JIS Z 3950:2021 溶接作業環境における浮遊粉じん濃度測定方法

JIS Z 3950:2021 規格概要

この規格 Z3950は、溶接及び関連作業を行う人(作業者)の呼吸域及び作業環境における浮遊粉じんのサンプリング方法並びに粉じん質量濃度測定方法について規定。

JISZ3950 規格全文情報

規格番号
JIS Z3950 
規格名称
溶接作業環境における浮遊粉じん濃度測定方法
規格名称英語訳
Methods of measurement for airborne dust concentration in welding environment
制定年月日
1975年3月1日
最新改正日
2021年3月22日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 10882-1:2011(MOD)
国際規格分類

ICS

13.040.30, 13.100, 25.160.10
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1975-03-01 制定日, 1978-04-01 確認日, 1983-10-01 確認日, 1986-03-25 改正日, 1991-05-01 確認日, 1994-03-01 改正日, 1999-02-20 確認日, 2004-03-20 確認日, 2005-08-20 改正日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認日, 2021-03-22 改正
                                                                                   Z 3950 : 2021

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[1]
  •  3 用語及び定義・・・・[2]
  •  3.1 一般定義・・・・[2]
  •  3.2 サンプリングに関する定義・・・・[2]
  •  4 粉じん質量濃度測定方法の種類・・・・[3]
  •  5 作業環境中の粉じん質量濃度測定・・・・[4]
  •  5.1 一般・・・・[4]
  •  5.2 吸入性粉じんの質量濃度測定方法・・・・[5]
  •  5.3 総粉じんの質量濃度測定方法・・・・[9]
  •  6 個人ばく露粉じん質量濃度測定・・・・[10]
  •  6.1 一般・・・・[10]
  •  6.2 吸入性粉じんの個人ばく露質量濃度測定方法・・・・[10]
  •  6.3 総粉じんの個人ばく露質量濃度測定方法・・・・[13]
  •  7 試料の化学分析・・・・[14]
  •  8 測定結果の記録・・・・[14]
  •  附属書JA(規定)測定値のまとめ方・・・・[16]
  •  附属書JB(参考)JISと対応国際規格との対比表・・・・[17]

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Z 3950 : 2021

まえがき

  この規格は,産業標準化法第16条において準用する同法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人
日本溶接協会(JWES)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,産業標準原案を添えて日本産業規
格を改正すべきとの申出があり,日本産業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本産業規
格である。これによって,JIS Z 3950:2005は改正され,この規格に置き換えられた。
  この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
  この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

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                                       日本産業規格                             JIS
                                                                              Z 3950 : 2021

溶接作業環境における浮遊粉じん濃度測定方法

Methods of measurement for airborne dust concentration in welding environment

序文

  この規格は,2011年に第2版として発行されたISO 10882-1を基とし,我が国の溶接作業環境における
浮遊粉じん濃度測定方法と整合させるため,技術的内容を変更して作成した日本産業規格である。
  なお,附属書JAは,対応国際規格にはない事項である。また,この規格で側線又は点線の下線を施し
てある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。技術的差異の一覧表にその説明を付けて,附属
書JBに示す。

1 適用範囲

  この規格は,溶接及び関連作業を行う人(作業者)の呼吸域及び作業環境における浮遊粉じんのサンプ
リング方法並びに粉じん質量濃度測定方法について規定する。
  注記1 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
          ISO 10882-1:2011,Health and safety in welding and allied processes−Sampling of airborne particles
              and gases in the operator's breathing zone−Part 1: Sampling of airborne particles(MOD)
            なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”こ
          とを示す。
  注記2 典型的な関連作業としては,熱切断,グラインダ掛け,はつりなどの溶接に関係する作業があ
          る。

