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JIS X 6105:1988 規格概要
この規格 X6105は、計数形電子計算機及び類似の機械相互間において,情報交換に用いられる磁気テープの情報記録様式のうち,GCR(Group-Coded Recording)方式を用い,データ密度246cpmm,トラック数9個のものについて規定。
JISX6105 規格全文情報
- 規格番号
- JIS X6105
- 規格名称
- GCR方式による12.7mm幅,9トラック,246cpmm,情報交換用磁気テープの情報記録様式
- 規格名称英語訳
- 9-Track, 12.7 mm wide magnetic tape for information interchange -- Format and recording using group coding at 246 cpmm
- 制定年月日
- 1988年7月1日
- 最新改正日
- 2019年10月21日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- ISO 5652:1984(MOD)
- 国際規格分類
ICS
- 35.220.22
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 1988-07-01 制定日, 1993-12-01 確認日, 1998-12-20 確認日, 2004-11-20 確認日, 2010-01-20 確認日, 2014-10-20 確認日, 2019-10-21 確認
- ページ
- JIS X 6105:1988 PDF [18]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
X 6105-1988
GCR方式による12.7mm幅,9トラック,246cpmm,情報交換用磁気テープの情報記録様式
9−Track, 12.7 mm Wide Magnetic Tape for Information Interchange−
Format and Recording, Using Group Coding at 246 cpmm
1. 適用範囲 この規格は,計数形電子計算機及び類似の機械相互間において,情報交換に用いられる磁
気テープ(以下,テープという。)の情報記録様式のうち,GCR (Group−Coded Recording) 方式を用い,
データ密度246cpmm,トラック数9個のものについて規定する。
引用規格、対応国際規格及び関連規格 : 16ページに示す。
2. 用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,次のとおりとする。
(1) CR方式 テープ上に一連の2進符号を逐次記録する場合,7データバイトごとにECCキャラクタ
を挿入し,4ビットから5ビットに変換し,更に158個のデータ記録群ごとに制御用の信号を挿入す
る記録方式。
(2) 磁気テープ 計数形電子計算機及び類似の機械において,情報を入力,出力又は記録するための磁気
的信号を記録保持するテープ。
(3) 標準テープ テープの電磁変換特性の標準として用いられ,その特性値が国際標準化機構 (ISO) によ
って規定されるテープ。
(4) 副標準テープ テープの電磁変換特性を標準テープのそれと比較するために用いられ,その特性と標
準テープの特性との偏差が明示されて,実測値の偏差を補正することによって,間接的に供試テープ
と標準テープとの特性との比較を行うことを可能にするようなテープ。
(5) 基準磁界 標準テープに記録密度356ftpmmで相連続する磁束反転を記録して,これを再生するとき,
その再生出力電圧が最大出力電圧(飽和値)の95%となるような最小印加磁界。
(6) 基準せん(尖)頭出力電圧 標準テープに記録密度356ftpmm,基準磁界を生じさせる電流の1.31.5
倍の記録電流によって,相連続する磁束反転を記録し,これを再生するときに得られる平均せん(尖)
頭 (P−P) 出力電圧。
(7) 基準縁 テープの磁性面を上側にして水平に置き,記録時のテープの進行方向が左から右方向になる
ように見たときの奥側の縁。
(8) トラック 磁気テープの表面に一連の情報を蓄え,1個のヘッドで読出し又は書込みができる部分。
(9) 列 1組の9ビットがテープ幅方向に記録されている部分。
(10) 記録密度 トラックの長さ1mm当たりに記録された磁束反転数 (ftpmm) 。
――――― [JIS X 6105 pdf 1] ―――――
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X 6105-1988
(11) データ密度 テープの長さ1mm当たりに記録されたデータキャラクタ数 (cpmm) 。
(12) スキュー 1列内のビットの長手方向の最大位置ずれ量。
(13) CCキャラクタ データ群の中で誤りの検出及び訂正に用いるキャラクタ。
