JIS R 9011:2006 石灰の試験方法 | ページ 4

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14.1.1 要旨 二酸化けい素を除いた溶液又は水酸化物の沈殿を分離した溶液の一定量を分取し,トリエタ
ノールアミン及び必要があれば硫化ナトリウムを加えて妨害元素をマスキングし,水酸化カリウム溶液を
用いてpHを調節した後,NN指示薬を用いてEDTA標準溶液で滴定する。
14.1.2 試薬 試薬は,次による。
a) 水酸化カリウム溶液 水酸化カリウム200 gを水に溶かして1 Lとする。
b) 硫化ナトリウム(10 g/L)
c) トリエタノールアミン(1+1)
d) 0.02 molEDTA標準溶液 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム7.5 gを水に溶かして1 Lとし,ポリ
エチレンの瓶に貯蔵する。この溶液の標定は0.02 mol亜鉛標準溶液を用いJIS K 8001に準じて行う。
e) N指示薬 2-ヒドロキシ-1-(2′-ヒドロキシ-4′-スルホ-1′-ナフチルアゾ)-3-ナフトエ酸0.5 gと硫酸カ
リウム50 gとを混合して均一にすり混ぜ,かっ色瓶に貯蔵する。
14.1.3 操作 試料溶液は,次の(A)及び(B)を用いる。
(A) 滴定法によって酸化アルミニウムを定量したとき,調製した溶液の残りをそのまま試料溶液とす
る。
(B) 質量法によって酸化アルミニウムを定量したとき,保存したろ液をメスフラスコ250 mLに洗い
移し,標線まで水を加えて振り混ぜ,これを試料とする。
試料溶液(A)を用いる場合は10 mL,(B)を用いる場合は20 mLをピペットでビーカー300 mLに分取
し,水を加えて約200 mLとする。これにトリエタノールアミン(1+1)5 mL及び必要があれば硫化ナト
リウム溶液2 mLを加え,次に適量(10)の水酸化カリウム溶液を加えてpH 12.513.0に調節し,23分間
静置した後,NN指示薬0.05 gを加えてEDTA標準溶液で滴定し,赤みが全く消えて鮮明な青色となった
ときを終点とする(11)(12)(13)。
注(10) Hを12.513.0とするために必要な水酸化カリウム溶液の添加量は,普通67 mLである。
(11) 終点の判定には,タングステンランプの光を通して見ると分かりやすい。
(12) 試料がマグネシウムをやや多量に含む場合は,終点の判定が困難となる。このようなときには,
もう一度試料溶液を分取して,次の手順によって滴定をやり直すとよい。
分取した試料溶液に水を加えて約200 mLとし,まずEDTA標準溶液をビュレットから滴加
して,先に滴定したときの使用量より12 mL少ないところでいったんやめ,これにトリエタ
ノールアミン,必要があれば硫化ナトリウム溶液,水酸化カリウム溶液,NN指示薬の順に加
えて終点に達するまで滴定する。
(13) 試料中の酸化マグネシウムの含有率が極めて低い場合は,終点の変色が見にくいので,あらか
じめ0.01 mol塩化マグネシウム溶液12 mLを添加しておくと見やすくなる。
14.1.4 計算 酸化カルシウムの含有率は,次の式によって算出する。
a) 試料溶液(A)を用いた場合
v f .0001 121 6250
CaO 100
m 10
b) 試料溶液(B)を用いた場合
v f .0001 121 6250 250
CaO 100
m 100 20
ここに, CaO : 酸化カルシウムの含有率(%)