2 引用規格

  次に掲げる引用規格は,この規格に引用されることによって,その一部又は全部がこの規格の要求事項
を構成している。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
    JIS B 7551 フロート形面積流量計
    JIS K 0083 排ガス中の金属分析方法
    JIS Z 3001(規格群)溶接用語
    JIS Z 3920 溶接ヒューム分析方法
    JIS Z 8813 浮遊粉じん濃度測定方法通則
    JIS Z 8814 ロウボリウム エアサンプラ

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Z 3950 : 2021

3 用語及び定義

  この規格で用いる主な用語及び定義は,次によるほか,JIS Z 3001(規格群)による。

3.1 一般定義

3.1.1
化学物質(chemical agent)
  単体又は混合物として自然発生する,又は生産,使用若しくは放出される化学元素又は化合物
3.1.2
呼吸域(breathing zone)
  作業者が呼吸する顔の周囲の空間
  注釈1 技術的に呼吸域は,両耳を結んだ線の真ん中を中心とした,顔の前方に広がった半球(一般的
          に半径30 cmとされている。)に一致する。この半球の底面は,両耳を結んだ線,頭頂及び喉頭
          で構成される平面である。ただし,呼吸用保護具を用いている場合には,この技術的記述は適
          用されない。
3.1.3
ばく露(exposure)
  空気中に浮遊する粉じんを吸入する状態
3.1.4
時間加重平均粉じん質量濃度[time-weighted average (TWA)   oncentration]
  作業時間内にわたって平均した,空気中の粉じんの質量濃度
3.1.5
総粉じん(total airborne particles)
  分粒装置を付けずに捕集器の入口において流速50 cm/s80 cm/sで捕集した粉じん
3.1.6
単位作業場所(unit workplace)
  当該作業場の区域のうち,労働者の作業中の行動範囲,有害物質の分布の状況などに基づき定められる
作業環境測定のために必要な区域
  注釈1 作業環境測定基準(昭和51年4月22日労働省告示第46号)第2条第1項第1号に定義され
          ている。

3.2 サンプリングに関する定義

3.2.1
試料空気のサンプリング(air sampling)
  粉じん濃度の測定又は分析を行うために作業環境空気の一部を採取する操作
3.2.2
吸入性粉じん
  粒径4 μmで50 %分粒する分粒装置を透過する粉じん

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3.2.3
限界値
  空気中の粉じんの濃度に対する基準値
  注釈1 日本では,作業環境評価基準(昭和63年労働省告示第79号)で定める“管理濃度”及び日本
          産業衛生学会が勧告する“許容濃度”,米国では,OSHA(Occupational Safety and Health
          Administration,Department of Labor)が定めるPEL(Permissible Exposure Limit)及びACGIH
          (American Conference of Governmental Industrial Hygienists)が勧告するTLVs(Threshold Limit
          Values)がある。
3.2.4
個人ばく露粉じん質量濃度
  呼吸域の時間加重平均粉じん質量濃度
3.2.5
作業環境中の粉じん質量濃度
  測定対象の作業場所の単位体積中に浮遊する粉じんの質量
3.2.6
相対沈降径
  対象粒子の空気中での挙動が密度1 g/cm3の球形粒子と等価な粒子径
3.2.7
透過率,P
  粉じんの分粒装置を透過する割合
3.2.8
等間隔系統抽出方法
  単位作業場所において等間隔に,かつ,偏りのないように測定点を抽出する手法
3.2.9
分粒装置
  空気中の浮遊粉じんを粗大粉じんと吸入性粉じんとに分離する機器
3.2.10
質量濃度変換係数,K値
  相対濃度計を用いて測定した1分間当たりの相対値から質量濃度を求めるために乗ずる数値

