この規格ページの目次
- 5.4 シャッター
- 5.5 試験片支持板
- 5.6 試験片固定板
- 5.7 スペーサ
- 5.8 銅熱量計
- 5.9 データ収集・解析・制御システム
- 5.10 ガス供給部
- 5.11 ガス浮子式流量計
- 5.12 放射計
- 5.13 溶媒
- 6 試験の注意
- 7 試験片のサンプリング
- 7.1 試験片の寸法
- 7.2 試験片の数
- 8 試料調整条件及び試験環境
- 8.1 試料調整条件
- 8.2 試験環境
- 9 試験手順
- 9.1 装置構成及び校正手順
- 9.2 センサの手入れ
- 9.3 試験片ホルダの管理
- 9.4 データのコンピュータ処理
- 9.5 試験片の取付け
- JIS T 8024:2020の引用国際規格 ISO 一覧
- JIS T 8024:2020の国際規格 ICS 分類一覧
- JIS T 8024:2020の関連規格と引用規格一覧
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T 8024 : 2020
5.4 シャッター
シャッターは,熱源と試験片との間に置く。シャッターは,各試験片のばく露の前後に熱源からの熱負
荷を完全に散逸させることができなければならない(通常は,水冷却を用いる)。マイクロスイッチは,シ
ャッターに接続し,手動又は自動で操作する。記録計又はコンピュータから成るデータ収集・解析・制御
システムにばく露の開始時間を記録する。
5.5 試験片支持板
試験片支持板は,中心に100 mm×100 mmの孔があいた200 mm×200 mm×3.2 mm厚の鋼鉄片(7 850
kg/m3±200 kg/m3)から成る(図2参照)。
単位 mm
6.35±0.05
1 試験片支持板
2 試験片固定板
3 スペーサ
図2−試験片ホルダの例
5.6 試験片固定板
試験片固定板は,中心に130 mm×130 mmの孔があいた200 mm×200 mm×3.2 mm厚の鋼鉄片(7 850
kg/m3±200 kg/m3)から成る。スペーサ及び銅熱量計は,試験片固定板の孔に留具を使用せずに収まらな
ければならない(図2参照)。
5.7 スペーサ
スペーサは,中心に100 mm×100 mmの孔があいた130 mm×130 mm×(6.35±0.05) mの鋼鉄片(7 850
kg/m3±200 kg/m3)から成る(図2参照)。
5.8 銅熱量計
銅熱量計は,銅熱量計取付けブロックに熱電対を取り付けた銅板で構成され,次による。
――――― [JIS T 8024 pdf 11] ―――――
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− 銅熱量計は,少なくとも99 %の純度をもつ銅製の質量18.0 g±0.05 g,直径40 mm±0.1 mm,厚さ1.6
mmの銅板及び図3のように接続した熱電対から成る。熱電対は,銅板にピン止め又は高融点はんだ
で接続する。熱電対は,IEC 60584-1及びIEC 60584-3に規定する線径0.254 mm±0.002 mmのタイプ
Jを使用する。他のタイプの熱電対もIEC 60584-1の要求を満たせば,使用することができる。
− 銅熱量計取付けブロックは,図3に規定しているように,機械加工された公称厚さ13 mmのアスベス
トを含まない1枚の128 mm×128 mmの四角形の不燃材料から成る。
− 銅熱量計は,銅熱量計取付けブロックの外周に沿って3か所を平頭ピンによってピン付けする。銅熱
量計の面は,銅熱量計取付けブロックの表面と同一平面になければならない。銅熱量計の表面には,
吸収率0.94以上の黒塗料をスプレーコートし,平たんな薄い層を作る。
− 組み上げた状態の銅熱量計の質量が,合計で1 000 g±10 gで面全体が均一の重さになるように調整す
る。
単位 mm
1 銅板 A 正方形の銅熱量計取付けブロックの詳細
2 熱電対を穴に固定するための銅プラグAa 中心に配置する熱電対の位置
3 熱電対(タイプJ) A-A 熱電対の取付け
4 銅熱量計取付けブロック
図3−銅熱量計
5.9 データ収集・解析・制御システム
試験装置の部品の動きのタイミングの制御,データの記録及び時間間隔の計算を行うために,データ収
――――― [JIS T 8024 pdf 12] ―――――
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集,解析,装置制御システムが必要である。タイミング機能は,シャッターの開閉及び温度記録の開始と
停止を行う。銅熱量計の温度は,200 ℃になるまで,1秒当たり4回以上,最小分解能0.1 ℃及び精度0.75 ℃
で記録しなければならない。タイミングの精度は±2 %とする。銅熱量計の冷接点補正を備え,タイプJ
の熱電対からのミリボルト信号を温度に変換できなければならない。
使用する熱電対の種類に応じて,表1の許容熱量は,温度の関数としての熱電対出力を反映するように
修正するとよい。
