JIS B 0031:2003 製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状の図示方法 | ページ 3

                                                                                              7
B 0031 : 2003 (ISO 1302 : 2002)
パラメータの種類
評価長さに含まれる基準長さの数
指示された許容限界値の解釈
参考1. 表面性状の図示記号に付けて指示する三つの基本的な表面性状パラメータ群が,JIS B 0601,
JIS B 0631,JIS B 0671-2 及び JIS B 0671-3 に規定されている。これらのパラメータの種類を
まとめると表 1 になる。
2. “輪郭曲線(R,W 又は P)”は, ,
“粗さ曲線”“うねり曲線”又は“断面曲線”の総称であ
る(JIS B 0601 参照)

表 1 パラメータの種類(本体及び附属書の項目番号で表示)
パラメータ
輪郭曲線パラメータ モチーフパラメータ 負荷曲線関連パラメータ
線形表現 正規確率紙表現
R W P R W R R P
パラメータ記号 E.2 E.2 E.2 E.3 E.3 E.4.2 E.4.3 E.4.3
評価長さ F.2 F.2 F.2 F.3 F.3 F.4 F.4 F.4
許容限界値 6.4
通過帯域 G.2 G.2 G.2 G.3 G.3 G.4 G.4 G.4
6.2 パラメータ記号の指示 附属書 E による。パラメータ記号を附属書 E のように追加要求事項(5.1
“16 %ルール”,JIS B 0633 の 4.2(評価長さを用いて
参照)のない指示がされた場合には,許容限界値[
定義されるパラメータ)及び 4.3(負荷曲線及び確率密度関数とそれらに関連するパラメータ)参照]は標
準的な規定又は解釈に従う。“最大値ルール”が指示された場合の許容限界値の解釈は,6.4 を参照する。
6.3 評価長さ ln の指示
6.3.1 一般事項 パラメータ記号を附属書 E のように追加要求事項(5.1 参照)のない指示がされた場合
には,評価長さは,該当する規格に規定されていればその標準値に従う。
評価長さに含まれる基準長さの数についての標準値がない場合には,表面性状の要求事項にあいまいさ
がないように,基準長さの数をパラメータ記号に指示する。
6.3.2 輪郭曲線パラメータ(JIS B 0601 参照)
粗さ曲線 附属書 F の F.2 を参照する。評価長さに含まれる基準長さの数が標準値の 5 でない場合に
は,基準長さの数をパラメータ記号に付ける。
例 Rp3,Rv3,Rz3,Rc3,Rt3,Ra3,・・・,RSm3,・・・(評価長さが三つの基準長さからなる場合)
うねり曲線 附属書 F の F.2 を参照する。基準長さの数を常にうねりパラメータ記号に指示する。
例 Wz5,Wa3
断面曲線 附属書 F の F.2 を参照する。基準長さは評価長さに等しく[JIS B 0601 の 3.1.9(基準長さ)
,評価長さは測定される形体の長さに等しくする[JIS B 0633 の 4.4(評価長さの標準値)参照]
参照] 。
したがって,断面曲線パラメータのパラメータ記号には基準長さの数を付けない。
6.3.3 モチーフパラメータ(JIS B 0631 参照)附属書 F の F.3 を参照する。評価長さが,標準値の 16 mm
とは異なる場合には,評価長さを 2 本の斜線“//”の間に指示する。
例 0.008-0.5/12/R10
備考 モチーフパラメータの評価長さは,基準長さの概念がない他の表面性状パラメータの評価長さ
とは異なる。モチーフパラメータ記号には基準長さの数を付けない。
6.3.4 負荷曲線に関連するパラメータ(JIS B 0671-2,JIS B 0671-3 及び JIS B 0631)

