JIS Z 2101:2009 木材の試験方法 | ページ 3

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3.3.2 繊維飽和点以上の含水率状態での試験のための試験材
試験体を作製するまで,乾燥するおそれのない状態で保存する。

3.4 試験体の作製

3.4.1  試験体の形状及び寸法
試験材から作製する試験体の形状及び寸法は,各箇条の規定による。
3.4.2 試験体の長軸
試験体の長軸は,繊維軸と平行でなければならない。ただし,横圧縮試験,横引張試験及び部分圧縮試
験用では,長軸は繊維軸に垂直でなければならない。
なお,繊維軸とは正しい板目面と正しいまさ(柾)目面の交線である。試験体木口面における年輪は,
木口面の一組の辺と平行で,もう一組の辺と直角を成していなければならない。ただし,横圧縮試験,横
引張試験及び部分圧縮試験での45°方向の試験体では,試験体木口面における年輪は,木口面の二組の辺
と45°を成していなければならない。
3.4.3 寸法公差,寸法精度及び仕上げ
試験体の呼称寸法と実測寸法との公差は,±0.5 mmを超えないものとする。また,その偏差内であって
も,試験体のどの部分も,±0.1 mmの範囲に収まっている必要がある。ただし,試験結果の計算に使わな
い部分の寸法は,±1 mmの精度とする。試験に影響する試験体の各面は,試験に差し支えのないよう仕
上げなければならない。
3.4.4 採取位置
試験体には,試験材のどの位置から採取したのかが分かるようにマークする。

3.5 試験体の数

3.5.1  一般事項
試験体の数は,特別な定めがない限り,12個以上とする。
3.5.2 統計的方法
試験対象の物性値を必要な精度で決定するためには,次の方法によって試験体の数を決定する。また,
信頼限界0.95,目標精度(誤差率)5 %を指標にする。
a) 選択的抽出方法を用いて試験体の最少数を求める場合は,次の式による。ただし,選択的抽出方法は,
多くの樹木又は丸太から試験体を得られる場合に適用する。
2 2
V 2t2 n b i 1
nmin mn
p2 b
2
i
2
1
ここに, nmin : 試験体の最少数
m : 試験材(丸太,製材品,板)の数
n : 試験材個々から採った試験体の平均個数
V : 物性値の変動係数 (%)
t : t分布表の数値
p : 目標精度(誤差率)(%)
σb2 : 試験材の測定値の各算術平均間の分散
σi2 : 1試験材内の測定値の分散
b) 単純抽出方法を用いて試験体の最少数を求める場合は,近似的に次の式による。ただし,単純抽出方
法は,限られた数の丸太などからしか試験体が得られない場合に適用する。

――――― [JIS Z 2101 pdf 11] ―――――

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2 2
Vt
nmin 2
p
ここに, nmin : 試験体の最少数
V : 物性値の変動係数 (%)
t : t分布表の数値
p : 目標精度(誤差率)(%)
なお,物性質の変動係数の平均値を表1に示す(ISO 3129参照)。
表1−物性質の変動係数(参考)
単位 %
木材の性質 変動係数
1 cm内に含まれる年輪数 37
晩材率 28
密度 10
平衡含水率 5
収縮率 : (線収縮率) 28
(容積収縮率) 16
縦圧縮強さ 13
曲げ強さ 15
せん断強さ 20
曲げヤング係数 20
横圧縮比例限度応力(降伏点応力) 20
引張強さ : 縦 20
: 横 20
衝撃曲げ吸収エネルギー 32
硬さ 17