4 粉じん質量濃度測定方法の種類

  粉じん濃度の測定には,作業環境中の粉じん質量濃度測定及び作業者の個人ばく露粉じん質量濃度測定
があり,それぞれの測定方法の種類は,表1による。

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Z 3950 : 2021
                               表1−粉じん質量濃度測定方法の種類
                  測定           測定対象                 測定方法の種類
           作業環境中の粉じん  吸入性粉じん  分粒装置付きろ過捕集による測定方法5.2.1
                               (5.2)
           質量濃度測定(箇条5)             光散乱式相対濃度計による測定方法  5.2.2
                                             圧電天びん式濃度計による測定方法  5.2.3
                               総粉じん(5.3) ろ過捕集による測定方法          5.3
           個人ばく露粉じん質  吸入性粉じん  分粒装置付きろ過捕集による測定方法6.2.1
           量濃度測定(箇条6) (6.2)       光散乱式相対濃度計による測定方法  6.2.2
                                                                               6.2.3
                               総粉じん(6.3) ろ過捕集による測定方法          6.3

5 作業環境中の粉じん質量濃度測定

5.1 一般

  単位作業場所の粉じん濃度分布を知るための作業環境中の粉じん質量濃度測定は,次のa)   e)による。
a) 単位作業場所の設定 単位作業場所の範囲の設定は,次の1)2)による。
  1) 労働者の作業中の行動範囲
  2) 有害物質の分布状況などによる層別化
b) サンプリングに関する事項
  1) サンプリング位置設定の考え方
        サンプリング位置の設定は,次を満たしていなければならない。
        測定点の抽出が作為的でない。
        測定点が単位作業場所の区域全体にできるだけ均一に分布している。
  2) サンプリング位置の設定及び測定数
        サンプリング位置の設定及び測定数は,次による。
    − 等間隔系統抽出方法によって,測定点の数は5点以上とする。
    − 床面上に6 m以下の等間隔で引いた縦の線と横の線との交点の床上50 cm以上150 cm以下の位
        置とする。
    − 単位作業場所の範囲が著しく狭い(おおむね30 m2以下)場合であって,単位作業場所における
        粉じんの濃度がほぼ均一であることが明らかな場合(過去の作業環境測定による測定値の幾何標
        準偏差がおおむね1.2以下)には,測定点の数は5未満であってもよい。ただし,各測定点で繰
        返し測定を行い,1単位作業場所における測定値の総数が5以上になるようにする。なお,各測
        定点における繰返し測定の回数は同一でなければならない。
    − 各測定点及び同一測定点において繰返しの測定を行う場合,測定の時間間隔についても,等間隔
        に行う。
c) 測定 吸入性粉じんの測定は,5.2による。総粉じんの測定は,5.3による。
d) 測定時期 測定は,定常的に作業が行われている時間帯に行う。
e) 測定値 測定値は,幾何平均及び幾何標準偏差を求める。

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5.2 吸入性粉じんの質量濃度測定方法

5.2.1  分粒装置付きろ過捕集による測定方法
  この方法は,JIS Z 8814に規定するロウボリウム エアサンプラを用い,そのろ過材保持具の前段に分粒
装置を取り付けて粉じんをろ過材上に捕集し,その質量から吸入性粉じんの質量濃度を測定する方法で,
次のa)   e)による。
  注記 分粒装置は,慣性衝突式,多段平行板式,サイクロン式などがある。
a)  装置 慣性衝突式分粒装置による吸入性粉じん質量濃度測定装置の構成例を,図1に示す。
                     図1−吸入性粉じんの慣性衝突式質量濃度測定装置の構成例
b) 各部の詳細 各部の詳細は,次の1)8)による。
  1)  分粒装置 分粒装置は,粉じんの透過率が図2で表される透過特性をもつか,又は図2に示す特性
      と等価の特性をもつものとする。
                        率P
                       (%)
                                        粉じんの相対沈降径(μm)
                                    図2−分粒装置の透過特性
        透過率Pは,次の式によって算出する。
                        P=IPM×[1−F(x)   ]×100
                       ここで,     P :  透過率(%)
                                 IPM= 0.5[1+exp(−0.06D)   ]
                                  F(x) :  標準偏差xに対する累積度数分布

