JIS Z 0305:1998 規格概要
この規格 Z0305は、鉄鋼の防せい(錆)前処理のうち,化学的清浄方法及びその清浄度の確認方法について規定。
JISZ0305 規格全文情報
- 規格番号
- JIS Z0305
- 規格名称
- 鉄鋼の化学的清浄方法
- 規格名称英語訳
- Chemical cleaning of steel products
- 制定年月日
- 1980年11月15日
- 最新改正日
- 2016年10月20日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 77.080.01
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- 包装 2020
- 改訂:履歴
- 1980-11-15 制定日, 1998-01-20 改正日, 2002-08-20 確認日, 2006-10-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
- ページ
- JIS Z 0305:1998 PDF [10]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
Z 0305 : 1998
鉄鋼の化学的清浄方法
Chemical cleaning of steel products
1. 適用範囲 この規格は,鉄鋼の防せい(錆)前処理のうち,化学的清浄方法及びその清浄度の確認方
法について規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS K 1201 ソーダ灰
JIS K 1202 固形かせいソーダ
JIS K 1310 塩酸(合成)
JIS K 1321 硫酸
JIS K 1408 けい酸ナトリウム(けい酸ソーダ)
JIS K 1437 りん酸ナトリウム(正りん酸ナトリウム)
JIS K 1449 りん酸
JIS K 1501 メタノール
JIS K 1508 トリクロロエチレン(トリクロルエチレン)
JIS K 1521 パークロロエチレン(テトラクロルエチレン)
JIS K 1522 イソプロピルアルコール(イソプロパノール)
JIS K 1524 メチルエチルケトン
JIS K 2201 工業ガソリン
JIS K 2203 灯油
JIS K 2204 軽油
JIS K 8116 塩化アンモニウム(試薬)
JIS K 8863 ほう酸(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
JIS K 8983 硫酸銅(II)五水和物(試薬)
JIS K 8989 硫酸ニッケル(II)六水和物(試薬)
JIS Z 0103 防せい防食用語
JIS Z 0303 さび止め包装方法通則
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 0103によるほか次のとおりとする。
(1) 清浄 防せい前処理として必要な程度まで金属表面の汚れを除去した状態にすること。
(2) 汚れ 金属表面に付着した油脂,鉱油,じんあい,腐食生成物など。
3. 種類
――――― [JIS Z 0305 pdf 1] ―――――
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Z 0305 : 1998
3.1 清浄方法の種類 清浄方法の種類は,次のとおりとする
(1) ふき取り清浄
(2) 浸せき清浄
(3) スプレー清浄
(4) 蒸気脱脂
(5) 電解脱脂
3.2 清浄度試験方法の種類 清浄度試験方法の種類は,次のとおりとする。
(1) 目視法
(2) ふき取り法
(3) 水切り法
(4) スプレーパターン法
(5) アトマイザー法
(6) 接触角法
(7) 硫酸銅法
(8) 電気めっき法
(9) 残留油分質量法
4. 清浄方法 各清浄方法は,次のとおりとし,これらの方法を単独で又は組み合わせて用いる。
4.1 ふき取り清浄 この方法は,主として塗装,さび止め油塗布,包装などの前処理として行い,清浄
剤を含ませたふき取り用具を用いて汚れを除去する方法である。
4.1.1 清浄剤 清浄剤は,原則として次のものを用いる。
(1) 溶剤 次の溶剤を単独で又は組み合わせて使用する。
(a) 工業ガソリン JIS K 2201に規定するもの。
(b) 灯油 JIS K 2203に規定するもの。
(c) 軽油 JIS K 2204に規定するもの。
(d) トリクロロエチレン JIS K 1508に規定するもの。
(e) パークロロエチレン JIS K 1521に規定するもの。
(f) メチレンクロライド(塩化メチレン)
(g) メチルエチルケトン JIS K 1524に規定するもの。
(h) メタノール JIS K 1501に規定するもの。