3.6 試験体の調湿

3.6.1  標準状態での試験のための調湿
試験体は,温度20±2 ℃,湿度 (65±3) %の雰囲気下に放置して,含水率を標準状態 (12±1.5) %にする。
なお,標準状態と同じ含水率になるように,適切な温度及び湿度の条件下で調湿してもよい。
3.6.2 繊維飽和点以上の状態での試験のための調湿
試験体が繊維飽和点以下になった場合は,水に浸せきする。その後,試験体のすべての部分が繊維飽和
点以上になるまで放置する。
3.6.3 気乾状態での試験のための調湿
試験体は,雨のかからない外気の下,又は室温環境に放置して,含水率を平衡状態 (1117 %) とする。

3.7 物理的,強度的試験のための一般通則

3.7.1  試験室の温度及び湿度
試験室内の温度は20±2 ℃に保持する。相対湿度は(65±3) %であることが望ましいが試験室内でこの相
対湿度を維持できない場合は,調湿した試験体を速やかに試験する。
3.7.2 試験の手順
試験の手順は,次による。
a) 各試験項目に適合する試験を行う。
b) 試験終了後,必要に応じて試験体の含水率,密度を測定する。含水率及び密度は,試験体から測定す
ることが望ましい。それができない場合は,試験体に近接した部位から測定するものとする。

――――― [JIS Z 2101 pdf 12] ―――――

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c) 必要に応じて平均年輪幅を測定する。平均年輪幅は,試験体の両木口面で,年輪に直角な直線上にお
いて,完全年輪の総距離lrを完全年輪の数で除した値をもって表す。
平均年輪幅の算出例を,図3に示す。
例 完全年輪の総距離 lr=35.0 mm
完全年輪数 n=3
=nlr
平均年輪幅 Ar =35.0 3
=11.7 mm
図3−平均年輪幅

3.8 結果の計算及び表示

  測定結果の計算方法及び表示は,次による。
a) 木材の各性質の数値は,各項目で定められた式で計算する。計算に用いる数値は実寸法による。
b) 計算結果は,各項目で定められた単位及び有効けた内で定められた精度で表示する。ただし,“MPa”
は,“N/mm2”で表示してもよい。
c) 試験結果の統計的評価は,次による。
1) 算術平均
xi
x
n
ここに, x : 算術平均
xi : 個々の測定値
n : 測定数
2) 標準偏差
2
xi x
s
n 1
ここに, s : 標準偏差
xi : 個々の測定値
x : 算術平均
n : 測定数
3) 平均値の標準誤差
s
sr
n
ここに, sr : 平均値の標準誤差
s : 標準偏差
n : 測定数
4) 百分率変動係数
V 100
ここに, V : 百分率変動係数 (%)
s : 標準偏差
x : 算術平均
5) 信頼限界0.95での目標精度

――――― [JIS Z 2101 pdf 13] ―――――

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2r
p 100
ここに, p : 信頼限界0.95での目標精度 (%)
sr : 平均値の標準誤差
2 : t分布表の数値
x : 算術平均

3.9 試験報告

  試験結果として,次の事項を報告する。
a) 適用したこの規格の番号又は名称
b) サンプリングの方法
c) 樹種など試験材に関する情報
d) 試験体の寸法,数量,密度,含水率及び平均年輪幅
e) 試験の内容及び結果
f) 試験の実施日
g) 試験室内の温度及び湿度
h) 試験機関の名称及び試験者名

4 含水率の測定

4.1 一般

  この箇条では,木材の含水率の測定方法について規定する。

4.2 測定概要

  試験体を質量一定になるまで乾燥したときの質量減少量を測定する。質量減少量を乾燥後の試験体の質
量の百分率として算出し,試験体の含水率とする。

4.3 装置

4.3.1  天びん 質量を0.01 g以上の精度で測定できるもの。ただし,含水率を0.1 %まで求める必要があ
る場合は,0.001 gの精度で測定できる高精度天びんとする。
4.3.2 木材の乾燥装置 木材を全乾状態まで乾燥できるもの。
4.3.3 容器 すり合わせのふたが付いたガラス製ひょう量瓶,又は同種のもの。
4.3.4 デシケータ 密閉できる容器

