53
X 7779 : 2012 (ISO 7779 : 2010)
X L
単位 Pa2 f1 fp fs f2 単位 dB
f 単位 Hz
X 平均二乗音圧
L 音圧レベル(基準値20 Pa)
f 周波数(FFT分解能0.5 Hz)
主離散周波数音
f1 下端周波数 732.0 Hz
f2 上端周波数 874 Hz
fp 主離散周波数音の周波数 800 Hz
Xt,p 主離散周波数音の平均二乗音圧 6.17 × 104 Pa2
副離散周波数音
fs 副離散周波数音の周波数 854 Hz
Xt,s 副離散周波数音の平均二乗音圧 4.19 × 104 Pa2
s
副離散周波数音の周波数帯域幅 10 Hz
近接した離散周波数音
臨界帯域幅 141.62 Hz
近接間隔 59 Hz
p
主離散周波数音と副離散周波数音との間隔 54 Hz
p
主離散周波数音の周波数帯域幅 10 Hz
顕著な離散周波数音
Xn マスキングノイズの平均二乗音圧 6.92 × 105 Pa2
Xt 離散周波数音の平均二乗音圧 1.04 103 Pa2
Xtot 臨界帯域の全平均二乗音圧 1.10 × 103 Pa2
Ln マスキングノイズの音圧レベル 52.4 dB
Lt 離散周波数音の音圧レベル(基準値20 Pa) 64.1 dB
Ltot 臨界帯域の全音圧レベル 64.4 dB
Lt,p 主離散周波数音の音圧レベル 61.9 dB
Lt,s 副離散周波数音の音圧レベル 60.2 dB
TNR(tone-to-noise ratio) 11.8 dB
図D.3−一つの臨界帯域内に複数の離散周波数音が存在する場合にTNR法を適用した例
――――― [JIS X 7779 pdf 56] ―――――
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X 7779 : 2012 (ISO 7779 : 2010)
D.10 PR(prominence ratio)法
D.10.1 FFT分析器を使った測定
8.7の測定のために使用するものと同じ作動モード及び同じ測定条件に対し,ハニング時間窓関数及び実
効値平均(線形平均)を使い,測定位置(D.4参照)における信号のパワースペクトル密度が得られるよ
うにFFT分析器の操作手順に従う。FFT分析器の入力信号には,A特性のような,周波数重み付け特性を
適用してはならない。FFT分析では,実効値平均(線形平均),ハニング窓関数を使い,8.7.2の分析時間
の要件を満足するため,十分な数の平均を行わなければならない。ズーム帯域の中心周波数を離散周波数
音の周波数にほぼ対応させ,ズーム帯域幅は臨界帯域幅のほぼ4倍にするのが望ましい。
注記 信号のパワースペクトル密度は,通常,ある量の,1サイクル当たりの平均二乗値[例えば,
周波数に対して,1サイクル当たりの平均二乗電圧の場合,単位をボルト二乗毎ヘルツ(V2/Hz)
とするか,又は1サイクル当たりの平均二乗音圧の場合,単位をパスカル二乗毎ヘルツ(Pa2/Hz)]
として計算される。PR( を算出する目的の場合,実測されるパワースペクトル密度の単
位は重要ではなく,基準値(1 V又は20 懿 に対する絶対校正は必要ではない。しかし,測
定器(FFT分析器)をパスカル二乗毎ヘルツの単位で校正しておけば,そのまま音圧レベルが
得られるようになる。この附属書の手順では,このように校正してあることを想定しており,
この附属書の中では“平均二乗音圧”として記述してあるが,任意の量を使用できるように,
その記号は“X”としている。
D.10.2 中央臨界帯域のレベルの算出
中央臨界帯域の平均二乗音圧XMは,分析対象離散周波数音を中心とする臨界帯域内に含まれる全平均
二乗音圧と定義される(音圧レベルによって記述すると,この量は中央臨界帯域の音圧レベルLMになる。)。
中央臨界帯域の幅 下端周波数f1,M及び上端周波数f2,M同様に,D.8の関係から,分析対象離散周波
数音の周波数ftをf0に等しいものとして算出する。その場合,中央臨界帯域の両端周波数は次のようにな
る。
ft 500 Hzに対し
fM
f,1 Mft (Hz) (D.15)
2
及び
fM
f,2 Mft (Hz) (D.16)
2
