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Z 3608 : 2016
5.4.2 試験接合部の検査方法及び許容判定基準
5.4.2.1 目視検査
目視検査は7.3.2に従って実施しなければならない。ただし,5.4.1に示すような,接合長が500 mm未
満の場合には,削除部の長さをWPSで規定しなければならない。
接合部は接合されたままの表面を保持しなければならない。また,割れ又は空洞があってはならない。
かくはん部の幅は,不十分なツール押付け力による不ぞろ(揃)いを示してはならない。全板厚接合が規
定されている場合には,接合深さ不足があってはならない。
5.4.2.2 非破壊検査及び破壊試験
5.4.2.2.1 試験範囲
接合物は5.4.2.2.2に従って曲げ試験を実施するか,又は適切な非破壊検査方法(放射線透過試験又は超
音波探傷試験)を用いて接合部全てを検査しなければならない。非破壊試験はJIS Z 3105,JIS Z 3080又
はJIS Z 3081に従って実施しなければならない。
試験接合部から一つの断面マクロ検査用試験片を採取しなければならない。
許容判定基準を,附属書Hに規定する。
5.4.2.2.2 曲げ試験
曲げ試験は7.3.3.4に従って実施しなければならない。試験片の採取位置は,図14に従わなければなら
ない。試験接合部から,表曲げ試験片2本及び裏曲げ試験片2本を採取しなければならない。板厚が12 mm
を超えた材料に対しては,表曲げ試験片及び裏曲げ試験片に代えて,4本の側曲げ試験片を採取してもよ
い。
WPSに接合深さが板厚の一部分でよいと規定されている場合には,試験前に機械切削にて,裏面側から
規定された最小接合深さまで試験片厚さを減厚しなければならない。
試験片のいかなる方向にも3 mmの長さを超える割れが生じた場合は,不合格とする。また,試験片の
りょう部に3 mm未満の割れが生じた場合,接合深さ不足か又は空洞によるものでなければ,その割れを
無視する。
5.4.2.2.3 断面マクロ検査
7.3.3.5に従って,1か所の断面マクロ検査を実施しなければならない。その試験片の採取位置は,図14
に従わなければならない。
許容判定基準は,附属書Hに従わなければならない。
5.4.3 再試験
接合された試験材が5.4.1及び5.4.2の要求事項を満たさない場合には,その試験は不合格となる。その
場合,同じ被接合材を同じ接合方法を用いて再度接合し,再試験を行ってもよい。このとき,接合する試
験材は一つとする。再試験後の試験材も要求事項に合致しなければ不合格とする。
曲げ試験については,最初の試験材の1本の曲げ試験片が5.4.2.2.2の要求事項を満たさない場合には,
その試験材から追加して2本の曲げ試験片を採取し,再試験しなければならない。2本の試験片が5.4.2.2.2
の要求事項を満たす場合には合格とし,1本でもこの要求事項を満たさない場合には不合格とする。
上記によって不合格となったFSWオペレータは,新たな適格性確認試験を受ける前に追加の訓練を受
けなければならない。
5.4.4 試験の記録
全ての試験結果は,文書化しなければならない。文書化の様式は,製造業者が決定しなければならない。
注記 文書化は,紙又は電子媒体による。
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5.5 証明書
5.5.1 一般
FSWオペレータが適格性確認試験に合格し認証されたことを,証明しなければならない。全ての必須確
認項目をFSWオペレータの適格性証明書に記載しなければならない。試験材が,要求されている試験の
いずれかに合格していない場合は,証明書を発行してはならない。
証明書は,検査員又は検査機関の独立した責任の元に発行しなければならない。独立した責任の元にと
は,検査員又は検査機関が,当該オペレータがこの規格に要求される事項について十分な知識及び技量を
もつことを,責任をもって証明することである。
FSWオペレータの適格性証明書として,附属書Cの書式を推奨する。
5.5.2 有効期限
5.5.2.1 最初の認証
FSWオペレータの認証は,必要な試験が実施され,試験に合格した場合,接合継手の試験を実施した日
から有効となる。
FSWオペレータの適格性証明書の有効期限は,2年後の,認証された月と同月の月末までとする。
5.5.2.2 有効性の確認
FSW管理技術者又は雇用者からFSWの品質管理について責任を委ねられている者は,FSWオペレータ
が認証を受けた後,接合に従事していることを,6か月ごとに確認しなければならない。このような確認
