JIS Z 4335:1993 屋内環境用フィルムバッジ

JIS Z 4335:1993 規格概要

この規格 Z4335は、屋内環境において,実効エネルギーが20KeV~3MeVのX線,光子エネルギーが20Kev~3Mevのγ線及び熱中性子によって生じる1cm線量当量を測定するフィルムバッジ,及びそのフィルムバッジを用いて1cm線量当量を算出する方法について規定。

JISZ4335 規格全文情報

規格番号
JIS Z4335 
規格名称
屋内環境用フィルムバッジ
規格名称英語訳
Film badge for in-door environmental monitoring
制定年月日
1993年10月1日
最新改正日
2016年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

37.040.25
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1993-10-01 制定日, 1999-03-20 確認日, 2001-04-20 改正日, 2005-11-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2016-10-20 確認
ページ
JIS Z 4335:1993 PDF [28]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
Z 4335-1993

屋内環境用フィルムバッジ

Film Badge for in-door environmental monitoring

1. 適用範囲 この規格は,屋内環境において,実効エネルギーが20keV3MeVのX線,光子エネルギ
ーが20keV3MeVの 及び熱中性子によって生じる1cm線量当量を測定するフィルムバッジ,及びその
フィルムバッジを用いて1cm線量当量を算出する方法について規定する。
備考1. 性能の判定方法は附属書1に,1cmの線量当量の算出方法は附属書2にそれぞれ規定する。
2. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS K 7559 及び硬X線用バッジフィルム
JIS K 7605 写真濃度の測定方法
JIS Z 4001 原子力用語
JIS Z 4511 照射線量測定器及び線量当量測定器の校正方法
JIS Z 8103 計測用語
JIS Z 8401 数値の丸め方
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS Z 4001,JIS Z 4511及びJIS Z 8103によるほ
か,次による。
(1) 屋内環境 放射線を取り扱う施設内において,人が滞在できる温度・湿度の環境であって,人工放射
線の存在する場所。
(2) 測定値 フィルムバッジから算出した線量当量の丸める前の値。
(3) 基準値 試験方法に規定した基準とする試験線量。
(4) 誤差 ( 攀 定値の平均値 (X) と基準線 (H0) との差の基準値に対する比。
X−H0
ε= (1)
H0
(5) 変動係数 (C) 個の測定値 (Xi) の標準偏差の推定値 (S) の平均値 (X) に対する比。
n
S 1 1 2)
C= = (XiX
− (2)
X X n−1 i=1
(6) レスポンス (R)測定値の平均値 (X) の基準値 (H0) に対する比。
X
R= (3)
H0
(7) 相対レスポンス (RR)60Co又は137Csの のレスポンス (R 最 ‰歛譎 ネルギーのX線・
線のレスポンス (R) の比。

――――― [JIS Z 4335 pdf 1] ―――――

2
Z 4335-1993
=RR
RR (4)
γ
(8) バッジフィルム 放射線に対して適切な感度をもち,かつ,感度が異なる写真乳剤を塗布した,高感
度,中感度及び低感度のフィルムを同一包装したもの,又は同等の性能をもつもの。
(9) コントロールフィルム フィルム固有の写真濃度及び自然放射線のかぶりに起因する誤差を除くため
に用いるバッジフィルム。
(10) フィルタ 線量当量算出のため,バッジフィルムに適切な写真濃度を与える材質,厚さ及び大きさを
もつろ過板。
(11) 基準フィルタ バッジケースにセットされている各種のフィルタのうちから の線量特性を求め
るために特定したフィルタ。
(12) 熱中性子基準フィルタ バッジケースのフィルタにおいて適切な熱中性子フィルム感度が得られるフ
ィルタ。
(13) 放射性同位体中性子源 241Am−Beのように核反応によって中性子を発生する線源,又は252Cfのよう
に自発核分裂によって中性子を発生する線源。
(14) フィルタ位置 フィルタの効果がみられるフィルム上の位置。
(15) 見掛けの線量 フィルタ位置の写真濃度に対応する線量特性曲線上の線量。
(16) 正味見掛けの線量 フィルタ位置の見掛けの線量からコントロールフィルムの見掛けの線量を差し引
いた線量。
(17) 線量当量算出式 バッジフィルムの各フィルタ位置の正味見掛けの線量から,線量当量を算出するた
めの計算式。
(18) 比例性試験 1cm線量当量に対するレスポンスが一定であることを確認するための試験。
(19) 使用期間 フィルムバッジの使用開始から使用終了までの期間。
(20) 基準 校正装置において線量特性を得るために特定した 。
(21) 線量特性 基準 の照射線量と 基準フィルタのフィルタ位置(以下, 基準フィルタ位置とい
う。)の写真濃度との関係。
(22) 相対感度 (RS) 線・ を照射したときの正味見掛けの線量と照射線量との比 (N) を,基準 を
照射したときの正味見掛けの線量と照射線量との比 (N 最 ‰地
N
RS= (5)
N
(23) フィルムエネルギー特性 X線・ のエネルギーとフィルムの相対感度との関係。
(24) 潜像退行 フィルムの乳剤中に作られた潜像の経時変化によって,現像後に得られる写真濃度が,照
射直後の写真濃度より低下する現象。
(25) 熱中性子感度 熱中性子基準フィルタのフィルム位置(以下,熱中性子基準フィルタ位置という。)の
正味見掛けの線量と 基準フィルタ位置の正味見掛けの線量との差の熱中性子に対する感度。
(26) 熱中性子フィルム感度 それぞれのフィルタ位置の熱中性子に対するフィルムの感度。
3. 性能
3.1 測定値の誤差及び変動係数
3.1.1 X線・ 6.2.2(1)によって試験したとき,次のとおりとする。
(1) 高感度フィルムについて,0.4mSvの照射によって生じる誤差は,誤差に対応するレスポンスが,信頼

