JIS Z 3214:2012 耐候性鋼用被覆アーク溶接棒 | ページ 2

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表4−溶着金属の化学成分
単位 %(質量分率)
溶着金属の 化学成分
化学成分の記号 C Si Mn P S Cu Ni Cr Mo V
0.12 0.90 0.30 0.03 0.03 0.20 0.30
CC − − −
以下 以下 1.40 以下 以下 0.60 0.70
0.12 0.90 0.30 0.03 0.03 0.20 0.25 0.30
NC − −
以下 以下 1.40 以下 以下 0.60 0.70 以下
0.12 0.90 0.30 0.03 0.03 0.30 0.05 0.45
NCC − −
以下 以下 1.40 以下 以下 0.70 0.45 0.75
0.35
0.12 0.80 a) 0.50 0.03 0.03 0.30 0.40 0.45
NCC1 − −
以下 0.80 1.30 以下 以下 0.75 0.80 0.70
以下b)
0.12 0.40 0.40 0.025 0.025 0.30 0.20 0.15 0.08
NCC2 −
以下 0.70 0.70 以下 以下 0.60 0.40 0.30 以下
0.12 0.80 1.00 0.03 0.03 2.10 0.10 0.30
N5CM3 − −
以下 以下 1.60 以下 以下 2.80 0.40 0.65
0.12 0.80 1.40 0.03 0.03 2.10 1.20 0.50
N5M4 − −
以下 以下 2.00 以下 以下 2.80 以下 0.80
0.12 0.80 1.00 0.03 0.03 4.20 1.20 0.35
N9M3 − −
以下 以下 1.80 以下 以下 5.00 以下 0.65
注a) 被覆剤の記号が03,16又は18の種類に適用する。
b) 被覆剤の記号が28の種類に適用する。
表5−溶着金属の水素量
単位 mL/溶着金属100 g
溶着金属の水素量の記号 水素量
H5 5以下
H10 10以下
H15 15以下

5 品質

5.1 溶接棒の寸法及びその許容差並びに製品の状態

  溶接棒の寸法及びその許容差並びに製品の状態は,JIS Z 3200に適合しなければならない。

5.2 溶着金属の化学成分

  溶着金属の化学成分は,6.2の方法によって分析試験を行ったとき,表4に適合しなければならない。

5.3 溶着金属の機械的性質

  溶着金属の機械的性質は,次による。
a) 溶着金属の引張強さ,0.2 %耐力及び伸びは,6.3の方法によって引張試験を行ったとき,表2に適合
しなければならない。
b) 溶着金属のシャルピー吸収エネルギーの値は,6.3の方法によって衝撃試験を行ったとき,次による。
1) シャルピー吸収エネルギーレベルの記号が“記号なし”のときは,規定の試験温度以下で平均値が
27 J以上,かつ,最小値が20 J以上,かつ,少なくとも2個が27 J以上でなければならない。
2) シャルピー吸収エネルギーレベルの記号が“U”のときは,規定の試験温度以下で平均値が47 J以

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上,かつ,最小値が32 J以上,かつ,少なくとも2個が47 J以上でなければならない。

5.4 溶接棒が適用できる溶接姿勢

  溶接棒が適用できる溶接姿勢は,棒径によって異なってもよいが,6.4の方法によってすみ肉溶接試験を
行ったとき,表6の合格判定基準に適合しなければならない。
表6−すみ肉溶接試験の合格判定基準
単位 mm
すみ肉のサイズ 脚長差 膨らみ
4.0以下 1.0以下
4.5 1.5以下
5.0
2.0以下 2.0以下
5.5
6.0
2.5以下
6.5
7.0
7.5 3.0以下
8.0 2.5以下
8.5 3.5以下
9.0以上 4.0以下

5.5 溶着金属の水素量

  溶着金属の水素量によって区分する場合,溶着金属の水素量は,6.5の方法によって水素量試験を行った
とき,表5に適合しなければならない。
なお,製造業者は,表5の水素量の規定を満たすのに適した再乾燥条件についての情報を提供しなけれ
ばならない。

