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A 8921-2 : 2011 (ISO 12117-2 : 2008)
エネルギーU
F
1 1 F1 F2 FN 1 FN
U 2 1 ... N N 1
2 2 2
F 荷重
Δ たわみ
図9−負荷試験時の荷重−たわみ曲線
6.3 ROPSの前後方向負荷試験
6.3.1 側方負荷を除去した後,前後方向負荷を機械の後方からROPSの頂部部材にROPSの前後方向中心
線に沿って負荷する。ROPSが変形していても負荷を継続できるように,負荷分散器具はW全幅に負荷を
分散するのがよい(図5及び図10参照)。
6.3.2 前後方向負荷は,側方負荷に先立って設定された図10の位置に負荷しなければならない。
負荷分散器具は,W全幅にかからなければならない(図10参照)。
6.3.3 前後方向負荷は,負荷に先立って設定された図3の位置に負荷しなければならない。座屈を起こさ
ずに負荷を伝達できる後(前)のクロスメンバがない場合には,負荷分散器具は全幅にわたるものとする。
その他の全ての場合,負荷分散器具の長さは,ROPSの幅Wの80 %を超えて負荷を分散させてはならない
(図10参照)。
6.3.4 どの機械の場合でも,前後方向負荷の向き(前又は後)は,ROPSと旋回フレームの組立品にとっ
て最も厳しい条件となる向きを選ばなくてはならない。最初の負荷方向は,水平で,かつ,機械の前後方
向中心線に平行でなければならない。前後方向負荷の向きを決めるに当たって,更に次の事項を考慮しな
ければならない。
a) LVに対するROPSの位置及びROPSの前後方向のたわみが,運転員を押しつぶさないよう保護する
効果。
b) 例えば,他の機械の構造部材がROPSの前後方向たわみに抵抗し,ROPSに対する負荷の前後方向成
分の方向を制限することなどの機械の特性。
c) 前後方向の転倒の可能性,又は実際の転倒の間,前後方向軸のまわりに回転するときに機械が斜めに
なるような傾向をもつ特殊な機種であることを示す経験。
――――― [JIS A 8921-2 pdf 16] ―――――
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A 8921-2 : 2011 (ISO 12117-2 : 2008)
a) 座屈を起こさずに負荷を伝達できる後(前)のクロスメンバがない場合の前後方向負荷分散器具
b) その他の場合の前後方向負荷分散器具
BP 境界面
LAP 着力点
LDD 負荷分散器具
S ソケット
LDW 負荷分散器具の幅(後部のクロスメンバがない場合はROPSの全幅で,クロスメンバがある場合は0.8 W以内。)
W ROPSの幅
a 機械前後方向中心線に平行な線
図10−前後方向負荷分散器具
6.3.5 後方からの負荷は,ROPSの前後方向中心線に沿ってROPSの上部構造部材に負荷する。これは機
械の上部旋回体が下部走行体に対して時計回りに0°90°旋回した位置にあるときに転倒したとき(の
負荷)を対象としており,前後方向エネルギー要求事項を適用する(指針として6.2.7を参照し,許容基
準としては箇条8を参照)。
6.3.6 たわみの速度は,負荷が静的であるとみなせる程度とする(6.2.7参照)。
――――― [JIS A 8921-2 pdf 17] ―――――
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A 8921-2 : 2011 (ISO 12117-2 : 2008)
この負荷は,ROPSが前後方向エネルギー要求を満足するか,又はROPSの変形が機械上部の剛性の高
い箇所で設定されるLBSGP又はVBSGPに到達するまで続けなければならない。
6.4 ROPSの垂直負荷試験
6.4.1 側方負荷試験及び前後方向負荷試験の完了後,ROPS頂部に垂直荷重を負荷する。
6.4.2 全てのROPSに対し,垂直荷重の中心は,6.2の側方負荷のように変形前のROPS構造上で定めた
のと同一垂直面内で,ROPS構造の前後方向中心線に直角に負荷する。
6.4.3 ROPS上にかける垂直荷重は,変形したROPSの(6.1.2でマークした)前後方向中心線に対称に,
分散方法の制限なく負荷する。図11に垂直荷重の適用例を示す。
