JIS Z 2354:2012 固体の超音波減衰係数の測定方法 | ページ 3

                                                                                              9
Z 2354 : 2012
k) 減衰係数αは,式(16)によって求める。
500 C (16)
(m )1T
ここに, α : 測定片の減衰係数(dB/m)
m : 最終底面エコーの次数
T : 測定片の厚さ(mm)
8.3.2 遅延体付垂直探触子を使用する直接接触法による方法
遅延体付垂直探触子を用いた直接接触法による測定は,次に示す測定方法A,又は測定方法Bのいずれ
かによる。
a) 測定方法A
1) 遅延体付垂直探触子を,接触媒質を介して測定片に接触させる。
2) このとき,図5に示す伝搬経路VAエコー(遅延体の底面と測定片表面との境界面からのエコー),
VBエコー(測定片底面からのエコー)及びVCエコー(測定片を2往復したときのエコー)の高さ
hA(%),hB(%)及びhC(%)を測定する。
図5−遅延体付垂直探触子による測定
3) Aエコー,VBエコー及びVCエコーに対応する片道の規準化距離nA,nB及びnCの値を,式(17)
式(19)によって求める。
4TD D
nA (17)
d2
(4T 泰 TD
D)
nB (18)
d2
2(4T 泰 TD
D)
nC (19)
d2
ここに, λD : 遅延体中における超音波の波長(mm)
λ : 測定片中における超音波の波長(mm)
TD : 遅延体の厚さ(mm)
T : 測定片の厚さ(mm)
d : 振動子の直径(mm)
図4から,nA,nB及びnCに対応する拡散損失の理論値Qiを読み取り,QA,QB及びQCとする。

――――― [JIS Z 2354 pdf 11] ―――――

10
Z 2354 : 2012
なお,式(20)を満足する場合は,拡散損失による補正を省略することができる。
nC nA ≦ 5.0 (20)
また,nm≦7が成り立つ場合は,式(21)式(23)によってQA,QB及びQCを求めることができる。
QA 2nA (21)
QB 2nB (22)
QC 2nC (23)
4) 拡散損失の補正に用いる係数PA,PB及びPCを,それぞれ式(24),式(25)及び式(26)によって求める。
PA 10QA / 20

(pdf 一覧ページ番号 )

                         PB  10QB / 20

(pdf 一覧ページ番号 )

                         PC  10QC / 20

(pdf 一覧ページ番号 )

  5) 遅延体と測定片との境界面での反射率(振幅反射率の絶対値)rを,式(27)によって求める。
hC / hA
r 2 (27)
hC / hA(hB / hA )2 (PAPC / PB )
6) 減衰係数αは,式(28)によって求める。
500 20 log hr PC
C/ (28)
T hB PB
ここに, α : 測定片の減衰係数(dB/m)
T : 測定片の厚さ(mm)
b) 測定方法B
1) 図6のように,遅延体付垂直探触子を測定片に接触させないときの遅延体の底面からのVA0エコー
の高さhA0(%)を測定する。
図6−遅延体の底面のエコーの測定
2) 次に,図5に示すように,遅延体付垂直探触子を測定片に接触させたときの伝搬経路VAエコー(遅
延体の底面と測定片表面との境界面からのエコー)及びVBエコー(測定片底面からのエコー)の
高さ,hA(%)及びhB(%)を測定する。
3) 測定方法Aの3)4)と同様にして,PA0及びPB を求める。
4) 減衰係数αは,式(29)によって求める。

――――― [JIS Z 2354 pdf 12] ―――――

                                                                                             11
Z 2354 : 2012
500 20 log 1(hA / hA 0 ) 2
PB

(pdf 一覧ページ番号 )

                             T          hB / hA 0 PA 0
ここに, α : 測定片の減衰係数(dB/m)
T : 測定片の厚さ(mm)

