JIS T 9002:2021 感染対策医療用マスクの性能要件及び試験方法

JIS T 9002:2021 規格概要

この規格 T9002は、主に医療施設において感染症にり(罹)患している又はり患しているおそれのある患者に対し,手術,治療又は接近する医療従事者などが使用するマスクのうち,一体となったろ過材及び面体,並びにしめひもからなる排気弁をもたない感染対策医療用の単回使用の呼吸用保護具の性能要件及び試験方法について規定。

JIST9002 規格全文情報

規格番号
JIS T9002 
規格名称
感染対策医療用マスクの性能要件及び試験方法
規格名称英語訳
Performance requirements and test methods of filtering facepiece respirators for infection control at medical use
制定年月日
2021年6月16日
最新改正日
2021年6月16日
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‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

11.020.99, 13.100, 13.340.30
主務大臣
経済産業,厚生労働
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
2021-06-16 制定
ページ
JIS T 9002:2021 PDF [7]
                                                                                   T 9002 : 2021

pdf 目 次

ページ

  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[1]
  •  3 用語及び定義・・・・[1]
  •  4 種類・・・・[2]
  •  5 性能・・・・[2]
  •  5.1 一般・・・・[2]
  •  5.2 基本性能−A・・・・[2]
  •  5.3 基本性能−B・・・・[3]
  •  5.4 付加性能・・・・[3]
  •  5.5 材料の皮膚刺激性・・・・[4]
  •  6 試験方法・・・・[4]
  •  6.1 基本性能−Aの試験・・・・[4]
  •  6.2 基本性能−Bの試験・・・・[4]
  •  6.3 付加性能の試験・・・・[5]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS T 9002 pdf 1] ―――――

           T 9002 : 2021

まえがき

  この規格は,産業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本衛生材料工業連合会
(JHPIA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規格を制定すべ
きとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が制定した日本産
業規格である。
  この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
  この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の
特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS T 9002 pdf 2] ―――――

                                      日本産業規格                            JIS
                                                                              T 9002 : 2021

感染対策医療用マスクの性能要件及び試験方法

Performance requirements and test methods of filtering facepiece respirators for infection control at medical use

1 適用範囲

 この規格は,主に医療施設において感染症にり(罹)患している又はり患しているおそれのある患者に
対し,手術,治療又は接近する医療従事者などが使用するマスクのうち,一体となったろ過材及び面体,
並びにしめひもからなる排気弁をもたない感染対策医療用の単回使用の呼吸用保護具(以下,感染対策医
療用マスクという。)の性能要件及び試験方法について規定する。

2 引用規格

  次に掲げる引用規格は,この規格に引用されることによって,その一部又は全部がこの規格の要求事項
を構成している。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
    JIS L 1091 繊維製品の燃焼性試験方法
    JIS T 8001 呼吸用保護具用語
    JIS T 8062 感染性物質に対する防護服−フェースマスク−人工血液に対する耐浸透性試験方法(一
        定量,水平噴出法)
    JIS T 8151 防じんマスク
    JIS Z 8122 コンタミネーションコントロール用語

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,次によるほか,JIS T 8001及びJIS Z 8122による。
3.1
感染対策医療用マスク
  生物粒子,飛まつ(沫),空気中に飛散した体液などから保護するために,医療施設で使用する単回使
用の呼吸用保護具
3.2
試料保持具
  粒子捕集効率試験において,試料とする感染対策医療用マスクを装着するためのもので,通気口をもつ
もの

――――― [JIS T 9002 pdf 3] ―――――

           2
T 9002 : 2021
3.3
通気抵抗測定装着具
  吸気抵抗及び排気抵抗の測定において,試料とする感染対策医療用マスクを装着するためのもので,通
気口及び圧力測定口をもつもの
3.4
人工血液バリア性
  手術などの医療従事中において,患者から飛散しマスクに付着した体液が,裏面まで浸透することを防
ぐ性能

4 種類

  感染対策医療用マスクの種類は,表1による。
                                表1−感染対策医療用マスクの種類
               種類                                説明
            タイプI   医療用として,空気中に浮遊する粒子状物質の吸入を防ぐ性能をもつもの
            タイプII  タイプIの性能に加えて,更に体液ばく(曝)露などのリスクが高い医療作
                       業に対応可能な性能をもつもの

