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(a) 陽極電解法 被清浄物を陽極にして通電する。
(b) 陰極電解法 被清浄物を陰極にして通電する。
(c) R電解法 被清浄物を適当な時間間隔で,陽極と陰極を交互に切り換えて通電する。
(3) 被清浄物は汚れを除去した後,水洗又は湯洗し,必要に応じて乾燥する。
4.5.4 清浄度の確認方法 清浄度の確認は,5.15.9のいずれかによる。
5. 清浄度試験方法
5.1 目視法 この方法は,清浄にした表面を目視又は必要に応じて拡大鏡によって観察し,表面に残存
している汚れの種類及び清浄状態を評価する方法である。
5.1.1 観察場所及び標準写真 観察場所及び標準写真は,次のとおりとする。
(1) 観察場所 白又は昼光色光源による一定の間接照明が得られる場所。
(2) 標準写真 当事者間の協定によって清浄度を数段階に分け,各段階ごとの清浄度の状態が識別できる
ように作ったもの。
5.1.2 操作 外観観察場所において,清浄にした面を目から約30cm離して観察する。
必要に応じて標準写真と比べる。
5.1.3 評価方法 清浄方法及び引き続き行われる防せい処理に適した次の項目を選んで評価する。
(1) 汚れの程度及び状態
(2) 平滑さ
(3) 粗さ
(4) 光沢
(5) 色
(6) 清浄度
5.2 ふき取り法 この方法は,清浄にした面を布などでふき取り,布などの汚れの状態によって,主と
して脱脂後の清浄状態を評価する方法である。
5.2.1 器具 器具は,次のとおりとする。
(1) 白布(2) 毛羽のほとんどないきれいなもの。
(2) 黒布 毛羽のほとんどないきれいなもの。
注(2) 白布の代わりにろ紙を使ってもよい。
5.2.2 操作 清浄にした面の一部分を白布でできる限り強い力でふき,次にほぼ同じ面積の別の部分を黒
布で同様にふく。
5.2.3 評価方法 ふき取った白布及び黒布の付着物を目視によって評価する。
5.3 水切り法 この方法は,清浄にした面を水に浸せきし,しずくを落として表面に付着した水の状態
によって,主として脱脂後の清浄状態を評価する方法である。
備考 溶剤系の清浄剤を用いた場合は,清浄剤が残存していると評価結果に影響することがある。
5.3.1 器具 器具は清浄で,被清浄物に適した大きさの水槽とする。
5.3.2 操作 操作は,次のとおりとする。
(1) 水槽に清浄な水を適量入れる。
(2) 清浄にした面を水に浸せきし(3),引き上げる。
注(3) 清浄剤にアルカリを使用した場合には,水に浸せきする前に,希薄な塩酸に浸せきした方がよ
い。ただし,その場合には十分に水洗を行うこと。
――――― [JIS Z 0305 pdf 6] ―――――
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5.3.3 評価方法 引き上げた後,清浄にした面を鉛直にし,約10秒間放置してしずくを落とし,表面に
付着した水の状態によって評価する。
この場合,水膜で覆われた部分は清浄であることを,水膜が付着していない部分は油性の汚れが付着し
ていることを示す。
5.4 スプレーパターン法 この方法は,清浄にした面に水を噴霧して水膜を作り,水はじきの状態によ
って,主として脱脂後の清浄度を評価する方法である。
備考 主として実験室用の試験に適する試験である。
5.4.1 装置 装置は,次のとおりとする。
(1) 噴霧装置 香水吹きなど,微細な粒子の霧が噴霧できるもの。
(2) 碁盤目測定板 測定面に応じた大きさの正方形の透明板に,碁盤目状に縦横に10分割する線が引かれ
たもの。
5.4.2 操作 清浄にし,風乾した面に噴霧装置で,蒸留水又は脱イオン水を噴霧する。
この場合,清浄にした面を鉛直から後方に510度傾け,1530cm離して水滴が流れない程度に噴霧す
る。
5.4.3 評価方法 噴霧後,1060秒間放置し,試験面に碁盤目測定板を近づけ,水膜で覆われた目の数
を百分率 (%) で表す。
この場合,水膜で覆われた部分は清浄であることを,水膜が付着していない部分は油性の汚れが付着し
ていることを示す(図3参照)。
図3 汚れのパターンのスケッチ
5.5 アトマイザー法 この方法は,清浄にした面に水を噴霧し,油膜や微小の油滴を浮き上がらせて,
主として脱脂後の清浄度を評価する方法である。