――――― [JIS Z 4335 pdf 2] ―――――

                                                                                              3
Z 4335-1993
度95%で1±0.3の範囲内,変動係数は0.07以下であり,4.0mSvの照射によって生じる誤差は,誤差
に対応するレスポンスが,信頼度95%で1±0.1の範囲内,変動係数は0.05以下であること。
(2) 中感度フィルムについて,30mSvの照射によって生じる誤差は,誤差に対応するレスポンスが,信頼
度95%で1±0.1の範囲内,変動係数は0.07以下であること。
(3) 低感度フィルムについて,200mVsの照射によって生じる誤差は,誤差に対応するレスポンスが,信
頼度95%で1±0.1の範囲内,変動係数は0.07以下であること。
3.1.2 熱中性子 6.2.2(2)によって試験したとき,熱中性子0.4mSvの照射によって生じる誤差は,誤差に
対応するレスポンスが,信頼度95%で1±0.3の範囲内,変動係数は0.1以下でなければならない。
3.2 測定値の経時変化特性 6.2.3によって試験したとき,測定値の30日間の経時変化率が,信頼度95%
5
で20±5℃で保管したものについては0.15以下,40 +℃で保管したものについては0.25以下とする。
0
3.3 測定値の比例性 6.2.4によって試験したとき,次のとおりとする。
(1) 高感度フィルムについて,各線量当量のレスポンスが,4.0mSvのレスポンスに対して,信頼度95%で
1±0.15の範囲内であること。
(2) 中感度フィルムについて,各線量当量のレスポンスが,30mSvのレスポンスに対して,信頼度95%で
1±0.15の範囲内であること。
(3) 低感度フィルムについて,各線量当量のレスポンスが,200mSvのレスポンスに対して,信頼度95%
で1±0.15の範囲内であること。
3.4 エネルギー特性 6.2.5によって試験したとき,高感度フィルム,中感度フィルム及び低感度フィル
ムの,X線・ の各エネルギーにおける相対レスポンスが,信頼度95%で1±0.3の範囲内とする。
3.5 方向特性 6.2.6によって試験したとき,高感度フィルムについて各角度のレスポンスが, 0°方向
のレスポンスに対して,信頼度95%で1±0.3の範囲内とする。
3.6 湿度に対する安定性 6.2.7によって試験したとき,高感度フィルム,中感度フィルム及び低感度フ
ィルムの相対湿度90%以上のレスポンスが,相対湿度50%以下のレスポンスに対して,信頼度95%で1±
0.15の範囲内とする。
3.7 光に対する安定性 6.2.8によって試験したとき,光を照射したフィルムと,光を照射しないフィル
ムの写真濃度の差が,信頼度95%で0.02以下とする。
4. 構造
4.1 フィルムバッジ フィルムバッジは,バッジフィルム及びバッジケースからなるものとする。
4.2 バッジケース バッジケースは,バッジフィルム収納部分とフィルタからなるものとする。
なお,バッジケースには,取付け用のジグを付けてもよい。
4.3 フィルタ フィルタは,X線, 及び熱中性子の1cm線量当量を算出するのに適したものとする。
5. バッジフィルム バッジフィルムは,JIS K 7559の規定に適合したもの又は性能がこれと同等のもの
とする。
6. 試験
6.1 試験条件
6.1.1 共通試験条件 共通試験条件は,6.2の試験方法において特に規定がない場合には,表1による。