5 性能

5.1 一般

  感染対策医療用マスクの性能は,表2による。
                                表2−感染対策医療用マスクの性能
     種類                         基本性能                               付加性能a)
 タイプI    次のいずれかに適合するもの。                                     −
             − 5.2[基本性能−A b)]及び5.5(材料の皮膚刺激性)
             − 5.3[基本性能−B c)]及び5.5(材料の皮膚刺激性)
 タイプII   次のいずれかに適合するもの。                       次の全てに適合するもの。
             − 5.2[基本性能−A b)]及び5.5(材料の皮膚刺激性) − 5.4.1(人工血液バリア性)
             − 5.3[基本性能−B c)]及び5.5(材料の皮膚刺激性) − 5.4.2(可燃性)
   注a) 付加性能は,体液ばく露などのリスクの高い医療作業用として必要となる性質である。
   注b) 基本性能−Aは,JIS T 8151で規定する使い捨て式防じんマスクのうち該当する種類の性能。JIS T 8151で
        規定する使い捨て式防じんマスクの性能は,労働安全衛生法における“防じんマスクの規格”で規定する
        使い捨て式防じんマスクの性能と同じである。基本性能−AをもつものとしてはDS2などがある。
   注c) 基本性能−Bは,米国42 CFR 84で規定するろ過式呼吸用保護具の粒子用の使い捨て式マスクの性能を参
        考にしている。基本性能−BをもつものとしてはN95などがあり,基本性能−B及び付加性能をもつもの
        としてはサージカルN95などがある。

5.2 基本性能−A

5.2.1 粒子捕集効率
  粒子捕集効率は,6.1.1によって試験したとき,塩化ナトリウム(NaCl)粒子に対する粒子捕集効率は,
95 %以上でなければならない。

――――― [JIS T 9002 pdf 4] ―――――

                                                                                             3
                                                                                   T 9002 : 2021
  注記 JIS T 8151では,粒子捕集効率が95 %以上のものがDS2に,及び粒子捕集効率が99.9 %以上の
        ものがDS3に該当している。
5.2.2 吸気抵抗
  吸気抵抗は,6.1.2によって試験したとき,表3のとおりでなければならない。
5.2.3 排気抵抗
  排気抵抗は,6.1.3によって試験したとき,表3のとおりでなければならない。
                                   表3−吸気抵抗及び排気抵抗
                                                                          単位 Pa
                粒子捕集効率による区分       吸気抵抗             排気抵抗
              a) 粒子捕集効率が95 %以上       50以下               50以下
                 の旨の表示があるもの
              b) 粒子捕集効率が99.9 %以      100以下              100以下
                 上の旨の表示があるもの
               注記 表中のa)及びb)は,それぞれJIS T 8151のDS2及びDS3に相当している。
5.2.4 二酸化炭素濃度上昇値
  二酸化炭素濃度上昇値は,6.1.4によって試験したとき,1.0 %以下でなければならない。

5.3 基本性能−B

5.3.1 粒子捕集効率
  粒子捕集効率は,6.2.1によって試験したとき,塩化ナトリウム(NaCl)固体粒子に対する粒子捕集効率
が95 %以上でなければならない。
  注記 米国42 CFR 84のNシリーズでは,粒子捕集効率が95 %以上のものはN95,粒子捕集効率が99 %
        以上のものはN99,及び粒子捕集効率が99.97 %以上のものはN100に該当する。
5.3.2 通気抵抗
  通気抵抗は,6.2.2によって試験したとき,次のとおりでなければならない。
a) 吸気抵抗 : 343 Pa以下
b) 排気抵抗 : 245 Pa以下
  注記 米国42 CFR 84のNシリーズではmmH2Oの単位で表され,吸気抵抗 : 35 mmH2O以下,排気抵
        抗 : 25 mmH2O以下となっている。ここで,1 mmH2O=9.806 65 Pa。

5.4 付加性能

5.4.1 人工血液バリア性
  人工血液バリア性は,6.3.1によって試験したとき,10.6 kPa以上でなければならない。
  注記 試験方法を規定するJIS T 8062では,10.6 kPa,16.0 kPa及び21.3 kPaの3種類の圧力が用いら
        れ,浸透が見られなかった最も高い圧力によって人工血液バリア性が表される。

――――― [JIS T 9002 pdf 5] ―――――

           4
T 9002 : 2021
5.4.2 可燃性
  可燃性は,6.3.2によって試験したとき,表5の区分1でなければならない。

5.5 材料の皮膚刺激性

  感染対策医療用マスクの皮膚に接触する部分に用いる材料は,皮膚に有害な影響を与えないものでなけ
ればならない。

6 試験方法

6.1 基本性能−Aの試験

6.1.1 粒子捕集効率試験
  粒子捕集効率試験は,JIS T 8151の8.1(粒子捕集効率試験)による。
6.1.2 吸気抵抗試験
  吸気抵抗試験は,JIS T 8151の8.2(吸気抵抗試験)による。
6.1.3 排気抵抗試験
  排気抵抗試験は,JIS T 8151の8.3(排気抵抗試験)による。
6.1.4 二酸化炭素濃度上昇値試験
  二酸化炭素濃度上昇値試験は,JIS T 8151の8.5(二酸化炭素濃度上昇値試験)による。