6 試験方法

6.1 ロットの決め方

  溶接棒のロットの決め方は,JIS Z 3423による。

6.2 溶着金属の分析試験

  溶着金属の分析試験は,次による。
a) 試験は,全ての棒径で行う。
b) 溶着金属の分析試料の採取方法は,次のいずれかによる。
1) IS Z 3184による。
2) 6.3で作製する試験材の引張試験片平行部該当位置から採取する。
3) 6.3の引張試験によって破断した引張試験片残材の平行部該当位置から採取する。
c) 溶着金属の分析方法は,JIS G 0321の箇条5(分析方法)の方法又はそれに対応するISO規格の分析
方法による。

6.3 溶着金属の引張試験及び衝撃試験

  溶着金属の引張試験及び衝撃試験は,次のa)   f) を除き,JIS Z 3111による。
a) 試験板 試験板は,次による。
1) 形状 JIS Z 3111の記号1.3の試験板を使用する。ただし,棒径が4.0 mm未満の場合は,JIS Z 3111

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の記号1.0又は1.1の試験板を用いてもよい。
2) 材質 試験板の材質は,表7の鋼材又は試験溶接棒の溶着金属と同等の化学成分をもつ鋼材でなけ
ればならない。ただし,JIS Z 3111によってバタリングを行う場合は,表7以外の鋼材を試験板と
して用いてもよい。
表7−試験板の材質
溶着金属の引張 溶着金属の 試験板の材質
特性の記号 化学成分の記号
49 CC JIS G 3114のSMA490AP,SMA490BP又はSMA490CP
49 NC,NCC,NCC1,NCC2 JIS G 3114のSMA490AW,SMA490BW若しくはSMA490CW又は
49J NCC JIS G 3140のSBHS400W
57 CC JIS G 3114のSMA570P
57 NC,NCC,NCC1
JIS G 3114のSMA570W又はJIS G 3140のSBHS500W
55,57J NCC1
78J N5CM3,N5M4,N9M3 JIS G 3140のSBHS700W
b) 試験を行う棒径 試験を行う棒径は,全ての棒径を代表して4.0 mmとする。ただし,4.0 mmを製造
していない場合は,製造している中で4.0 mmに最も近い棒径で試験を行う。
c) 溶接条件 溶接条件は,次による。
1) 溶接電流の値は,製造業者が推奨する電流範囲の最大値の70 %90 %とする。
2) 溶接電流の種類は,交流とする。
3) 層数は,7層9層とし,各層は2パスとするが,最終の2層は3パスでもよい。溶接方向は,各パ
ス内で変更してはならない。ただし,棒径が4.0 mm以外の場合は,製造業者が推奨する層数によ
る。
4) 試験板の溶接における予熱温度及びパス間温度は,90 ℃110 ℃とする。
d) 溶接後熱処理 溶接後熱処理の有無の記号が,“A”の場合は溶接のままで,“P”の場合は溶接後熱処
理を行って試験を行う。また,“AP”の場合は,溶接のまま及び溶接後熱処理を行ったものの両方に
ついて試験を行う。溶接後熱処理の条件は,次による。
1) 熱処理温度は,605 ℃635 ℃とする。
2) 保持時間は,60 min75 minとする。
3) 300 ℃以上の温度域での加熱速度は,85 ℃/h275 ℃/hとし,冷却速度は200 ℃/h以下とする。
4) 300 ℃未満の温度域での冷却は,炉冷又は静止大気中での空冷とする。
e) 引張試験片 引張試験片は,JIS Z 3111のA0号試験片とする。また,引張試験用の試験材又は引張試
験片には,JIS Z 3111の6.(試験片の作製)の範囲内で,製造業者が推奨する条件で水素除去の加熱
を行う。
なお,この水素除去の加熱は,95 ℃105 ℃で16 h24 hとしてもよい。
f) 衝撃試験片 衝撃試験片の採取個数及び評価する試験結果は,次による。
1) シャルピー吸収エネルギーレベルの記号が“記号なし”のときは,衝撃試験片の採取個数を5個と
し,5個の試験結果から最大値と最小値を除いた3個を評価する。
2) シャルピー吸収エネルギーレベルの記号が“U”のときは,衝撃試験片の採取個数を3個とし,3
個の試験結果を評価する。

