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c) “異常原因”が特定されたが,再発が防止できない 異常原因が,非経済的状況又は技術関連事項の
ために再発を防止できない場合がある。
そのような状況の場合は,全ての試行データに基づいて累積和パラメータを定め,進行中のモニタ
リングに使用する。言い換えれば,このような異常原因を,工程のランダムな変動の一部とみなすの
である。
d) “異常原因”が特定できない “異常原因”が特定できないままに終わる場合は,c)に従うことが望
ましい。ただし,これは工程の改善ができないので,非常に不満足なことである。異常原因の特定に
あらゆる努力を払うことが望ましい。
ステップ13−進行中の図表作成の継続
a) 一般 9.3.1のステップ13に記載したように,図表作成を継続する。
b) 工程の処置 平均値のモニタリングの場合と同様に,管理外れが観測されたら,発生した変化量を累
積和の勾配から推定してもよい。この場合,管理外れはRで表される変動がどれほど変わったかで判
断する。
累積和の方向が範囲の増加を示している場合,装置又は機械の場合の反応は,保守技術者を呼んで,
装置を修理してもらうことがある。これでうまくいくと分かったら,採用した対策を記録し,累積和
値をゼロにリセットして工程を継続してもよい。工程が以前の変動レベルに戻ったら,累積和は正常
に動作する。
累積和の方向が範囲の減少を示している場合,それは通常,良好な事象とみなすことができるもの
で,その異常原因を特定し,それが残るようにするステップを踏むことが望ましい。これがうまくい
ったら,平均及び範囲(場合によってはグラフ用紙)両方のマスクを,新しい状況を表すように調整
することが望ましい。目標範囲も,新しい低い値に合わせて評価し直すことが望ましい。範囲の累積
和は,プロットを継続する前に再度,ゼロにすることが望ましい。
平均の累積和を再度,ゼロにする必要はないが,その期間だけ以前にプロットされた点の平均の修
正マスクを用いた再検討から,このときの範囲が実際に低いものになっていることが分かる。こうな
れば,平均のプロットについて,新しい異常点を観測することができる。
c) 群内変動の変化の推定値−ハンティング防止 位置(平均)の累積和の場合と同様に,ハンティング
防止のための対策の必要性があると考えられる場合,経験上,推定値の75 %の値を変化量として推奨
する。そのため,計算された変化量の75 %だけを調節することが望ましい。
9.4.3 群内変動をモニタリングするための累積和スキーム
標準偏差をモニタリングするための累積和スキームの設定手順は,群の範囲をモニタリングするための
ものとよく類似している。したがって,この細分箇条では9.4.2と違いだけを示すことから,9.4.2の内容
全体と併読することが望ましい。
群の変動をモニタリングするためのスキームは,群一つ当たりの観測回数が複数かどうかに依存する。
収集するデータが月別売上高のような一度限りのデータの場合,変動のモニタリングには範囲を基準とす
る移動範囲を推奨する。
ステップ3−標準偏差用累積和スキームの選択
表16は,標準偏差をモニタリングするための累積和スキームの一般的な要求事項を定めた,一連の
標準スキームについて規定している。表16は,二つの基本的スキームを規定し,一つは期待される変
動レベルでの平均連長(ARL)が大きいCS1スキーム,もう一つはARLが小さいCS2スキームであ
る。CS2スキームは,CS1スキームより“誤報”がやや多いが,重要な変化をCS1スキームよりやや
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早く検出する。表17は,これらの標準的スキームの性能の差を示したものである。
表16−群内の標準偏差用標準累積和スキーム
群の大きさ CS1スキーム CS2スキーム
h f h f
2 2.00 0.50 2.00 0.25
3 1.60 0.35 1.60 0.15
4 1.15 0.35 1.15 0.20
4 1.15 0.35 1.15 0.20
5 0.90 0.35 0.90 0.20
6 0.80 0.32 0.80 0.20
7 0.70 0.30 0.70 0.20
8 0.60 0.30 0.60 0.20
