JIS Z 8733:2000 音響―音圧法による騒音源の音響パワーレベルの測定方法―反射面上の準自由音場における実用測定方法 | ページ 2

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
Z 8733 : 2000

音響−音圧法による騒音源の音響パワーレベルの測定方法−反射面上の準自由音場における実用測定方法

Acoustics−Determination of sound power levels ofnoise sources using sound pressure−Engineering methodin an essentially free field over a reflecting plane

序文

この規格は,1994年に第2版として発行されたISO 3744, Acoustics−Determination of sound power levels of
noise sources using sound pressure−Engineering method in an essentially free field over a reflecting planeを元に
作成した日本工業規格(日本産業規格)であり,次に列挙する点を除いては,技術的内容及び規格票の様式を変更すること
なく作成している。
・ 原国際規格中の適用範囲のうち,分離衝撃騒音 (isolated burst of sound energy) は,その物理的意味
が音響パワーレベルの概念にそぐわないため,これを除外した。
・ 衝撃性の騒音 (impulsive noise) の測定・評価方法に関しては,JISの騒音計規格に時間重み特性,“I”
が規定されていないこと及びその有効性に疑義がもたれていることを考慮し,日本の実情に合わな
いことを追記し,該当部分を除外した。
・ 前版 (JIS Z 8733 : 1987) 中にあり,ISO 3744にない定義を追加した。
・ 他の国際規格ISO/DIS 7779に基づき,測定対象機器の分類を定義し,その設置条件を規定した。
・ 他の国際規格ISO 12001に基づき,騒音のスペクトル及びレベルの時間変動による分類を附属書F
(参考)として追加した。
なお,この規格で点線の下線を施してある文言,項目,参考及び通し番号の付いていない備考は,原国際
規格にはない事項である。

――――― [JIS Z 8733 pdf 6] ―――――

2
Z 8733 : 2000
0.1 この規格は,機械,装置及びこれらのサブアセンブリの音響パワーレベルを算出する様々な方法を
規定する音響通則JISの一つである。これらの通則のいずれか一つを選択するときには,その騒音試験の
条件及び目的に最も適したものを選択することが必要である。反射面上において音源を包む測定表面を使
う方法を選択する場合は,表0.1を参照。また,拡散音場内における方法,音響インテンシティを使う方
法並びにこれらの中の種々の測定方法及び試験環境の検定のために使われる基準音源については,JIS Z
8734,JIS Z 8736-1,-2及びISO 6926をそれぞれ参照。これらのJISは,測定対象機器の作動及び設置条
件に関する一般原則を与えるだけである。特定の種類の機器のための個別規格*が存在するときは,設置及
び作動条件の仕様に関しては,それらを引用することが望ましい。
参考* 原国際規格中において,この規格のように機器の種類を限定せず適用される通則規格を “basic
standard” と呼ぶのに対し,特定の種類の機器のための詳細な測定条件を規定した規格を noise
test code” と呼んでいる。以下,この規格では, “noise test code” を“個別規格”と呼ぶ。
表0.1 反射面上において音源(測定対象機器)を包む測定表面を使う方法によって,異なるグレードの
精度を与える音響パワーレベル算出のためのJIS及び国際規格の一覧
JIS Z 8732 JIS Z 8733
パラメータ (ISO 3745) (ISO 3744) ISO 3746
精密測定方法 実用測定方法 簡易測定方法
グレード1 グレード2 グレード3
試験環境 半無響室 屋外又は屋内 屋外又は屋内
試験環境の適性基準1) K20.5dB K22dB K27dB
音源の体積 室容積の0.5%未満が望ま 制限なし。利用可能な試験 制限なし。利用可能な試験
しい。 環境によってだけ限定さ 環境によってだけ限定さ
れる。 れる。
騒音の種類 分離衝撃騒音*を除く任意の騒音(広帯域,狭帯域,離散周波数,定常非定常,衝
撃騒音)
暗騒音に対する
制限1) (可能ならば,15dB以上) (可能ならば,15dB以上)
K10.4dB K11.3dB K13dB
測定位置の数 10 92) 42)
最低限適合すべき計測器
− 騒音計 a) IS C 1505に規定する a) IS C 1505に規定する a) IS C 1502に規定する
機器 機器 機器
− 積分形騒音計 b) IS C 1505の附属書に b) IS C 1505の附属書に b) IS C 1502の附属書に
規定する機能を備え 規定する機能を備え 規定する機能を備え
た機器 た機器 た機器
− 周波数バンドフィル c) IS C 1514に規定する c) IS C 1514に規定する −
タセット クラス1の機器 クラス1の機器
再現性の標準偏差として 刀
表したLWA算出の精度 (K2<5dBのとき)

刀 刀 (5dBK27dBのとき),
離散純音が顕著なときは,
到 記より1dB大
きくなる。
注1) 音響パワースペクトル算出のためには,対象周波数範囲の周波数バンドごとにK1及びK2の値を満足す
るものとする。A特性音響パワーレベル算出に対しても,同じ基準をK1A及びK2Aにそれぞれ適用する。
2) ある規定された環境(7.27.4参照)においては,マイクロホン位置の数を少なくすることが許される。
参考* 1.2参照。

