JIS Z 3211:2008 軟鋼,高張力鋼及び低温用鋼用被覆アーク溶接棒 | ページ 4

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表5−溶着金属の機械的性質(続き)
溶接棒の種類 引張試験 衝撃試験 d)
溶接後熱処理の 引張強さ 耐力 b) 伸び c) 試験温度
記号a)
有無の記号 MPa MPa % ℃
E8310-G
記号なし,P,AP 830以上 740以上 12以上
E8311-G
E8313-G 記号なし,P,AP 830以上 740以上 10以上

E8315-G
E8316-G 記号なし,P,AP 830以上 740以上 12以上
E8318-G
注記1 溶接棒の種類の並び順 : 軟鋼/高張力鋼用,低温用鋼用,溶着金属の主要化学成分の記号-G
注記2 1 MPa=1 N/mm2
注a) 溶着金属の引張強さ,被覆剤の種類及び溶着金属の主要化学成分。
b) 降伏が発生した場合は,下降伏点とし,それ以外は0.2 %耐力とする。
c) 伸びは,破断伸びとする。
d) 試験温度の“−”は,衝撃試験を規定しないことを意味する。
e) 棒径2.4 mmの場合には,最大値を35 MPa高める。
f) 記号XXは,表2の被覆剤の種類の記号のいずれかとする。

5.5 溶接棒が適用できる溶接姿勢及び電流の種類

  溶接棒が適用できる溶接姿勢及び電流の種類は,次による。
a) 溶接棒が適用できる溶接姿勢は,棒径によって異なってもよいが,6.3の方法によってすみ肉溶接試験
を行ったとき,表10に規定する合格判定基準に適合しなければならない。
b) 溶接棒が適用できる電流の種類は,被覆剤の種類ごとに,表2に規定する電流の種類の中から,製造
業者が選択する。

5.6 溶着金属の水素量

  溶着金属の水素量は,6.4の方法によって水素量試験を行ったとき,表6の規定に適合しなければならな
い。
なお,製造業者は,表6の水素量の規定を満たすのに適した電流の種類及び再乾燥条件についての情報
を提供しなければならない。
表6−溶着金属の水素量
単位 mL/溶着金属100 g
記号 水素量
H5 5以下
H10 10以下
H15 15以下

6 試験

6.1 溶着金属の分析試験

  溶着金属の分析試験は,次による。
a) 試験は,すべての棒径で行う。
b) 溶着金属の分析試料の作製方法及び試料の採取方法は,JIS Z 3184による。
c) 溶着金属の分析試料として,b)の代わりに6.2の試験によって破断した引張試験片の平行部の残材又
は平行部該当位置を分析してもよい。

――――― [JIS Z 3211 pdf 16] ―――――

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d) 溶着金属の分析方法は,JIS G 0321の5.(分析方法)に規定する方法又はそれに対応するISO規格の
分析方法による。

6.2 溶着金属の引張試験及び衝撃試験

  溶着金属の引張試験及び衝撃試験は,次のa)   f) の項目を除き,JIS Z 3111による。
a) 試験板 試験板は,JIS Z 3111に規定する記号1.3の試験板を使用する。ただし,棒径が4.0 mm未満
の場合は,JIS Z 3111に規定する記号1.0又は1.1の試験板を用いてもよい。
試験板の材質は,表7による。ただし,JIS Z 3111 の規定によってバタリングを行う場合は,表7
に規定する以外の鋼材を試験板として用いてもよい。
表7−試験板の材質
溶着金属の主要化学成分の記号 試験板
JIS G 3101に規定するSS400又はJIS G 3106に規定する
記号なし,-1,-P1,-1M3,-3M2,-3M3
SM400ASM400C若しくはSM490ASM490C a)
-N1,-N2,-N2M3,-N3,-3N3 JIS G 3126に規定するSLA325A,SLA325B又はSLA365 a)
-N5 JIS G 3127に規定するSL2N255 a)
-N7 JIS G 3127に規定するSL3N255 又はSL3N275 a)
-4M2,-N1M1,-N2M1,-N3M1,-N3M2,-N4M1,溶着金属と同等の機械的性質をもつ鋼材
-N4M2,-N4M3,-N5M1,-N5M4,-N9M3,-N13,
-N13L,-N3CM1,-N4CM2,-N4C2M1,-N4C2M2,
-N5CM3,-N7CM3,-G
注a) ここで規定する試験板と同等の機械的性質及び化学成分をもつ鋼材を試験板として用いてもよい。
b) 試験を行う棒径 試験を行う棒径は,すべての棒径を代表して4.0 mmとする。ただし,4.0 mmを製
造していない場合は,製造している中で4.0 mmに最も近い棒径で試験を行う。
c) 溶接条件 溶接条件は,次による。
1) 溶接電流の値は,製造業者が推奨する電流範囲の最大値の7090 %とする。
2) 溶接電流の種類は,適用できる電流の種類が交流を含む場合は交流とし,含まない場合は製造業者
が推奨する極性の直流とする。
3) 層数は79層とし,各層は2パスとするが,最終の2層は3パスでもよい。溶接方向は,各パス内
で変更してはならない。ただし,棒径が4.0 mm以外の場合は,製造業者が推奨する層数及びパス数
による。
4) 試験板の溶接における予熱温度及びパス間温度は,表8による。
表8−予熱温度及びパス間温度
溶接棒の種類 予熱温度及び
パス間温度a)
溶着金属の引張強さの記号 被覆剤の種類の記号 溶着金属の主要化学成分の記号 ℃
記号なし,-1 100150
43,49,55,57,57J すべて
上欄記載以外 90110
59,59J,62,69,76,78, 10,11,13 すべて 160190
78J,83 15,16,18 すべて 90130
注a) 測定位置は,溶接線方向の中央,かつ,溶接開先の縁から10 mm以内とする。
d) 溶接後熱処理 溶接後熱処理は,次による。また,溶接後熱処理の条件は,表9による。
1) 溶接後熱処理の有無の記号が“記号なし”の場合は,溶接のままで試験を行う。

