JIS Z 8000-10:2022 量及び単位―第10部:原子物理学及び核物理学 | ページ 7

                                                                                                                                         29
Z 8000-10 : 2022 (ISO 80000-10 : 2019)
表1−原子物理学及び核物理学で用いる量(続き)
番号 量 単位 説明
名称 記号 定義 記号
10-73.2 拡散距離 L 拡散面積L2(番号10-72.2)の平方根で,次 m
(10-75.2)(diffusion length) の式による。
2
L L
10-73.3 移動距離 M 移動面積M 2(番号10-72.3)の平方根で,次 m
(10-75.3)(migration length) の式による。
2
M M
10-74.1 核分裂当たりの中性子収ν 分裂ごとに放出される即発中性子及び遅発 1
(10-76.1)量 中性子を含む核分裂中性子数の平均
(neutron yield per
fission)
10-74.2 吸収当たりの中性子収量η 核分裂性核種又は特定される核燃料におい 1 ν/ ‰ 核燃料中の中性子に関して,核分裂のマ
(10-76.2)(neutron yield per て,中性子が吸収されるごとに放出される即 クロ断面積と吸収のマクロ断面積との商に等し
absorption) 発中性子及び遅発中性子を含む核分裂中性 い。
子数との平均
10-75 高速中性子核分裂係数 φ 無限の媒質において,全てのエネルギー(JIS 1 中性子の温度(運動エネルギー)による分類を特
(10-77) ε
(fast fission factor) Z 8000-5)の中性子に起因する核分裂によっ 定する。
て生成される中性子の平均数と,熱中性子だ
けに起因する核分裂によって生成される中
性子の平均数との商
Z8
10-76 熱中性子利用率 f 無限の媒質において,核分裂性核種又は核燃 1
0
(10-78) (thermal utilization 料に吸収された熱中性子の数と,その媒質内
00-
factor) で吸収された全ての熱中性子の数との商
10 : 2
10-77 中性子の漏れない確率 Λ 中性子が減速する過程で,又は熱中性子とし 1
0
(10-79) (non-leakage て拡散する間で原子核反応炉から漏出しな
22(
probability) い確率
ISO8
10-78.1 増倍率 k ある時間の間に生成される核分裂中性子又 1
(10-80.1)(multiplication factor) は核分裂依存の中性子の総数と,同じ時間の
000
時間間隔内に吸収及び漏えいによって失わ
0-
れる中性子の総数との商
10 : 201
2
9
9
)

――――― [JIS Z 8000 pdf 31] ―――――

   30
Z 8000-10 : 2022 (ISO 80000-10 : 2019)
Z8
3
表1−原子物理学及び核物理学で用いる量(続き)
0
00
番号 量 単位 説明
0-
1
名称 記号 定義 記号
0 : 2
10-78.2 無限媒質増倍率 k∞ 無限の媒質又は無限に繰り返される格子に 1 熱中性子炉については,
0
k pf
2
(10-80.2)(infinite multiplication ついての増倍率(番号10-78.1)
2(
factor)
ISO8
10-79 原子炉時定数 T 原子炉における中性子フルエンス率(番号 s 原子炉周期ともいう。
0
(10-82) (reactor time constant) 10-44)が指数関数的に増加又は減少すると
00
き,e倍に達するのに要する継続時間(JIS Z
0-1
8000-3)
0 : 2
10-80.1 エネルギー付与 ε 特定の体積内の蓄積された全てのエネルギ eV エネルギー付与は,確率的な量である。
01
(10-83.1)(energy imparted) ーの合計で,次の式による。 J εiは,次の式による。
9)
i kg m2 s−2 εi=εin−εout+Q
i
ここで, εin : 静止エネルギー(番号10-3)を含
ここで,総和は,その体積における相互作用 まない入射イオン化粒子のエネ
iの全てのエネルギー(JIS Z 8000-5)蓄積εi ルギー(JIS Z 8000-5)
にわたって実行される。 εout : 静止エネルギー(番号10-3)を含
まず,相互作用を離脱する全イオ
ン化粒子のエネルギー(JIS Z
8000-5)
Q : 相互作用に関与する核及び全粒
子の静止エネルギー(番号10-3)
の変化分
Q>0は静止エネルギーの減少を,Q<0は静止エ
ネルギーの増加を意味する。
エネルギー付与,質量エネルギー付与(番号10-
81.2)などの確率的量とその確率分布は,放射化
学·放射線生物学的影響の決定要因としての電離
放射線の不連続性を説明するものとして紹介さ
れている。