を怠り,認証期間が切れていた場合,FSWオペレータは接合を行う前に再度,適格性確認試験に合格しな
ければならない。
5.5.2.3 再認証
FSWオペレータの適格性確認の証明は,検査員又は検査機関によって2年ごとに再認証できる。
5.5.2.2を満足し,かつ,次のいずれもが確認されれば,再認証することができる。
a) 再認証が妥当であるという全ての検査記録を残さなければならない。また,生産に使用されたWPS
も残されていることを確認しなければならない。
b) 再認証が妥当であるとする検査記録には,非破壊試験(放射線透過試験又は超音波探傷試験)又は破
壊試験(破面又は曲げ試験)を,再認証に先立つ半年間の間に少なくとも二つの試験体に対して実施
していることを含んでいなくてはならない。
c) 検査記録において,接合部は附属書Hに規定された,不完全部に対する判定基準を満足していなけれ
ばならない。
d) 再認証に関する検査記録は,最低2年間保存しなければならない。
6 FSW施工要領及びその承認
6.1 接合手順の開発及び品質
FSW施工法の承認を,実生産のFSWを実施する前に受けなければならない。
製造業者は,承認前のFSW施工要領書(pWPS)を準備しなければならない。また,それは,かつて実
施した生産業務における経験及び溶接技術の一般的な知識を生かして,生産に適用できることを保証しな
ければならない。
pWPSは,FSW施工法承認記録(WPQR)を作成するためのベースとして使用しなければならない。ま
た,pWPSは,箇条7又は箇条8に示されている方法の一つとして試験されなければならない。
箇条7は,製造部品又は継手形状が,図15に示す標準試験片による場合にだけ適用されなければならな
――――― [JIS Z 3608 pdf 22] ―――――
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い。箇条8は,図15に示す標準試験片によらない場合にだけ適用されなければならない。pWPSに必要な
情報を,6.2に示す。
注記 必要に応じて,施工要領の申請に対しては,6.2の項目に追加又は削除が必要となる。
FSW施工要領書(WPS)は,ある範囲の板厚をカバーする。
必要な場合は,関連する国際規格(箇条2参照)に従った範囲及び公差,並びに製造業者の経験を,適
切に規定しなければならない。
pWPSの様式の例を,附属書Dに示す。
6.2 pWPSの技術的内容
承認前のFSW施工要領書(pWPS)には,少なくとも次の情報が含まれていなければならない。
a) 製造事業者の情報
1) 製造事業者名
2) WPSの識別番号
b) 被接合材の種類,熱処理条件,及び関連する規格
c) 被接合材の寸法
1) 部材の厚さ
2) 管の外径(管の場合)
d) 接合装置
1) 型式
2) 製造番号
3) 製造業者
e) ツール
1) 材質
2) スケッチ(ショルダ径,プローブ径及びプローブ長)又は図面番号
f) 拘束方法
1) ジグ,拘束具,ローラ及び裏当て(形状及び材質)
2) タック接合 : タック接合が必要な場合はタック接合方法及び接合条件を,タック接合禁止の場合は
そのことをpWPSに明示しなければならない。
g) 継手設計
1) 継手の形状及び寸法
2) パスの順序及び方向(必要な場合)
3) 始終端のタブ板,並びにその材質及び寸法
4) 終端穴の位置
h) 継手の準備及び前処理方法
i) 接合の詳細
1) ツールの動き(時計方向又は反時計方向の回転速度,並びに押込み及び引抜きの移動速度)
2) ツールの位置(ヒール押込み深さ)又はツールの押付け力
3) ツールの冷却方法(必要な場合)
4) 前進角
5) ツール傾斜角及び横オフセット量
6) 始端部におけるツール保持時間
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7) 終端部におけるツール保持時間
8) 継手形状
9) 管の突合せ又は重ね継手の接合重なり部
10) 重ね継手 : 上板端部近傍の前進側又は後退側,及び接合方向
j) 接合速度
1) 接合中の接合速度(途中で変更があった場合には,その詳細を含む。)
2) 急発進若しくは急停止,又は緩発進若しくは緩停止(適用する場合)
k) 接合姿勢
1) 適用可能な接合姿勢
l) 接合前の熱処理(適用する場合)
m) 予熱温度
1) 予熱温度−予熱を行う場合は,JIS Z 3604に従って行う。
2) ツールの予熱温度(適用する場合)
n) 予熱保持温度(必要に応じて)
1) 接合を中断する場合に予熱保持されるべき領域の最低温度
o) パス間温度
