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Z 8739 : 2021
JIS Z 8734:2021に規定する音源位置を複数にした場合の手順に従って,4か所の音源位置について測定
した音圧レベルのエネルギー平均値から,1/3オクターブバンドごとの音響パワーレベルを計算する。
オクターブバンド及びA特性音響パワーレベルは,1/3オクターブバンドのデータからJIS Z 8734:2021
の附属書Fによって計算する。
10 低周波数における校正の代替方法
箇条8による基準音源の校正では,対象周波数範囲全体にわたってJIS Z 8732:2021に規定する要求事項
に適合した半無響室を用いるが,その自由音場特性が1/3オクターブバンド中心周波数が100 Hzより低い
周波数帯域についてまで確認されていない場合には,附属書Bに規定する音響インテンシティ測定法を適
用する代替方法によって,中心周波数が63 Hzのオクターブバンド(又は中心周波数が50 Hz,63 Hz及び
80 Hzの1/3オクターブバンド)における校正を行う。
11 測定不確かさ
11.1 一般事項
この規格に示す方法で測定した基準音源の音響パワーレベルは,測定不確かさの範囲で真の値と異なっ
ている可能性がある。音響パワーレベルの測定における不確かさは,試験室の環境条件に関する要因によ
るものと,実験技術に関する要因によるものとがある。
測定不確かさの評価は,ISO/IEC Guide 98-3によって行う。測定不確かさを見積もるためのモデル化に
よる方法については,JIS Z 8732:2021の箇条10及び附属書I,又はJIS Z 8734:2021の箇条10及び附属書
Gが参考になる。
モデル化による方法とラウンドロビン試験とを組み合わせた方法によってもよい。その場合,不確かさ
の要因群のうち,技術的知見が不十分なために,その寄与がモデル化による方法の数学的モデルでは定量
化できないものについては,ラウンドロビン試験を行う。その場合,試験所は,不確かさの全ての要因を
洗い出してそれらの合理的な推定値を求めるように努め,不確かさに対して誤解を与えないような形で結
果を報告する。
11.2 再現性に関する標準偏差の代表的な値
ある特定の音源を多くの機関で持ち回り,その音源の音響パワーレベルをそれぞれの機関でこの規格に
規定する方法によって測定した場合,測定結果にはばらつきが見られる。測定値の標準偏差は,例えば,
ISO 7574-4:1985[11]の附属書Bによって計算することが可能で,一般に,その値は周波数によって異なる。
求められた標準偏差は,おそらく表2に示す値を超えることはない。
表2に示す値は,JIS Z 8402-1(対応国際規格 : ISO 5725-1[6])で定義されている再現性の標準偏差σR
である。表2に示す値は,この規格で規定する方法によった場合の測定不確かさの累積的な効果も考慮さ
れているが,回転速度及び電源電圧などの作動条件の変化による音響パワーレベルの変動については考慮
されていない。
ISO/IEC Guide 98-3を適用するための知見が十分でない場合には,測定不確かさを見積もる上で,表2
に示す再現性のデータを用いてもよい。必要とする信頼度で拡張測定不確かさを評価するには,これらの
データに包含係数を乗じる。一例として,音響パワーレベルが正規分布する場合,95 %の信頼度で,音源
の音響パワーレベルの真の値は,測定値±1.96 σR(=拡張測定不確かさ)の範囲に入る。
――――― [JIS Z 8739 pdf 16] ―――――
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Z 8739 : 2021
表2−この規格によって測定した基準音源の音響パワーレベルの再現性の標準偏差σRの推定値
オクターブバンド 1/3オクターブバンド 残響室に置いた基
半無響室の床上に置いた基準音源の再現性
中心周波数 中心周波数 の標準偏差a) : σR 準音源の再現性の
Hz Hz dB 標準偏差a) : σR
子午線又はらせん経 20の離散点又は同軸 dB
路 円経路
63 5080 2.0 2.0 2.5
125 100160 0.8 0.8 1.0
2502 000 2003 150 0.3 0.5 0.3
4 0008 000 4 00010 000 0.3 1.0 0.3
16 000 12 50020 000 0.3 1.0 0.4
− A特性周波数重み付き 0.3 b) 0.5 0.2 b)
注a) 音源の出力の変動を含む測定の時間及び場所の気象条件における値(C2=0 dB,8.4参照)で,実験的に求め
られた。
b) 特性周波数重み付きの値は,1/3オクターブバンドのデータから計算した。
注記 表2に示す残響室に置いた基準音源の再現性の標準偏差σRは,室容積が197 m3238 m3の七つ
の残響室で,タイプWS2(計測用1/2インチマイクロホン)を用いて行った測定の結果に基づ
いている。
12 記録事項
記録事項は,JIS Z 8732:2021の箇条11又はJIS Z 8734:2021の箇条11による。測定又は計算した値は,
小数点以下1桁の値に丸めて記録する。
基準音源の回転速度,電源電圧及びそれらの試験中の変動を記録する。試験中の電源の電圧及び周波数
も記録する。
13 報告事項
報告する事項は,JIS Z 8732:2021の箇条12又はJIS Z 8734:2021の箇条12によるほか,次の事項を含
める。
a) この規格で規定する手順を全て満たして校正が行われたかどうかの記載。違いがある場合には,それ
を報告する。
b) 校正は,半無響室と残響室とのいずれで行われたかどうかの記載。半無響室で行った場合には,マイ
クロホン配置を示す。残響室で基準音源を高い位置に設置した場合には,その保持の方法の詳細(寸
法,材料など)を記載する。
c) 残響室における測定ではその容積,半無響室における測定ではその下限周波数。
d) 基準音源の対象周波数範囲の1/3オクターブバンドごと,オクターブバンドごと及びA特性周波数重
み付けをした音響パワーレベル(dB)で,小数点以下1桁に丸めた数値。音響パワーレベルは,箇条
4に規定した基準気象条件における値に換算した値で,基準値を1 pWとしてデシベル表示した値であ
ることを付記する。測定を行った気象条件における音響パワーレベルも報告する。基準音源の回転速
度及び電源電圧(試験中の変動も含む。)も報告する。報告する基準音源の音響パワーレベルは,試験
