JIS T 9275:2015 福祉用具―体位変換用具 | ページ 2

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1) 製品の例 2) 使用例
a) 主に体位の変換を目的とした例
1) 製品の例 2) 使用例
b) 主に体位の保持を目的とした例
図4−体位変換用クッション 形状固定形の例

5 一般要求事項

5.1 リスクマネジメントによる設計

  リスクマネジメントによる設計は,附属書Aに記載した要因などについて実施し,残留リスクを受容で
きる範囲にとどめることが望ましい。
なお,リスクマネジメントによる設計を実施する場合は,要因項目,実施手順及び結果を製造業者又は
販売業者によって文書化し,維持しなければならない。

5.2 材料

  材料は,次による。
a) 体位変換用具の材料は,難燃性であることが望ましい。難燃性を表明する場合には,難燃性に関する
日本工業規格(日本産業規格)の試験方法名,規格番号,及び区分がある場合はその区分を製品に表示する。
b) 体位変換用シート及び体位変換用クッションのカバーの布地は,JIS L 1096で規定する破裂強度又は
引張強度が次の強度以上の布地とすることが望ましい。
1) 編物は,破裂強度1 000 kPa。
2) 織物は,縦方向及び横方向共に引張強度225 N(25 mm幅のつかみ)。

5.3 外観

  外観は,目視によって試験したとき,仕上げは良好で,ほつれ,破れ,欠けなどがあってはならない。

5.4 構造

  体位変換用具は,使用者の身体に接触する部分に,皮膚とこすれると出血などのけがの可能性がある金
属などの硬い部分が露出していてはならない。また,ファスナなどを体位変換用クッションの表面及びカ
バーに設ける場合には,スライダー部が覆われるようにする。

――――― [JIS T 9275 pdf 6] ―――――

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5.5 性能

5.5.1  体位変換用シートの性能
体位変換用シートは,7.17.4の試験を行ったとき,表2の規定に適合しなければならない。洗濯が可
能と表示する体位変換用シートは,6.2.1に規定する洗濯を行った後に7.17.4の試験を行う。
表2−体位変換用シートの性能
項目 性能 試験方法 適用
寸法 表示値(cm)に対して±5 %以内とする。 7.1 −
洗濯後の場合はa),表示値(cm)に対して±10 %以
内とする。
縫い目の引張切断があってはならない。 7.2 体位変換用シートを引っ張って
強さ 使用するもののうち,布地を縫
い合わせた部分をもつものに限
る。
持ち手の引張破れ,ほつれなど使用上問題となる破損があっては 7.3 持ち手があるものに限る。
強さ ならない。
滑りやすさ 区分記号A,B,Cのいずれかとし,表示する区分記 7.4 −
号に応じた性能を満足しなければならない。
注a) 洗濯可能と表示する体位変換用シートに適用する。
5.5.2 体位変換用クッションの性能
体位変換用クッションは,7.1及び7.57.8の試験を行ったときに,表3の規定に適合しなければなら
ない。洗濯が可能と表示する体位変換用クッションは,6.2.1に規定する洗濯を行った後に7.1及び7.5
7.8の試験を行う。
表3−体位変換用クッションの性能
項目 性能 試験方法 適用
自由成形形 形状固定形及び空気圧形
寸法 表示値(cm)に対して長表示値(cm)に対して± 7.1 −
5 %以内とする。
さ・幅は±5 %以内とし,
高さは±10 %以内とす 洗濯後の場合はa),表示
る。 値(cm)に対して±10 %
洗濯後の場合はa),表示以内とする。
値(cm)に対して長さ・
幅は±10 %以内とし,高
さは±20 %以内とする。
クッションの破損があってはならない。 7.5 −
強度
耐久性 破損があってはならない。 7.6 −
持ち手の強度 破損があってはならない。 7.7 持ち手があるものに限る。
底着き 100 Nの力で底着きが発生してはならない。 7.8 体位の保持を目的とするものに
限る。
注a) 洗濯可能と表示する体位変換用クッションに適用する。
5.5.3 電気的安全性
電装品を装備した場合の電気的安全性は,関連する強制法規に適合しなければならない。

――――― [JIS T 9275 pdf 7] ―――――

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注記 電気的安全性については,電気用品安全法が制定されている。

6 試験条件

6.1 試験室

  試験室の状態は,温度23 ℃±5 ℃,相対湿度(50±15)%とする。

6.2 試料の調製

6.2.1  洗濯
洗濯可能と表示する体位変換用具は,JIS L 0217に規定する記号を表示する場合は,JIS L 0217の3.(試
験方法)に規定する方法によって洗濯を10回行い,JIS L 0217に規定する記号を表示しない場合は,製造
業者の指定する洗濯方法によって洗濯を10回行う。
6.2.2 試料の標準状態
試料は,6.1の試験室に1時間以上放置する。