1 ROPS
2 旋回フレーム
3 ブーム
4 ブームシリンダ
5 ベッドプレート
6 垂直負荷器具
7 垂直荷重
図11−垂直負荷
6.4.4 たわみの速度は,負荷が静的であると考えられる程度とする(6.2.7参照)。
この負荷は,荷重のレベルが表1の規定に達するまで,又はROPSの変形が機械上部の剛性の高い箇所
で設定したVBSGPに到達するまで続ける。
保護構造は,5分間又は変形が終了するまでのうち,いずれか短い方の時間だけこの荷重を支えなけれ
ばならない。
7 材料の温度基準
7.1 負荷要求事項のほかに,ROPSがぜい(脆)性破壊に対して十分な耐性をもたせるために,材料−温
度要求事項を規定する。この要求事項は,引き続いて製造するROPSの材料が,試験に使用した供試品と
同等以上の強度特性をもつ場合には,全ての構造部材を−18 ℃以下の温度の中で静的負荷試験を行うこと
によって達成される。代替法として,この要求事項は,全てのROPS構成部材が7.27.4に示す機械的要
求事項を満たす場合には,より高い温度下での負荷試験によっても達成される。
――――― [JIS A 8921-2 pdf 18] ―――――
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7.2 構造結合に使用するボルト及びナットは,JIS B 1051に規定する強度区分8.8,9.8又は10.9のボル
ト,及びJIS B 1052-2に規定する強度区分8又は10のナットとするのがよい。
注記1 (対応国際規格ではフートポンド法を用いる国に対する注意事項を記載しているが,JISで
は削除した。)
注記2 強度区分10.9を超えるボルト及び強度区分10を超えるナットは,ぜい(脆)性破壊及び遅
れ破壊を避けるためにより厳密な品質管理を必要とすることがある。
7.3 ROPS構成部材及びこれを旋回フレームに取り付けるのに使用する材料は,−30 ℃において,表1
に示すシャルピーVノッチ(CVN)衝撃強度の一つを満足するか,若しくはそれ以上の鋼材であるか,又
は7.4に示す基準に適合しなければならない(シャルピーVノッチ衝撃試験による評価は,元来,品質管
理上のチェックのためのものであって,表示した温度は必ずしも直接に使用条件に関係するものではな
い。)。
表1−シャルピーVノッチ試験の最小衝撃強度
試験片寸法 エネルギー基準 エネルギー基準 試験片寸法 エネルギー基準 エネルギー基準
−30 C a)にて −20 C a)にて −30 C a)にて −20 C a)にて
mm J J mm J J
10×10 b) 11 27.5 10×6 8 20
10×9 10 25 10×5 b) 7.5 19
10×8 9.5 24 10×4 7 17.5
10×7.5 b) 9.5 24 10×3.3 6 15
10×7 9 22.5 10×3 6 15
10×6.7 8.5 21 10×2.5 b) 5.5 14
注a) −20 Cにおけるエネルギー要求値は,−30 Cにおける規定値の2.5倍である。ただし,衝撃エネルギー
強度には,その他の,例えば,ロール方向,降伏点,粒塊形成及び溶接といった要因も影響する。鋼材の
選定及び使用に当たっては,これらのことも考慮しなくてはならない。
b) 推奨寸法を示す。試験片の寸法は,各推奨寸法のうち可能な範囲で最大の寸法を下回ってはならない。
試験片はロールの圧延方向にとり,ROPSとして成形又は溶接する前の板材,管材,形鋼などから取ら
なければならない。管材又は形鋼の試験片は,最長寸法の中央部からとり,溶接部を含んではならない(JIS
Z 2242参照)。
7.4 次のものは,シャルピーVノッチ衝撃試験の要求事項に適合したものとみなす。
a) 厚さが2.5 mm未満で,最大炭素含有量が0.20 %の鋼。
b) 厚さが2.5 mm以上4.0 mm以下で,最大炭素含有量が0.20 %の細粒化キルド鋼。
8 許容基準
8.1 一つの代表的な供試品の試験において,一定の側方荷重及びエネルギー,前後方向エネルギー及び
垂直耐負荷能力をそれぞれ満足するか又はこれらを超えなければならない。
キャブライザのない機械に対する要求値を決定するには,表2に示す算定式を使用しなければならない。
キャブライザを装着した機械に対する要求値を決定するには,表3に示す算定式を使用することができ
