200. (11)
tu80 )
ここに, h2 : 水和熱(J/g)
hu2 : 未水和セメントの溶解熱(J/g)
hh2 : 水和セメントの溶解熱(J/g)
tu80 : 未水和セメントを熱量計に入れ始めてから80分経過した
ときの酸液の温度(℃)

――――― [JIS R 5203 pdf 14] ―――――

                                                                                                                                          13
R 5203 : 2015
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS R 5203:2015 セメントの水和熱測定方法(溶解熱方法) ISO 29582-1:2009,Methods of testing cement−Determination of the heat of
hydration−Part 1: Solution method
(I) JISの規定 (II) (III)国際規格の規定 (IV) JISと国際規格との技術的差異の箇条(V) JISと国際規格との技術的差
国際規格 ごとの評価及びその内容 異の理由及び今後の対策
番号
箇条番号 内容 箇条番号 内容 箇条ごと 技術的差異の内容
及び題名 の評価
1 適用範 ポルトランドセメ 1 化学組成にかかわらず, 変更 JISではポルトランドセメン セメントの品質規格の体系が違
囲 ント,高炉セメント セメント又は水硬性結合 うので,従来の規定を維持した。
ト,高炉セメント,フライアッ
及びフライアッシ 材に適用。 シュセメントに限定。
ュセメントに適用。
− − NOTE 1 ISO 29582-2“簡易断熱方削除 JISでは簡易断熱方法を規定し当該国際規格に対するJISはな
NOTE 2 法”との関係について言 ていない。 く,当面,対応JISを制定する予
及している。 定はない。
2 引用規

− − 3 試験方法の概要を記述。 削除 規格の構成体系の違い。 両規格ともヘスの法則を基礎と
しているので,基本的原理に技術
的な差異はない。
3.1 測定 四捨五入によって − − 追加 ISO規格には数値の丸め方の 必要な精度を確保するために規
結果の表 数値を規定の桁数 規定はない。 定した。
示 に丸める。
3.2 許容 2回の測定結果の精 7.1.3 未水和セメントの溶解熱 変更 ISO規格には熱容量及び水和 JISの要求の方が多いが,経験に
差 確さを確認する手 の結果の計算の項におい 追加 セメントの溶解熱測定の許容 基づいて規定された許容差であ
順を規定。 て,手順と許容差とを併 差がない。 り,信頼できる結果とするために
せて規定。 は,必要である。
R5 203 : 201
1
5
3

――――― [JIS R 5203 pdf 15] ―――――

次のページ PDF 16

JIS R 5203:2015の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 29582-1:2009(MOD)

JIS R 5203:2015の国際規格 ICS 分類一覧

JIS R 5203:2015の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISK0050:2019
化学分析方法通則
JISK8001:2017
試薬試験方法通則
JISK8005:2014
容量分析用標準物質
JISK8405:2018
酸化亜鉛(試薬)
JISK8541:2015
硝酸(試薬)
JISK8541:2021
硝酸(試薬)
JISZ8801-1:2019
試験用ふるい―第1部:金属製網ふるい