備考 主として実験室用の試験に適する方法である。
5.5.1 装置 装置は,次のとおりとする。
(1) 噴霧装置 60kPa程度の圧縮空気によって微小な霧を噴霧できるもの。
(2) 碁盤目測定板 5.4.1(2)による。
5.5.2 操作 清浄にし,風乾した面に噴霧装置で蒸留水若しくは脱イオン水又はこれに染料(赤インキな
ど)を加えた液を噴霧する。
この場合,清浄にした面を鉛直から後方に510度傾け,約60cm離れた所から60kPa程度の圧力で,
3040秒間噴霧する(図4参照)。
――――― [JIS Z 0305 pdf 7] ―――――
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図4 アトマイザー法
5.5.3 評価方法 5.4.3による。ただし,蒸留水又は脱イオン水に染料を加えた場合は,噴霧後1分間以
上放置してもよい。
5.6 接触角法 この方法は,清浄にした面に水滴を落とし,その接触角によって,主として脱脂後の清
浄度を評価する方法である。
備考 主として実験室用試験に適する方法である。
5.6.1 装置 ゴニオメーターなどの接触角測定器。
5.6.2 操作 操作は,次のとおりとする。
(1) 清浄にした面を水平に置き,液滴の滴下孔を開き,マイクロビュレット(液滴調整器)用のポンプを
用いて水滴を滴下する。
(2) 滴下後直ちに各種微動装置によって接触角測定器の視野に水滴像をとらえる。
(3) 滴下後約1分間後の接触角を分度器で読む(図5参照)。
図5 接触角測定器の一例
5.6.3 評価方法 清浄にした面の一面当たり45点を測定し,その平均値をもって接触角とする。この
場合,油性の汚れがある面は接触角は大きく,清浄な部分は接触角は,ほぼ0度となる。
備考 脱脂後の経過時間は接触角に大きな影響を与えるので,測定までの時間は当事者間で定める。
5.7 硫酸銅法 この方法は,清浄にした面を酸性硫酸銅水溶液中に浸せきし,析出する銅皮膜の付着状
態によって,主として脱脂後の清浄状態を評価する方法である。
備考 比較的小さな物の試験に適する方法である。
5.7.1 器具 器具は,耐酸性の材質で作られた容器とする。
――――― [JIS Z 0305 pdf 8] ―――――
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5.7.2 試薬 試薬は,次のとおりとする。
(1) 硫酸銅 JIS K 8983に規定するもの。
(2) 硫酸 JIS K 8951に規定するもの。
5.7.3 操作 操作は,次のとおりとする。
(1) 清浄にした面を酸性硫酸銅水溶液(4)に約1分間浸せきする。
(2) 引き上げた後,直ちに水洗し,評価する。
注(4) 一般に用いられる液の組成は,溶液1l中に硫酸銅50g及び硫酸20gを含むものである。
5.7.4 評価方法 銅皮膜の析出むら,光沢むら,膨れ,はがれなどを観察し,また,指先で皮膜をこすり,
はく離の状態を見て評価する。
5.8 電気めっき法 この方法は,清浄にした面に電気めっきを施し,めっきの状態によって,清浄状態
を評価する方法である。
5.8.1 装置 装置は,次のとおりとする。
(1) めっき槽 材質は耐酸性で,加熱装置,空気などによるかき混ぜ装置を有するもの。
(2) 電源 セレン,シリコンなどの整流器,蓄電池などの直流出力電源で,電圧計,電流計及び出力調節
用抵抗器を有するもの。
(3) 電極 ニッケル板を陽極とし,被清浄物を陰極とする。
5.8.2 試薬 試薬は,次のとおりとする。
(1) 硫酸ニッケル JIS K 8989に規定するもの。
(2) 塩化アンモニウム JIS K 8116に規定するもの。
(3) ほう酸 JIS K 8863に規定するもの。
5.8.3 操作 操作は,次のとおりとする。
(1) 5.8.2の試薬を主剤とする浴(5)を用いて清浄にした面を温度約50℃,陰極電流密度約4A/dm2の条件
でかくはんしながら20分間めっきする。
(2) めっき終了後,直ちに水洗又は湯洗して乾燥する。
注(5) 一般に用いられる浴の組成は,溶液1l中に硫酸ニッケル200g,塩化アンモニウム45g,ほう酸30g
及び添加剤適量を含み,pH値4.05.6のものである。
5.8.4 評価方法 評価方法は,次のとおりとする。