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Z 3950 : 2021
                                  ここで,x= ln(D   )
                                                ln()
                                         D :  粉じんの相対沈降径(μm)
                                         Γ :  4.25 μm
                                         Σ :  1.5
  2) ろ過材 ろ過材は,次による。
    − 粒径0.3 mの粒子を95 %以上捕集する性質をもたなければならない。
    − 吸湿性が小さく,粉じんが捕集堆積していない状態で圧力損失の小さいものを用いる。
    − 粉じんの化学分析を行う場合は,分析対象成分と反応せず,かつ,分析方法に適合したものを選
        ばなければならない。
  3) ろ過材保持具 ろ過材保持具は,ろ過材を容易に交換でき,かつ,ろ過材の破損及び空気漏れを生
      じないような構造とする。また,帯電しにくい材質及び構造であることが望ましい。
  4) 流量計 流量計は,JIS B 7551に規定する性能をもつものとする。ただし,流量計の最大目盛は,
      使用流量の1.0倍以上2.5倍以下のものでなければならない。
  5) 差圧計 粉じんの捕集によって生じる圧力損失測定のための差圧計は,適切に測定することができ
      る読取り圧力範囲をもつものとする。
  6) 吸引ポンプ 吸引ポンプは,次による。
    − 流量の調節が可能で,試料空気のサンプリング期間にわたって設定流量の変動が設定値の±5 %
        を維持できるもので,使用する流量の1.5倍以上の能力でなければならない。
    − 定流量機構を備えたポンプを使用することが望ましい。
    − 捕集装置を取り付けた状態で連続運転できるもので,かつ,脈流が認められないものでなければ
        ならない。
    − 吸引圧力は,静圧が26.7 kPa以上でなければならない。
  7) 天びん 天びんは,質量を0.01 mgまで計量できるものとする。
  8) その他の器具 試料空気のサンプリングのために,次の器具を使用する。
  8.1) 接続チューブ ろ過材保持具と吸引ポンプとを漏れがないようにつなぐために用いるもので,適
       切な柔軟さ及び径をもつものとする。
  8.2) 先端がへん(扁)平なピンセット ろ過材の着脱の際に使用する。
  8.3) ろ過材運搬容器 ろ過材のひょう量室に運搬するために使用する容器で蓋付きとする。
  8.4) 温度計 雰囲気温度測定のための温度計は,読取り温度範囲が0 ℃50 ℃を含み,目盛幅は,
       1 ℃以下とする。
c) 測定の準備 測定の準備は,次の1)2)による。
  1) ろ過材の準備
  1.1) ろ過材の取扱い ろ過材は,清潔な雰囲気内で取り扱い,損傷を防ぐため先端がへん(扁)平なピ
       ンセットを用いる。
  1.2) 静電気の除去 ろ過材が静電気を帯びやすいもの(例えば,メンブランフィルタ)であるときは,
       ひょう量の前に帯電除去装置を用いて静電気を除去することが望ましい。
  1.3) ろ過材の前ひょう量 ろ過材のひょう量手順は,次による。
    − ろ過材のひょう量は,ひょう量の約2時間前にろ過材を天びん室の雰囲気に慣らした後,ひょう
        量を行い,1回目のひょう量値を得る。