――――― [JIS Z 3211 pdf 17] ―――――

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2) 溶接後熱処理の有無の区分がPの場合は,溶接後熱処理を行って試験を行う。
3) 溶接後熱処理の有無の区分がAPの場合は,溶接のまま及び溶接後熱処理を行ったものの両方につ
いて試験を行う。
表9−溶着金属の引張試験材及び衝撃試験材の溶接後熱処理条件
溶着金属の主要化学成分の記号 溶接後熱処理条件
605±15 ℃で1 h+15 min 300 ℃以上での加熱及び冷却速度は180 ℃
-N5,-N7
0 /h以下とし,300 ℃未満での冷却は炉冷又
600±15 ℃で1 h+15 min は空冷とする。
-N13 0
580±15 ℃で1 h+15 min
-N13L 0
-N5,-N7,-N13,-N13L以外の620±15 ℃で1 h+15 min
すべて 0
e) 引張試験片 引張試験片は,JIS Z 3111に規定するA0号試験片とする。また,引張試験用の試験材
又は引張試験片には,JIS Z 3111の6.(試験片の作製)の規定の範囲内で,製造業者が推奨する条件
で水素除去の加熱を行う。
なお,この水素除去の加熱は,100±5 ℃で1624時間 としてもよい。
f) 衝撃試験片 衝撃試験の試験片採取個数は,次による。
1) シャルピー吸収エネルギーの規定値が27 Jの場合は,3個又は5個とし,5個のときは,得た試験値
の最大値と最小値とを除いた3個の値で評価する。ただし,6.5又は疑義のある場合は5個とする。
2) シャルピー吸収エネルギーの規定値が47 Jの場合は,3個とする。

6.3 すみ肉溶接試験

  すみ肉溶接試験は,次のa)   f) の規定を除き,JIS Z 3181による。
a) 試験板の材質は,次の1)3) のいずれかとする。
1) IS G 3101に規定するSS400
2) IS G 3106に規定するSM400ASM400C又はSM490ASM490C
3) 炭素含有量が0.30 %(質量分率)以下の非合金鋼
b) 試験板の幅は,75 mm以上とする。また,試験板の呼び厚さは,1012 mmとする。
c) 電流の種類は,5.5 b) で選択したすべての種類とする。
d) 溶接電流及び運棒方法は,製造業者の推奨による。
e) 溶接は,試験板の片側とし,繰返し数は,1回とする。
f) すみ肉溶接試験の試験条件及び合格判定基準は,表10とする。
表10−すみ肉溶接試験の試験条件及び合格判定基準(続き)
単位 mm
被覆の 試験条件 合格判定基準
記号 棒径a) 溶接姿勢 試験板長さ すみ肉のサイズ 脚長差の最大値 膨らみの最大値
5.0 PF及びPD 300以上 10.0以下 4.0 2.5
03
6.0 PB 400以上 8.0以上 4.0 2.5
5.0 PF及びPD 300以上 8.0以下 3.0 2.5
10
6.0 PB 400以上 6.0以上 3.0 2.5
5.0 PF及びPD 300以上 8.0以下 3.0 2.5
11
6.0 PB 400以上 6.0以上 3.0 2.5