(1) 外観観察 めっき面の光沢むら,曇,条こんなどの状態を見て評価する。
(2) 加熱試験 加熱試験(6)によって,膨れ,ひび割れなどの状態を見て評価する。
注(6) 約200℃で10分間加熱し,直ちに冷水中に入れ,急冷させる試験をいう。
5.9 残留油分質量法 この方法は,清浄な試験片に油性物質を塗布し,採用を検討する清浄方法で脱脂
した後,清浄前後の試験片の質量差によって,清浄性能を比較評価する方法である。
5.9.1 器具 化学天びん。
5.9.2 操作 操作は,次のとおりとする。
(1) 当事者間の協定による枚数の清浄な試験片の質量を測定する。
(2) この試験片に一定量の油性物質(7)を塗布し,その質量を測定する。
(3) 各試験片をできるだけ同一条件で,採用を検討する清浄方法によって清浄する。
(4) 清浄後(8)の試験片の質量を測定する。
注(7) 油性物質は当事者間の協定による。
(8) 加熱清浄した場合には,十分に放冷すること。
――――― [JIS Z 0305 pdf 9] ―――――
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備考 油性物質塗布後,清浄までの期間は試験結果に大きな影響を与えるので,当事者間の協定によ
る。
5.9.3 評価方法 次の式によって清浄率を求め,各試験片の平均値で表す。
m1 m2
C 100
m1 m3
ここに, C : 清浄率 (%)
m1 : 油性物質を塗布した試験片の質量 (mg)
m2 : 油性物質塗布後,清浄にした試験片の質量 (mg)
m3 : 油性物質塗布前の試験片の質量 (mg)
6. 記録 記録は,次のとおりとする
(1) 被清浄物の品名及び材質
(2) 清浄方法
(3) 清浄剤
(4) 清浄操作条件
(5) 清浄度試験方法及び評価結果
(6) 試験年月日
(7) その他特記事項
JIS Z 0305防せい前処理用清浄方法等7規格工業標準改正原案作成委員会 構成表
氏名 所属
(委員長) 高 橋 教 司 社団法人日本防錆技術協会
外 川 靖 人 日本テストパネル工業株式会社
堀 正 社団法人日本防錆技術協会
岡 襄 二 日鉄建材工業株式会社
山 本 雅 雄 日本精工株式会社トライポロジ研究所
藤 田 敏 雄 キレスト株式会社商品開発研究所
大 井 康 生 太平製紙株式会社
清 水 良 直 防錆材技研
松 崎 幸 雄 日本石油株式会社中央技術研究所
川 口 三六生 横浜ゴム株式会社
鈴 木 章 允 積水化学工業株式会社
間 宮 富士雄 間宮技術士事務所
相 沢 謙 次 日本パーカライジング株式会社
益 子 行 夫 日飛興産株式会社
(事務局) 神 尾 和 男 社団法人日本防錆技術協会
JIS Z 0305:1998の国際規格 ICS 分類一覧
JIS Z 0305:1998の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISK1201:1950
- ソーダ灰
- JISK1202:1981
- 固形かせいソーダ
- JISK1310:1959
- 塩酸(合成)
- JISK1321:1994
- 硫酸
- JISK1408:1966
- けい酸ナトリウム(けい酸ソーダ)
- JISK1437:1956
- りん酸ナトリウム(正りん酸ナトリウム)
- JISK1449:1978
- りん酸
- JISK1501:2005
- メタノール
- JISK1508:1982
- トリクロロエチレン(トリクロルエチレン)
- JISK1521:1982
- パークロロエチレン(テトラクロルエチレン)
- JISK1522:2012
- イソプロピルアルコール(イソプロパノール)
- JISK1524:2012
- メチルエチルケトン
- JISK2201:1991
- 工業ガソリン
- JISK2203:2009
- 灯油
- JISK2204:2007
- 軽油
- JISK8116:2006
- 塩化アンモニウム(試薬)
- JISK8863:2007
- ほう酸(試薬)
- JISK8951:2006
- 硫酸(試薬)
- JISK8983:2016
- 硫酸銅(II)五水和物(試薬)
- JISK8989:2020
- 硫酸ニッケル(II)六水和物(試薬)
- JISZ0103:1996
- 防せい防食用語
- JISZ0303:2009
- さび止め包装方法通則