JIS X 7779:2012 音響―情報技術装置から放射される空気伝搬騒音の測定 | ページ 11

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て関係づけられる。
注記2 式(D.8)はISO 7779:2010に誤りがあり,これを訂正したものである。
D.9 TNR(tone-to-noise ratio)法
D.9.1 FFT分析器を使った測定
8.7の測定のために使用するものと同じ作動モード及び同じ測定条件に対し,ハニング時間窓関数及び実
効値平均(線形平均)を使い,測定位置(D.4参照)における信号のパワースペクトル密度(又は音圧レ
ベル)が得られるようにFFT分析器の操作手順に従う。FFT分析器の入力信号には,A特性のような,周
波数重み付け特性を適用してはならない。FFT分析では,実効値平均(線形平均)及びハニング窓関数を
使い,8.7.2の分析時間の要件を満足するため,十分な回数の平均を行わなければならない。ズーム帯域の
中心周波数を離散周波数音の周波数にほぼ対応させ,その帯域幅は臨界帯域幅と同じか,できれば僅かに
広くしてズーム分析するのが望ましい。
注記 信号のパワースペクトル密度は,通常,ある量の,1サイクル当たりの平均二乗値[例えば,
周波数に対して,1サイクル当たりの平均二乗電圧の場合,単位をボルト二乗毎ヘルツ(V2/Hz)
とするか,又は1サイクル当たりの平均二乗音圧の場合,単位をパスカル二乗毎ヘルツ(Pa2/Hz)]
として計算される。TNR( を算出する目的の場合,実測されるパワースペクトル密度の
単位は重要ではなく,基準値(1 V又は20 μPa)に対する絶対校正は必要ではない。しかし,
測定器(FFT分析器)をパスカル二乗毎ヘルツの単位で校正しておけば,そのまま音圧レベル
が得られるようになる。この附属書の手順では,このように校正してあることを想定しており,
この附属書中では“平均二乗音圧”として記述してあるが,任意の量を使用できるように,そ
の記号は“X”としている。
D.9.2 離散周波数音のレベルの算出
離散周波数音の平均二乗音圧Xt(又は離散周波数音の音圧レベルLt)は,D.9.1のとおりに測定したFFT
スペクトルから,離散周波数音を“定義する”狭い帯域内部の平均二乗音圧(又は音圧レベル)を計算す
ることによって算出される。この周波数の幅ft (Hz)は,その帯域内に含まれる離散的なデータポイント数
(“ライン数”)と,分解能幅(“ライン間隔”)との積に等しくなる。Xt(又はLt)を計算するために選択
した周波数帯域幅が,その離散周波数音の周波数を中心とする臨界帯域幅の15 %よりも広くなった場合,
分解能幅をより細かくしてFFT分析を繰り返すのがよい。分解能幅を細かくしてFFT分析を繰り返した後
でも,離散周波数音の帯域幅が臨界帯域の15 %よりも広い場合,その離散周波数音は,周波数が一定でな
いか,又は何か別の現象が起こっていることを示すものかもしれない。この場合,臨界帯域の15 %より広
い帯域幅のまま,その離散周波数音に対し,後続の手順を続行してもよい。
単一の臨界帯域内に含まれる複数の離散周波数音に対して,離散周波数音の平均二乗音圧(又は,離散
周波数音の音圧レベル)を算出するには,D.9.6を参照。
注意 離散周波数音の輪郭を縁取る帯域幅ftを選択するために,自動化した手順を採用している場合
には,特に注意を要する。もしも帯域が狭すぎると,離散周波数音の平均二乗音圧(又は離散
周波数音の音圧レベル)は過小評価され,ノイズの平均二乗音圧(D.9.3参照)は過大評価され
るであろう。また,もしもその帯域が広すぎると,マスキングノイズ又は副離散周波数音が過
って離散周波数音の成分の計算に含まれ,ノイズの計算から除外されてしまうであろう。
D.9.3 マスキングノイズのレベルの算出
この附属書では,マスキングノイズの平均二乗音圧Xn(又は,マスキングノイズの音圧レベルLn)は,

