JIS Z 0303:2009 さび止め包装方法通則 | ページ 2

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表1−さび止め包装方法の種類
包装方法の種類 さび止め処理材料 さび止め処理材料の適用方法及び包装など 記号b)
被覆して,表9のaで包装 RP1-P1
さび止め油
耐油性の剛性容器中で油に浸せき RP1-P2
密封空間処理又は被覆処理のいずれかを適用
気化性さび止め剤 RP1-V
し,表9のaで包装
水溶性さび止め剤及び
被覆して,表9のaで包装 RP1-W
気化性水溶性さび止め剤
RP1 防湿包装 ラッピング処理,合紙処理又は密封空間処理の
さび止め紙(非防湿形) RP1-K1
いずれかを適用し,表9のaで包装
ラッピング処理又は袋状にして使用のいずれか
さび止め紙(防湿形) RP1-K2
を適用
ラッピング処理,袋状にして使用又はストレッ
さび止めフィルム RP1-F
チ包装のいずれかを適用
可はく(剥)性プラスチック 直接被覆又はアルミニウムはく(箔)などで包
RP1-S
装した後,被覆
さび止め油 被覆して,表9のbで包装 RP2-P
密封空間処理又は被覆処理のいずれかを適用
気化性さび止め剤 RP2-V
し,表9のbで包装
RP2 防水包装 水溶性さび止め剤及び
被覆して,表9のbで包装 RP2-W
気化性水溶性さび止め剤
ラッピング処理,合紙処理又は密封空間処理の
さび止め紙(非防湿形) RP2-K
いずれかを適用し,表9のbで包装
さび止め油 被覆して,表9のcで包装 RP3-P
密封空間処理又は被覆処理のいずれかを適用
気化性さび止め剤 RP3-V
し,表9のcで包装
RP3 一般包装a) 水溶性さび止め剤及び 被覆して,表9のcで包装 RP3-W1
気化性水溶性さび止め剤 耐水性の剛性容器中で液に浸せき RP3-W2
ラッピング処理又は袋状にして使用のいずれか
さび止め紙(非防湿形) RP3-K
を適用
防湿材で密封包装 RP4-1
RP4 除湿包装 乾燥剤 密封剛性容器中に封入 RP4-2
浮かしバリヤ法 RP4-3
RP5 脱酸素包装 脱酸素剤 ハイバリヤフィルムなどで密封包装 RP5
注a) 一般包装とは,防水性及び防湿性のない包装材料を用いる包装方法。
b) 記号は,5.7参照。

5 さび止め包装方法

  さび止め包装方法は,内容物の特徴及び表面仕上げの程度,輸送及び保管の期間,並びにその間の環境
条件,輸送中に包装貨物が受ける荷扱いの程度を考慮して,清浄,乾燥,さび止め材の適用及び包装方法
の一つ又はその組合せを適用する。

5.1 一般共通事項

  一般共通事項は,次による。
a) さび止め包装の作業は,連続した一連の操作が望ましい。
b) さび止め包装の作業は,できるだけ低い湿度(相対湿度60 %以下が望ましい。)の環境で行う。
c) 金属製品の研磨部分には,素手で触れてはならない。素手で触れた場合は,5.2 c)によって指紋を除去