――――― [JIS Z 8733 pdf 7] ―――――

                                                                                              3
Z 8733 : 2000
0.2 この規格は,測定対象機器を包む測定表面上での音圧レベルを測定し,その機器によって発生する
音響パワーレベルを計算する一つの方法について規定する。機器を包む測定表面を使う方法として,三つ
のグレードの精度(表0.1参照)のいずれをも利用できるが,この規格では,グレード2の精度を使用す
る。
この規格を使うためには,表0.1に記載するある検定基準を満足することが必す(須)である。該当す
る検定基準を満足できないときは,環境に関する異なる要件を規定する他の音響通則(表0.1参照)の適
用を推奨する。
特定の種類の機器のための個別規格は,相互に矛盾することなく一つ又は複数の通則JIS及び/又は通
則国際規格の要件に基づくことが望ましい。
参考 通則規格に基づいて個別規格を作成するための指針がISO 12001で規定されている。
自由音場条件は,機器が普通に設置される一般的な機械室内においては,通常,見い出されるものでは
ない。そのような設置環境で測定が行われるときは,暗騒音又は望ましくない反射に対する補正が必要な
ことがある。
この規格に規定する方法により,A特性及び周波数バンドごとの音響パワーレベルが算出可能となる。
周波数バンドデータから計算したA特性値は,実測したA特性音圧レベルから算出したそれとは異なる
ことがある。
参考 A特性値を周波数バンドデータから計算するのか,それとも,直読のA特性値から求めるかは,
測定対象により異なるため,対象とする機器の種類ごとに該当する個別規格で規定することが
望ましい。9.4i)参照。
0.3 この規格において,音圧レベル測定からの音響パワーレベルの計算は,機器の音響パワー出力と,
時間及び空間上で平均した平均2乗音圧とが直接比例するという前提に基づいている。
参考 この前提どおりとならないような試験環境においては,拡散音場での方法 (JIS Z 8734) 又は音
響インテンシティ測定に基づいた方法 (JIS Z 8736-1,-2) を採用する方がよいであろう。

1. 適用範囲

1.1 一般事項

  この規格は,一つの騒音源によって発生する音響パワーレベルを計算するために,一つ又は複数の反射
面近傍の準自由音場条件の下で,音源を包む測定表面上での音圧レベルを測定する方法を規定する。この
規格は,音源の音響パワーレベルの計算のもととなる表面音圧レベルを求める手法だけでなく,試験環境
及び測定器に関する要件も規定しており,グレード2の精度の結果をもたらす。
様々な種類の機器のための個別規格が,この規格に従って制定され,使われることは重要なことである。
各々の種類の機器に対し,そのような個別規格は,この規格に規定するように測定表面及びマイクロホン
の配置を選択するだけでなく,機器の据付け,負荷及び作動条件に関する詳細な要件を規定するであろう。
備考1.
測定表面が異なると,音源の音響パワーレベルの推定も異なってくることがあるため,選択した特定
の測定表面に関し,詳細な情報を該当する個別規格により提供することが望ましい。

1.2 騒音及び騒音源の種類

  この規格に規定する方法は,分離衝撃騒音を除くあらゆる種類の騒音の測定に適している。
備考 原国際規格では,“あらゆる種類の騒音に適用可能”となっているが,分離衝撃騒音はその過渡
的な性質上,パワーレベルにより評価することは適当でないものと考えられ,この規格では除

――――― [JIS Z 8733 pdf 8] ―――――

4
Z 8733 : 2000
外した。
この規格は,どのような種類の音源にも,また,どのような大きさの音源(例えば,デバイス,機械,
コンポーネント,サブアセンブリ)に対しても適用可能である。
備考2.
騒音のスペクトル及びレベルの時間変動による分類(定常騒音,非定常騒音,準定常騒音,衝撃性騒
音など)が,この規格の附属書F*(参考)に与えられている。
参考* 原国際規格では,騒音の種類を規定したISO 2204を引用しているが,ISO 2204がISO 12001
で置き換えられたので,ISO 12001に基づいて附属書Fを作成した。
備考3.
この規格に従う測定は,煙突,ダクト,コンベヤ又は複数の音源からなる工場のように,非常に背が
高かったり,又は非常に長い音源に対しては実際的でないことがある。