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次の2段階の手順によって算出される。
第1段階では,臨界帯域の全平均二乗音圧(又は臨界帯域の全音圧レベル)を計算する。臨界帯域の幅
は,式(D.2)において分析対象離散周波数音の周波数ftをf0に等しいものと設定することによって算出され,
帯域の下端周波数f1及び上端周波数f2は,式(D.4)及び式(D.5)[又は式(D.7)及び式(D.8)]でそれぞれ規定
される。
FFTスペクトルから,臨界帯域の全平均二乗音圧Xtot(又は臨界帯域の全音圧レベルLtot)が計算される。
この作業は,使用する測定機器に応じて,FFT分析器上のバンドカーソルを使って行ってもよいし,しか
るべきソフトウェアを使って外部コンピュータで行っても,他の手段によって行ってもよい。いずれにし
ても,この値を計算するために使われる周波数帯域の幅ftot (Hz)とは,その帯域内に含まれるFFTスペク
トルのデータポイント数(“ライン数”)と分解能幅(“ライン間隔”)との積に等しくなる。
第2段階では,次の式からマスキングノイズの平均二乗音圧Xn(又は,マスキングノイズの音圧レベル
Ln)を計算する。
fc
Xn (Xtot Xt ) (Pa2) (D.9A)
ftot ft
又は,音圧レベルによって記述すると,式(D.9A)は次のようになる。
1.0Ltot 1.0Lt fc
Ln 10 log10 10 10 10 log10 (dB) (D.9B)
ftot t
単一の臨界帯域内に含まれる複数の離散周波数音に対して,マスキングノイズの平均二乗音圧(又は,
マスキングノイズの音圧レベル)を算出するには,D.9.6を参照。
注記 式(D.9A)[又は式(D.9B)]では,Xtot(又はLtot)を計算するために使われるFFT分析器の帯域
幅 界帯域の幅 歟 ずしも一致しないという事実と,さらに,計算される平均二乗音
L
圧 (Xtot 101.0Lt
10 log10 101.0 tot
Xt)[又は,計算される音圧レベル (dB)]には,狭い帯域ftに
含まれるノイズを含んでいないという事実とを考慮してある。
D.9.4 TNR(tone-to-noise ratio)の算出
TNR( は,次の諸式のいずれか一方から計算される。
Xt
LT 10 log10 (dB) (D.10A)
Xn
又は,音圧レベルで記述すると,式(D.10A)は次のようになる。
LT Lt Ln (dB) (D.10B)
単一の臨界帯域内に複数の離散周波数音が含まれる場合のTNRを算出するには,D.9.6を参照。
D.9.5 TNR法による顕著な離散周波数音の規準
TNRが次の条件を満たし,かつ,D.9.8の可聴音に関する要件を満足する場合,その離散周波数音は“顕
著”と分類される。
1 000
89.1 Hz ft < 1 000 Hzに対し, 攀
(dB) log10 (D.11A)
ft
ft 1 000 Hzに対し, 攀 dB) (D.11B)
式(D.11A)及び式(D.11B)の規準を図D.5に示す。
D.9.6 一つの臨界帯域内に含まれる複数の離散周波数音
機械から発する騒音に複数の離散周波数音が含まれ,さらに,それらの幾つかが一つの臨界帯域内に含