(i) イソプロピルアルコール(イソプロパノール) JIS K 1522に規定するもの。
(2) 酸 次の酸の水溶液を単独又は組み合わせて使用する。
また,必要に応じて界面活性剤,酸洗い抑制剤などを添加して使用する。
(a) 塩酸 JIS K 1310に規定するもの又はこれと同等以上の品質を有するもの。
(b) りん酸 JIS K 1449に規定するもの。
4.1.2 器具 器具は,次のとおりとする
(1) 清浄剤容器 清浄剤に侵されない材質のもの。
(2) ふき取り用具 布,ブラシ,はけ,スポンジなど。
4.1.3 操作 操作は,次のとおりとする。
(1) 清浄剤を含ませたふき取り用具で被清浄面をこすって,汚れを除去した後,乾燥する。
――――― [JIS Z 0305 pdf 2] ―――――
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Z 0305 : 1998
また,必要に応じて,乾燥前に清浄なふき取り用具で仕上げぶきを行う。
(2) 汚れの程度によって,更に清浄度を必要とする場合,又は清浄が困難な場合には2組以上の清浄剤容
器及びふき取り用具を準備し,段階的に汚れを除去する。
(3) 酸を用いて除せい(錆)した場合は,ふき取った後アルカリで中和し,水洗又は湯洗した後乾燥する。
なお,りん酸を用いた場合には中和以降の工程を省略してもよい場合がある。
(4) 必要に応じ,JIS Z 0303の4.1(5)(アルカリ及び酸の残留試験)によって,残留する酸又はアルカリ
の有無を確認する。
4.1.4 清浄度の確認方法 清浄度の確認は,次のとおりとする。
(1) 脱脂を行った場合は,5.15.9のいずれかによる。
(2) 除せいを行った場合は,5.1による。
4.2 浸せき清浄 この方法は,主として塗装,めっき,化成処理,さび止め油塗布などの前処理として
行い,清浄剤中に被清浄物を浸せきして汚れを除去する方法である。
4.2.1 清浄剤 清浄剤は,原則として次のものを用いる。
(1) 溶剤 4.1.1(1)による。
(2) 乳化状清浄剤 工業ガソリン,灯油,軽油などと水を界面活性剤で乳化したもの。
(3) 酸 次の酸の水溶液を単独又は組み合わせて使用する。
また,必要に応じて,界面活性剤,酸洗い抑制剤などを添加して使用する。
(a) 塩酸 JIS K 1310に規定するもの又はこれと同等以上の品質を有するもの。
(b) 硫酸 JIS K 1321に規定する濃硫酸。
(c) りん酸 JIS K 1449に規定するもの。
(4) アルカリ 次のアルカリ水溶液を単独又は組み合わせて使用する。必要に応じて界面活性剤などを添
加して使用する。
(a) かせいソーダ JIS K 1202に規定するもの。
(b) ソーダ灰 JIS K 1201に規定するもの。
(c) 重炭酸ナトリウム
(d) けい酸ナトリウム JIS K 1408に規定するもの。
(e) りん酸ナトリウム JIS K 1437に規定するもの。
4.2.2 装置 装置は,清浄剤に侵されない材質の浸せき槽で,必要に応じて,加熱装置,かき混ぜ装置又
は超音波発生装置を有するもの。
4.2.3 操作 操作は,次のとおりとする。
(1) 溶剤及び乳化状清浄剤を使用する場合
(a) 浸せき槽に満たした常温の溶剤又は乳化状清浄剤中に被清浄物を浸して汚れを除去した後,水洗又
は湯洗して乾燥する。ただし,溶剤を用いた場合には水洗工程を行わない。
(b) 汚れの程度によって,更に清浄度を必要とする場合又は清浄が困難な場合には,2個以上の浸せき
槽を準備し,段階的に汚れを除去する。
また,汚れがひどい場合には,清浄剤中でブラシなどでこする操作を併用する。
(2) 酸又はアルカリを使用する場合
(a) 浸せき槽に満たした常温又は加熱した酸又はアルカリ中に被清浄物を浸せきして汚れを除去した後,
水洗又は湯洗を行い,更に次の防せい工程に必要な中和,水洗,乾燥などの操作を行う。
(b) 必要に応じ,4.1.3(4)によって,残留する酸又はアルカリの有無を確認する。
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4.2.4 清浄度の確認方法 清浄度の確認は,次のとおりとする。
(1) 脱脂を行った場合は,5.15.9のいずれかによる。
(2) 除せいを行った場合は,5.1による。
4.3 スプレー清浄 この方法は,主として塗装,めっき,化成処理,さび止め油塗布などの前処理とし
て行われ,清浄剤を被清浄物にスプレーし,汚れを除去する方法である。
4.3.1 清浄剤 清浄剤は,原則として次のものを用いる。
(1) 溶剤 4.1.1(1)による。
(2) 酸 4.2.1(3)による。
(3) アルカリ 4.2.1(4)による。
(4) 水蒸気
4.3.2 装置 装置は,次のとおりとする(図1参照)。