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    − 1回目のひょう量後,12時間以降に,再度1回目と同様な手順でひょう量を行い,2回目のひょ
        う量値を得る。
    − 1回目と2回目とのひょう量値が同じ場合,その値をひょう量値として用いる。
    − 1回目と2回目とのひょう量値が違った場合,再度同様なひょう量を行い,2回連続同じ値が得ら
        れるまで,ひょう量を繰り返し,ひょう量値を得る。
  1.4) ろ過材保持具への取付け 清浄なろ過材保持具に,ろ過材を取り付ける。
  2)  ろ過捕集法の流量校正方法 標準流量校正装置とろ過捕集器具との接続は,図3に示すように,吸
      引ポンプ,流量校正を行う流量計及び密閉容器にセットしたろ過材保持具を接続する。さらに,密
      閉容器と標準流量校正装置とを接続する。標準流量校正装置で測定した流量がろ過材保持具を接続
      したときの正確な流量であるので,流量計のテーパー管のフロートの位置に目盛シールを貼る。こ
      こで測定した流量を使用して濃度を算出する。定流量型ポンプを用いる場合は,ろ過材保持具,流
      量計及び定流量型ポンプの順で接続し,定流量型ポンプにて所定流量で吸引したときに,流量計の
      テーパー管のフロートの位置に目盛シールを貼る。この指示値がサンプリング時の正確な流量とな
      る。
                                      ろ過材保持具
                           密閉容器                    流量計
                          図3−流量校正装置とろ過捕集器具との接続方法
d) 測定 測定は,次の1)5)による。
  1)  吸引ポンプのスイッチを入れ,使用する分粒装置によって定められた流量でサンプリングを開始す
      ると同時に,時刻,流量,圧力損失及び対象作業場所の気温を測定し記録する。ろ過材には,少な
      くとも天びんの読取り限界の20倍以上の粉じんを捕集する必要がある。
  2)  測定中は流量校正で求めた所定の吸引流量で吸引されていることを,流量計を用いて常に監視する。
  3)  終了直前に,時刻,流量及び圧力損失を測定し,記録した後,吸引ポンプのスイッチを切る。
  4)  サンプリング時間及び圧力損失を記録する。
  5)  サンプリング中にわたって測定した流量から,積算吸引流量を算出する。
e)  質量濃度の決定
  1)  コンディショニング 試料空気のサンプリング後,粉じんを捕集したろ過材をろ過材保持具又はろ
      過材運搬容器から取り出し,恒温恒湿の状態で24時間以上放置する。
  2)  ろ過材の再ひょう量 ひょう量の約2時間前にろ過材を天びん室の雰囲気に慣らした後,ろ過材を
      ひょう量する。試料の化学分析を行う場合は,箇条7による。
  3)  質量濃度の計算 粉じんの質量濃度は,次の式による。
                            W2  W11000
                        C
                             Ft
                       ここで,    C :  吸入性粉じんの質量濃度(mg/m3)
                                   F :  サンプリング中の流量(L/min)

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Z 3950 : 2021
                                    t :  サンプリング時間(min)
                                  W1 :  サンプリング前のろ過材の質量(mg)
                                  W2 :  サンプリング後のろ過材の質量(mg)
5.2.2  光散乱式相対濃度計による測定方法
  この方法は,JIS Z 8813の6.1.2(散乱光法)に規定する装置を用いる方法で,次のa)   c)による。
a)  光散乱式相対濃度計 光散乱式相対濃度計の構成例を,図4に示す。
                   発光部
                                                  吸引ポンプ
                                図4−光散乱式相対濃度計の構成例
b) 測定 測定は,次の1)2)による。
  1)  吸入性粉じん濃度を測定しようとする場所の単位作業場所で,1分間当たりの測定値RL(cpm)を
      求める。
  2)  吸入性粉じんの質量濃度は,次の式による。
                        C=K1×RL
                       ここで,    C :  吸入性粉じんの質量濃度(mg/m3)
                                  K1 :  質量濃度変換係数,K値(mg・m−3・cpm−1)
                                  RL :  相対濃度計の測定値(cpm)
c)  質量濃度変換係数,K値 質量濃度変換係数は,次の1)4)の手順で求める。
  1)  5.2.1 a)に規定する装置と,質量濃度変換係数を求めようとする相対濃度計とを用いて,吸入性粉じ
      ん濃度を測定しようとする場所の単位作業場所で併行測定を行う。
  2)  吸入性粉じんの質量濃度Cを5.2.1 e) 3)によって求める。
  3)  相対濃度計による計測は,ろ過捕集時間中に連続して同時に併行測定を行い,得られた積算相対濃
      度値(カウント数)を測定時間(min)で除した値RLM(cpm)を求める。
  4)  質量濃度変換係数は,次の式による。
                              C
                         K1
                             RLM
                       ここで,   K1 :  質量濃度変換係数(mg・m−3・cpm−1)
                                   C :  吸入性粉じんの質量濃度(mg/m3)
                                 RLM :  積算相対濃度値を測定時間で除した値(cpm)