5.10 ガス供給部
ガス供給部は,55 kPa±1 kPaにガス供給圧力を制御するための適切な減圧装置及び弁装置を用いたプロ
パンガス(濃度95 %以上)の供給装置とする。標準条件は,空気換算2 L/minに等しい流量とする。
5.11 ガス浮子式流量計
ガス浮子式流量計は,標準状態で空気換算2 L/minの空気の流れをもつ流量計とする。
5.12 放射計
放射計は,25 mmの直径で150°の視野角,少なくとも0 kW/m220 kW/m2の範囲を測定可能な熱流束
計,又は少なくとも1.0 μm3.0 μmの範囲にわたって3 %以内の平たんなスペクトル感度をもつシュミッ
ト−ボルタ又はガードン形放射計とする。放射計は,国家標準にトレーサブルなものでなければならない。
放射計は,±3 %の精度をもたなければならない。放射計が水冷式である場合,冷却水の温度は,測定環
境周囲の露点温度を超えていなければならない。
5.13 溶媒
センサを洗浄するための溶媒は,アセトン又は石油系溶媒等の適切な溶媒とする。
警告 複合熱源の周囲でこれらの溶媒を用いるときには,十分に注意を払わなければならない。
6 試験の注意
燃焼生成物,煙及び煙霧を排出するために,排煙装置を用い,換気できる施設内にて試験を行う。排煙
装置による空気及び煙の吸込みが,火炎の正常な流れを妨げるときには,試験中は装置の周囲を遮蔽する
か,又は排煙装置の電源を切る。試験の後に排煙装置の電源を入れて煙霧を排出する。
ハロゲンランプ又はバーナの周囲で材料を取り扱うときは,注意を払い,熱源及び可燃性材料,例えば,
洗浄溶媒とは安全に十分な距離を確保しておく。また,試験片ホルダ及び銅熱量計は,長時間の試験中に
高温になることから高温の物体を取り扱うときは,冷却するか又は耐熱性保護手袋を用いる。
試験片の中には,直火によって危険になる場合があり,試験片が発火する場合又は可燃性ガスを放出す
る場合には注意する。
試験完了時は,ボンベの燃料ガス供給を遮断し,ガス配管内の燃料ガスを燃やし尽くさなければならな
い。
7 試験片のサンプリング
7.1 試験片の寸法
試験を行う各試験片,防護服などの積層試験片を (150±2) m×(150±2) mに切断する。材料の縦方
向が分かっているときは,これに平行に切断し,試験する防護服を代表する全ての層を含める。
7.2 試験片の数
各材料又は材料の組合せについて,5個以上の試験片を試験しなければならない。
――――― [JIS T 8024 pdf 13] ―――――
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8 試料調整条件及び試験環境
8.1 試料調整条件
試験前に,試験片は24時間以上,温度20 ℃±2 ℃,相対湿度(65±5)%の条件下で調整する。試料調
整後に直ちに試験を行わない場合は,調整後の試験片を密封容器で保管する。試験は,試料調整環境又は
密封容器から試験片を取り出してから3分以内に試験を開始する。
8.2 試験環境
試験は,温度15 ℃30 ℃,相対湿度15 %80 %で,風による影響を受けない環境で行う。
9 試験手順
9.1 装置構成及び校正手順
9.1.1 装置構成及びバーナ火炎位置の確認
装置が箇条5に従って構成されていることを確認する。銅熱量計を取り除き,銅熱量計取付けブロック
を直接熱源の上方に置く。バーナに点火し,試験片が置かれる中心に火炎が集中するようにバーナの角度
を調節する。バーナの火を消す。
9.1.2 対流熱及び放射熱の50 : 50複合熱源の設定
バーナの火炎及びハロゲンランプによる混合熱源の設定は,反復手順で行う。ランプの設定を行った後,
バーナの火炎で総熱流束84 kW/m2±4 kW/m2になるように調節する。
9.1.3 ランプからの放射熱の設定
ハロゲンランプは15分間以上昇温させ,シュミット−ボルタ又はガードン形放射計を用い,15 kW/m2
±4 kW/m2に設定する。放射計は,試験時の銅熱量計の位置に置く。
注記1 使用していない銅熱量計取付けブロックの中心に校正用放射熱センサを取り付けると,この
位置決めが容易になる(図3参照)。
ハロゲンランプの出力は,可変出力制御を使用して行う。設定値が得られたら,シャッターを閉じて放
射熱流束計とその銅熱量計取付けブロックを冷やす。
注記2 使用する放射計の視野角は,150°である。
9.1.4 総熱流束の設定
9.1.3によるランプからの放射熱の設定の後,校正センサ及び銅熱量計取付けブロックを取り外し,銅熱
量計と入れ替える。ガス流量を設定し,バーナ底部のニードルバルブによって火炎を調節して,総熱流束
を84 kW/m2±4 kW/m2に合わせる。火炎が試験片の中心に集中するようにガス流量を調節する。対流熱ば
く露は,試験片の中心に集中する青色火炎から得られる。
ばく露の総熱流束は,ばく露熱及び熱伝達の測定に2種類のセンサを用いることによって生じるエラー
を避けるため,熱伝達を測定するセンサと同じものを使用しなければならない。ただし,互いに2 %以内
