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Z 2242 : 2018
8.4 試験片の移動
室温以外で試験を行う場合には,試験片を加熱又は冷却媒体から取り出してから衝撃刃によって衝撃を
与えるまでの時間は,5秒以内としなければならない。ただし,室温又は機器の温度と試験片温度との差
異が25 ℃未満の場合は,例外として,10秒以内としてもよい。
移動用のジグは,試験片の温度が許容する温度範囲内となるように設計したものを使用しなければなら
ない。
媒体中から試験機に移送する間に試験片と接する部分は,試験片と同じ温度にしておかなければならな
い。
受け台上で試験片の中心合わせに用いる装置は,低い吸収エネルギーで破断した高強度の試験片が,装
置に跳ね返って振子に当たらないように留意することが望ましい。振子と試験片との干渉は,異常な高値
につながる。試験位置に置かれた試験片の端部とセンタリング装置又は試験機の固定部との隙間は,13 mm
以上としなければならない。これは,試験片の端が試験中に振子に跳ね返るおそれがあるのを防ぐためで
ある。
注記 附属書Aで示すようなVノッチ試験片用のセンタリングトングは,温度制御用媒体中から適切
な試験位置まで試験片を移動するのによく使用される。このトングを用いると,半割れした試
験片と固定したセンタリング装置との間の干渉が起きにくくなる。
8.5 試験機の能力超過
吸収エネルギーKは,初期位置エネルギーKpの80 %を超えないことが望ましい。この値を超える場合に
は,吸収エネルギーは,概数として報告し,試験機の初期位置エネルギーKpの80 %を超えていることを試
験報告書に付記しなければならない。
注記 衝撃試験は,理想的には,一定の衝撃速度で行うことが望ましい。振子式の試験の場合には,
衝撃速度は,試験片の破壊の進展とともに減少する。吸収エネルギーが振子の能力に近いよう
な試験片に対しては,正確な吸収エネルギーを得ることができないほど試験片が破壊に至る間
に振子の速度が減少する。
8.6 不完全破断
試験片が,常に試験中に二つに分離するわけではない。
材料(合否判定)試験では,不完全破断に関する情報を報告する必要はない。
材料(合否判定)試験以外の試験では,不完全破断試験片を報告しなければならない。
注記1 個々の試験片について,試験記録で識別できない場合には,破断のグループと不完全破断の
グループとに分けることでよい。
注記2 衝撃によって完全に二つに分離しない試験片は,丁番状になった半割れが,工具を用いず,
試験片を疲労させることもなく押し合わせることによって分離できる場合には,破断とみな
してもよい。
8.7 試験片の詰まり
試験機の中で試験片が詰まった場合は,試験結果は,無効とし,校正された試験機の状態に影響を及ぼ
す損傷が生じたかどうか,試験機の検査を行う。
注記 試験片の詰まりは,破断した試験片が,試験機の可動部と非可動部との間で挟まれて生じる。
結果として,大きなエネルギー吸収が生じる可能性がある。試験片の詰まりは,試験片につい
た1次衝撃刃痕と反対側の一対の痕と関連付けられるので,2次衝撃刃痕とは区別できる。
――――― [JIS Z 2242 pdf 11] ―――――
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8.8 破断後の検査
破断後の検査で,試験片の識別表示の部分が試験によって変形した部分に入っていることが目視で認め
られるときには,試験結果が,材料を代表していない可能性があり,この場合は,試験報告書にその旨を
記録しなければならない。
9 試験報告書
9.1 必須項目
次の事項を,試験報告書に記載しなければならない。ただし,顧客の了解を得た場合には,試験所の試
験報告書に記載されたトレーサブルコードを基に,次の事項が入手できるようにしなければならない。
a) この規格の番号
b) 試験片の識別(例 鋼の種類及び溶鋼番号)
c) 試験片が標準試験片以外の場合は,試験片の寸法
d) 試験温度又は試験片の調整された温度
e) 吸収エネルギー(ノッチ形状と衝撃刃の半径とを識別できるように記載する。)
f) 試験片又は試験片のグループの過半数が,破断したかどうか(材料評価試験には,適用されない。)
g) 試験に影響を与えると思われる異常事態
9.2 協定による項目
9.1に加えて,受渡当事者間の協定によって次の事項を試験報告書に記載してもよい。
a) 試験片の軸方向(ISO 3785参照)
b) 試験機の定格容量(単位 J)
c) 横膨出(附属書B参照)
d) 延性破面率又はぜい性破面率(附属書C参照)
e) 吸収エネルギー・温度曲線(D.1参照)
f) 横膨出−温度曲線
g) 破面率−温度曲線
h) 遷移温度及び決定した基準(D.2参照)
i) 試験で完全に分離しなかった試験片の数
j) 直近の直接検証及び間接検証の年月
k) 測定値の不確かさ(附属書E参照)
――――― [JIS Z 2242 pdf 12] ―――――