4.4 試験体の作製

4.4.1  形状
試験体の形状は,木口断面が2030 mmの正方形,繊維方向が1030 mmの直方体とする。
4.4.2 試験体の作製
含水率測定用の試験体は,本来の目的の試験に供された試験体から作製することが望ましい。それがで
きない場合は,試験体に近接した部位から作製してもよい。

4.5 測定手順

  含水率の測定手順は,次による。
a) 試験体の乾燥前の質量を4.3.1に規定した天びんを用いて測定する。
b) 試験体を103±2 ℃で質量一定(全乾状態)になるまで4.3.2に規定した乾燥装置を用いて乾燥する。
なお,6時間の間隔を置いた測定で,質量変化が0.5 %以下であれば質量一定とみなしてもよい。
c) 試験体が測定誤差を超える樹脂,ゴム質などの揮発性物質を含むときは,真空乾燥による乾燥を行い

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揮発性物質を除去しなければならない。
d) 試験体が4.3.4に規定したデシケータ内で室温になるまで放置後,吸湿による誤差を少なくするため速
やかに乾燥後の質量を4.3.1に規定した天びんを用いて測定する。
なお,含水率が0.1 %まで必要な場合は4.3.3に規定したひょう量瓶を用い,4.3.1に規定した高精度
天びんを用いて乾燥前の質量及び乾燥後の質量を測定する。

4.6 結果の計算及び表示

  含水率の測定結果の計算方法及び表示は,次による。
a) 試験体個々の含水率は,次の式によって計算し,0.5 %まで表示する。
m1 m2
u 100
m2
ここに, u : 試験体個々の含水率 (%)
m1 : 乾燥前の試験体の質量 (g)
m2 : 乾燥後の試験体の質量 (g)
b) 含水率を0.1 %まで測定する場合は,次の式によって計算する。
m1 m2
u 100
m2 m0
ここに, u : 試験体個々の含水率 (%)
m0 : ひょう量瓶の質量 (g)
m1 : 乾燥前の試験体を含むひょう量瓶の質量 (g)
m2 : 乾燥後の試験体を含むひょう量瓶の質量 (g)
c) 含水率の平均値は,0.5 %まで表示する。ただし,ひょう量瓶を用いて含水率を測定した場合の平均値
は,0.1 %まで表示する。

4.7 試験報告

  試験報告は,3.9によって報告する。また,3.9 e)には,4.6 a)又は4.6 b)のいずれかによったかの報告を
行う。

5 密度の測定

5.1 一般

  この箇条では,試験時及び全乾時における木材の密度及び容積密度の測定方法について規定する。

5.2 測定概要

  試験体の寸法を測定し計算によって容積を求め,更に試験体の質量を測定して,単位容積当たりの質量
を算出し密度を求める。

5.3 装置

5.3.1  寸法測定器 寸法を0.1 mmの精度で測定できるもの。
5.3.2 天びん 質量を0.01 gの精度で測定できるもの。

5.4 試験体の作製

5.4.1  形状
試験体の形状は,4.4.1の規定による。ただし,容積が容易に測定できる場合には,この箇条によらない
形状としてもよい。
5.4.2 平均年輪

――――― [JIS Z 2101 pdf 15] ―――――

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JIS Z 2101:2009の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 3129:1975(MOD)
  • ISO 3130:1975(MOD)
  • ISO 3131:1975(MOD)
  • ISO 3132:1975(MOD)
  • ISO 3133:1975(MOD)
  • ISO 3345:1975(MOD)
  • ISO 3346:1975(MOD)
  • ISO 3347:1976(MOD)
  • ISO 3348:1975(MOD)
  • ISO 3349:1975(MOD)
  • ISO 3350:1975(MOD)
  • ISO 3351:1975(MOD)
  • ISO 4469:1981(MOD)
  • ISO 4858:1982(MOD)
  • ISO 4859:1982(MOD)
  • ISO 4860:1982(MOD)

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