る。
側方負荷試験での荷重とエネルギーの要求値は,同時に達成される必要はない。いずれか一方が他が達
成される前に要求値を超えることがあり得る。エネルギー要求値に達する前に,荷重が要求値に到達し,
この後(負荷継続中)に,一旦要求値以下に下がることがあるが,この場合には,側方エネルギーの要求
――――― [JIS A 8921-2 pdf 19] ―――――
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A 8921-2 : 2011 (ISO 12117-2 : 2008)
値を満足又は超過した時点で,荷重が再び要求レベルに達していなければならない。
ROPS又はキャブ構造への負荷は,表2及び表3に示すエネルギー又は荷重のレベルを満たす前に,
LBSGP又はVBSGPに到達した時点で打ち切ってもよい。
表2−エネルギー及び荷重を算定する計算式−キャブライザなしの機械
側方エネルギーUs(J) 13 000×(M/10 000)1.25
側方荷重Fs (N) 35 000×(M/10 000)1.2
前後方向エネルギーUf (J)4 300×(M/10 000)1.25
垂直負荷FV(N) 12.75×M
表3−固定式キャブライザ付き機械のエネルギー及び荷重を算定する計算式(参考)
高さ500 mm以下の 高さ500 mmを超え,1 300 mm 高さ1 300 mmを超える
キャブライザ装着 以下のキャブライザ装着 キャブライザ装着(TOPS)
側方エネルギーUs (J) 13 000×(M/10 000)1.25
13 000×(M/10 000)1.25 13 000×(M/10 000)1.25
側方荷重Fs (N) 35 000×(M/10 000)1.250 000×(M/10 000)1.2 50 000×(M/10 000)1.2
前後方向エネルギーUf (J)4 300×(M/10 000)1.254 300×(M/10 000)1.25 4 300×(M/10 000)1.25
垂直荷重FV (N) 12.75×M 19.61×M 7×M
注記1 キャブライザ付きのショベルの転倒時の挙動については,更なる検討が必要である。製造業者は,妥当な
実績及び経験に基づいてキャブライザの高さに応じたリスクを考慮して必要な保護を決定するのがよい。
注記2 この表の計算式は,参考としてだけ用いる。
8.2 ROPSのたわみに関する制限は絶対的である。側方負荷試験中いかなるときも,ROPSのいかなる部
分もDLVのLA(JIS A 8910の附属書1参照)より上の部分に入り込んではならない。ただし,6.1.5に従
って検証したLBSGPにたわみが到達することによって負荷が制約される場合を除く。8.5に規定するよう
に,DLVは傾斜してもよい。
8.3 前後方向負荷試験中いかなるときも,ROPSのいかなる部分もDLVに入り込んではならない。8.6
に規定するように,DLVは傾斜してもよい。
8.4 垂直負荷試験中いかなるときも,ROPSのいかなる部分もDLVに入り込んではならない。ただし,
6.1.5に従って検証されたVBSGP[図13 b)参照]に変位が到達することによって負荷が制約される場合を
除く。8.5及び8.6に規定するように,DLVは傾斜してもよい。
8.5 側方負荷時,DLVのSIP(JIS A 8318参照)より上の部分を側方に15°まで傾けてもよい。より小
さい角度において,機械構成部品の一部又は操縦装置が邪魔になるような場合には,DLVの側方への回転
は,15°未満にしなければならない(図12参照)。DLVを取り付けた床の変形によってDLVの上部が更
に回転してもよい。
――――― [JIS A 8921-2 pdf 20] ―――――
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JIS A 8921-2:2011の引用国際規格 ISO 一覧
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JIS A 8921-2:2011の国際規格 ICS 分類一覧
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