ft > 500 Hzに対し
2 2
fM fM 4 ft
f,1 M (Hz) (D.17)
2 2
及び
f,2 Mf,1 M fM (Hz) (D.18)
例 ft = 1 000 Hzに対し,f1,M = 922.2 Hz及びf2,M = 1 084.4 Hz
XMの値(又はLMの値)は,FFTスペクトルから,f1,Mとf2,Mとの間のデータポイントを挟み込み,中央
臨界帯域の平均二乗音圧(又は中央臨界帯域の音圧レベル)を計算することによって算出される。この作
業は,使用する測定機器に応じて,FFT分析器上のバンドカーソルを使って行ってもよいし,しかるべき
ソフトウェアを使って外部コンピュータで行っても,又は他の手段によって行ってもよい。
――――― [JIS X 7779 pdf 57] ―――――
55
X 7779 : 2012 (ISO 7779 : 2010)
D.10.3 下側臨界帯域のレベルの算出
下側臨界帯域の平均二乗音圧XLは,D.10.2で定義される中央臨界帯域のすぐ下側にあって,これに接す
る臨界帯域内に含まれる全平均二乗音圧と定義される(音圧レベルとして記述すると,この量は下側臨界
帯域の音圧レベルLLになる。)。D.8の関係によって,下側臨界帯域において,その中心周波数f0,L,帯域
幅fL,下端周波数f1,L及び上端周波数f2,Lがそれぞれ決まる。この下側臨界帯域は中央臨界帯域に接してい
なければならないので,f2,L = f1,Mとなる。しかし,f0,Lはあらかじめ分かるものではなく,D.8の式(D.2)
式(D.8)はそのまま用いることはできず,本来,下端周波数f1,Lは反復計算によって求めなければならない。
そこで,この附属書では,f1,Lの値は式(D.19)から計算することとしており,この式は,カーブフィッティ
ングを利用することによって反復計算から導出されたものである。
2
f,1 LCL, 0CL, 1 ft (Hz) (D.19)
CL, 2 ft
ここに, ft : 分析対象離散周波数音の周波数
CL,0,CL,1,CL,2 : 表D.2で与える定数
表D.2−f1,Lを計算するためのパラメータ
CL,0 CL,1 CL,2
周波数範囲
Hz Hz 1
89.1 Hz ft 171.4 Hz 20.0 0.0 0.0
ft 1 600 Hz
171.4 Hz < 149.5 1.001 5
6.90 × 10
1 600 Hz <ft 6.8 0.806 6
8.20 × 10
171.4 Hz以下の周波数の離散周波数音に対しては,下側臨界帯域のための下端周波数は人間の聴覚の下
限周波数とされる20 Hz未満となってしまう。そのような場合,下端周波数は20 Hzと設定する(したが
って,XLを算出するために使われる帯域は20 Hzからf2,Lまでとする。)。この下側臨界帯域の幅fLは,真
の臨界帯域の幅よりも狭く,PRの計算では,このことが考慮される(D.10.5参照)。
XLの値(又はLLの値)とは,FFTスペクトルからf1,Lとf2,Lとの間のデータポイントを挟み込み,下側
臨界帯域の平均二乗音圧(又は下側臨界帯域の音圧レベル)を計算することによって算出される。この作
業は,使用する測定機器に応じて,FFT分析器上のバンドカーソルを使って行ってもよいし,しかるべき
ソフトウェアを使って外部コンピュータで行っても,又は他の手段によって行ってもよい。下側臨界帯域
と中央臨界帯域とが計算処理上,重複しないように注意しなければならない。すなわち,共通の終端周波
数に最も近いFFTデータポイントは,どちらか一方にだけ割り当てられ,両方に割り当ててはならない。
D.10.4 上側臨界帯域のレベルの算出
上側臨界帯域の平均二乗音圧XUは,D.10.2で定義される中央臨界帯域のすぐ上側にあって,これに接す
る臨界帯域内に含まれる全平均二乗音圧と定義される(音圧レベルによって記述すると,この量は上側臨
界帯域の音圧レベルLUになる。)。D.8の関係によって,上側臨界帯域において,その中心周波数f0,U,帯
域幅fU,下端周波数f1,U及び上端周波数f2,Uがそれぞれ決まる。この上側臨界帯域は中央臨界帯域に接し
ていなければならないので,f1,U = f2,Mとなる。しかしながら,f0,Uはあらかじめ分かるものではなく,D.8
