JIS Z 0321:1997 銅及び銅合金用気化性腐食抑制紙

JIS Z 0321:1997 規格概要

この規格 Z0321は、銅及び銅合金の腐食抑制に用いる気化性腐食抑制紙について規定。

JISZ0321 規格全文情報

規格番号
JIS Z0321 
規格名称
銅及び銅合金用気化性腐食抑制紙
規格名称英語訳
Volatile corrosion inhibitor paper for copper and copper alloys
制定年月日
1997年6月20日
最新改正日
2016年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

77.120.30
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1997-06-20 制定日, 2002-05-20 確認日, 2006-10-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS Z 0321:1997 PDF [6]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
Z 0321-1997

銅及び銅合金用気化性腐食抑制紙

Volatile corrosion inhibitor paper for copper and copper alloys

1. 適用範囲 この規格は,銅及び銅合金の腐食抑制に用いる気化性腐食抑制紙について規定する。
備考1. 気化性腐食抑制紙は,銅及び銅合金の腐食抑制に効力をもち,常温で昇華性がある化合物又
はその化合物を主成分とする混合物を,含浸又は塗布することによって包装紙に保持したも
の。
2. この規格の,引用規格を,次に示す。
JIS H 3100 銅及び銅合金の板及び条
JIS H 3110 りん青銅及び洋白の板及び条
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 1503 アセトン
JIS K 3351 工業用グリセリン
JIS R 3503 化学分析用ガラス器具
JIS R 6251 研磨布
JIS R 6252 研磨紙
JIS R 6253 耐水研磨紙
JIS Z 1514 ポリエチレン加工紙
JIS Z 1522 セロハン粘着テープ
JIS Z 1524 包装用布粘着テープ
2. 用語の定義 この規格に用いる主な用語の定義は,JIS K 0050によるほか,次による。
(1) 銅合金 黄銅及びりん青銅
(2) 接触腐食抑制性 気化性腐食抑制紙で,銅又は銅合金を密着包装したとき,それが銅又は銅合金の変
色及び腐食の防止に効果を発揮する性質。
(3) 気相腐食抑制性 気化性腐食抑制紙が,気相状態で銅又は銅合金の変色及び腐食の防止に効果を発揮
する性質。
3. 種類 気化性腐食抑制紙の種類は,その使用範囲によって,表1のとおり分類する。
表1 気化性腐食抑制紙の種類
種類 使用範囲
1種 銅に限り使用可能なもの
2種 銅及び銅合金に使用可能なもの

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Z 0321-1997
4. 品質 品質は,5.によって試験したとき,表2のとおりとする。
表2 気化性腐食抑制紙の品質
種類 ポリエチレン加 銅に対する 銅合金に対する 銅に対する 銅合金に対する
工紙との共存性 接触腐食抑制性 接触腐食抑制性 気相腐食抑制性 気相腐食抑制性
1種 異常がないこと A級又はB級 − A級又はB級 −
2種 異常がないこと A級又はB級 A級又はB級 A級又はB級 A級又はB級
注 A級及びB級の表示は,表3による。
5. 試験方法
5.1 一般事項 試験において共通する一般事項は,JIS K 0050による。
5.2 ポリエチレン加工紙との共存性
5.2.1 要旨 ポリエチレン加工紙をポリエチレン面を内側にした袋とし,この中に気化性腐食抑制紙を入
れ,規定温度に規定時間保持した後,袋を開封して,ポリエチレン加工紙の異常の有無を調べる。
5.2.2 材料 ポリエチレン加工紙は,JIS Z 1514に規定する3級 片面 SS50。
5.2.3 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。
(1) 恒温槽 65±2℃に調節できるもの。
(2) おもり 底の平らな質量5kgのもの。
(3) 銅板 JIS H 3100に規定するC1100Pの40×60×3.0mmのもの。
5.2.4 試験体 試験体は,ポリエチレン加工紙を150mm角の大きさに切り,ポリエチレン面を内側にし
て半分に折り畳み,折り目に対し均一に荷重が掛かるようにおもりを30秒間載せ,次に,75mmの2辺を
熱封かんして作製した袋の中に,150mm角の気化性腐食抑制紙で銅板を包んだものを入れ,余分な空気を
手で追い出した後,口を熱封かんし組み立てたもの。
5.2.5 操作 試験体を65±2℃に保った恒温槽に入れ,5日間保持した後,取り出して室温まで放冷し,
熱封かん部を切り取り,銅板を包んだ気化性腐食抑制紙を取り除き,ポリエチレン加工紙を開く。このポ
リエチレン加工紙のポリエチレン面を上にして,固定した直径約6mmのガラス棒又は金属棒に,その長
手方向が直角になるようにして,180度折り曲げ,棒に押しつけるようにしてその両端を数回交互に引っ
張る。
次に,これを広げて,ポリエチレン加工紙のはく離,膨潤,割れなどの異常の有無を調べる。この試験
は3個の試験体について同時に行い,3枚のポリエチレン加工紙中2枚以上に異常が認められた場合は,
異常が発生したものと判定する。
また,3枚中1枚に異常が認められた場合は更に試験を繰り返し,再び3枚中1枚以上に異常が認めら
れた場合は,異常が発生したものと判定する。
5.3 接触腐食抑制性
5.3.1 要旨 銅又は銅合金試験片を気化性腐食抑制紙で包み,規定温度,規定湿度で規定時間保持した後,
その変色又は腐食の有無を調べる。
5.3.2 試薬及び材料 試薬及び材料は,次のとおりとする。
(1) アセトン JIS K 1503に規定するもの。
(2) グリセリン水溶液 (23vol%) IS K 3351に規定する精製グリセリンの1号を用いて調製したもの。
(3) 銅板 JIS H 3100に規定するC1100P。
(4) 黄銅板 JIS H 3100に規定するC3713P。