1) パス間温度−パス間温度を管理する場合には,JIS Z 3604に従って行う。
p) シールドガス及びシールド方法
1) 適用する場合,JIS Z 3253に従ったものを用いる。
q) 接合後処理(必要に応じて)
1) 溶体化処理,時効,応力除去,ばりの除去又は接合物の他の何らかの後処理方法
2) 接合後の熱処理の温度範囲及び最小時間,若しくは時効処理条件を規定するか,又はこれらの情報
が規定されている他の規格を引用しなければならない。
注記 FSW接合後に加熱処理を施すと,接合部の結晶粒が粗大化する場合もあるので,適用を避
けることが望ましい。
7 FSW施工法試験による施工要領の承認
7.1 一般
被接合材の前処理,接合,試験及び後処理は,7.2及び7.3に従わなければならない。
この箇条は,FSWオペレータの適格性確認にも適用できる。
7.2 試験材の準備
7.2.1 形状及び寸法
7.2.1.1 一般
被接合材の長さ又は数量は,実施する全ての必要な試験を十分に満たすものでなければならない。
最小寸法より長い試験材は,再試験用,追加試験用又は両方に用いてもよい(7.3.4参照)。
圧延方向又は押出し方向を,試験材に刻印しなければならない。
7.2.1.2 板の突合せ継手
板の突合せ継手は,図15の形状で準備しなければならない。
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単位 mm
b 被接合材の幅
l 被接合材の長さ
t 板厚
a pWPSに規定される隙間
図15−板の突合せ継手
7.2.1.3 管の突合せ継手
管の突合せ継手は,図16の形状で準備しなければならない。
単位 mm
D 管の外径
l 管の長さ
t 管の厚さ
a pWPSに規定される隙間
図16−管の突合せ継手
7.2.1.4 重ね継手
試験材は,図17の形状で準備しなければならない。接合は,全長にわたって板厚の一部が接合されるか
又は全厚が接合されるか,いずれでもよい。
――――― [JIS Z 3608 pdf 25] ―――――
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JIS Z 3608:2016の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 25239-1:2011(MOD)
- ISO 25239-2:2011(MOD)
- ISO 25239-3:2011(MOD)
- ISO 25239-4:2011(MOD)
- ISO 25239-5:2011(MOD)
JIS Z 3608:2016の国際規格 ICS 分類一覧
- 77 : 金属工学 > 77.120 : 非鉄金属 > 77.120.10 : アルミニウム及びアルミニウム合金
- 25 : 生産工学 > 25.160 : 溶接,ろう付け及びはんだ付け > 25.160.10 : 溶接工程
JIS Z 3608:2016の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ2343-1:2017
- 非破壊試験―浸透探傷試験―第1部:一般通則:浸透探傷試験方法及び浸透指示模様の分類
- JISZ3001-1:2018
- 溶接用語―第1部:一般
- JISZ3001-2:2018
- 溶接用語―第2部:溶接方法
- JISZ3001-4:2013
- 溶接用語―第4部:溶接不完全部
- JISZ3021:2016
- 溶接記号
- JISZ3080:1995
- アルミニウムの突合せ溶接部の超音波斜角探傷試験方法
- JISZ3081:1994
- アルミニウム管溶接部の超音波斜角探傷試験方法
- JISZ3090:2005
- 溶融溶接継手の外観試験方法
- JISZ3105:2003
- アルミニウム溶接継手の放射線透過試験方法
- JISZ3121:2013
- 突合せ溶接継手の引張試験方法
- JISZ3122:2013
- 突合せ溶接継手の曲げ試験方法
- JISZ3253:2011
- 溶接及び熱切断用シールドガス
- JISZ3400:2013
- 金属材料の融接に関する品質要求事項
- JISZ3420:2003
- 金属材料の溶接施工要領及びその承認―一般原則
- JISZ3421-1:2003
- 金属材料の溶接施工要領及びその承認―アーク溶接の溶接施工要領書
- JISZ3604:1950
- 血球計
- JISZ3604:2016
- アルミニウムのイナートガスアーク溶接作業標準
- JISZ3703:2004
- 溶接―予熱温度,パス間温度及び予熱保持温度の測定方法の指針