――――― [JIS R 9011 pdf 16] ―――――

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v : EDTA標準溶液使用量(mL)
f : EDTA標準溶液のファクタ
m : 二酸化けい素の操作のときはかりとった試料の質量(g)
0.001 121 6 : 0.02 mol(EDTA標準溶液のmol数)×(カルシウムの原子
量)×(酸化カルシウムの分子量)/(カルシウムの原子量)
×1/1 000
1) 試料が多量のマンガンを含むときは,マンガンが,酸化カルシウム及び酸化マグネシウムの滴定の
妨げとなる。通常,石灰中には妨げとなるほどのマンガンは存在しないが,マンガンをやや多量に
含む特殊な石灰の場合は,次のように処理してマンガンを除去する必要がある。
試料溶液(B)の場合 : 保存したろ液に飽和臭素水10 mLを加え,アンモニア水(1+1)を滴加
して溶液を絶えず弱アルカリ性に保ちながら5分間以上煮沸する。沈殿が凝集して溶液が透明とな
った後,ろ紙(5種B,110 mm)でろ過し,温水で約8回洗浄する。ろ液に塩酸(1+1)を加えて
酸性とし,煮沸して過剰の臭素を完全に追い出す。これをメスフラスコ250 mLに移し,定容とし,
試料溶液とする。
2) 五酸化りんの含有率が著しく高い場合に試料溶液(B)を用いると,酸化カルシウムの定量値が多
少低くなることがある。

14.2 過マンガン酸カリウム滴定法

14.2.1 要旨 二酸化けい素を除いた溶液又は水酸化物を分離した溶液の一部を分取し,塩酸で分解し,し
ゅう酸アンモニウム溶液を加え,しゅう酸カルシウムとして分離し,温水及び硫酸を加え遊離したしゅう
酸を熱いうちに過マンガン酸カリウム標準溶液で滴定する。
14.2.2 試薬 過マンガン酸カリウム5.64 gを水に溶かして1 Lとし,フラスコに入れて静かに一度煮沸し
た後,一夜暗所に放置し,ガラスろ過器(G4)でろ過してかっ色瓶に貯蔵する。この溶液1 mLは,約5 mg
の酸化カルシウムに相当する。溶液の標定は,次のとおり行う。
しゅう酸ナトリウム(標準試薬)(14) 約0.8 gを0.1 mgまで正しくはかりとり,これをビーカー500 mL
に入れ,温水150 mLを加えて溶かし,硫酸(1+4)50 mLを加えて約70 ℃に加熱し,熱いうちに過マン
ガン酸カリウム標準溶液で滴定する。この使用量(mL)から次の式によって標準溶液1 mLの酸化カルシ
ウム相当量を算出し,JIS Z 8401によって小数点以下5けたに丸める。
w .0418 5
E2
v
ここに,E2 : 過マンガン酸カリウム標準溶液1 mLの酸化カルシウム相当量
(g)
w : しゅう酸ナトリウム使用量(g)
v : 過マンガン酸カリウム標準溶液使用量(mL)
0.4185 : (酸化カルシウムの分子量)/(しゅう酸ナトリウムの分子量)
注(14) IS K 8005に規定したしゅう酸ナトリウムを300350 ℃に4560分間保ち,硫酸デシケータ
ー中で放冷したものを用いる。

――――― [JIS R 9011 pdf 17] ―――――

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14.2.3 操作 酸化アルミニウム(EDTA滴定法)の操作のとき,調製した残りの試料溶液25 mLを分取し,
塩酸(1+1)約1 mLを加えて加熱する。これにしゅう酸アンモニウム温溶液(40 g/L)20 mLを加え,煮
沸に近い温度でかき混ぜながら溶液が赤色から黄色に変わるまでアンモニア水(1+1)を滴加し,突沸し
ないように注意して12分間煮沸した後,30分間温所に静置する。ろ紙(5種C,110 mm)を用いて上
澄み液をろ過し,ビーカー中に残した沈殿を毎回温水20 mLを用いてデカンテーションによって2回洗浄
し,沈殿を全部ろ紙上に移してから温水で洗浄する。このとき,洗液の合計が150 mL以上になってはい
けない。ろ液は,ビーカー300 mLに受け,そのまま保存して酸化マグネシウムの定量に用いる。
沈殿をろ紙とともにビーカー500 mLに入れ,ろ紙を開いてビーカーの内側に密着させ,洗びんを用いて
沈殿を洗い落とす。これに温水150 mL及び硫酸(1+4)50 mLを加えて約70 ℃に加熱し,ガラス棒でか
き混ぜて沈殿を溶かし,6070 ℃で過マンガン酸カリウム標準溶液で紅色になるまで滴定する。次に,ビ
ーカーに付着しているろ紙をかき落として滴定を続け,紅色が10秒間消えないようになったときを終点と
する。
14.2.4 計算 酸化カルシウムの含有率は,次の式によって算出する。
v E2 250
CaO 100
m 25
ここに, CaO : 酸化カルシウムの含有率(%)
v : 過マンガン酸カリウム標準溶液使用量(mL)
E2 : 過マンガン酸カリウム標準溶液1 mLの酸化カルシウム相
当量(g)
m : 二酸化けい素の操作のとき,はかりとった試料の質量(g)