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(5) りん青銅板 JIS H 3110に規定するC5191P。
(6) 研磨布 JIS R 6251に規定するA, P400。
(7) 研磨紙 JIS R 6252に規定するA, P400。
(8) 耐水研磨紙 JIS R 6253に規定するC, P400。
(9) 包装用布粘着テープ JIS Z 1524に規定するもの。
5.3.3 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。
(1) 恒温槽 50±2℃に調節できるもの。
(2) デシケーター 内容積500ml以上のもの1個及び内容積9 000ml以上のもの2個。
5.3.4 試験片及び試験体 試験片及び試験体は,次のとおりとする。
(1) 試験片
(1.1) 試験片の作製 1種については60×80×1.0mmの大きさに切った銅板を,2種については60×80×
1.0mmの大きさに切った銅板,黄銅板及びりん青銅板を用意する。
(1.2) 試験片の調製 試験片の調製は,次のとおり行う。
(a) 研磨 研磨紙又は研磨布で試験面を初め短辺方向に,次いで長辺方向に研磨し,約1日,内容積500ml
以上のデシケーター中に保持する。試験に先立ちこれを取り出し,水100200mlを流しながら,
耐水研磨紙で長辺方向に約1分間研磨する。
(b) 清浄 研磨を終えた試験片を,直ちに洗瓶に入れたアセトンで洗い流し,次いで200mlのアセトン
中で,研磨面を清浄なガーゼなどでぬぐい,更に温アセトンに浸し,引き上げて風乾する。この操
作は1枚ごとに行う。
(2) 試験体 気化性腐食抑制紙を140×110mmの大きさに切り,図1のとおり試験片の試験面が紙と接触
するように包装し,最終的に,裏面を70×50mmの大きさに切った,包装用布粘着テープで接着密封
したもの。
図1 試験片の包み方
5.3.5 操作 相対湿度を95%に調整するため,グリセリン水溶液 (23vol%) を,内容積9 000ml以上のデ
シケーター下部全面に10mmの深さまで入れる。
デシケーターは,50±2℃に調整した恒温槽に入れる。
このデシケーター中から中板を取り出し,試験体のテープ面を下側にして載せ,デシケーター中に戻し,