9 0.55 0.30 0.55 0.20
10 0.50 0.30 0.50 0.20
12 0.40 0.30 0.40 0.20
15 0.35 0.27 0.35 0.18
20 0.30 0.23 0.30 0.16
注記1 CS1スキームは,7001 000の範囲で工程が予想変動レベルで動作するときの,平均連長L0を示
す。
注記2 CS2スキームは,150200の範囲で工程が予想変動レベルで動作するときの,平均連長L0を示す。
CS1スキーム又はCS2スキームのいずれかを選ぶ。群の平均用スキームの選択に用いる選択基準は
同一のものを当てはめることが望ましい。変化が起きていないときに長めのARLが必要となる場合は,
CS1スキームを選ぶ。そうでなければCS2スキームを選ぶ。
0 を乗じて,マ
いずれのスキームを選ぶにせよ,これらのパラメータの値に推定された変動量(
スクの実際のサイズ及び形状を決めることが望ましい。この点については,ステップ5に記載する。
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表17−群標準偏差用標準累積和スキームの性能(ARL)比較
群の大きさ 実際の工程変動 CS1スキーム CS2スキーム
レベル
σ0 920.0 185.0
2 2σ0 7.4 5.6
4σ0 2.3 2.1
σ0 920.0 155.0
3 2σ0 4.4 3.7
4σ0 1.6 1.5
σ0 840.0 180.0
4 2σ0 3.2 2.6
4σ0 1.3 1.2
σ0 820.0 155.0
5 2σ0 2.6 2.2
4σ0 1.1 1.1
σ0 850.0 190.0
6 2σ0 2.2 1.9
4σ0 <1.1 <1.1
σ0 720.0 180.0
8 2σ0 1.7 1.6
4σ0 1.0 1.0
σ0 930.0 200.0
10 2σ0 1.5 1.4
4σ0 1.0 1.0
σ0 840.0 170.0
12 2σ0 1.3 1.2
4σ0 1.0 1.0
σ0 860.0 170.0
15 2σ0 1.2 1.1
4σ0 1.0 1.0
ここに示した値はARLである。実際の変化を検出するためにとった実際
の連長は変化し,ARLよりも長くなることもあれば,短くなることもあ
るので注意する。特に関心があるときは,目標から特定のシフトの連長
の分布を調べて,遭遇する可能性のある連長の予想範囲を知ることが望
ましい。
ステップ5−試行データからのσ0の推定
a) 群別に群内の標準偏差(s)を計算する。
b) 群内の標準偏差の平均(s)を計算する。
0
群内の標準偏差を s c4 として推定するが,このc4は表18から読み取ることができる。
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表18−群内の標準偏差を推定するための係数c4
群の大きさ,n a) c4
2 0.797 9
3 0.886 2
4 0.921 3
5 0.940 0
6 0.951 5
7 0.959 4
8 0.965 0
9 0.969 3
10 0.972 7
12 0.977 6
15 0.982 3
20 0.986 9
注a) 4の値があるのはn>20のとき。JIS Z 9020-2又はその他の
文献若しくは規格を参照するのがよい。
ステップ6−目標値Tの決定
a) 所定の値 統計的品質管理又は工程管理の場合,目標の群内の標準偏差を設定する最も一般的な方法
は,次のb)に示すようなものである。ただし,想定したσ0のレベルから目標値を設定することが優先
される場合がある。そうであれば,目標の群内の標準偏差はT=c4σ0として計算され,ここに,c4は,
表18にある値である。
b) 実績ベースの値 試行期間中に得たデータから,sに等しい目標値の群内の標準偏差を設定する。
ステップ7−累積和管理図のための様式の作成
累積和表を設定(又は既存の累積和表に追加)し,累積和グラフ用紙を作成する。
群内の標準偏差の累積和をプロットする累積和グラフ用紙は,平均値のモニタリングに選択するも
のに合わせて,異なる尺度が必要となることがある。適切な尺度は,ステップ8の計算によって求め
てもよく,最も都合のよい値に切り上げ又は切り下げる。