15. 酸化マグネシウムの定量方法

15.1 EDTA滴定法

15.1.1 要旨 酸化カルシウムの滴定のとき用いた試料溶液の残りから一定量を分取したもの又は14.2.3
で保存したろ液に塩酸ヒドロキシルアミンを加えて鉄(III)イオンを還元し,トリエタノールアミン及び
必要があれば硫化ナトリウムを加えて妨害元素をマスキングし,緩衝液を加えEBT指示薬を用いてEDTA
標準溶液で滴定する。この滴定値から酸化カルシウムの滴定値を差し引いて酸化マグネシウムの含有率を
求める。
15.1.2 試薬 試薬は,次による。
a) 塩酸ヒドロキシルアミン溶液(100 g/L)
b) 硫化ナトリウム溶液(100 g/L)
c) トリエタノールアミン(1+1)
d) 緩衝液 塩化アンモニウム70 gを適量の水に溶かし,アンモニア水570 mLを加え,水を加えて1L
とする。
e) 0.02 molEDTA標準溶液 14.1.2による。
f) EBT指示薬 エリオクロムブラックT0.2 gをトリエタノールアミン15 mL及びエチルアルコール(95)
5 mLに溶かし,スポイト付かっ色瓶に貯蔵する。
15.1.3 操作 酸化カルシウムの滴定に用いられた14.1.3(A),(B)の2種類の試料溶液のうち,先に用
いたと同じ溶液又は14.2.3で保存したろ液を使用する。
試料溶液14.1.3(B)を用いる場合は20 mL,(A)を用いる場合は10 mLをピペットでビーカー300 mL

――――― [JIS R 9011 pdf 18] ―――――

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に分取し,14.2.3で保存したろ液を用いる場合はろ液全容に水を加えて約200 mLとする。これに塩酸ヒド
ロキシルアミン溶液,トリエタノールアミン(1+1),及び必要があれば硫化ナトリウム溶液をそれぞれ5
mLずつ順次加え,次に適量(15)の緩衝液を加えてpH 9.510.0に調節し,EBT指示薬2,3滴を加えてEDTA
標準溶液で滴定し,赤みが消えて鮮明な青色となったときを終点とする(16)。
注(15) H 9.510.0とするために必要な緩衝液の添加量は,普通67 mLである。
(16) 試料中の酸化マグネシウムの含有率が極めて低い場合は,終点の変色が見にくいので,あらか
じめ0.02 mol塩化マグネシウム溶液12 mLを添加して滴定し,算出のとき,EDTA標準溶液
の使用量からこの添加量を差し引く。
15.1.4 計算 酸化マグネシウムの含有率は,次の式によって算出する。
a) 酸化カルシウムをEDTA滴定法で定量した場合
1) 試料溶液(A)を用いた場合
(v1 v2 ) f .0000 806 2 250
MgO 100
m 10
2) 試料溶液(B)を用いた場合
(v1 v2 ) f .0000 806 2 250 250
MgO 100
m 100 20
b) 酸化カルシウムを過マンガン酸カリウム滴定法で定量した場合
v1 f .0000 806 2250
MgO 100
m 25
ここに, MgO : 酸化マグネシウムの含有率(%)
v1 : この操作の滴定のときのEDTA標準溶液使用量(mL)
v2 : 酸化カルシウム滴定のときのEDTA標準溶液使用量(mL)
f : EDTA標準溶液のファクタ
m : 二酸化けい素の操作のとき,はかりとった試料の質量(g)
0.000 806 2 : 0.02 mol(EDTA標準溶液のmol数)×(マグネシウムの
原子量)×(酸化マグネシウムの分子量)/(マグネシウ
ムの原子量)×1/1 000