(14) 補助CRCキャラクタ ブロックのデータ部分内の誤り検出に用いるキャラクタ。
(15) RCキャラクタ ブロック全体にわたっての誤り検出に用いるキャラクタ。
(16) プリアンブル 各記録ブロックの先端を示す信号パターン。主として電子回路の同期に用いる。
(17) ポストアンブル 各記録ブロックの終端を示す信号パターン。
(18) 記録密度識別バースト GCR方式で使用している記録密度を識別するために記録したテープ先端部
の信号。
(19) RA領域 テープ先端部において読取り増幅器の利得設定に用いるための信号を記録した領域。
3. テープの使用条件
3.1 使用環境条件 記録時及び再生時のテープの使用環境条件は,次のとおりとする。
温度 1632℃
相対湿度 2080%
湿球温度 25℃以下
この使用環境条件を超えて保管又は輸送されたテープを使用する場合は,その状況によって212時間
使用環境に慣らしてから使用することが望ましい。
3.2 記録済みテープの保存環境条件 情報交換に用いる記録済みテープの保存環境条件は,次のとおり
とする。
温度 532℃
相対湿度 2080%
湿球温度 26℃以下
3.3 記録済みテープの輸送条件 発送者は,輸送中の損傷を防ぐために附属書1の諸事項に対する適切
な処置をとるものとする。
3.4 巻取り張力 記録済みテープの巻取り張力は,23.6Nとする。
3.5 使用テープ 情報交換に用いるテープは,JIS X 6101(情報交換用磁気テープ)に規定するもののう
ち記録密度の呼びが356ftpmmに適合するものを用いなければならない。
4. 記録の一般的必要条件
4.1 記録方式 記録方式はNRZ-1とし,“1”は磁化の方向の変化で表す。記録磁化は,テープの長手方
向に対して行う。
参考 NRZ-1方式 テープの1トラックに一連の2進符号を逐次記録する場合,符号“1”に対して
は磁束を反転し,符号“0”に対しては磁束を反転しない記録方式。
4.2 記録密度 公称記録密度は,356ftpmmとする。そのほかに特に定められた測定を行う場合の公称記
録密度として,178ftpmm及び119ftpmmを用いる。
4.3 平均磁束反転間隔 平均磁束反転間隔は,記録密度178ftpmmで記録されたテープを用いて測定し,
次の条件を満足しなければならない。
また,178ftpmmにおける公称磁束反転間隔は,5.618
(1) 静的磁束反転間隔は,連続する5×105個以上の磁束反転間隔の平均とし,公称磁束反転間隔の±4%
――――― [JIS X 6105 pdf 2] ―――――
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の範囲とする。
(2) 動的磁束反転間隔は,ある特定の磁束反転間隔に関して,その磁束反転間隔とその直前の磁束反転間
隔との平均とし,静的磁束反転間隔の±6%の範囲とする。ただし,動的磁束反転間隔の変動は,1磁
束反転当たり0.2%を超えてはならない。
4.4 瞬時磁束反転間隔 瞬時磁束反転間隔は,再生過程,記録過程,記録されたパターン(パルス凝縮
効果)及びその他の要因によって変動する。瞬時磁束反転間隔は,附属書2の試験条件において,次の条
件を満足しなければならない。
(1) 記録密度356ftpmmにおいて連続する磁束反転の間隔d1は,178ftpmmにおける動的磁束反転間隔の
4852%であること(図1参照)。
図1 瞬時磁束反転間隔(1)
(2) ビットパターン“1110011100···”の磁束反転が連続するとき,基準磁束反転(図2中の×印の磁束反
転)の両側の平均磁束反転間隔の基準磁束反転からの変位は,356ftpmmにおける平均磁束反転間隔の
±28%の範囲であること。
図2 瞬時磁束反転間隔(2)
0.72d1≦d5の平均≦1.28d1
0.72d1≦d5の平均≦1.28d1
0.72d1≦d5の平均≦1.28d1
0.72d1≦d5の平均≦1.28d1
静的磁束反転間隔と動的磁束反転間隔との許容範囲は,この誤差に含まれる。ビットパターン
“1110011100···”の磁束反転が連続するとき,隣接する基準磁束反転の間隔d6の平均と356磁束反転
における6個の磁束反転の計算値5d1との差は,6%を超えてはならない。
4.94d1≦d6の平均≦5.06d1
4.5 スキュー 同一の列において,いかなる磁束反転も他の磁束反転からの変位は16.86
ならない。この変位は,基準縁に垂直で,これらの磁束反転を通る直線間の距離として測定する。
4.6 信号振幅
4.6.1 平均信号振幅 平均信号振幅は,次のとおりとする。
(1) 記録密度356ftpmmにおける平均信号振幅は,基準せん頭出力電圧の±50%を超えてはならない。
(2) 記録密度119ftpmmにおける平均信号振幅は,基準せん頭出力電圧の5倍未満とする。
(3) 平均信号振幅は,相連続する4 000磁束反転以上にわたり,再生された出力の平均値とする。測定は,
――――― [JIS X 6105 pdf 3] ―――――