――――― [JIS Z 0303 pdf 6] ―――――

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する。
d) 金属製品が複雑な組立品からできている場合の解体は,特にさび止めを要する精密な仕上げ面を保護
するため,必要最小限にとどめることとする。複雑な組立品の構成部分は,組み立てる前に清浄し,
清浄後汚れないようにする。
e) 金属製品には,通常,さび止め処理材料を使用する。ただし,さび止め処理材料を使用することによ
ってその性能又は取扱い上に支障が起こるおそれがある製品(非鉄金属部品を含む金属製品)に対し
ては,あらかじめ次の条件の予備実験を行い,その影響の有無を確認してから使用する。
1) さび止め油については,JIS K 2246:2007の6.28(腐食性試験方法)に規定する方法で確認し,JIS K
2246:2007の5.(品質及び性能)によって影響の有無を判断する。
2) 水溶性さび止め剤及び気化性水溶性さび止め剤については,鉄鋼用に使用する同じ濃度,同じ希釈
水で希釈された水溶液を用いて,JIS K 2241:2000の7.9(金属腐食試験方法)に規定する方法で確
認し,影響の有無を判断する。
3) 気化性さび止め剤については,JIS Z 1519:1994の5.3(非鉄金属との共存性)に規定する方法で確
認し,影響の有無を判断する。
4) さび止め紙及びさび止めフィルムについては,JIS Z 1535:1994の5.3(非鉄金属との共存性)に規
定する方法で確認し,影響の有無を判断する。
5) 可はく性プラスチックについては,JIS Z 1708:1976の5.8(腐食性)に規定する方法で確認し,JIS
Z 1708:1976の4.(品質)によって影響の有無を判断する。
f) さび止め処理材料を施す金属製品が加熱された状態である場合には,さび止め処理材料を熱分解する
ことがあるので,この場合には放冷してから,さび止め処理材料を使用することが望ましい。
g) さび止め処理材料を適用しない金属表面に接触する包装紙材は,JIS P 8133によって測定したpHが
6.08.0の範囲で,接触腐食のおそれのないものとする。
h) さび止め処理材料を被覆した金属表面を直接包む耐油性バリヤ材は,通常,JIS Z 1705の1種に規定
するものとするが,場合によってはJIS H 4160,JIS Z 1520又はJIS Z 1702に規定するものであって
もよい。ただし,そのときは異物などの付着していない清浄なものとする。
i) 金属製品が突起及び鋭角端部をもち,包装材料又は容器に損傷を与えるおそれがある場合は,損傷防
止の包装をするか,又は緩衝材であらかじめ保護する。
j) 保管中又は輸送中に,金属製品が包装の内部において移動又は転倒して損傷するおそれがある場合は,
緩衝材若しくは下敷材を使用するか,又は止め,支え,固定などを行う。
k) 各方法を通じて,緩衝材及び下敷材を使用する場合は,緩衝材及び下敷材が接触腐食を発生させない
で,かつ,腐食性ガスが発生しないものとする。
l) 包装は,質量及び体積をできるだけ小さくすることが望ましい。

5.2 清浄方法

  金属製品に腐食生成物,ごみ,グリース,残さなどの異物,指紋,汗,酸及びアルカリなどが付着して
いる場合は,輸送中又は保管中にさび発生の原因となるため,次のいずれかの方法で十分に清浄する。
a) 溶剤清浄方法 溶剤中に金属製品の全体又は一部を浸せきし,ブラシ若しくは布を用いてこするか,
又は溶剤を吹き付けて第1次の清浄を行った後,別のきれいな溶剤を用いて第2次以降の清浄を行う。
浸せき又は吹付けのできない場合は,溶剤を含ませたブラシ又は布で清浄してもよい。
b) 蒸気脱脂方法 溶剤の蒸気に金属製品をさらして清浄する。この方法は,汚れが油又はグリースのよ
うなもののときに適用する。ただし,金属製品が蒸気で汚損されるもの,又は雑な精密表面をもつも

