JIS A 1171:2016 ポリマーセメントモルタルの試験方法 | ページ 4

14
A 1171 : 2016
Wp=w1−w0
ここに, Wp : 透水量(g)
w0 : 乾燥後の質量(g)
w1 : 透水後の質量(g)

7.8 長さ変化率試験

  長さ変化率試験は,JIS A 1129-1,JIS A 1129-2又はJIS A 1129-3に規定する方法のいずれかによる。た
だし,7.2.4 b) の条件で,脱型後,5日間水中養生した後,直ちに,供試体の基長を測定する。次いで,供
試体を温度20±2 ℃,相対湿度(60±10)%で28日間養生した後に測長して,供試体の長さ変化率を計
算する。長さ変化率は,3個の供試体の平均値を小数点以下3桁に丸めて示す。

7.9 促進中性化試験

7.9.1  試験の準備
供試体は,7.2.4 b) による養生の終了3日前に供試体の相対する2側面,打込み面及び底面をシールし
て密封する。シールは,エポキシ樹脂塗料,ポリウレタン樹脂塗料,アルミニウムはくのテープなどによ
る。
7.9.2 試験方法
供試体を,温度30±2 ℃,相対湿度(60±10)%,二酸化炭素濃度5.0 %の二酸化炭素環境槽内に静置
する。静置開始時から28日経過した後に供試体を取り出し,さらに,一般養生室に24時間静置した後に
割裂して二分割する。その断面にフェノールフタレインの1 %アルコール溶液を噴霧し,赤変しない部分
を中性化域として,中性化した1側面3か所ずつ,計6か所で,供試体表面から赤変した所までの深さを
ノギスを用いて1 mmまで測定する。測定した6か所の平均値を整数値に丸め,供試体の中性化深さとす
る。中性化深さは,3個の供試体の平均値を整数に丸めて示す。

7.10 塩化物イオン浸透試験

7.10.1 試験の準備
塩化物イオン浸透試験用供試体は,7.9.1と同様に相対する2側面,打込み面及び底面をシールして密封
する。
7.10.2 試験方法
供試体を温度20±2 ℃でJIS A 6205の附属書1(鉄筋の塩水浸せき試験方法)の3.2.1(塩分溶液)に規
定する塩分溶液に浸せきし,28日経過した後に取り出す。ただし,塩分溶液の量を,浸せきする供試体の
体積の3倍以上とし,供試体相互の間隔及び試験槽の底からの距離を3 cm以上として,供試体を完全に浸
せきする。塩分溶液に浸せき後の供試体を割裂して二分割し,その断面に0.1 %フルオレセインナトリウ
ム水溶液及び0.1 mol/L硝酸銀溶液を噴霧して,蛍光を発する部分を塩化物イオン浸透域とし,塩化物イオ
ンが浸透した1側面3か所ずつ,計6か所で,供試体表面から蛍光を発しない所までの深さをノギスを用
いて1 mmまで測定する。測定した6か所の平均値を整数値に丸め,供試体の塩化物イオン浸透深さとす
る。塩化物イオン浸透深さは,3個の供試体の平均値を整数に丸めて示す。

7.11 凍結融解に対する抵抗性試験

  凍結融解に対する抵抗性試験は,7.2.4 b) の養生を行った供試体について,JIS A 1148のA法(水中凍
結融解試験方法)に従って300サイクル行う。測定項目はJIS A 1148の6.2.1(測定項目)に示す一次共鳴
振動数及び質量とし,JIS A 1148の7.1(相対動弾性係数)及び7.3(質量減少率)に従い,供試体の相対
動弾性係数及び質量減少率を求める。相対動弾性係数及び質量減少率は,3個の供試体の平均値を,相対
動弾性係数は整数に丸め,質量減少率は小数点以下1桁に丸めて示す。