の測定差になるような二つの銅熱量計を用いてもよい。附属書Bに,センサ校正の原理を記載する。
シャッターをバーナ及びハロゲンランプの上方に置き,試験片がない状態の試験片ホルダを試験片支持
台の上に置く。銅熱量計を放射熱源に向けて試験片ホルダの上に置く。その後シャッターを開き,銅熱量
計を対流熱及び放射熱の複合熱源に直接ばく露する。
銅熱量計の応答を10秒間以上記録し,その曲線の最初の部分を線形(直線)応答と同一とみなす。10
秒間の応答について得た曲線の線形部分を延長し,0秒及び10秒のときのセンサの読みをそれぞれ測定す
る。その増分を求めるために10秒の読みから0秒の読みを差し引く。また,各ばく露の終了時に,シャッ
ターを閉じて全ての熱を消散させる。
――――― [JIS T 8024 pdf 14] ―――――
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T 8024 : 2020
銅熱量計は室温まで冷却し,次の熱流束測定の前に1分間以上継続して室温に対して±1 ℃に安定化す
るようにする。附属書Bに熱流束計算の詳細を記載する。
銅熱量計の応答は,84 kW/m2±4 kW/m2の熱流束と等価の138 ℃±3 ℃であることが望ましい。
9.2 センサの手入れ
9.2.1 センサの管理
銅熱量計は,試験の実施有無及びセンサが受けるばく露状態にかかわらず,定期検査を行い,必要に応
じて手入れを行わなければならない。少なくとも,各試験片のばく露直後に銅熱量計表面の付着物を取り
除くようにする。
9.2.2 センサの修理
銅熱量計の銅板は,銅熱量計取付けブロックを取り外して,熱電対及び銅板の接続が確実であることを
確認する。ばく露面は,付着物の形成がないか目視確認しなければならない。付着物があれば,表面を再
調整しなければならない。
9.2.3 表面の再調整
付着物が目視で確認できる場合は,センサの表面の再調整が必要である。近くに点火源がないことを確
認し,冷却した銅熱量計を溶媒等で注意深く掃除する。表面に銅板の一部が露出した場合,銅板全体の塗
料をがし再塗装する。再調整したセンサは,試験に使用する前に1回以上校正を行う(9.1参照)。
9.3 試験片ホルダの管理
各試験では,乾燥した試験片ホルダを室温で用いる。幾つかの保持板セットを用いて交代で行うか,水
で冷却して乾燥,又は空気で強制的に冷却する。必要であれば,9.2.3に規定しているように溶媒等を用い
て付着したタール及びすすを取り除く。
9.4 データのコンピュータ処理
表1に示す情報は,コンピュータのソフトウエアにおける性能基準として用いてもよい。この場合,セ
ンサの応答は,熱伝達による熱傷の交点を求めるために,人体皮膚の許容熱量基準と比較する。熱伝達の
熱傷時間及びばく露熱流束の積が,熱防護指数(TPI)である。
注記 報告書に,各試験片についてのセンサの応答を図示すると結果を解釈しやすくなる。
9.5 試験片の取付け
9.5.1 単層試験片
主として単層で用いる試験材料は,接触法又は非接触法で試験を行ってもよい。
接触法における銅熱量計は,試験片と接触して置く。
非接触法では,銅熱量計と試験片との間に6.35 mm±0.05 mmの厚さのスペーサを置く。
試験片の裏側が上になるように試験片支持板の上部中央に試験片を置く。
ばく露中に試験片が動かないように,試験片の上に試験片固定板を置く。
非接触法の場合,試験片固定板の正方形の孔にスペーサを置き,スペーサの上に銅熱量計を置いて,図
1に示すように正方形の孔にはまるようにする。この条件は,スペーサによって作られる試験片とセンサ
との間の空気層を含んだ遮熱特性を測定する。
9.5.2 積層試験片
積層試験は,接触法で行い,裏地となる生地が銅熱量計と接していなければならない。
積層試験片の表地が下向きになるように使用する材料を試験片支持板上に置き,順番に次の層を置く。
積層試験片の裏地が上になるように置き,銅熱量計は,裏地の試験片の上に直接置く。
ばく露中に試験片が動かないように,試験片の上に試験片固定板を置く。
――――― [JIS T 8024 pdf 15] ―――――
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JIS T 8024:2020の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 17492:2019(MOD)
JIS T 8024:2020の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.340 : 防護設備 > 13.340.10 : 防護服
JIS T 8024:2020の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JIST8020:2020
- 熱及び火炎に対する防護服―放射熱ばく露による防護服材料の性能評価
- JIST8021:2020
- 熱及び火炎に対する防護服―火炎ばく露時の熱伝達指数測定方法