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附属書A
(参考)
センタリングトング
図A.1に示したようなトングは,試験片をシャルピー衝撃試験機の適切な位置に移送するのにしばしば
使用する。
単位 mm
注a) 互いに平行になるように,トングに銀はんだ付けされた鋼製部。
試験片厚さ A B
10 1.601.70 1.521.65
5 0.740.80 0.690.81
3 0.450.51 0.360.48
図A.1−Vノッチシャルピー衝撃試験片センタリングトング
――――― [JIS Z 2242 pdf 13] ―――――
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附属書B
(規定)
横膨出の求め方
B.1 一般
シャルピー試験片のノッチ底部に生じる三軸応力下での材料の破断抵抗能の測定は,この部位で生じる
変形量で行う。この場合の変形は,収縮となる。破断後であっても,この変形の測定は困難であるため,
通常,破断面の端部に生じる張出しを測定し,収縮の代替とする。
B.2 手順
横膨出の測定においては,横方向の張出しの状態は,二つの破断片で必ずしも一致しないことを考慮す
ることが望ましい。したがって,最大の張出しは,破断した試験片の片方の試験片の両側面に含まれるこ
と,片側面だけに含まれること又はいずれにも含まれないことがある。
そのため,測定は次のいずれかによる。横膨出の値は,通常,JIS Z 8401の規則Aによって小数点第2
位まで求める。
a) 二つの破断した試験片の衝撃面(ノッチのある面と反対の面)を合わせ(図B.1参照),試験片端部付
近の変形が生じていない側面(ノッチのある面に直角な面)を両破断片で一致させる。この両側面間
の幅(図B.1のb参照)を基準とし,横方向に最大に張り出している箇所の幅(図B.1のa参照)を
求め,基準とした幅との差を横膨出とする。
b) 二つの破断面の張出し量をそれぞれ測定して,破断面の片側側面で,大きい方の値を決定し,その両
側面についての和として算出する。それぞれの片側の試験片の各側面の膨出量を,試験片の側面で変
形していないとみなす面に対して測定する(図B.2のB参照)。測定には,接触法及び非接触法を用
いることができる。
横膨出は,図B.3及び図B.4で示すようなゲージを用いて,試験片を測定してもよい。ゲージを用
いるときは,最初に,ノッチに直角な両側の面を観察し,衝撃試験中に生じたばりがないことを確認
する。ばりがある場合には,ばりの除去中に,測定すべき突出部を擦らないようにして,例えば,研
磨布で擦るなどして,ばりを除去する。次に,当初ノッチの反対であった面が,互いに向かい合うよ
うに二つの破断した試験片を置く。破断した試験片の一方を取り(図B.2参照),測定子に突出部を合
わせて,基準面(reference support)にしっかりと押し付ける。読みを記録し,もう一方の破断した試
験片についても,同じ側面を測定するように,この手順を繰り返す(図B.2参照)。それぞれの面で得
られた大きい方の値をこの側面の張出し量とする。この方法を繰り返して反対側の張出し量を測定し,
それぞれの側面から得られた大きい方の値を加える。例えば,A1>A2及びA3=A4の場合,LE=A1+(A3
又はA4)となる。A1>A2及びA3>A4の場合,LE=A1+A3となる。
測定子,機械の取付け表面などに接触することで,試験片の一つ以上の突出部を損傷した場合は,
その試験片を測定してはならず,状況を試験報告書に記載しなければならない。
――――― [JIS Z 2242 pdf 14] ―――――
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LE=a−b
ここに,LE : 横膨出(mm)
図B.1−横膨出(両破断片を一括して測定する場合)
1 破断した試験片の片方
2 破断した試験片のもう片方
B 試験片の厚さ,mm
A1,A2,A3,A4 測定した距離,mm
図B.2−横膨出(破断片を別々に測定する場合)
――――― [JIS Z 2242 pdf 15] ―――――
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JIS Z 2242:2018の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 148-1:2016(MOD)
JIS Z 2242:2018の国際規格 ICS 分類一覧
JIS Z 2242:2018の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7722:2018
- 金属材料のシャルピー衝撃試験―試験機の検証
- JISG0202:2013
- 鉄鋼用語(試験)
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方