――――― [JIS A 1171 pdf 16] ―――――

                                                                                             15
A 1171 : 2016

7.12 透湿度試験

  透湿度試験は,供試体を通しての吸湿又は放湿による方法とし,次による。
a) 試験用機械器具 試験用機械器具には,内径68 mm,外径70 mm,高さ30 mmで,上面に直径56.5 mm
の孔をもつ,防せい処理したアルミニウム製円筒,及び内径70 mm,外径72 mm,高さ15 mmの防せ
い処理したアルミニウム製円筒容器を用いる。ただし,放湿による試験に用いる円筒容器には,注水
口を設ける。
b) 試験の準備 供試体は,7.2.4 b) による養生の終了3日前に,図8に示すように,供試体を円筒にエ
ポキシ樹脂系接着剤で接着し,円筒と供試体間の隙間をシールして密封する。シールは,エポキシ樹
脂塗料,ポリウレタン樹脂塗料などによる。
単位 mm
図8−透湿度試験用供試体を取り付けた円筒容器(例)
c) 試験方法 試験方法は,次による。
1) 吸湿による試験 吸湿剤として,JIS K 8123に規定する粒径3 mm以下の塩化カルシウム50 gを円
筒容器に入れ,直ちに,供試体を取り付けた円筒を差し込み,周囲をアルミニウムはくのテープで
密封する。供試体を取り付けた円筒容器を乾燥剤を入れたデシケーター内に24時間静置した後,温
度40±1 ℃,相対湿度(90±2)%の条件下に240時間静置して,その間,24時間ごとに取り出し
て,デシケーター内で30分間冷却してから,質量を0.1 mgまで測定する。
2) 放湿による試験 供試体を取り付けた円筒を円筒容器に差し込み,周囲をアルミニウムはくのテー
プで密封した後,注水口から蒸留水を約20 mL入れ,注水口を密封する。供試体を取り付けた円筒
容器を温度20±1 ℃,相対湿度(60±2)%の条件下に240時間静置して,その間,24時間ごとに
取り出して,質量を0.1 mgまで測定する。
3) 結果の計算 結果の計算は,次による。
3.1) 吸湿又は放湿による試験での質量測定ごとに,次の式によって透湿量を計算する。
Q=│Wn−Wn+1│
ここに, Q : 透湿量(g)
Wn : 質量測定n回目における供試体を取り付けた円筒容器の質量
(g)
Wn+1 : 質量測定n+1回目における供試体を取り付けた円筒容器の
質量(g)
3.2) 透湿量の変化が連続する二つの測定間隔において,5 %以内で一定になった時点で,供試体の透湿

――――― [JIS A 1171 pdf 17] ―――――

16
A 1171 : 2016
度を次の式によって求め,小数点以下1桁に丸めて表す。透湿度は,3個の供試体の平均値を小数
点以下1桁に丸めて示す。
Qi
M
A t
ここに, M : 透湿度[g/(m2・d)]
Qi : 最後に測定された透湿量(g)
A : 透湿面積(0.002 5 m2)
t : 最後の質量測定とその1回前の質量測定との時間間隔(d)

8 報告

  次の事項について報告する。
a) セメントの種類,製造業者名,化学成分及び物理的性質
b) セメント混和用ポリマーの名称,種類,製造業者名,ロット番号及びJIS A 6203に規定する品質(試
験値)
c) 細骨材の産地,粒度,密度,吸水率及び含水率
d) 既調合の液体材料及び粉体材料を用いた場合は,それらの組成
e) 試験室の温度及び湿度
f) ポリマーセメントモルタルの配合及び1回の練混ぜに用いた各材料の質量
g) 材料の練混ぜ手順・方法
h) ポリマーセメントモルタルの練上がり温度
i) 供試体の養生方法及び材齢
j) 試験項目及び試験結果
k) 試験実施日
l) 試験実施者
m) その他必要事項

――――― [JIS A 1171 pdf 18] ―――――

                                                                                                                                          17
A 1171 : 2016
附属書A
(参考)
技術上重要な改正に関する新旧対照表
現行規格(JIS A 1171:2016) 旧規格(JIS A 1171:2000) 改正理由
箇条番号 内容 箇条番号 内容
及び題名 及び題名
4 試験の一 4.1 数値の丸め方 四捨五入による。 4.試験の一 4.1 数値の丸め方 JIS Z 8401による。 数値の丸め方は,四捨五入が汎用的に用い
般条件 4.2 試験室及び養生室の状態 試験室の相対般条件 られているため明確にした。
4.2 試験室の状態 温度20±2 ℃,相対湿度
湿度の範囲を規定するとともに養生室(一般 60 %以上 試験室及び養生室の温度及び相対湿度
養生室,湿空養生室)の温度及び相対湿度の を試験の実情を勘案し,類似の規格である
状態を規定した。 JIS A 6916(建築用下地調整塗材)と同様
の規定とした。
5.2 試験に f) ディスパージョンを所定量含んだ既調合5.2 材料の 5.4(ポリマーセメントモルタルの練混ぜ)
f) 既調合の液体材料は,濃度が変化しない
用いる材料 準備
の液体材料は,濃度が変化しないように, ように,密閉容器に入れて準備する。 c) に規定されていた既調合材料の材料構
の準備 密閉容器に入れて準備する。 成を,先の箇条である5.2に規定し直した。
g) 既調合の粉体材料は,防湿容器に密閉し
g) セメント,粉末樹脂などからなる既調合 て準備する。
の粉体材料は,防湿容器に密閉して準備
する。
5.4 ポリマ 5.4 ポリマ
機械練りを標準とし,機械練りによれない場 a) ポリマーセメントモルタルの練混ぜは,
機械練りが主流であることから,それを標
ーセメント 合には,手練りとしてもよいと規定した。ま
ーセメント 機械練り又は手練りとする。 準とし,機械練りができない場合に手練り
モルタルの た,練混ぜ量に関する規定を削除した。 モルタルの b) ポリマーセメントモルタルの1回の練混とすることとした。
練混ぜ 練混ぜ ぜ量は,0.851.20 lとする。 また,5.1(装置及び器具)に練混ぜ機(JIS
R 5201の9.2.3)が規定されており,1回の
練混ぜ量が限定されることから,練混ぜ量
に関する規定を削除した。
6 フレッシ 6.フレッシ
試験の種類及び適用箇条を6.1(一般)として − フレッシュポリマーセメントモルタルの
ュポリマー 明記した。 ュポリマー 試験の種類及び適用箇条が明確となるよ
セメントモ セメントモ う記載した。
ルタルの試 ルタルの試
A1
験 験
1 71 : 2
016
2