の式(D.2)式(D.8)はそのまま用いることはできず,一般的には,上端周波数f2,Uは反復計算によって求め
なければならない。そこで,この附属書では,f2,Uの値は式(D.20)から計算することとしており,この式は,
カーブフィッティングによって反復計算から求めたものである。
――――― [JIS X 7779 pdf 58] ―――――
56
X 7779 : 2012 (ISO 7779 : 2010)
2
f,2 UCU, 0CU, 1 ft (Hz) (D.20)
CU, 2 ft
ここに, ft : 分析対象離散周波数音の周波数
CU,0,CU,1,CU,2 : 表D.3で与える定数
表D.3−f2,Uを計算するためのパラメータ
CU,0 CU,1 CU,2
周波数範囲
Hz Hz 1
89.1 Hz ft 1 600 Hz 149.5 1.035 5
7.70 × 10
1 600 Hz < ft 3.3 1.215 2.16 × 10−5
XUの値(又はLUの値)とは,FFTスペクトルからf1,Uとf2,Uとの間のデータポイントを挟み込み,上側
臨界帯域の平均二乗音圧(又は音圧レベル)を計算して求められる。この作業は,使用する測定機器に応
じて,FFT分析器上のバンドカーソルを使って行ってもよいし,しかるべきソフトウェアを使って外部コ
ンピュータで行っても,又は他の手段によって行ってもよい。上側臨界帯域と中央臨界帯域とが計算処理
上,重複しないように注意しなければならない。すなわち,共通の終端周波数に最も近いFFTデータポイ
ントは,どちらか一方にだけ割り当てられ,両方に割り当ててはならない。
D.10.5 PR(prominence ratio)の算出
171.4 Hzよりも高い周波数の離散周波数音に対し,PR( は次のように計算される。
XM
ft > 171.4 Hzに対し,
LP 10 log10 (dB) (D.21A)
(XL XU ) 5.0
音圧レベルによって記述すると,式(D.21A)は次のようになる。
LP
ft > 171.4 Hzに対し, 10log10 101.0LL
10log10 101.0LM 101.0LU (dB) (D.21B)
171.4 Hz以下の周波数をもつ離散周波数音に対しては,式(D.2)から計算されるものよりも帯域幅が狭く
なり,下側臨界帯域の一部が切り取られることになる(D.10.3参照)。したがって,171.4 Hzよりも周波数
の低い離散周波数音に対するPRを計算するには,下側臨界帯域のレベルは,(これらの周波数における全
帯域幅である)100 Hzに正規化され,次のようになる。
XM
ft 171.4 Hzに対し,LP 10 log10 (dB) (D.22A)
[XL (100/fL ) U ] 5.0
又は,音圧レベルによって記述すると,式(D.22A)は次のようになる。
100
ft 171.4 Hzに対し,LP 10 log10 101.0 LM
10 log10 101.0 LU
101.0 LL 5.0 (dB) (D.22B)
fL
D.10.6 PR法による顕著な離散周波数音の規準
PRが次の条件を満たし,かつ,D.10.8の可聴に関する要件を満足する場合,その離散周波数音は“顕著”
と分類される。
注記 ISO 7779:2010に誤りがあったため, D.10.8への参照に訂正した。
LP
89.1 Hz ft < 1 000 Hzに対し, 0.9 dB (D.23A)
10 log10 1 000 / ft
P
ft 1 000 Hzに対し, 0.9 dB (D.23B)
――――― [JIS X 7779 pdf 59] ―――――
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X 7779 : 2012 (ISO 7779 : 2010)
式(D.23A)及び式(D.23B)の規準を図D.5に示す。
D.10.7 高調波成分を含む複合音(PR法)
もし研究設備を使って発生させる離散周波数音であれば,純粋に正弦的なものであろうが,実際の機器
からの騒音放射中で発生する離散周波数音は,ほとんどの場合,そのようなものではない。したがって,