6.2 基本性能−Bの試験

6.2.1 粒子捕集効率試験
  粒子捕集効率試験は,次のとおりとする。
a) 感染対策医療用マスク全体を試料とし,20個の試料について粒子捕集効率試験を実施する。
b) 粒子捕集効率試験は,試料を試料保持具に取り付けて実施する。
c) 粒子捕集効率試験の前に,包装から取り出した試料を38 ℃±2.5 ℃で(85±5)%RHの環境中に25
    時間±1時間放置する。その後,気密性容器内に密封し,10時間以内に試験を実施する。
d) 各試料について,85 L/min±4 L/minの定常流量で試験する。
e) 粒子捕集効率の試験には,ボルツマン平衡状態に中和された25 ℃±5 ℃で(30±10)%RHの塩化ナ
    トリウム又は同等の固体粒子を使用する。
f) 各試料について,200 mg/m3を超えない濃度で試験する。
g) 試験は,最低の粒子捕集効率に達するまで,又は試料に供給される試験粒子が200 mg±5 mgに達す
    るまで続ける。
h) 試験の塩化ナトリウム粒子は,走査型移動度粒径測定器又はこれと同等の装置を用いて求めたとき,
    個数中央径が0.075 μm±0.020 μmで標準幾何偏差が1.86の粒径分布とする。
i) 試料の粒子捕集効率は,適切な前方光散乱光度計又はこれと同等の装置によって,試験時間中計測し

――――― [JIS T 9002 pdf 6] ―――――

                                                                                             5
                                                                                   T 9002 : 2021
    記録する。
j) 20個の試料全てについて,所定の粒子捕集効率を満足しなければならない。
      注記 米国42 CFR 84のNシリーズでは,N95の粒子捕集効率が95 %以上,N99の粒子捕集効率
            が99 %以上及びN100の粒子捕集効率が99.97 %以上である。
6.2.2 通気抵抗試験
  感染対策医療用マスク全体を通気抵抗測定装着具に装着し,空気の定常流を85 L/min±2 L/minで通気し
たときの通気抵抗を測定する。

6.3 付加性能の試験

6.3.1 人工血液バリア性試験
  人工血液バリア性試験は,JIS T 8062の試験方法又はこれと同等の試験方法による。ただし,JIS T 8062
で使用する人工血液は,表4の成分からなり,比重0.995以上1.015以下,リング法(DuNouy法)による
表面張力が40 mN/m±5 mN/m(dyn/cm)のものを使用する。
                                   表4−人工血液の成分配合量
                                   成分                      配合量
                     蒸留水                            0.975 L (pH 7.0±0.5)
                     アクリゾール(Acrysol)G111増粘剤       50.0 g
                     着色剤及び界面活性剤を含む赤色染料      10.0 g
  注記 同等の試験方法を規定する規格としては,ASTM F1862などがある。
6.3.2 可燃性試験
  可燃性試験は,JIS L 1091の8.3[C法(燃焼速度試験)]の試験方法又はこれと同等の試験方法による。
ただし,可燃性の区分は,表5による。
                                       表5−可燃性の区分
           区分  表面が平滑なもの                 表面が起毛されたもの
            1  燃焼速度3.5秒以上  燃焼速度7.0秒を超えるもの。又は
                                    地組織の燃焼がなく,燃焼速度7.0秒以下(SFBB)
            2  なし               地組織の燃焼があり,燃焼速度4.0秒以上7.0秒以下(SFBB)
            3  燃焼速度3.5秒未満  地組織の燃焼があり,燃焼速度が4.0秒未満(SFBB)
  注記 同等の試験方法を規定する規格としては,米国16 CFR 1610などがある。
参考文献
  [1] 防じんマスクの規格(昭和63年労働省告示第19号)
  [2] 42 CFR 84,Approval of Respiratory Protective Devices
  [3] ASTM F1862,Standard Test Method for Resistance of Medical Face Masks to Penetration by Synthetic Blood
      (Horizontal Projection of Fixed Volume at a Known Velocity)
  [4] 16 CFR 1610,Standard for the Flammability of Clothing Textiles

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