――――― [JIS Z 0303 pdf 7] ―――――

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のには,不適切である。
c) 汗及び指紋除去方法 指紋除去形さび止め油,メタノールなどの指紋除去剤中に金属製品を浸せきし,
十分に揺り動かして汗及び指紋を完全に除去する。
なお,浸せきすることのできない大きなものは,指紋除去剤を含ませた布で清浄する。
d) アルカリ清浄方法 アルカリ清浄剤を加えた水溶液に金属製品を浸せきするか,又は金属製品にアル
カリ清浄剤を加えた水溶液を吹き付けた後,清浄な水又は熱水で十分なゆすぎ洗いを行い,直ちに5.4
によって乾燥させる。
e) 乳剤清浄方法 乳剤クリーナの水溶液に金属製品を浸せきするか,又は金属製品に乳剤クリーナの水
溶液を吹き付けた後,清浄な水で十分なゆすぎ洗いを行う。また,乳剤クリーナの代わりに乳化性溶
剤を用いてもよい。
f) 電解清浄方法 電解清浄液中に金属製品を浸せきし,これを電極として電解を行った後,清浄な水又
は熱水で十分なゆすぎ洗いを行い,直ちに5.4によって乾燥させる。
g) 熱水蒸気清浄方法 熱水蒸気,又は清浄剤を加えた熱水蒸気を金属製品に吹き付けて清浄する。ただ
し,清浄剤を加えた場合は,清浄な熱水蒸気だけを吹き付けて清浄剤を落とす。
h) 超音波清浄方法 溶剤又は清浄剤水溶液中に金属製品を浸せきし,超音波をかけて清浄する。この方
法は,細孔部などの汚れを除去するのに適している。清浄剤水溶液を使用した場合は,清浄な水又は
熱水で十分なゆすぎ洗いを行い,直ちに5.4によって乾燥させる。
i) 液体ホーニング清浄方法 研磨材を加えた水,又はそれに腐食抑制剤を加えたものを金属製品に吹き
付けて清浄にし,清浄な水又は熱水で十分なゆすぎ洗いを行い,直ちに5.4によって乾燥させる。
j) ブラスト清浄方法 JIS Z 0310によって清浄する。
錆 酸水溶液中に金属製品を浸せきするか,又は金属製品に酸水溶液を吹き付けた
k) 酸除せい( )方法
後,清浄な熱水で十分なゆすぎ洗いを行う。浸せき又は吹付けのできない場合は,酸水溶液を含ませ
た布で清浄してもよい。この場合,酸の種類によっては,酸洗い抑制剤を添加する。
l) アルカリ除せい方法 キレート化剤を加えたアルカリ水溶液を加温し,その中に金属製品を浸せきす
るか,又は金属製品にキレート化剤を加えたアルカリ加温水溶液を吹き付けた後,清浄な水又は熱水
で十分なゆすぎ洗いを行い,直ちに5.4によって乾燥させる。
m) 電解除せい方法 酸又はキレート化剤を加えたアルカリ水溶液中に金属製品を浸せきし,これを電極
として電解を行った後,清浄な水又は熱水で十分なゆすぎ洗いを行い,直ちに5.4によって乾燥させ
る。

5.3 清浄度の確認

  清浄度の確認は,6.1のa)   e)のいずれかの方法で行う。

5.4 乾燥方法

  金属製品は清浄を行った後,その溶剤,付着水分などを除去するため,直ちに乾燥する。乾燥は,次の
方法の一つ又は二つ以上を組み合わせて行う。
a) 乾燥空気吹付けによる方法 乾燥した清浄な空気を金属製品に吹き付けて乾燥する。
b) 乾燥器使用による方法 換気できる温度調節可能な乾燥器内で,金属製品に加熱空気を当てて乾燥す
る。
c) 赤外線照射による方法 金属製品を赤外線ランプなどの赤外線発生器からの熱線に当てて乾燥する。
d) ふき取りによる方法 清浄な乾燥した布で金属製品の表面をふき取ることによって乾燥する。この場
合の布は,操作中に金属製品の表面に繊維が残らないものを使用する。

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e) しずく切りによる方法 清浄方法の最終段階が5.2 a) の場合,溶剤を完全に滴下させて乾燥する。
なお,この方法はNP-0,NP-1,NP-2及びNP-19(表2参照)のさび止め油を適用する場合に用い
る。

5.5 さび止め処理材料の適用

5.5.1 さび止め処理材料の種類

  さび止め処理材料の種類は,表2表6による。
なお,さび止め処理材料としてさび止め油を用いるときは,附属書Cに示した適用後の保管期間を目安
とする。
表2−さび止め処理材料の種類(さび止め油)
材料名 種類 記号 膜の性質 主な用途及び特徴
機械一般,機械部品などに付着した指紋の除
指紋除去形 NP-0 低粘度油膜
去及びさび止め。
NP-1 硬質膜 屋内及び屋外でのさび止め。
NP-2 軟質膜 主として屋内でのさび止め。
溶剤希釈形 NP-3-1 軟質膜
さ 主として屋内でのさび止め。水置換性をもつ。
NP-3-2 中高粘度油膜

NP-19 透明,硬質膜 屋内及び屋外でのさび止め。

ペトロラタム形 NP-6 軟質膜 軸受けなど高度な仕上げ面に適する。

NP-7 中粘度油膜
油 金属材料及び金属製品類のさび止め。
NP-8 低粘度油膜
溶剤を含まず,引火の危険が少ない。
NP-9 低粘度油膜
JIS 潤滑油形
K 2246 NP-10-1 低粘度油膜
機械及び機器類内部の一時的さび止め。
NP-10-2 中粘度油膜
溶剤を含まず,引火の危険が少ない。
NP-10-3 高粘度油膜
NP-20-1 低粘度油膜 密閉空間内でのさび止め。
気化性 溶剤を含まず,引火の危険が少ない。
NP-20-2 中粘度油膜 気化性さび止め剤を含む潤滑油。
JIS規定外であるが,JIS K 2246:2007の5.に規定するすべてのさび
さび止め油 規定外,一般 OP
止め性能の試験に合格するもの。
表3−さび止め処理材料の種類(さび止め剤)
材料名 種類 記号 性質 主な用途及び特徴
密封空間内でのさび止め。そのままでの使用
気化性 粉末又は固形状。常
NV 以外に溶液又は懸濁液にして使用することも
JIS Z 1519 温使用
できる。