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6.4 すみ肉溶接試験

  すみ肉溶接試験は,次のa)   g) を除き,JIS Z 3181による。
a) 試験板の材質は,次の1)3) のいずれかとする。
1) IS G 3101のSS400
2) IS G 3106のSM400ASM400C又はSM490ASM490C
3) 炭素含有量が0.30 %(質量分率)以下の非合金鋼
b) 試験板の幅は,75 mm以上とする。また,試験板の呼び厚さは,10 mm12 mmとする。
c) 電流の種類は,交流とする。
d) 溶接電流及び運棒方法は,製造業者の推奨による。
e) 溶接は,試験板の片側とし,繰返し数は,1回とする。
f) すみ肉溶接試験の試験条件は,表8とする。
g) すみ肉溶接試験の合格判定基準は,表6とする。
表8−すみ肉溶接試験の試験条件
単位 mm
被覆剤の記号 棒径a) 溶接姿勢 試験板長さ すみ肉のサイズ
5.0 PF及びPD 300以上 10.0以下
03
6.0 PB 400以上 8.0以上
4.0 PF及びPD 300以上 8.0以下
16
6.0 PB 400以上 8.0以上
4.0 PF及びPD 300以上 8.0以下
18
6.0 PB 400以上 8.0以上
28 6.0 PB 400以上b) 8.0以上
注a) 溶接姿勢ごとに,製造業者の推奨棒径の最大径がこの表の棒径よりも小さい場合は,推奨棒径の最大棒
径によって試験を行い,すみ肉のサイズの規定値を,推奨棒径の最大径と規定棒径との間で比例配分し
て補正する。この場合を除いて,規定していない棒径での試験は行わない。
b) 棒長700 mm以上の場合は,試験板長さは650 mm以上とする。

6.5 溶着金属の水素量試験

  溶着金属の水素量試験は,次のa) 及びb) を除き,JIS Z 3118による。
a) 試験を行う棒径は,6.3 b) による。
b) 溶接電流の値及び種類は,6.3 c) による。

7 検査方法

  検査方法は,次による。
a) 溶接棒の検査項目は,JIS Z 3423の試験スケジュールによる。
b) 検査は,溶接棒のロットごとに,JIS Z 3423による試験スケジュールに従い,箇条6によって試験し,
該当する箇条5に適合しなければならない。
c) 試験スケジュールに従い,箇条6によって実施した分析試験,引張試験,衝撃試験,すみ肉溶接試験
及び水素量試験のいずれかの試験結果が,箇条5に適合しなかった場合には,適合しなかった全ての
試験について倍数の再試験を行い,そのいずれの試験結果も規定に適合しなければならない。この場
合の再試験のための試験片は,当初の試験材の残材から採取するか,又は新たな試験板を用いて作製

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した試験材から採取する。また,分析試験において,当初の試験結果が規定に適合した成分は,再試
験を行わなくてもよい。
d) 試験片の作製から試験の実施を通して正規の手続を行っていない試験を含み,試験結果が合否の判定
に供し得ないようなことが生じるおそれがある場合には,試験の進行状況又は結果のいかんにかかわ
らず無効とする。無効となった試験は,正規の手続に従って繰り返されなければならない。
なお,この場合は,c) の再試験の対象とはしない。

8 製品の呼び方

  製品の呼び方は,溶接棒の種類,棒径及び長さによる。
例1 E4916 NCC A − 4.0 − 400
溶接棒の種類 棒径 長さ
49 : 溶着金属の引張強さが490 MPa以上
16 : 被覆剤が低水素系であって,全姿勢溶接に適している。
NCC : 溶着金属の主要化学成分
A : 溶接後熱処理が溶接のまま
例2 E5728 CC P U H10 − 5.0 − 400
溶接棒の種類 棒径 長さ
57 : 溶着金属の引張強さが570 MPa以上
28 : 被覆剤が鉄粉低水素系であって,下向,水平すみ肉及び横向溶接に適している。
CC : 溶着金属の主要化学成分
P : 溶接後熱処理あり
U : シャルピー吸収エネルギーレベルが47 J
追加記号
H10 : 溶着金属の水素量(単位 : mL/溶着金属100 g)が10以下

9 包装

  包装は,JIS Z 3200による。

10 表示

10.1 製品の表示

  製品の表示は,JIS Z 3200による。

10.2 包装の表示

  包装の表示は,JIS Z 3200による。

――――― [JIS Z 3214 pdf 10] ―――――

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JIS Z 3214:2012の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 2560:2009(MOD)

JIS Z 3214:2012の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 3214:2012の関連規格と引用規格一覧