を行った特定の条件(例えば,空気力学的音源では回転速度)における値であることを明記する。空
気力学的な基準音源については,回転速度による変動を補正するチャートを付けるとよい。
――――― [JIS Z 8739 pdf 17] ―――――
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Z 8739 : 2021
e) 包含確率95 %の拡張測定不確かさ。
f) 校正時の気温,相対湿度及び静圧。さらに,補正値C2(8.4及び附属書A参照)の値及びその計算式。
g) 電気的又は機械的パワー源の基本特性及び基準音源の作動条件のうち,特に,空気力学的な基準音源
ではその回転速度(7.1参照)。
h) 音響パワーレベルの時間定常性,スペクトル特性及び指向性指数が,箇条5の要求事項を満たしてい
るかどうかの記載。
――――― [JIS Z 8739 pdf 18] ―――――
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Z 8739 : 2021
附属書A
(参考)
気象補正項C2の算出の指針
A.1 一般事項
気象補正項C2の計算は,音源の音の放射特性によって異なる。その正確な値を求めるためには,基準音
源の製造業者による詳細な検討が必要である。そのような値が示されていない場合には,次に示す事項が
参考になる(参考文献[23]参照)。
A.2 幾つかのタイプの音源に関するC2
a) 式(A.1)で計算される周波数fk(折れ点周波数,Hz)より低い周波数で振動する構造のようなモノポー
ルとしての放射特性をもつ音源の場合 :
c 1
fk (A.1)
2 d0
ここに, c : 音速(m/s)
d0 : 特性音源寸法(m)(JIS Z 8732:2021の3.14参照)
注記1 式(A.1)で表される周波数fkは,音響放射効率が高周波数域における最大値に対して3 dB低
下する周波数である。
ps 273 t
C2 10log10 15log10 (A.2)
ps,0 1
注記2 JIS Z 8732:2021及びJIS Z 8734:2021では,式(A.2)を記載している。
b) k以上の周波数で,モノポール音源として振動する構造の場合 :
ps 273 t
C2 10log10 5log10 (A.3)
ps,0 1
c) k以上の周波数で,ダイポール特性をもつ空気力学的音源の場合 :
ps 273 t
C2 10log10 25log10 (A.4)
ps,0 1
d) 放射特性が不明の音源の場合 :
ps 273 t
C2 10log10 7.5log10 (A.5)
ps,0 1
ここに, ps : 試験の時間及び場所における静圧(kPa)
ps,0 : 基準静圧(101.325 kPa)
t : 試験の時間及び場所における気温(℃)
θ1 : =296 K
――――― [JIS Z 8739 pdf 19] ―――――
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Z 8739 : 2021
附属書B
(規定)
低周波数における校正の代替方法
B.1 手順
箇条10に規定したように,半無響室において測定する対象周波数範囲を低周波数帯域まで拡張するため
に,箇条8に規定した基準音源の校正の手順に従って,中心周波数が50 Hz10 000 Hzの1/3オクターブ
バンドごとに音圧レベルを測定する。それと同時に,中心周波数が50 Hz315 Hzの1/3オクターブバン
ドごとに,音響インテンシティレベルを測定する。音響インテンシティレベルは,インテンシティプロー
ブの間隔を50 mmとして,JIS Z 8736-3によって測定する。音響インテンシティの測定位置及び測定経路
は,8.2による。
全ての測定において,放射方向の外向きの音響インテンシティレベルを測定する。音圧レベルの測定結
果及び音響インテンシティレベルの測定結果から求めた音響パワーレベルを比較する。その差が表B.1の
許容値を超えていなければ,音響インテンシティ測定法から求めた音響パワーレベルを正確な値とみなし,
中心周波数が50 Hz,63 Hz及び80 Hzの1/3オクターブバンドの校正レベルとして報告する。
表B.1−音響パワーレベルの差の許容値
1/3オクターブバンド中心周波数 許容値
Hz dB
5080 ±4.0
100315 ±1.0
B.2 報告データ
中心周波数が50 Hz,63 Hz及び80 Hzの1/3オクターブバンド又は中心周波数が63 Hzのオクターブバ
ンドの音響パワーレベル及び指向性指数は,音響インテンシティレベルの測定から求めた結果を報告する。
その場合,音響インテンシティレベルの測定から求めたことを,校正の報告に記載する。
――――― [JIS Z 8739 pdf 20] ―――――
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JIS Z 8739:2021の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 6926:2016(MOD)
JIS Z 8739:2021の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.140 : 音響及び音響測定 > 17.140.01 : 音響測定及び雑音除去一般
JIS Z 8739:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC1508:2000
- 騒音計のランダム入射及び拡散音場校正方法
- JISC1509-1:2017
- 電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第1部:仕様
- JISC1509-3:2019
- 電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第3部:定期試験
- JISC1513-1:2020
- 電気音響―オクターブバンド及び1/Nオクターブバンドフィルタ(分析器)―第1部:仕様
- JISC1515:2020
- 電気音響―音響校正器
- JISZ8736-3:2006
- 音響―音響インテンシティ法による騒音源の音響パワーレベルの測定方法―第3部:スキャニングによる精密測定
- JISZ8738:1999
- 屋外の音の伝搬における空気吸収の計算