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                                                                                   Z 3950 : 2021
5.2.3  圧電天びん式濃度計による測定方法
  この方法は,JIS Z 8813の6.2.2に規定する装置を用いる方法で,次のa)   c)による。
a)  圧電天びん式濃度計 圧電天びん式濃度計の構成例を,図5に示す。
                                            圧電素子
                                図5−圧電天びん式濃度計の構成例
b) 測定 5.2.2 b)による。
c)  質量濃度変換係数,K値 質量濃度変換係数は,次の式による。
                             C
                         K2
                             RM
                       ここで,   K2 :  質量濃度変換係数
                                   C :  吸入性粉じんの質量濃度(mg/m3)
                                  RM :  圧電天びん式濃度計の測定値の平均値(mg/m3)

5.3 総粉じんの質量濃度測定方法

  総粉じんの質量濃度は,ロウボリウム エアサンプラのろ過材保持具に分粒装置を装着しないオープン
フェイス型ホルダを取り付けて,吸入口において50 cm/s80 cm/sの流速で粉じんをろ過材に捕集し,そ
の質量から質量濃度を求める。総粉じん質量濃度測定装置の例を,図6に示す。各部の詳細は5.2.1 b) 2)
8),測定の準備は5.2.1 c),測定は5.2.1 d)及び質量濃度の決定は5.2.1 e)による。

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                             図6−総粉じん質量濃度測定装置の構成例

6 個人ばく露粉じん質量濃度測定

6.1 一般

  個人ばく露粉じん質量濃度は,呼吸域で測定する。個人ばく露粉じん質量濃度測定用のサンプリングは,
作業者の作業状態を代表するように設定する。限界値と比較する目的で,試料空気の時間加重平均粉じん
質量濃度を求めるには,通常の作業活動を妨げることなく,サンプリング時間を通して,ろ過材保持具又
は粉じん濃度計の吸引口を作業者の呼吸域に保持されるよう装着する。個人ばく露粉じん質量濃度測定は,
次による。
a)  個人ばく露粉じん質量濃度測定における試料空気のサンプリング方法は,作業者及びその正常な作業
    に対する妨害が最小になるように設定しなければならない。測定する時期及び時間は,溶接作業の実
    施頻度,時間,測定目的などを考慮して設定する。
b) ろ過材保持具又は粉じん濃度計の吸引口は,呼吸域に設置する。呼吸域に直接設置できない場合は,
    小口径の採気管を通して呼吸域から試料空気を吸引する。
c)  個人ばく露粉じん質量濃度は,サンプリング期間にわたる時間加重平均粉じん質量濃度として算出す
    る。

6.2 吸入性粉じんの個人ばく露質量濃度測定方法

6.2.1  分粒装置付きろ過捕集による測定方法
  この方法は,個人ばく露粉じん質量濃度測定用分粒装置付きろ過材保持具を作業者の呼吸域に取り付け,
ろ過材が捕集した粉じんの質量から吸入性粉じんのばく露濃度を測定する方法で,次のa)   e)による。
  注記 分粒装置は,慣性衝突式,サイクロン式などがある。
a)  装置 慣性衝突式分粒装置による吸入性粉じん個人ばく露質量濃度測定装置の構成例を,図7に示す。