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記録後の第1回目の再生において行う。
4.6.2 最小信号振幅 テープは,最後のマーク1制御副群以後に,2トラック以上にわたり,再生された
電圧の0Vを基準にした波高値が基準せん頭出力電圧の15%に満たない磁束反転があってはならない。
4.7 消去 消去は,次のとおりとする。
(1) 消去の極性 テープの消去部分における磁化は,テープ始端が北極,終端が南極を指す方向とする。
(2) 消去の幅 テープの消去部分における消去の幅は,テープ全幅とする。
(3) 消去効果 テープを消去したとき,残存する信号がNRZ-1方式で32ftpmm,PE方式で126ftpmm及び
GCR方式で356ftpmmのいずれの場合でも,残存する信号の再生出力は,356ftpmmにおける基準せ
ん頭出力電圧の4%を超えてはならない。
5. トラック
5.1 トラック数 トラックの数は,9個とする。
5.2 トラック番号 トラックは,基準縁に近い方から順次に1から9までの番号を付けて呼ぶ。
5.3 トラックの位置 各トラックの中心線と基準縁との間隔は,表1のとおりとする。
5.4 トラックの寸法 情報が記録されたトラックの幅は,1.09mm以上とする。
表1 トラックの位置
単位mm
トラックの中心線
トラック番号
と基準縁との間隔
1 0.74±0.08
2 2.13±0.08
3 3.53±0.08
4 4.93±0.08
5 6.32±0.08
6 7.72±0.08
7 9.12±0.08
8 10.52±0.08
9 11.91±0.08
6. データの表現 データは,JIS X 0201(情報交換用符号)及びJIS X 0202(情報交換用符号の拡張法)
に規定される7単位符号又は8単位符号によって表現する。符号とトラック番号の対応は,JIS X 0204(情
報交換用符号の磁気テープ上での表現)による。
参考 7単位符号とトラック番号の対応は,参考表1のとおりとする。トラック7は,常に“0”を記
録する。pはパリティビットで,パリティは奇数とする。
参考表1 7単位符号のデータの表現
2進化符号 20 21 22 23 24 25 26 − −
7単位符号 b1 b2 b3 b4 b5 b6 b7 − p
トラック番号 2 8 1 9 3 5 6 7 4
8単位符号とトラック番号との対応は,参考表2のとおりとする。pはパリティビットで,パ
リティは奇数とする。
――――― [JIS X 6105 pdf 4] ―――――
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参考表2 8単位符号のデータの表現
2進化符号 20 21 22 23 24 25 26 27 −
8単位符号 b1 b2 b3 b4 b5 b6 b7 b8 p
トラック番号 2 8 1 9 3 5 6 7 4
7. データフォーマット 記録前に,データを検査キャラクタ付きの群形式に編成する。一連のデータ群
を制御キャラクタ群(剰余群及びCRC群)と共に所定の手順で順次編成する。編成したデータ群及び制
御キャラクタ群は,8.に示す方法でビット変換してテープ上に記録する。
7.1 データ群 データ群は,次の8バイトから成る(図3参照)。
群位置17 : データバイト
群位置8 : ECCキャラクタ
7.2 剰余群 剰余群は,次の8バイトから成る(図3参照)。
群位置16 : 残留データバイト,空きがある場合にはパディングキャラクタ[奇数パリティの
バイト (00) ]
群位置7 : 補助CRCキャラクタ
群位置8 : ECCキャラクタ
7.3 CRC群 CRC群は,次の8バイトから成る(図3参照)。
群位置1 : 先行データ群の総数が奇数の場合にはCRCキャラクタ,偶数の場合には奇数パリ
ティのバイト (00)
群位置26 : CRCキャラクタ
群位置7 : 剰余数キャラクタ
群位置8 : ECCキャラクタ
――――― [JIS X 6105 pdf 5] ―――――
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JIS X 6105:1988の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 5652:1984(MOD)
JIS X 6105:1988の国際規格 ICS 分類一覧
JIS X 6105:1988の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISX0201:1997
- 7ビット及び8ビットの情報交換用符号化文字集合
- JISX0202:1998
- 情報技術―文字符号の構造及び拡張法
- JISX0204:1969
- 情報交換用符号の磁気テープ上での表現
- JISX0601:2014
- 情報交換用磁気テープのラベル及びファイル構成
- JISX6101:1991
- 情報交換用磁気テープ