6.3 許容差

  特に規定のない限り,力の許容差は±5 %,質量の許容差は±5 %,寸法の許容差は±10 %,時間の許容
差は±5 %とする。

7 試験方法

7.1 寸法

7.1.1  測定具
寸法の測定は,JIS B 7512に規定する鋼製巻尺の2級,JIS B 7516に規定する金属製直尺の2級又は同
等以上の測定具を使用する。
7.1.2 手順
手順は,次による。
a) 体位変換用シート 体位変換用シートを平らな台の上に置き,不自然なしわ及び張力を取り除いた状
態で,滑り面の寸法(cm)を小数点以下1桁まで測り,四捨五入によって整数に丸める。
なお,筒状の体位変換用シートなどで測定箇所に膨らみが生じる場合は,金属製直尺を用い,軽く
押さえて測定する。
b) 体位変換用クッション
1) 自由成形形は,平らな台の上に置いて充物を均等にならした後,表示項目の寸法(cm)を小数点
以下1桁まで測り,四捨五入によって整数に丸める。
2) 形状固定形は,各辺の長さ(cm)(円筒形は直径及び長さ),複雑な形状の物は表示項目の寸法(cm)
を小数点以下1桁まで測り,四捨五入によって整数に丸める。
3) 空気圧形は,空気を入れて使用状態にしたときの表示項目の寸法(cm)を小数点以下1桁まで測り,
四捨五入によって整数に丸める。

7.2 縫い目の引張強さ

7.2.1  試験片の採取
試験片は図5の例で示すとおり,試料の縫い目が中央で直線状となる任意の箇所から,3枚採取する。
試験片の寸法は,長さ約15 cm,幅約10 cmとする。
なお,中綿などの充物がある場合は,可能な限り取り除く。

――――― [JIS T 9275 pdf 8] ―――――

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図5−試験片の採取例(体位変換用シートの引張強さ)
7.2.2 手順
全ての試験片について,JIS L 1093の7.1.1(A-1法)によって引張試験機に取り付け,225 Nまでの力
で引っ張り,切断しないことを確認する。
なお,縫い目がつかみ間の中央になるように試験片を取り付ける。

7.3 体位変換用シートの持ち手の引張強さ

7.3.1  装置及び試験の準備
装置は,フック及びおもりとする。試験の準備は,試料である被評価製品をワイヤで引き上げるための
フックの取付けであり,次による。
a) フックは,持ち手に取り付ける箇所の長さが5 cm±1 cm,幅は持ち手に完全にかかる大きさとし,持
ち手と接触する箇所は滑らかなものとする。ただし,フックが持ち手に入らないときは,持ち手に入
る最大の長さとする。
b) 向かい合う持ち手が2組以上並んであるものは,試料を平らな台の上に敷き,片側に2か所ずつ,合
計4か所の持ち手にフックを取り付ける。向かい合う持ち手が3組以上ある場合は,各側の持ち手中
心間の距離が100 cmに近い向かい合う各持ち手にフックを取り付ける。
c) 向かい合う持ち手が1組だけのもの,又は1辺だけに持ち手があるものは,使用上最も不利となる一
つの持ち手にフックを取り付ける。
7.3.2 手順
手順は,次による。
a) 試料が7.3.1 b) による場合は,合計質量が100 kgになる砂袋をフックを取り付けた持ち手間の内側で
幅が約70 cmとなる部分の試料上に均等に敷き詰める。向かい合うフックを長さ約100 cmのワイヤで
つなぎ,ワイヤと試料との間に外径約3 cmのパイプを通し,試料が持ち上がるまでパイプを静かに引
き上げて1分間保持し,破損の有無を確認する[図6 a) 参照]。

――――― [JIS T 9275 pdf 9] ―――――

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a) 向かい合う持ち手が2組以上並んである例 b) 向かい合う持ち手が1組だけ,
又は1辺だけにある例
図6−試験方法の例
b) 試験片が7.3.1 c) による場合は,フックとおもりを合わせた質量が26 kgのおもりをフックに取り付
け,シートの反対側の位置をつ(吊)り上げジグによってつかみ,静かに試料を持ち上げて1分間保
持し,破損の有無を確認する[図6 b) 参照]。

7.4 体位変換用シートの滑りやすさ

  体位変換用シートの滑りやすさは,使用状態にした試料に被介助者を想定した荷重を載せて水平に引っ
張るときに,被介助者を動かし始めるために必要な静摩擦力として求める。
7.4.1 試験装置
試験装置は,次による。
7.4.1.1 圧子
圧子は,そり(スレッド)とおもりとによって構成し,試料に試験荷重に相当する法線力を与える装置
であり,縦380 mm±3 mm,横240 mm±3 mmの長方形の平たん(坦)で滑らかな底面をもつそりとする
(図7参照)。均一な圧力分布をかけるために,圧子の底面に,被覆材料として,約3 mm厚で硬さがJIS
K 6253-3に規定するタイプAデュロメータによって,A50±15のゴム板を取り付ける。この被覆材料の表
面は,十分にきめ細かく,試料が型押しされないようなものでなければならない。
図7−そりに試験荷重を載せた例

――――― [JIS T 9275 pdf 10] ―――――

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