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                                                                                   Z 3950 : 2021
                 図7−個人ばく露粉じん質量濃度測定用吸入性粉じんろ過捕集装置例
b) 各部の詳細 各部の詳細は,次の1)7)による。
  1)  分粒装置 5.2.1 b) 1)による。
  2)  ろ過材 5.2.1 b) 2)による。
  3)  ろ過材保持具 ろ過材保持具は,5.2.1 b) 3)に規定する特性をもち,作業者が装着して作業を行って
      も支障を与えない大きさのものとする。
  4)  流量計 流量計は,5.2.1 b) 4)と同等の特性をもち,吸引ポンプに内蔵又は取付け可能なものとする。
  5)  吸引ポンプ 吸引ポンプは,5.2.1 b) 6)に規定する特性をもち,作業者が装着して作業を行っても支
      障を与えない大きさのものとする。
  6)  天びん 5.2.1 b) 7)による。
  7)  その他の器具 5.2.1 b) 8)による。
c)  測定の準備 5.2.1 c)による。
d) 測定 測定は,次の1)5)による。
  1)  作業者の呼吸域に,個人ばく露粉じん質量濃度測定用吸入性粉じんろ過捕集装置を装着する。
  2)  吸引ポンプのスイッチを入れ,使用する分粒装置によって定められた流量でサンプリングを開始す
      ると同時に,時刻,流量及び対象作業場所の気温を測定し,記録する。
  3)  終了直前に,時刻を記録した後,吸引ポンプのスイッチを切る。
  4)  サンプリング時間を記録する。
  5)  測定終了後,直ちに吸引ポンプのスイッチを入れて,測定終了後の吸引ポンプの流量を読み取り,
      記録する。次に,読み取った吸引ポンプ流量とサンプリング時間から,サンプリング中の積算吸引
      流量値を求め,記録する。
e)  個人ばく露粉じん質量濃度の決定 5.2.1 e)の式によって,質量濃度を算出する。
6.2.2  光散乱式相対濃度計による測定方法
  この方法は,5.2.2 a)で規定する光散乱式相対濃度計のうち,呼吸域に装着できるものを用いる方法で,
次のa)   c)による。
a)  光散乱式相対濃度計 個人ばく露粉じん質量濃度測定用光散乱式相対濃度計の構成例を,図8に示す。

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                 図8−個人ばく露粉じん質量濃度測定用光散乱式相対濃度計の構成例
b) 測定 測定は,次の1)3)による。
  1)  作業者の呼吸域に個人ばく露粉じん質量濃度測定用光散乱式相対濃度計を装着する。
  2)  相対濃度計を作動させ,所定時間測定を行う。
  3)  測定終了後,測定時間中の積算相対濃度値(カウント数)を測定時間(min)で除して1分間当たり
      の測定値RL(cpm)を求める。
c)  質量濃度変換係数,K値 質量濃度変換係数は,次の1)4)の手順で求める。
  1)  6.2.1 a)に規定する装置と,質量濃度変換係数を求めようとする6.2.2 a)に規定する相対濃度計を作業
      者の呼吸域に装着して,同時に併行測定を行う。
  2)  吸入性粉じんの質量濃度Cを6.2.1 e)によって求める。
  3)  相対濃度計による計測は,ろ過捕集と同時に併行測定を行い,得られた積算相対濃度値(カウント
      数)を測定時間(min)で除した値RLM(cpm)を求める。
  4)  質量濃度変換係数は,5.2.2 c)の4)によって求める。
6.2.3  分粒装置付き光散乱式相対濃度計による測定方法
  この測定は,6.2.2 a)で規定する光散乱式相対濃度計の吸入口に,6.2.1 a)で規定する慣性衝突式分粒装置
のろ過材保持具を取り付けた分粒装置付き光散乱式相対濃度計を作業者の呼吸域に取り付けて,ろ過材で
捕集した粉じん質量から吸入性粉じんのばく露濃度を測定する方法である。光散乱式相対濃度計から求め
た相対濃度及び粉じん濃度から質量濃度変換係数を求めることができ,求めた質量濃度変換係数を用いて
相対濃度を質量濃度に変換することで,粉じんの時間的濃度変動状況を求めることができる。測定方法は,
次のa)   c)による。
a)  個人ばく露粉じん質量濃度測定用分粒装置付き光散乱式相対濃度計の構成例を,図9に示す。