15.2 原子吸光分析法

15.2.1 要旨 試料を塩酸及び過塩素酸で分解し,ろ過後,ろ液を定容とする。その一部を分取し,原子吸
光光度計によって吸光度を測定して,酸化マグネシウムを定量する。原子吸光分析法は生石灰,消石灰及
び軽焼ドロマイト中に含まれる酸化マグネシウムの定量に適用とする。
15.2.2 装置 原子吸光光度計は,JIS K 0121による。
15.2.3 試薬 試薬は,次による。
a) マグネシウム標準溶液 JIS K 0037に規定する標準物質-標準液-マグネシウムMg1 000を原液として
使用する。この原液1 mLは,Mg1 mgに相当する。
また,JIS K 8432に規定する酸化マグネシウム試薬を700800 ℃で約30分間加熱し,デシケータ
ー中で放冷した後,その1.00 gを塩酸(1+1)10 mLに溶かし数分間煮沸し冷却後メスフラスコ1 000 mL
に移し,標線まで水を加えて振り混ぜたものも原液として使用できる。この原液1 mLは,MgO1 mg
に相当する。
使用に当たって,原液10 mLをピペットで分取,メスフラスコ1 000 mLに入れ,標線まで水を加え

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て振り混ぜ,標準溶液とする。
15.2.4 検量線の作成 検量線の作成は,次による。
a) マグネシウム標準溶液(MgO : 0.01 mg/mL)から,550 mLを段階的にメスフラスコ100 mLに正確
に分取し,標線まで水を加えて振り混ぜる。このとき,試料溶液と同様なマトリックスとなるように,
酸及びカルシウムを添加する。
b) 調製した標準溶液を測定部に導入し,波長285.2 nmで各々の溶液の吸光度を測定し,検量線を作成す
る。
15.2.5 操作 操作は,次による。
a) 12.3.5 a)で調製した試料溶液を使用する。
b) 試料溶液から,225 mL(17)をピペットで分取し,メスフラスコ100 mLに入れ,標線まで水を加えて
振り混ぜ,測定液とする。
注(17) 試料溶液の分取量は,試料の酸化マグネシウムの含有率に応じて表6による。
表 6 試料溶液の分取量
酸化マグネシウムの含有率(%) 分取量(mL)
0.5未満 25
0.5以上1.0未満 10
1.0以上5.0未満 2
5.0以上40.0未満 試料溶液から10倍希釈した溶液から3 mL
c) 検量線作成時と同様に,各試料溶液を測定部に導入し,波長285.2 nmで各々の溶液の吸光度を測定す
る。
15.2.6 計算 検量線を用いて,測定液で測定した発光強度に対応する酸化マグネシウムの含有率を求める。

15.3 発光分光分析法

15.3.1 要旨 試料を塩酸及び過塩素酸で分解し,ろ過後,ろ液を定容とする。その一部を分取し,発光分
光分析装置によって発光強度を測定して,酸化マグネシウムを定量する。発光分光分析法は生石灰,消石
灰及び軽焼ドロマイト中に含まれる酸化マグネシウムの定量に適用とする。
15.3.2 装置 発光分光分析装置は,JIS K 0116による。
15.3.3 試薬 試薬は,次による。
a) マグネシウム標準溶液 JIS K 0037に規定する標準物質-標準液-マグネシウムMg 1 000を原液として
使用する。この原液1 mLは,Mg 1 mgに相当する。
また,JIS K 8432に規定する酸化マグネシウム試薬を700800 ℃で約30分間加熱し,デシケータ
中で放冷した後,その1.00 gを塩酸(1+1)10 mLに溶かし数分間煮沸し冷却後メスフラスコ1 000 mL
に移し,標線まで水を加えて振り混ぜたものも原液として使用できる。この原液1 mLは,MgO 1 mg
に相当する。
使用する場合は,原液10 mLをピペットで分取し,メスフラスコ1 000 mLに入れ,標線まで水を加
えて振り混ぜ,標準溶液とする。
15.3.4 検量線の作成 検量線の作成は,次による。
a) マグネシウム標準溶液(MgO : 0.01 mg/mL)から,550 mLを段階的にメスフラスコ100 mLに正確
に分取し,標線まで水を加えて振り混ぜる。
b) 発光分光分析装置を用いて,波長279.553 nmで各々の溶液の発光強度を測定し,検量線を作成する。
15.3.5 操作 操作は,次による。

――――― [JIS R 9011 pdf 20] ―――――

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