――――― [JIS Z 3211 pdf 18] ―――――

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表10−すみ肉溶接試験の試験条件及び合格判定基準(続き)
単位 mm
被覆の 試験条件 合格判定基準
記号 棒径a) 溶接姿勢 試験板長さ すみ肉のサイズ 脚長差の最大値 膨らみの最大値
5.0 PF及びPD 300以上 10.0以下 4.0 2.5
12
6.0 PB 400以上 8.0以上 4.0 2.5
5.0 PF及びPD 300以上 10.0以下 4.0 2.5
13
6.0 PB 400以上 8.0以上 4.0 2.5
4.0 PF及びPD 300以上 8.0以下 3.0 2.5
14
6.0 PB 400以上 8.0以上 4.0 2.5
4.0 PF及びPD 300以上 8.0以下 3.0 2.5
15
6.0 PB 400以上 8.0以上 4.0 2.5
4.0 PF及びPD 300以上 8.0以下 3.0 2.5
16
6.0 PB 400以上 8.0以上 4.0 2.5
4.0 PF及びPD 300以上 8.0以下 3.0 2.5
18
6.0 PB 400以上 8.0以上 4.0 2.5
5.0 PF及びPD 300以上 10.0以下 4.0 2.5
19
6.0 PB 400以上 8.0以上 4.0 2.5
20 6.0 PB 400以上 8.0以上 4.0 2.5
24 6.0 PB 400以上 b) 8.0以上 4.0 2.5
27 6.0 PB 400以上 b) 8.0以上 4.0 2.5
28 6.0 PB 400以上 b) 8.0以上 4.0 2.5
40 c) − − − − − −
4.0 PG及びPD 300以上 8.0以下 3.0 2.5
48
5.0 PB及びPG 300以上 d) 6.0以下 3.0 2.5
溶接姿勢ごとに,製造業者の推奨棒径の最大径がこの表に規定する棒径よりも小さい場合は,推奨棒径の最
注a)
大棒径によって試験を行い,すみ肉のサイズ,脚長差の最大値及び膨らみの最大値の合格判定基準値を,推奨
棒径の最大径と規定棒径との間で比例案分して補正する。この場合を除いて,規定していない棒径での試験は
行わない。
b) 棒長700 mm以上の場合は,試験板長さは650 mm以上とする。
c) 受渡当事者間の協定による。
d) 棒長450 mm以上の場合は,試験板長さは400 mm以上とする。

6.4 溶着金属の水素量試験

  溶着金属の水素量試験は,次のa) 及びb) の規定を除き,JIS Z 3118による。
a) 試験を行う棒径は,6.2 b) による。
b) 溶接電流の値は,6.2 c) によるものとし,溶接電流の種類は,適用できる電流の種類が交流を含む場
合は交流とし,含まない場合は棒プラスとする。

6.5 再試験

  再試験は,次による。
a) 試験スケジュールに従って実施した,分析試験,引張試験,衝撃試験,すみ肉溶接試験及び水素量試
験のいずれかの試験結果が,その規定に適合しなかった場合には,適合しなかったすべての試験につ
いて倍数の再試験を行い,そのいずれの試験結果も規定に適合しなければならない。この場合の再試
験のための試験片は,当初の試験材の残材から採取するか,又は新たな試験板を用いて作製した試験
材から採取する。また,分析試験において,当初の試験結果が規定に適合した元素は,再試験を行わ
なくてもよい。

――――― [JIS Z 3211 pdf 19] ―――――

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b) 試験片の作製から試験の実施を通して正規の手続きがなされていない試験は,試験の進行状況又は結
果のいかんにかかわらず無効とする。無効となった試験は,正規の手続きに従って繰り返されなけれ
ばならない。ただし,この場合は,倍数の再試験を行わなくてもよい。

7 検査

  検査は,次による。
a) 棒のロットサイズ及び試験スケジュールは,JIS Z 3423 による。
b) 検査は,棒のロットごとに,それぞれの試験スケジュールが規定する試験を行わなければならない。
c) 試験スケジュールに従って実施したすべての試験について,試験結果又は再試験結果は,それぞれの
規定に適合しなければならない。

8 製品の呼び方

  製品の呼び方は,溶接棒の種類,棒径及び長さによる。
例1 E4303 − 4.0 − 450
溶接棒の種類 棒径 長さ
43 : 溶着金属の引張強さが430 MPa以上
03 : 被覆剤の種類がライムチタニヤ系
記号なし : 溶着金属の主要化学成分(表3による)
記号なし : 溶接後熱処理の有無が溶接のまま
追加記号 : なし
例2 E5516-N7 AP U L H5 −5.0 − 400
溶接棒の種類 棒径 長さ
55 : 溶着金属の引張強さが550 MPa以上
16 : 被覆剤の種類が低水素系
-N7 : 溶着金属の主要化学成分(表3による)
AP : 溶接後熱処理の有無が溶接のまま,及び605±15 ℃で1 h の溶接後熱処理あり
U : シャルピー吸収エネルギーが 47 J以上
追加記号
L : シャルピー衝撃試験温度が−40 ℃以下(規定の試験温度−75 ℃)
H5 : 水素量 5 mL/溶着金属100 g以下

9 表示

9.1 製品の表示

  製品の表示は,JIS Z 3200の6.1(製品の表示)による。

9.2 包装の表示

  包装の表示は,JIS Z 3200の6.2(包装の表示)による。ただし,追加できる区分記号は表示しなくても
よい。
なお,被覆剤の系統が低水素系又は鉄粉低水素系の場合は,再乾燥の指示及び再乾燥条件を表示しなけ
ればならない。
注記 追加できる区分記号は,溶着金属の水素量の記号(表6による)及びシャルピー衝撃試験温度

――――― [JIS Z 3211 pdf 20] ―――――

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JIS Z 3211:2008の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 18275:2005(MOD)
  • ISO 2560:2002(MOD)

JIS Z 3211:2008の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 3211:2008の関連規格と引用規格一覧