――――― [JIS Z 8000 pdf 32] ―――――

                                                                                                                                         31
Z 8000-10 : 2022 (ISO 80000-10 : 2019)
表1−原子物理学及び核物理学で用いる量(続き)
番号 量 単位 説明
名称 記号 定義 記号
10-80.1 大量の電離粒子を含む放射線用途,例えば,医薬,
(10-83.1) 放射線防護,材料試験,加工などにおいて,これ
(続き) らの変動は,確率分布の推定値によって適切に表
される。粒子フルエンス(番号10-43),吸収線量
(番号10-81.1),カーマ(番号10-86.1)などの非
確率的量は,これらの推定値に基づいている。
10-80.2 平均エネルギー付与 攀 この量は,エネルギー付与(番号10-80.1) eV この量は,積分吸収線量ということがある。
(10-83.2)(mean energy imparted) の推定値を意味し,次の式による。 J Q>0は静止エネルギーの減少を,Q<0は静止エ
Rin Rout Q kg m2 s−2 ネルギーの増加を意味する。
ここで, Rin : 領域に入った帯電及び非荷
電のイオン化粒子の放射エ
ネルギー(番号10-45)
Rout : 領域を離脱する帯電及び非
荷電のイオン化粒子の放射
エネルギー
Q : この容積で生成した核及び
素粒子の静止エネルギー
(番号10-3)の変化の合計
10-81.1 吸収線量 D 湟 分商で,次の式による。 Gy グレイは,吸収線量に対する一貫性のあるSI単
Z8
(10-84.1)(absorbed dose) d J/kg 位として用いる,ジュール毎キログラムを意味す
D
dm
0
m2 s−2 る固有の名称である。
00
ここで, 電離放射線によって質量m(JIS 1 Gy=1 J/kg
-
1
Z 8000-4)の物体に与えられる
0
: 2
Dmd
平均エネルギー(JIS Z 8000-5)
02
付与 ここで,dmは,照射される物体の質量素分。
2(
小さい領域の限界では,平均質量エネルギー付与
ISO8
z は,吸収線量Dと等しい。
m
00
吸収線量は,質量要素の体積によって次の式で表
00-
すことが可能である。
10 : 2
d d
D
0
dm dV
1
3
9
1
)

――――― [JIS Z 8000 pdf 33] ―――――

   32
Z 8000-10 : 2022 (ISO 80000-10 : 2019)
Z8
3
表1−原子物理学及び核物理学で用いる量(続き)
2
00
番号 量 単位 説明
0-
1
名称 記号 定義 記号
0 : 2
10-81.1 ここで,ρは,質量要素の密度である。ICRU Report
02
(10-84.1) 85aにおいて,同等の意味をもつ定義は,次のと
2(
(続き) おりである。
ISO8
吸収線量Dは,d 柿 次の式によ
る。
000
ここで,d 質量dmの物質への電離放射線に
0-1
よる平均エネルギー付与
0 : 2
d
D
0
dm
19
10-81.2 質量エネルギー付与 z 特定の体積要素のエネルギー付与ε(番号10-Gy zは,確立的計量。
)
(10-84.2)(specific energy 80.1)とその物体の質量m(JIS Z 8000-4)とJ/kg 小さい領域の限界では,平均質量エネルギーzは
imparted) の商で,次の式による。 m2 s−2 吸収線量Dと等しい。
z 質量エネルギー付与は,1回以上の(エネルギー
m
蓄積)事象による。
10-82 線質係数,<電離放射線Q 線量当量(番号10-83.1)の計算計測のため 1 Qは,微少体積要素分を通過する荷電粒子の→
(10-85) > の係数で,この係数によって,放射の各種の ∞における線エネルギー転移(番号10-85),L∞(L
(quality factor, <ionizing 生物学的効果及び放射線防護目的用に,吸収 又はLETと表記される。)によって決まる。(こ
radiation>) 線量(番号10-81.1)に重み付けする。 のときL∞は,違いは小さいが,組織中ではなく
水中の値)。
LとQとの関係は,ICRP Publication 103に記載
されている。

――――― [JIS Z 8000 pdf 34] ―――――

                                                                                                                                         33
Z 8000-10 : 2022 (ISO 80000-10 : 2019)
表1−原子物理学及び核物理学で用いる量(続き)
番号 量 単位 説明
名称 記号 定義 記号
10-83.1 線量当量 H 注目点の組織に対する吸収線量D(番号10- Sv シーベルト(Sv)は,線量当量に対する一貫性の
(10-86) (dose equivalent) 81.1)とその点の線質係数Q(番号10-82) J/kg あるSI単位として用いるジュール毎キログラム
との積で,次の式による。 m2 s−2 を意味する固有の名称である。
HDQ 注記 Svは,このほかにも“等価線量”,“実効線
量”など,異なる量にも用いる単位である。
Q=1(光子,又は電子)の場合,
1 Sv=1 J/kg
組織中のある点における線量当量は,次の式によ
る。
H QLDL L d
0
ここで,DL=dD/dLは,注目点でのLにおけるD
の分布である。ICRP Publication 103を参照。
放射線防護線量計を用いて測定された量は,定義
H=QDに基づいており,様々な線質iを同時に
考慮しなければならない場合,定義は次のとおり
である。
H QD
i i
i
ICRU Report 51では,この量を“線量当量”とし
Z8
ている。
00
人体の照射量を定量化し,線量限界を指定するた
0-
1
めに,ICRP Publication 103に規定された量,すな
0 : 2
わち“組織又は臓器に対する等価線量”を用いる。
02
HT wT wD
2(
R T,R
R
ISO8
種々の放射特性Rに対する種々の組織及び器官
T及びwRに対する重み因子wTは,数値的にICRP
00
Publication 103に規定されている。
00-
DT,Rは,線質Rをもつ放射によって与えられる,
10 : 2
組織又は臓器T内の組織への平均吸収線量であ
0
る。
1
3
9
3
)

――――― [JIS Z 8000 pdf 35] ―――――

次のページ PDF 36

JIS Z 8000-10:2022の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 80000-10:2019(IDT)

JIS Z 8000-10:2022の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 8000-10:2022の関連規格と引用規格一覧