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まれることがある。少なくとも一つの離散周波数音が聴こえる場合,それぞれの離散周波数音に対して,
前述の手順を踏まなければならないが,次の点で異なっている。臨界帯域内で最も振幅の高いものを主離
散周波数音とし,その周波数をfpとする。この主離散周波数音を中心とする臨界帯域に対し,2番目に高
い振幅のものを副離散周波数音,その周波数をfsとする。
副離散周波数音が主離散周波数音の周波数に十分近い場合には,これら二つの離散周波数音は単一の離
散周波数音として知覚され,その顕著の度合いは,それらの平均二乗音圧(又は音圧レベル)を合算する
ことによって算出される。二つの離散周波数音の間隔 fs,p fs fp が式(D.12)に定義される近接間隔より
も狭いとき,それらの離散周波数音は十分に近い,又は“近接している”ものと考えられる。
2.1 |[log10 ( f/p 212 8.1]|)
89.1 Hz fp < 1 000 Hzに対し,fprox 21 10 (Hz) (D.12)
例 fp = 150 Hzに対し 竿 fp = 850 Hzに対し 稀
この近接規準 p< した場合には,TNR( の計算に先立ち,離散周波数音の平均
圧Xtの計算においては,主離散周波数音の平均二乗音圧Xt,pに副離散周波数音の平均二乗音圧Xt,sを加え,
全平均二乗音圧Xtotの計算からはこれを差し引く(この状況を音圧レベルによって記述すると,副離散周
波数音の音圧レベルLt,sは,主離散周波数音の音圧レベルLt,pにエネルギーベースで加算され,ノイズの全
音圧レベルからは同じくエネルギーベースでこれを差し引く。)。1 000 Hz以上の周波数に対しては,近接
間隔 臨界帯域の幅の半分よりも広くなるため,常にこの規準を満足することになる[参考文献 [21]
参照]。したがって,次のような式となる。
Xt Xt, p (Pa2) (D.13A)
Xt, s
又は,音圧レベルによって記述すると,式(D.13A)は次のようになる。
1.0Lt, p1.0Lt, s
Lt 10 log10 10 10 (dB) (D.13B)
さらに,
fc
Xn Xtot Xt, pXst, (Pa2) (D.14A)
ftot ft, pft, s
又は,音圧レベルによって記述すると,式(D.14A)は次のようになる。
1.0Lt, p
1.0Lt, s fc
Ln 10 log10 101.0Ltot
10 10 10 log10 (dB)(D.14B)
ftot ft, p ft, s
Xn及びXt(若しくはLn及びLt)に対する上記の値によって,式(D.10A)を使ってTNRが計算される。
近接規準を満足しなかった場合,それらは別々の離散周波数音として知覚されると考えられ,個別に扱
われる。この場合,主離散周波数音に対するTNRの計算に先立ち,マスキングノイズの平均二乗音圧から
副離散周波数音の平均二乗音圧が差し引かれる(他の点に関しては無視される。すなわち,主離散周波数
音の平均二乗音圧の値には加算されない。)。この場合,Xnに対し,式(D.14A)を再び用いるが,式(D.13A)
は結果的にXt = Xt,pとなる。Xn及びXtに対するこれらの値を式(D.10A)に代入し主離散周波数音に対する
TNRが計算される。
この状況を音圧レベルによって記述する場合,主離散周波数音のTNRの計算に先立ち,副離散周波数音
の音圧レベルはマスキングノイズの音圧レベルから,エネルギーベースで差し引かれるが,主離散周波数
音の音圧レベルには加算されない。この場合,Lnに対し,式(D.14B)を再び用いるが,式(D.13B)は結果的
1.0 Lt, p
に Lt 10 log10 10 となる。Ln及びLtに対するこれらの値を式(D.10B)に代入することで主離散周波数音