――――― [JIS Z 4335 pdf 3] ―――――

4
Z 4335-1993
表1 共通試験条件
項目 条件
周囲温度 ℃ 20±5
相対湿度 % 65±20
気圧 hPa 1 013±50
試験環境の1cm線量当量率 一 ≦0.2
6.1.2 校正装置及び熱中性子源 試験に使用する校正装置及び熱中性子源は,次による。
(1) 線校正装置 X線校正装置は,JIS Z 4511に規定する照射線量標準とのトレーサビリティが明確な
照射線量(率)測定器によって照射線量率を測定したX線照射装置とする。
なお,実効エネルギーと管電圧に対応するエネルギーとの比(線質指標)は,0.6以上に設定する。
(2) 校正装置 校正装置は,JIS Z 4511に規定する照射線量標準とのトレーサビリティが明確な照
射線量(率)測定器によって照射線量率を測定した137Cs若しくは60Co 照射装置又は137Cs若しく
は60Co基準 源とする。
(3) 熱中性子源 熱中性子源は,黒鉛パイル若しくはこれに準じる減速材の中に放射性同位体中性子源又
はその他の中性子源を置いたものであって,減速材中に生じた熱中性子とする。熱中性子のフルエン
ス率について,トレーサビリティが明確であること。
6.1.3 1cm線量当量 1cm線量当量は,照射線量に付表1のX線・ のエネルギーに対応する換算係数
を乗じて決定する。
また,熱中性子についての1cm線量当量は,熱中性子フルエンスに付表2の熱中性子に対応する換算係
数を乗じて決定する。
6.2 試験方法
6.2.1 試験方法一般 試験方法一般は,次による。
(1) 試験条件のうち,ある項目を変化させて試験する場合には,その他の条件は,表1に示す範囲内にあ
ること。
(2) 試験線量は,1cm線量当量とし,各試験項目に規定する線量当量の80120%の範囲内に設定し,一
組ずつ同一の量に設定すること。
(3) 線のエネルギーは,実効エネルギーとし,照射時に設定する実効エネルギーは,各項目に指定する
実効エネルギーの90110%の範囲内に設定し,一組ずつ同一の実効エネルギーに設定すること。
(4) 各試験は,自由空間中にフィルムバッジを配置して行うこと。
(5) バッジフィルムのロットが変わった場合には,その都度6.2.2の試験を行うこと。ただし,熱中性子に
よる試験は除く。
(6) 各試験方法では,測定値の平均値,測定値の標準偏差の推定値及び測定値の平均値に関する標準偏差
の推定値を次によって求めること。ただし,6.2.8は除く。
(a) 測定値の平均値は,次の式によって求める。
n
1
Xi
i=
X= (6)
n
ここに, X : 測定値の平均値 (mSv)
Xi : i番目の測定値 (mSv)
n : 測定値の個数
(b) 測定値の標準偏差の推定値は,次の式によって求める。

――――― [JIS Z 4335 pdf 4] ―――――

                                                                                              5
Z 4335-1993
n
1 2)
S= (XiX
− (7)
n−1 i=1
ここに, S : 測定値の標準偏差の推定値 (mSv)
Xi : i番目の測定値 (mSv)
X : 測定値の平均値 (mSv)
n : 測定値の個数
(c) 測定値の平均値に関する標準偏差の推定値は,次の式によって求める。
S
Sm= (8)
n
ここに, Sm : 測定値の平均値に関する標準偏差の推定値 (mSv)
S : 測定値の標準偏差の推定値 (mSv)
n : 測定値の個数
(7) 線量当量算出式は,附属書2の2.(3)によることとし,フィルムバッジの形式ごとに測定値を求めるこ
とが必要なすべての試験を通して同一とすること。
(8) 性能の判定方法は,附属書1によること。
(9) 測定値の算出方法は,附属書2によること。
6.2.2 測定値の誤差試験及び変動係数 測定値の誤差試験及び変動係数は,次による。
(1) 線・ 同一ロットのバッジフィルムからなるフィルムバッジを50個用意する。10個を1グルー
プとし,五つのグループを作り,H1グループ,H2グループ,Mグループ,Lグループ及びCグルー
プとする。表2のとおり各グループに137Cs又は60Coの を照射する。ただし,Cグループはコント
ロールフィルムとし, は照射しない。
照射が終わったバッジフィルムは,コントロールフィルムとともに3日間放置後,現像する。H1グ
ループ及びH2グループについては高感度フィルムから,Mグループについては中感度フィルムから,
Lグループについては低感度フィルムから測定値を算出し,次の式によって誤差に対応するレスポン
スを求める。
Re= 1 (9)
ここに, Re : 誤差に対応するレスポンス
誤差
表2 誤差試験の線量当量
単位 mSv
グループ H1 H2 M L
線量当量 0.4 4.0 30 200
(2) 熱中性子 同一ロットのバッジフィルムからなるフィルムバッジを6個用意する。3個を1グループ
とし,二つのグループを作り,Hグループ及びCグループとする。Hグループのフィルムバッジに熱
中性子を0.4mSv照射する。ただし,Cグループは,コントロールフィルムとし熱中性子は照射しない。
照射が終わったバッジフィルムは,コントロールフィルムとともに3日間放置後,現像する。Hグ
ループについては高感度フィルムから測定値を算出し,式(9)によって誤差に対応するレスポンスを求
める。

――――― [JIS Z 4335 pdf 5] ―――――

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