6.2の試験に合格するもので,屋内での短期さ
び 水で希釈。常温又は
水溶性 OW-1 び止め用。火災の心配がなく,ハンドリング
止 加温使用
性がよい。

6.2の試験に合格するもので,気化性をもつ。
剤 水で希釈。常温又は
屋内での短期さび止め及び密封空間内でのさ
気化性水溶性 OW-2 加温使用。気化性あ
び止め。火災の心配がなく,ハンドリング性

がよい。

――――― [JIS Z 0303 pdf 9] ―――――

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表4−さび止め処理材料の種類(さび止め紙)
材料名 種類 記号 特徴
非防湿形 : 非防湿性の紙に気化性さび止め剤を塗布又は含浸したも
NK-1
気化性 ので,JIS Z 1535:1994の4.(品質)の試験に合格する。
さ JIS Z 1535 防湿形 : 防湿性の紙に気化性さび止め剤を塗布又は含浸したもの
び NK-2
で,JIS Z 1535:1994の4.の試験に合格する。

非防湿形 : 非防湿性の紙にさび止め剤を塗布又は含浸したもので,
め OK-1
JIS規定外であるが,JIS Z 1535:1994の5.6の試験に合格する。
紙 一般
防湿形 : 防湿性の紙にさび止め剤を塗布又は含浸したもので,JIS
OK-2
規定外であるが,JIS Z 1535:1994の5.6の試験に合格する。
表5−さび止め処理材料の種類(さび止めフィルム)
材料名 種類 記号 特徴
さ 気化性さび止め剤を練り込み又は塗布してあるプラスチックフィ

止 気化性 OF-1 ルムで,JIS Z 1535:1994の5.4(気化性さび止め性)及び5.6の両
め 試験に合格する。

ィ さび止め剤又は気化性さび止め剤を練り込み又は塗布してあるプ
ル 一般 OF-2 ラスチックフィルムで,JIS Z 1535:1994の5.6の試験に合格する。

表6−さび止め処理材料の種類(その他)
材料名 種類 記号 主な用途及び特徴
溶剤形,水分散形,水性形,オルガノゾル形などがあり,浸せき又
はスプレーで被覆する。常温で被覆するが,オルガノゾル形は,被
塗装形
NS 覆物を約170 ℃に加熱する必要がある。溶剤形は薄く,その他で
可はく性 JIS Z 1708
はやや厚い皮膜が得られ,ともに簡単には(剥)ぎ取ることができ
プラスチ
る。さび止め及び擦過傷防止に使われる。
ック
加熱溶融して被覆する。弾力性に富んだ厚い半透明の油分を含んだ
熱間浸
OS 皮膜を形成し,簡単にはぎ取ることができる。さび止め及び機械的
せき形
損傷からの保護に使われる。
シリカゲル
NDC
JIS Z 0701
乾燥剤 包装内の水分を吸収し,金属製品の結露を抑制する。
その他 ODC
脱酸素剤 ODT 包装内の酸素を化学的に吸収し,金属製品の酸化を防止する。

5.5.2 適用方法

  清浄及び乾燥が終わった金属製品には,さび止め処理材料の種類に応じて,次のいずれかの方法によっ
て,速やかにさび止め処理材料を適用する。
a) さび止め油,水溶性さび止め剤及び気化性水溶性さび止め剤 次のいずれかの方法で,適用する。
1) 被覆 次のいずれかの方法で,被覆する。
1.1) 浸せき 金属製品をさび止め油,水溶性さび止め剤又は気化性水溶性さび止め剤のいずれかの浴
中に完全に浸せきして引き上げ,被覆する。
1.2) 流し塗り 金属製品にさび止め油,水溶性さび止め剤又は気化性水溶性さび止め剤のいずれかを

――――― [JIS Z 0303 pdf 10] ―――――

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