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                                                                                   Z 3950 : 2021
                                 分粒装置
                                                            粉じん検出部
                     ろ過材保持具                             信号ケーブル
   吸引ポンプ
                       接続チューブ                                          粉じん濃度演算部
           図9−個人ばく露粉じん質量濃度測定用分粒装置付き光散乱式相対濃度計の構成例
b) 測定 測定は,次の1)6)による。
  1) 作業者の呼吸域に,個人ばく露粉じん質量濃度測定用分粒装置付き光散乱式相対濃度計の粉じん検
      出部を装着する。
  2) 吸入性粉じん濃度を測定する吸引ポンプのスイッチを入れると同時に相対濃度計を作動させ,吸入
      性粉じん濃度測定と同じ時間測定を行う。
  3) 終了直前に,時刻を記録した後,吸引ポンプのスイッチを切る。
  4) サンプリング時間を記録する。
  5) 測定終了後,直ちに吸引ポンプのスイッチを入れて,測定終了後の吸引ポンプの流量を読み取り,
      記録する。次に,読み取った吸引ポンプ流量とサンプリング時間から,サンプリング中の積算吸引
      流量値を求め,記録する。
  6) 測定終了後,相対濃度計の測定時間中の積算相対濃度値(カウント数)を測定時間(min)で除して
      1分間当たりの測定値RL(cpm)を求める。
c) 質量濃度変換係数,K値 5.2.2 c)による。

6.3 総粉じんの個人ばく露質量濃度測定方法

  この方法は,分粒機能をもたない個人ばく露濃度測定用の粉じんろ過捕集装置を用いる方法で,装置の
構成は,図10に示す。各部の詳細は,6.2.1 b)の2)7)による。

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Z 3950 : 2021
                  図10−個人ばく露粉じん質量濃度測定用総粉じんろ過捕集装置例
a)  測定の準備 5.2.1 c)による。
b) 測定 測定は,次の1)4)による。
  1)  作業者の呼吸域に,個人ばく露粉じん質量濃度測定用総粉じんろ過捕集装置を取り付けて,吸入口
      において50 cm/s80 cm/sの流速でサンプリングを開始すると同時に,時刻,流量及び対象作業場
      所の気温を測定し,記録する。
  2)  終了直前に,時刻及び流量を測定し,記録した後,吸引ポンプのスイッチを切る。
  3)  サンプリング時間を記録する。
  4)  サンプリング中にわたって測定した流量から,積算吸引流量を算出する。
c)  個人ばく露粉じん質量濃度の決定 5.2.1 e)の式によって,質量濃度を算出する。

7 試料の化学分析

  粉じん中の特定成分の作業環境中粉じん質量濃度又は個人ばく露粉じん質量濃度を求める場合,試料の
化学分析を行う。用いる分析方法は,JIS Z 3920及びJIS K 0083によるほか,単一試料から数種の化学物
質を同時に又は連続的に分析できる方法を選ぶことが望ましい。
  注記 化学分析の必要性は,溶加材の組成及び存在可能な有害物質に応じて判断する。

8 測定結果の記録

  測定を行った後,次の項目を記録する。
a)  測定の目的
b) 対象作業場所
c)  作業方法の種類
d) 換気の状態
e)  呼吸器保護具の使用状態
f)  測定点又は作業者名
g)  測定方法の種類
h) 測定条件(例 単位作業場所内の測定点の決定方法やサンプリング時間の選定内容など)
i)  測定値 測定値のまとめ方は,附属書JAによる。

JIS Z 3950:2021の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 10882-1:2011(MOD)

JIS Z 3950:2021の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 3950:2021の関連規格と引用規格一覧