群内の標準偏差の累積和尺度間隔はaσ0であり,ここに,aは表19に示している値である。
表19−群内の標準偏差累積和のグラフ用紙の目盛係数
群の大きさ a
2 1.50
3 1.00
4 0.85
5 0.75
6 0.65
8 0.55
10 0.50
15 0.40
20 0.35
ステップ8−累積和マスクの設定
ステップ3で選択した値h及びfを使用して,計算する。
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0
a) =h×
0
b) =f×
計算値H及びFを使用してマスクを構成し,累積和グラフ用紙用に選択した尺度に従って,マスク
を定める。
9.5 特殊な状況
9.5.1 大きな群間変動
状況によっては,平均の群間変動の一部を偶然変動の一部として考慮できるようにすることが重要なこ
とがある。この一例が,累積和管理図で検出されるが,それを除去するプランがない,平均の小さな変動
の場合である。累積和が連続的に異常を表示することを防止するために,これらの小さな変動は,偶然変
動の推定に含めることが望ましい。
群間平均の標準偏差(平均の標準誤差ともいう。)xsを計算する。これらは,試行期間データからとっ
たものでもよいし,変動の代表となる他のデータの期間からとったものでもよい。累積和用紙及びマスク
の尺度設定には,平均の設定に以前用いたσeではなく,値xsを用いる。附属書Aに,このアプローチの
妥当性の確認に役立つ方法を記載する。
この手順によって,累積和プロット上の誤報の数を減らす効果を上げ,より適切な品質管理を行うこと
ができる。
9.5.2 群のデータが一つの場合
累積和モニタリングの対象の中には,その性質上,一度だけ発生するデータを生成するものがあり,そ
うしたデータのサブグループ分けに意味はない。例として,先に挙げたように月別売上高又は製造工程に
用いる化学薬品タンクの温度があり,後者の場合,ほぼ同じ時間に数回繰り返して温度を測定しても,観
測値の変動はない。そうした状況では,群内変動はゼロになり,マスクを引くことができない。
もう一つの例は,ゴルフのスコアを決めるやり方である。ホールごとに期待されるストローク数が異な
っており,ゴルファーは,各ホール別に期待された数を基準にスコアを測定する。差の集計が累積和とな
る。
群の大きさが1のケースは,サンプルの採取及び/又は分析が非常に高額になるときにも発生する。
このとき採用するアプローチは群の大きさを1に設定し,9.3に概説するステップを踏み,その後のステ
ップも群の大きさを1,すなわちn=1として踏むことが望ましい。したがって,位置(平均)は,個々の
観測値そのものでモニタリングされ,一方では,ばらつきが連続した結果の範囲によってモニタリングさ
れる。
平均値の目標は,試行データ区間内で決定されるT=xとするか,又は目標値を所定の値とすることが
望ましい。範囲の目標値は,試行データの逐次差から求められるRとするか,又は標準偏差が所定の値で
ある場合はT=1.128σとすることが望ましい。群の大きさは1であるが,この範囲に限り有効な群の大き
さは2となる。
9.5.3 観測値間の自己相関
いかなる管理図でも同じだが,累積和管理図の基本は観測値の独立性にある。ただし,そうならない工
程又はデータの集合がある。例えば,情報を加熱装置に受け渡すサーモスタットのような閉ループ制御装
置が働いている工程,又は売上高データのような季節性が考えられる工程である。
このような場合,累積和プロットに及ぼす影響は重大で,その性能に著しい影響を及ぼし,場合によっ
ては,誤報が発生し,相当量の変化を見過ごすことになる。
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JIS Z 9020-1:2016の国際規格 ICS 分類一覧
- 03 : サービス.経営組織,管理及び品質.行政.運輸.社会学. > 03.120 : 品質 > 03.120.30 : 統計的方法の応用
JIS Z 9020-4:2018の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISZ8101-1:2015
- 統計―用語及び記号―第1部:一般統計用語及び確率で用いられる用語
- JISZ8101-2:2015
- 統計―用語及び記号―第2部:統計の応用