JIS Z 2352:2010 超音波探傷装置の性能測定方法 | ページ 2

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表1−時間軸直線性の測定に用いるエコー及び調整方法
調整方法1 調整方法2
測定範囲の約1/5の厚さの平板 測定範囲の約1/10の厚さの平板
エコーの発生方法 又は 又は
測定範囲の約1/5の間隔の擬似信号測定範囲の約1/10の間隔の擬似信号
利用するエコーの数 6個 11個
B1を0 %fs B3を20 %fs
エコーの調整位置a)
B6を100 %fs B9を80 %fs
注a) の下付きの数字は,底面エコーの次数を表す。
表2−時間軸直線性の表による表示方法
表示器上の信号位置
エコー 理論値 測定値 誤差a)
の次数 調整方法1 調整方法2
%fs %fs %fs %fs
1 0 0
2 20 10
3 40 20
4 60 30
5 80 40
6 100 50
7 60
8 70
9 80
10 90
11 100 図1−時間軸直線性のグラフ表示の例
注a) あらかじめ定めた誤差範囲に収まる最大連続 (調整方法2の場合)
領域を直線性の範囲とする。

6.2 垂直軸にかかわる性能測定

6.2.1  測定方法の種類
増幅直線性の測定方法の種類は,エコーの消失の評価を含むゲイン調整器を利用した測定方法(測定方
法A),二つの反射源からのエコーを利用した測定方法(測定方法B),及び外部減衰器を用いた測定方法
(測定方法C)とする。指定がない場合には,測定方法Aを用いる。
6.2.2 増幅直線性(測定方法A)
6.2.2.1 試験片及び機器
標準試験片STB-G V15-5.6(JIS Z 2345に規定),同試験片で校正された反射源又は擬似エコー信号を発
生する信号発生器(超音波探傷器の送信パルスに同期したもの)を用いる。
6.2.2.2 測定
測定は,次による。
a) 試験片に接触媒質を介して接触させた探触子又は信号発生器を探傷器に接続し(図2参照),エコー又
は信号発生器からの擬似エコーを表示器上に表示させる。
b) 探傷器の他のつまみなどは,使用状態と同一に設定する。

――――― [JIS Z 2352 pdf 6] ―――――

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c) エコー又は擬似エコーの高さを表示器上で100 %fsとなるように,ゲイン調整器を調整する。
d) ゲイン調整器で2 dBずつゲインを低下させ,そのときのエコー高さを%fsで読み取る。これをゲイン
低下量が26 dBになるまで繰り返す。
e) 理論値と測定値との差を誤差とし,“正”の最大誤差(+hMAX)と“負”の最大誤差(−hMAX)とを
求める。
f) ゲイン低下量を30 dBまで増加させ,エコーが明りょう(瞭)に観測できるか否かを判定する。
g) なお,上記の測定におけるエコー高さ100 %fsの設定が困難な場合には,100 %fs以下で100 %fsに最
も近い値に設定し,そのエコー高さを読み取る。
6.2.2.3 データの記録
データの記録は,次による。
a) “正”の最大誤差(+hMAX)と“負”の最大誤差(−hMAX)とを求め,増幅直線性誤差とする。
b) ゲイン低下量30 dBでエコーが明りょう(瞭)に観測された場合,“エコー消失せず”と記録する。30
dB以下でエコーが消失した場合,エコーの消失が生じたゲイン低下量を記録する。
図2−増幅直線性測定(測定方法A)のための機材の接続
6.2.3 増幅直線性(測定方法B)
6.2.3.1 試験片及び機器
試験片及び機器は,次による。
a) エコー高さの比が2対1で異なるビーム路程に安定した二つの信号を生じる任意の試験片を用いる。
試験片の例を図3に示す。二つのエコー高さは,HA及びHB(HA>HB)とする。
b) 音響結合は,直接接触法又は水浸法とする。
c) 試験片の表面粗さは,JIS B 0601による(以下,表面粗さについては同様とする)。
6.2.3.2 測定
測定は,次による。
a) 二つのエコーが約2対1のエコー高さをもつようなところに探触子を置き,大きい方のエコー高さ
(HA)が10 %fs以下から100 %fsにゲイン調整器で変化できるようにする。
b) ゲイン調整器を調整し,HAとHBとをそれぞれ60 %fs及び30 %fsに合わせる。正確な調整が困難な
場合には,表3のいずれかのエコー高さの初期値(HAS,HBS)に合わせる。
c) エコーが安定する状態を保ち,ゲイン調整器を操作してHAを10 %ずつ変化させ,10 %fsから100 %fs
まで変化させた時のHA及びHBの値を読み取る。HAが10 %fsに設定できない場合には,10 %fs以下
から測定してもよい。