(1) 清浄剤槽 清浄剤に侵されない材質で,必要に応じて加熱装置を有するもの。
(2) スプレー装置 清浄剤に侵されない材質で清浄剤の種類に適した加圧装置及びスプレーノズルを有す
るもの。
図1 アルカリ清浄の一例
4.3.3 操作 操作は,次のとおりとする。
(1) 常温又は加熱した清浄剤を被清浄物にスプレーして汚れを除去する。
(2) 清浄剤に溶剤又は水蒸気を用いた場合には乾燥し,酸又はアルカリを用いた場合には水洗又は湯洗を
行った後,次の防せい工程に必要な中和,水洗,乾燥などの操作を行う。
(3) 酸又はアルカリを用いた場合には,必要に応じ4.1.3(4)によって,残留する酸又はアルカリの有無を確
認する。
4.3.4 清浄度の確認方法 清浄度の確認は,次のとおりとする。
(1) 脱脂を行った場合は,5.15.9のいずれかによる。
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(2) 除せいを行った場合は,5.1による。
4.4 蒸気脱脂 この方法は,主として塗装,めっき,化成処理,さび止め油塗布などの前処理として行
われ,不燃性溶剤の蒸気中に被清浄物をさらして,表面に付着した油脂,鉱油などを除去する方法である。
4.4.1 清浄剤 清浄剤は,原則として次のものを用いる。
(1) トリクロロエチレン 4.1.1(1)(e)による
(2) パークロロエチレン 4.1.1(1)(f)による
(3) メチレンクロライド(塩化メチレン)
4.4.2 装置 装置は,清浄剤に侵されない材質で,加熱装置と冷却器を有するもの(図2参照)。
図2 脱脂槽の一例
4.4.3 操作 操作は,次のとおりとする。
(1) 清浄剤を脱脂槽中に入れ,清浄剤の種類に適した温度に加熱する。
(2) 一方,冷却管には水を通して脱脂槽上部で溶剤蒸気を凝縮させ,回収する。
(3) 被清浄物を溶剤蒸気中にさらして汚れを除去する。
4.4.4 清浄度の確認方法 清浄度の確認は,5.15.7又は5.9のいずれかによる。
4.5 電解脱脂 この方法は,主としてめっきなどの前処理として行われ,清浄剤中に被清浄物を浸せき
し,これを電極として対極との間に通電して,表面に付着した油脂,鉱油などを除去する方法である。
4.5.1 清浄剤 清浄剤は,原則として4.2.1(4)に規定するアルカリを用いる。
4.5.2 装置 装置は,次のとおりとする。
(1) 電解槽 清浄剤に侵されない材質で,必要に応じて,ろ過及び加熱装置を有するもの。
(2) 対極 清浄剤の種類に適した不溶解性の材質(1)を用いたもの。
(3) 電源 直流電源を用い,電流計及び電圧計を有するもの。
注(1) 一般に炭素鋼,黒鉛,鉛,ステンレス鋼などが用いられる。
4.5.3 操作 操作は,次のとおりとする
(1) 電解槽に満たした常温又は加熱した清浄剤中に被清浄物を浸せきして通電し,汚れを除去する。
(2) 通電法は,次のいずれかによる。
――――― [JIS Z 0305 pdf 5] ―――――
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JIS Z 0305:1998の国際規格 ICS 分類一覧
JIS Z 0305:1998の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK1201:1950
- ソーダ灰
- JISK1202:1981
- 固形かせいソーダ
- JISK1310:1959
- 塩酸(合成)
- JISK1321:1994
- 硫酸
- JISK1408:1966
- けい酸ナトリウム(けい酸ソーダ)
- JISK1437:1956
- りん酸ナトリウム(正りん酸ナトリウム)
- JISK1449:1978
- りん酸
- JISK1501:2005
- メタノール
- JISK1508:1982
- トリクロロエチレン(トリクロルエチレン)
- JISK1521:1982
- パークロロエチレン(テトラクロルエチレン)
- JISK1522:2012
- イソプロピルアルコール(イソプロパノール)
- JISK1524:2012
- メチルエチルケトン
- JISK2201:1991
- 工業ガソリン
- JISK2203:2009
- 灯油
- JISK2204:2007
- 軽油
- JISK8116:2006
- 塩化アンモニウム(試薬)
- JISK8863:2007
- ほう酸(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISK8983:2016
- 硫酸銅(II)五水和物(試薬)
- JISK8989:2020
- 硫酸ニッケル(II)六水和物(試薬)
- JISZ0103:1996
- 防せい防食用語
- JISZ0303:2009
- さび止め包装方法通則