9 実体に対する直接接触法による減衰係数の直接測定方法

  測定片も対比測定片も使用しないで,実体の減衰係数を直接に測定する方法は,次による。
なお,ここで規定する方法は,波数が5以上の狭帯域探触子を用いる場合を基本として記述してあるが,
広帯域探触子を用いる場合は,附属書Aに従って適用することができる。
a) 実体の条件は,次による。
1) 測定面と底面とが平行な実体の厚さは,使用する探触子の近距離音場限界距離1)の6倍以上になる
ようにする。振動子の直径dが小さい探触子を選ぶことによって,多くの場合に,この条件を満足
させることができる。
注1) 近距離音場限界距離x0(mm)は,式(30)で定義する。
x0 d2 (30)
4
ここに, d : 振動子の直径(mm)
λ : 波長(mm)
2) 円形断面形状の実体の減衰係数を径方向に測定する場合には,その直径が使用する探触子の近距離
音場限界距離の4倍以上になるようにする。振動子の直径dが小さい探触子を選ぶことによって,
多くの場合に,この条件を満足させることができる。
3) 測定面及び裏面は,通常は,機械加工によってRz 25に仕上げる。ただし,圧延のままの滑らかな
肌の場合には,そのまま使用することができる。
b) 探触子は,次による。
1) 探触子の形式は,直接接触垂直探触子とする。
2) 図7に示すように,端面の影響を受けないために,振動子の直径は,式(31)の条件を満足する範囲
において,なるべく小さいものを使用する。
4dT (31)

ここに, 探触子の中心の位置から実体の両端のうち近
い側までの距離(mm)
T : 実体の直径,又は厚さ(mm)
d : 振動子の直径(mm)
λ : 波長(mm)

――――― [JIS Z 2354 pdf 13] ―――――

12
Z 2354 : 2012
図7−実体の端面の影響を受けないための条件
c) 減衰係数を測定するために使用する周波数の上限は,第2回底面エコー(以下,B2という。)のSN比
が14 dB未満とならない周波数とする。
d) パルス送信器及びパルス受信器,又は超音波探傷器の調整は,次による。
1) 測定範囲は,B1が表示器目盛の左端以内に,B2が表示器目盛の右端以内とする。
2) リジェクションは,“OFF”,又は“0”とする。
3) 受信帯域幅は,測定に使用する超音波の周波数を含むものとする。
e) 探触子を接触させた面での反射損失を最小にして測定精度を高めるために,探触子を実体の測定面に
できるだけ少量の接触媒質で接触させる。次に,表示器上のB1の高さが一定値になるように,ゲイン
調整器を調整し,そのときのゲイン調整器の目盛を読み,続いてB2の高さが一定値になるように,ゲ
イン調整器を調整し,そのときのゲイン調整器の目盛を読む。それぞれの読みをE1(dB)及びE2(dB)
とすれば,その実体の測定した周波数における減衰係数は,式(32)によって求める。
なお,実体の厚さ,又は直径が十分大きいので,探触子の接触による反射損失の影響を無視するこ
とができる。
(E1 E2 )6
500 (32)
T
ここに, α : 実体の減衰係数(dB/m)
T : 実体の直径,又は厚さ(mm)

10 記録

  測定結果の記録は,次による。
a) 測定日時
b) 測定者氏名
c) 対比測定片の種類及び厚さ
d) 装置及び材料
1) 超音波探傷器などの超音波送受信装置の形式及び製造番号
2) 探触子の形式及び製造番号
3) 探触子ケーブルの種類及び長さ
4) 横波の減衰係数測定の場合は,使用した接触媒質の種類
e) 測定片,又は実体
1) 材質
2) 寸法

――――― [JIS Z 2354 pdf 14] ―――――

                                                                                             13
Z 2354 : 2012
3) 実体で測定した場合,測定面及び裏面の仕上げの状態
f) 測定条件
1) 測定方法
2) 試験周波数(JIS Z 2350で測定した周波数とする。)
3) 超音波探傷器,又はパルス送信器,パルス受信器及びオシロスコープの各つまみの調度
4) 波数(エコーの波数が5未満の場合だけ記録する。)
5) 多重底面エコーの次数
6) その他の参考となる事項
g) 測定結果
1) 縦波を使用した場合 : αL(f MHz)= (dB/m)
2) 横波を使用した場合 : αS(f MHz)= (dB/m)
fは,JIS Z 2350で測定した周波数を記す。

――――― [JIS Z 2354 pdf 15] ―――――

次のページ PDF 16

JIS Z 2354:2012の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 2354:2012の関連規格と引用規格一覧