――――― [JIS A 1171 pdf 19] ―――――

    18
A 1171 : 2016
A1
2
現行規格(JIS A 1171:2016) 旧規格(JIS A 1171:2000) 改正理由
1
箇条番号 内容 箇条番号 内容
71
及び題名 及び題名
: 2
6.3.2 試験 6.2.2 試験
スランプの測定方法が明確になるように“ポ JIS A 1101(コンクリートのスランプ試験
ポリマーセメントモルタルの頂部の下がりを
016
方法 方法
リマーセメントモルタルの中央部の下がりを 1 mmまで測り,これをスランプとする。 方法)と整合させた。
1 mm単位で測定し,これをスランプとする。”
と規定した。
6.4.2 試験 6.3.2 試験
へらの差込み穴がなくなるように,容器の円 粘性の高いポリマーセメントモルタルの
容器を手で回しながら,へらの柄で,容器の
方法 周のほぼ6等分点をへらの柄で均等に軽くた方法 円周のほぼ6等分点を1回ずつ軽くたたく。場合は,へらの柄で軽くたたいた程度で
たくこととし,へらの柄でたたいた程度では は,突き穴が塞がらない場合があるとの指
穴がなくならない場合の対応を記載した。 摘があったため,対応を記載した。
6.6.1 試験 従来の規定に加え,φ1 mm針及びφ3 mm針 6.5.1 試験 − φ1 mm針及びφ3 mm針の質量を明確に規
用機械器具 の質量を,7.0±0.2 gと規定した。 用機械器具 定するため,JIS R 5201と同様に質量を規
定した。
6.6.2 試験 6.5.2 試験
硬化時間試験は,一般養生室内で行うことと a) 硬化時間試験は,温度20±2 ℃,相対湿
試験の実情を勘案し,硬化時間試験は一般
方法 方法
し,供試体を貯蔵する湿気箱内の温度,相対 度90 %以上に保たれた試験室内で行う。 養生室で行い,ポリマーセメントモルタル
湿度は旧規格の規定のままとした。 を詰めた供試体は湿気箱内(温度及び相対
湿度は旧規格どおり)で養生することとし
た。
7 硬化した 7.硬化した
試験の種類及び適用箇条を7.1(一般)として − 硬化したポリマーセメントモルタルの試
ポリマーセ 明記した。 ポリマーセ 験の種類及び適用箇条が明確となるよう
メントモル メントモル 記載した。
タルの試験 タルの試験
7.2.1 試験 型枠の組立てについて規定した。 7.1.1 試験 − 7.1.3 a) 2) の備考1.に規定されていた型枠
用機械器具 用機械器具 の組立てについて,試験用機械器具の細分
a) a) 箇条に規定する方が適切であったため,規
定箇所を変更した。
7.2.2 接着 7.3.1 基板
接着試験及び接着耐久性試験の基板の作製に 接着試験の基板の作製について規定 接着試験及び接着耐久性試験に用いる供
強さ及び接 ついて規定した。 の作製 試体の基板の作製について,これまで各試
着耐久性試 7.9 接着耐 接着耐久性の基板の作製について規定 験方法の中に規定されていたものを,基板
験用基板の 久性試験 の作製の箇条を設けて規定した。
作製

――――― [JIS A 1171 pdf 20] ―――――

次のページ PDF 21

JIS A 1171:2016の国際規格 ICS 分類一覧

JIS A 1171:2016の関連規格と引用規格一覧