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銅試験片及び黄銅試験片については7日間,りん青銅については3日間50±2℃に保持する。
その後,試験体を取り出し,室温に戻した後,目視によって試験面の変色又は腐食の状態を調べる。そ
の評価は表3のとおりとする。
表3 試験片の評価
等級 目視評価
A級 全く変化がないもの
B級 極くわずかに変色したもの
C級 わずかに変色したもの
D級 はっきり変色したもの
E級 激しく変色又は腐食したもの
この試験は,3個の試験体について同時に行い,3枚中2枚以上がC級以下と評価された場合は,変色
又は腐食したものと判定する。
また,3枚中1枚だけがC級以下と評価された場合は試験を繰り返し,再び3枚中1枚以上がC級以下
と評価された場合は,変色又は腐食したものと判定する。
この試験には,気化性腐食抑制紙用原紙で包装した空試験を同時に行い,空試験の試験片が3枚中1枚
でもA級又はB級と評価された場合は,試験をやり直す。空試験は,別のデシケーター中で行う。
5.4 気相腐食抑制性
5.4.1 要旨 気化性腐食抑制紙を内ばりした広口瓶の底部に水を入れ,試験片は広口瓶のゴム栓からつる
し,この試験体を規定温度に規定時間保持した後,試験片の変色又は腐食の有無を調べる。
5.4.2 試薬及び材料 試薬及び材料は,次のとおりとする。
(1) アセトン 5.3.2(1)に規定するもの。
(2) 銅板 5.3.2(3)に規定するもの。
(3) 黄銅板 5.3.2(4)に規定するもの。
(4) りん青銅板 5.3.2(5)に規定するもの。
(5) 研磨布 5.3.2(6)に規定するもの。
(6) 研磨紙 5.3.2(7)に規定するもの。
(7) 耐水研磨紙 5.3.2(8)に規定するもの。
(8) 包装用布粘着テープ 5.3.2(9)に規定するもの。
(9) セロハン粘着テープ JIS Z 1522に規定するもの。
5.4.3 装置及び器具 装置及び器具は,次のとおりとする。
(1) 恒温槽 循環加熱型で,50±2℃に調節できるもの1台,5±2℃に調節できるもの1台及び30±2℃に
調節できるもの1台とし,このうち,30±2℃に調節できる恒温槽は,50±2℃に調節できるもの及び
5±2℃に調節できるもののいずれかを共用してもよい。
(2) 広口共栓瓶 JIS R 3503に規定する1 000mlのもの。
(3) ゴム栓 黒色ゴム栓又はシリコーンゴム栓の#23。
(4) フック 径約1mm,ステンレス鋼製。
5.4.4 試験片及び試験体 試験片及び試験体は,次のとおりとする。
(1) 試験片
(1.1) 試験片の作製 1種については40×60×3.0mmの大きさに切った銅板を,2種については40×60×
3.0mmの大きさに切った銅板,黄銅板及びりん青銅板を用意する。

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なお,各金属板は短辺近くの中央部に,つり下げ用の直径約3mmのあなをあける。
(1.2) 試験片の調製 試験片の調製は,次のとおりとする。
(a) 研磨 5.3.4(1.2) (a)による。
(b) 清浄 5.3.4(1.2) (b)による。
(2) 試験体 試験体は,次のとおり組み立てる。
(a) 気化性腐食抑制紙を71.5×280mmの大きさに切り,包装用布粘着テープ又はセロハン粘着テープで
広口瓶の内壁にはり付ける。
(b) 試験片はゴム栓の中央に通したステンレス鋼製フックによって,ゴム栓の底部からその上部が約
50mmの位置にくるようにつり下げる。
(c) 広口瓶は(b)のゴム栓をし,30±2℃の恒温槽中で18時間保持した後室温に1時間保持し,その後,
調湿のため水20mlを広口瓶の底部に入れる。その状態は図2に示す。
図2 気相腐食抑制性試験用試験体
5.4.5 操作 この試験体を,5±2℃に保った恒温槽に2時間,50±2℃に保った恒温槽に3時間,再び5
±2℃に保った恒温槽に16時間,50±2℃に保った恒温槽に3時間,順次保持する。試験後,試験体を室温
に戻した後試験片を取り出し,アセトンに浸してから引き上げて風乾し,目視によって試験面の変色又は
腐食の状態を調べる。その評価は表3のとおりとする。
この試験は,3個の試験体について同時に行い,3枚中2枚以上がC級以下と評価された場合は,変色
又は腐食したものと判定する。
また,3枚中1枚だけがC級以下と評価された場合は試験を繰り返し,再び3枚中1枚以上がC級以下
と評価された場合は,変色又は腐食したものと判定する。
この試験には,気化性腐食抑制紙用原紙で内ばりした空試験を同時に行い,空試験の試験片が3枚中1
枚でもA級又はB級と評価された場合は,試験をやり直す。

――――― [JIS Z 0321 pdf 5] ―――――

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