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に対するTNRが計算される。
近接規準を満足しなかった場合,副離散周波数音に対し別個にTNRを計算するのが望ましく,その場合,
副離散周波数音を主離散周波数音として上記の手順を繰り返してもよい。その場合,臨界帯域はその離散
周波数音を中心とし,全ての量が再計算される。
D.9.7 高調波成分を含む離散周波数音(TNR法)
もし研究設備を使って発生させる離散周波数音であれば,純粋に正弦的なものであろうが,実際の機器
からの騒音放射の中で発生する離散周波数音は,ほとんどの場合,そのようなものではない。したがって,
FFTスペクトル上には,一般に,ある基本周波数の整数倍に当たる,(高調波又は部分音と呼ばれる)一連
の純音性の成分として現れる。通常,基本周波数は最も優勢な成分であるが,必ずしも常にそうなるわけ
ではない。この附属書においては,一連の高調波の中の個々の純音性成分は,D.6の可聴離散周波数音に
関するスクリーニング試験を行い,その結果に応じて,個別にこの附属書の手順に従って評価されなけれ
ばならない。又は,騒音放射のFFTスペクトルを調べることで高調波が存在することが明らかな場合,こ
の初期スクリーニング試験なしに,純音性成分ごとにこの附属書の手順を適用してもよい。この場合,D.9.5
の顕著な離散周波数音の規準を満足した純音性成分であっても,それを“顕著”と分類するのに先立ち,
D.9.8の可聴音に関する要件も満足しなければならない。
D.9.8 可聴音に関する要件
離散周波数音は,実際に聴こえる(audible)場合にだけ,“顕著”と分類するのが本来の姿である。した
がって,D.9.5において“顕著”と検出された個々の離散周波数音に対して,分析を行ったマイクロホンの
位置又は分析のために使った位置において,測定対象機器から発する騒音の試聴試験を行わなければなら
ない。もしも,騒音放射中に離散周波数音が聴こえる場合,結果が確定し,“顕著”と報告しなければなら
ない。もしも,騒音放射中に離散周波数音が全く聴こえず(clearly not audible),かつ,この結論に信頼の
おける場合には,“顕著”と報告する必要はない。(例えば,試験技術者が,難聴の場合,訓練を受けてい
ない場合,又は経験を積んだ試聴者ではない場合のように)騒音放射中に離散周波数音が聴こえるかどう
かははっきりしない場合には,聴こえるかどうかを決定する手助けとして,次の試聴試験を実施しなけれ
ばならない。分析対象の離散周波数音の周波数に対応する正弦波信号を発生させ,試聴者が製品からの騒
音放射と比較し,製品から発生する騒音中に同じ周波数の離散周波数音が聴こえるかどうかを記録する。
もしも,騒音放射中に離散周波数音が聴こえる場合,結果が確定し,“顕著”と報告しなければならない。
もしも,比較用の音と同じものが騒音放射中に聴こえない場合には,“顕著”と報告する必要はない。
D.9.9 TNR法の例
図D.2では,臨界帯域内にある単一の離散周波数音がTNR法を使ってどのように分析されるかを示す。
図D.3では,一つの臨界帯域内に複数の離散周波数音が存在する場合,TNR法がどのように使われるか
を示す。

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X L
単位 Pa2
f1 ft f2 単位 dB
f
単位 Hz
X 平均二乗音圧
L 音圧レベル(基準値20 Pa)
f 周波数(FFT分解能1.0 Hz)
f1 下端周波数 1 485 Hz
f2 上端周波数 1 724 Hz
ft 分析対象離散周波数音の周波数 1 600 Hz
Ln マスキングノイズの音圧レベル 51.6 dB
Lt 分析対象離散周波数音の音圧レベル 62.3 dB
Ltot 臨界帯域の全音圧レベル 62.6 dB
Xn マスキングノイズの平均二乗音圧 5.76 × 105 Pa2
Xt 分析対象離散周波数音の平均二乗音圧 6.77 × 104 Pa2
Xtot 臨界帯域の全平均二乗音圧 7.31 × 104 Pa2
臨界帯域幅 239.45 Hz
分析対象離散周波数音の幅 20 Hz
FFTスペクトル上の臨界帯域の全帯域幅 240 Hz
顕著な離散周波数音
TNR(tone-to-noise ratio) 10.7 dB
図D.2−臨界帯域内の単一の離散周波数音にTNR法を適用した例

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JIS X 7779:2012の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 7779:2010(IDT)

JIS X 7779:2012の国際規格 ICS 分類一覧

JIS X 7779:2012の関連規格と引用規格一覧