FFTスペクトル上には,一般に,ある基本周波数の整数倍に当たる,(高調波又は部分音と呼ばれる)一連
の純音性の成分として現れる。通常,基本周波数は最も優勢な成分であるが,これは常にそうなるわけで
はない。この附属書においては,一連の高調波の中の個々の純音性成分は,D.6の可聴離散周波数音に関
するスクリーニング試験を行い,その結果に応じて,この附属書の手順に従って個別に評価されなければ
ならない。又は,騒音放射のFFTスペクトルを調べることで高調波が存在することが明らかな場合,この
初期スクリーニング試験なしに,純音性成分ごとにこの附属書の手順を適用してもよい。この場合,D.10.6
の顕著な離散周波数音の規準を満足した純音性成分であっても,それを“顕著”と分類するのに先立ち,
D.10.8の可聴音に関する要件も満足しなければならない。
D.10.8 可聴音に関する要件
離散周波数音は,実際に聴こえる(audible)場合にだけ,“顕著”と分類されるのが本来の姿である。し
たがって,D.10.6において“顕著”と検出された個々の離散周波数音に対して,分析を行ったマイクロホ
ンの位置(D.4参照)又は分析のために使った位置において,測定対象機器から発する騒音の試聴試験を
行わなければならない。もしも,騒音放射中に離散周波数音が聴こえる場合,結果が確定し,“顕著”と報
告しなければならない。もしも,騒音放射中に離散周波数音が全く聴こえず(clearly not audible),かつ,
この結論に信頼のおける場合には,“顕著”と報告する必要はない。もしも,騒音放射中に離散周波数音が
聴こえるかどうか疑わしい場合(例えば,試験技術者が難聴の場合,訓練を受けていない場合,又は経験
を積んだ試聴者ではない場合のように),聴こえるかどうかを決定する手助けとして,次の試聴試験を実施
しなければならない。
分析対象の離散周波数音の周波数に対応する正弦波信号を発生させ,試聴者が製品からの騒音放射と比
較し,製品から発生する騒音中に同じ周波数の離散周波数音が聴こえるかどうかを記録する。もしも,騒
音放射中に離散周波数音が聴こえる場合,結果が確定し,“顕著”と報告しなければならない。もしも,比
較用の音と同じものが騒音放射中に聴こえない場合には,“顕著”と報告する必要はない。
D.10.9 PR法の例
PR法による計算例を図D.4に示す。D.10.5に従ってPRが計算され,1 600 Hzの離散周波数音に対して
かった。その結果,1 600 HzにおけるPRの規準値である9.0 dBよ
いので,その離散周波数音は“顕著”と分類される。
――――― [JIS X 7779 pdf 60] ―――――
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JIS X 7779:2012の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 7779:2010(IDT)
JIS X 7779:2012の国際規格 ICS 分類一覧
- 35 : 情報技術.事務機械 > 35.020 : 情報技術(IT)一般
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.140 : 音響及び音響測定 > 17.140.20 : 機械及び設備による騒音の発生
JIS X 7779:2012の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC1509-1:2017
- 電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第1部:仕様
- JISC1514:2002
- オクターブ及び1/Nオクターブバンドフィルタ
- JISC1515:2020
- 電気音響―音響校正器
- JISX7778:2001
- 音響―情報技術装置の表示騒音放射値
- JISZ8739:2001
- 音響―音響パワーレベル算出に使用される基準音源の性能及び校正に対する要求事項
- JISZ8739:2021
- 音響―音響パワーレベルの測定に使用する基準音源の性能及び校正に関する要求事項