1.3 試験環境

  この規格に従って行われる測定に適した試験環境は,一つ又は複数の反射面の近くにある準自由音場(屋
内又は屋外)である(3.8A参照)。

1.4 測定の不確かさ

  この規格に従って行われた測定においては,ほとんど例外なしに,A特性音響パワーレベルの再現性の
標準偏差で1.5dB以下の結果となる(表1参照)。
この規格に規定する手順に従って算出した騒音源の音響パワーレベルの個々の値は,測定の不確かさの
範囲の大きさ分だけ,真の値からは異なっていると考えられる。音響パワーレベルの算出における不確か
さは,結果に影響する複数の要因によってもたらされ,その幾つかは測定室内の環境条件に関連し,そし
て,その他のものは実験手法に関連する。
ある特定の音源について,複数の異なる試験機関間で持ち回り試験を行い,各試験機関 (test laboratory)
において,その音源の音響パワーレベルをこの規格に従って算出したとき,その結果は,ばらつきを見せ
るであろう。測定されたレベルの標準偏差は計算可能であり(ISO 7574-4,附属書Bの例を参照),それは
周波数とともに変化する。ほとんど例外なしに,これらの標準偏差は表1の値を上回ることはないと考え
られる。表1に規定する値は,ISO 7574-1に定義する再現性の標準偏差 到 この規格
の手順を適用することによる測定の不確かさの累積的な効果を考慮してはいるが,作動条件(例えば,回
転速度,電源電圧)又は据付け条件の変化による音響パワー出力の変動は考慮していない。
測定の不確かさは,表1の再現性の標準偏差及び求められる信頼区間に依存する。例えば,正規分布す
る音響パワーレベルに対し,ある一つの音源の音響パワーレベルの真の値が,実測値の±1.645 到 譏
頼区間は90%であり,実測値の±1.96 到 譏 頼区間は95%である。さらに,具体的な例についてはISO
7574シリーズ及びISO 9296を参照するとよい。

――――― [JIS Z 8733 pdf 9] ―――――

                                                                                              5
Z 8733 : 2000
表1 この表に従って算出される音響パワーレベルの再現性の標準偏差の推定値
オクターブバンド 1/3オクターブバンド 再現性の標準偏差
中心周波数 中心周波数 刀
Hz Hz dB
63 5080 51)
125 100160 3
250 200315 2
5004 000 4005 000 1.5
8 000 6 30010 000 2.5
A特性 1.52)
注1) 通常,屋外での測定に対するもの。この周波数バンドに関しては多くの試験室が
検定ができない。
2) 100Hz10 000Hzの周波数範囲において比較的“平坦な”スペクトルをもつ騒音を
発する音源に適用可能である。
備考
4. 表1の標準偏差は,この規格に定義する試験条件及び手順に関連付けられるが,測定対象機器そ
のものとは関連がない。これらの標準偏差は,測定試験機関間でのばらつき,屋外の場合の大気条件
の変化,試験室の幾何学的形状又は屋外環境の場合の地形,反射面の音響特性,屋内の場合の試験室
境界における吸音,暗騒音並びに測定器の種類及び校正などによる。また,それらは,測定表面の大
きさ及び形,マイクロホン位置の数及び配置,測定対象機器の配置,積分時間並びに環境補正値を適
用するときは,その算出を含む実験手法でのばらつきによっても発生する。その標準偏差は,音源の
近接音場の内部での測定に関連する誤差にも影響される。そのような誤差とは,音源そのものの性質
に依存するものの,一般的には測定距離が小さくなり,周波数が低くなるほど(250Hz未満)増加す
る。
5. 複数の試験機関が同様の設備及び測定器を使っているとき,それらの試験機関間において,ある
与えられた一つの音源の音響パワーの算出結果は,表1の標準偏差によって示されるものより,もっ
とよく一致するであろう。
6. 似通った大きさで,似通った音響パワースペクトルをもち,似通った作動条件にある特定の種類
の音源に対しては,再現性の標準偏差は,表1で与えられている値よりも小さいことがある。したが
って,この規格を引用する特定の種類の機器のための個別規格においては,適切な持ち回り試験の結
果により,それらを置き換えるものがあるとき,表1の値よりも小さな標準偏差を規定してもよい。
7. 表1で与えられた再現性の標準偏差には,同じ条件の下で,同じ音源に対し,繰り返し行われた
測定に関わる不確かさ(繰り返し性の標準偏差に関しては,ISO 7574-1参照)を含んでいる。この不
確かさは,試験機関間のばらつきよりも一般にかなり小さい。しかしながら,ある音源の作動又は設
置条件を一定に保つことが困難なとき,その繰り返し性の標準偏差は,表1の値に比べ小さなもので
はないことがある。そのような場合,その音源で繰り返し性のある音響パワーレベルデータを得るこ
とが困難であったという事実を記録し,試験報告書に記載することが望ましい。
8. この規格の手順及び表1の標準偏差は,個々の機械の測定に適用可能である。同じ種類の機械の
ロットの音響パワーレベルの特性付けを行うには,信頼区間を規定した,無作為標本化技術の利用が
必要であり,その結果は統計的な上限として表現される。これらの技術を適用するには,全標準偏差
が既知であるか又はそのロット中の個々の機械の間の音響パワーのばらつきの尺度として,ISO
7574-1に定義する生産の標準偏差を含めて推定しなければならない。機械のロットの特性付けに関す

――――― [JIS Z 8733 pdf 10] ―――――

次のページ PDF 11

JIS Z 8733:2000の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 3744:1994(MOD)

JIS Z 8733:2000の国際規格 ICS 分類一覧

JIS Z 8733:2000の関連規格と引用規格一覧