――――― [JIS Z 2352 pdf 7] ―――――

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6.2.3.3 データの記録
データの記録は,次による。
a) 読み取ったデータは,表形式にまとめ,増幅直線性とする。
b) 増幅直線性の範囲は,あらかじめ定めた誤差範囲に収まる連続したエコー高さ範囲で与える。図4に
作図して求める場合の例を示す。この場合,直線性の範囲の上限はHAの値,下限はHBの値で示す。
単位 mm
部位 寸法 許容差
A 32 ±1
B 25 ±1
C 19 ±1
D 25 ±1
E 19 ±1
H 75 ±1
T 25 ±0.2
W 50 ±1
d1,d2 φ1.2 ±0.1
平滑度 ±0.02
平行度 ±0.02
表面粗さ(μm) Rz 6.3
図3−増幅直線性(測定方法B)の測定用試験片の例
表3−エコー高さの初期値HAS,HBS(測定方法B)
標準値 許容される数値
HAS %fs 60 65 64 63 62 61 60 59 58 57 56 55
HBS %fs 30 3036 2936 2935 2834 2734 2733 2733 2632 2632 2531 2531
エコー高さの初期値(HAS,HBS)が
60 %fs,30 %fsでないときの限界線の設定例
単位 %fs
座標記号 HB軸 HA軸
E1 −6 0
F1 6 0
E2 HBS−1 HAS
F2 HBS+1 HAS
E3 100 HBS / HAS−6100
F3 100 HBS / HAS+6100
図4−増幅軸直線性グラフ表示の例(測定方法B)

――――― [JIS Z 2352 pdf 8] ―――――

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6.2.4 増幅直線性(測定方法C)
6.2.4.1 試験片及び機器
図5の回路を構成する任意の試験片及び校正された減衰器(周波数範囲 : DC100 MHz,インピーダ
ンス : 50 Ω又は75 Ω,減衰量 : 0 dB80 dB,1 dBステップ,精度 : 全体にわたって±0.2 dB),並びに必
要に応じて探傷器に接続する終端抵抗を用いる。
6.2.4.2 測定
測定は,次による。
a) 探傷器,探触子,接続ケーブル及び試験片を図5に示すように接続し,エコーを表示させる。二探触
子法の場合には最初の透過パルスを用い,一探触子法の場合には第1回底面エコーを用いる。
b) 減衰器を約30 dBに設定した状態で掃引及びゲインの調整を行い,エコーを画面中央に表示させエコ
ー高さを50 %fsとする。
c) 外部減衰器量を1 dBずつ減少させてエコー高さをフルスケールまで変化させる。このとき,各ステッ
プにおけるエコー高さを%fsで記録する。
d) 減衰器を30 dBに戻し,エコー高さが50 %fsになった状態から,減衰量を2 dBステップで5段階増
加させ,その後4 dBステップで減衰量を増加させて,エコーが実際上消失するまで続ける。そして,
ステップごとのエコー高さを記録する。
e) なお,上記の測定において50 %fsへのエコー高さの設定が困難な場合には,50 %fsに最も近い状態に
設定し,そのエコー高さ(HS)を読み取っておく。
図5−増幅直線性測定(測定方法C)のための機材の接続
6.2.4.3 データの記録
データの記録は,次による。
a) 表4に示すとおり各ステップにおける測定値HRから理論値HTを差し引き,誤差を求める。
b) 直線性の範囲は,誤差があらかじめ設定された限界値に収まる連続した最大範囲とする。
c) グラフを利用してデータを表示した例を図6に示す。
d) 上下の限界線に収まる範囲を垂直軸直線性の範囲とする。他の限界線を使用する場合には,図6に従
って図を作成する。

――――― [JIS Z 2352 pdf 9] ―――――

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表4−増幅直線性測定結果の表示(測定方法C)
外部減 エコー高さ 外部減 エコー高さ
衰器の 衰器の
減衰低 測定値 理論値 誤差 減衰増 測定値 理論値 誤差
下量 加量
−dB HR %fs HT %fsa) T %fsb) HR−HT %fs +dB HR %fs HT %fsa) T %fsb) HR−HT %fs
0 50 (1.00 HS) 0e) 0 50 (1.00 HS) 0e)
0.5c) 53 (1.06 HS) 1 c) 45 (0.89 HS)
1.0 56 (1.12 HS) 2 40 (0.79 HS)
1.5c) 59 (1.19 HS) 3 c) 35 (0.71 HS)
2.0 63 (1.26 HS) 4 32 (0.63 HS)
2.5c) 67 (1.33 HS) 5 c) 28 (0.56 HS)
3.0 71 (1.41 HS) 6 25 (0.50 HS)
3.5c) 75 (1.50 HS) 7 c) 22 (0.45 HS)
4.0 79 (1.58 HS) 8 20 (0.40 HS)
4.5c) 84 (1.68 HS) 9 c) 18 (0.35 HS)
5.0 89 (1.78 HS) 10 16 (0.32 HS)
5.5c) 94 (1.88 HS) 12 c) 13 (0.25 HS)
6.0 100 (2.00 HS) 14 10 (0.20 HS)
6.5d) 106 (2.11 HS) 16 c) 8 (0.16 HS)
7.0d) 112 (2.24 HS) 18 6 (0.13 HS)
7.5d) 119 (2.37 HS) 20 c) 5 (0.10 HS)
8.0d) 126 (2.51 HS) 22 4 (0.079 HS)
24 c) 3 (0.063 HS)
26 2.5 (0.050 HS)
28 c) 2.0 (0.040 HS)
30 1.5 (0.032 HS)
32 c) 1.2 (0.025 HS)
34 1.0 (0.020 HS)
注a) 50 %fsから測定開始したとき
b) S %fsから測定開始したとき
c) オプションとして推奨
d) %fsエコー高さを得るために必要な場合
e) 初期値なので,常に0となる。

――――― [JIS Z 2352 pdf 10] ―――――

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JIS Z 2352:2010の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 18175:2004(MOD)

JIS Z 2352:2010の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 2352:2010の関連規格と引用規格一覧