――――― [JIS B 0031 pdf 11] ―――――

8
B 0031 : 2003 (ISO 1302 : 2002)
粗さ曲線 附属書 F の F.4 を参照する。評価長さに含まれる基準長さの数が標準値の 5[JIS B 0671-1
の 7.(カットオフ値λc 及び評価長さ ln)参照]でない場合には,基準長さの数をパラメータ記号に
付ける。
例 Rk8,Rpk8,Rvk8,Rpq8,Rvq8,Rmq8 (評価長さがカットオフ値の 8 倍の場合)
Rke,Rpke,Rvke などのモチーフ法による線形表現の負荷曲線関連の粗さ曲線パラメータ(JIS
B 0671-2)の評価長さの指示は,6.3.3 による。
断面曲線 附属書 F の F.4 を参照する。基準長さは,評価長さに等しく[JIS B 0601 の 3.1.9(基準長
,評価長さは測定される形体の長さに等しくする[JIS B 0633 の 4.4(評価長さの標準値)
さ)参照]
。したがって,断面曲線パラメータのパラメータ記号には基準長さの数を付けない。
参照]
6.4 許容限界値の指示
6.4.1 一般事項 表面性状の許容限界値には,次の二つの指示のうち,どちらかを解釈する。
a) “16 %ルール”
b) “最大値ルール”
%ルール)及び 5.3(最大値ルール)を参照する。
JIS B 0633 の 5.2(16
“16 %ルール”とする。したがって,附属書 E のパラメータ記号
表面性状の要求事項の標準ルールは,
が指示されたときには(図 7 参照)
“16
, “最大値ルール”
%ルール”が表面性状の要求事項に適用する。
を適用する場合には,パラメータ記号の後に“max”を付ける(図 8 参照)

a) 文書表現 b) 図面指示
図 7 16 %ルールを適用した場合のパラメータ記号(標準通過帯域)
a) 文書表現 b) 図面指示
図 8 最大値ルールを適用した場合のパラメータ記号(標準通過帯域)
6.4.2 断面曲線パラメータ(JIS B 0601 参照)断面曲線パラメータには,JIS B 0601 に規定する“16 %
ルール”及び“最大値ルール”を適用する。
6.4.3 モチーフパラメータ(JIS B 0631 参照) モチーフパラメータには,16 %ルールを適用する[JIS
B 0631 の 5.4(モチーフパラメータの許容条件)参照]。
6.4.4 JIS B 0671-2 及び JIS B 0671-
負荷曲線に関連するパラメータ(JIS B 0671-2 及び JIS B 0671-3)
3 に規定する負荷曲線に関連するパラメータに,
“16 %ルール”及び“最大値ルール”を適用する。
6.5 通過帯域及び基準長さの指示
6.5.1 一般事項 パラメータ記号に通過帯域の指示がない場合には,表面性状の要求事項に標準通過帯域
(通過帯域の標準値については,附属書 G を参照。通過帯域の指示がない図 7 及び図 8 を参照)を適用す
る。
ある表面性状パラメータには,標準通過帯域の規定,標準の低域フィルタの規定又は標準の基準長さ(高
域フィルタ)の規定がない場合がある。このような場合には,表面性状の要求事項にあいまいさがないよ
うに,通過帯域,低域フィルタ又は高域フィルタのカットオフ値を指示する。

――――― [JIS B 0031 pdf 12] ―――――

                                                                                              9
B 0031 : 2003 (ISO 1302 : 2002)
表面性状の要求事項によって,あいまいさのない表面の管理を行うために,通過帯域はパラメータ記号
の前に斜線“/”で仕切って指示する。
通過帯域は,ハイフン“-”で仕切られたフィルタのカットオフ値(単位 : mm)によって指示し,低域
フィルタのカットオフ値を最初に,高域フィルタのカットオフ値をハイフンの後に置く(図 9 参照)。
a) 文書表現 b) 図面指示
図 9 表面正常要求事項に付けた通過帯域の指示
通過帯域を決める二つのフィルタのうちの一つだけの指示でよい場合,指示されないフィルタは,標準
のカットオフ値をもつフィルタとする。一つだけのフィルタが指示されている場合,低域フィルタである
か高域フィルタであるかは,ハイフンによって識別する。
例1. 0.008- (低域フィルタ)
例2. -0.25 (高域フィルタ)
6.5.2 輪郭曲線パラメータ(JIS B 0601)
粗さ曲線 附属書 G の G.2 を参照する。通過帯域を指示する場合,低域フィルタのカットオフ値λs
が JIS B 0651 の 4.4(粗さ曲線用カットオフ値λc,触針先端半径 rtip 及びカットオフ比λs/λc の関係)
に従っていれば,高域フィルタのカットオフ値λc を-0.8 のように指示するだけでよい。
粗さパラメータのための通過帯域の低域フィルタ及び高域フィルタの両方を管理したい場合には,
カットオフ値の組合せをパラメータ記号に付ける。
例 0.008-0.8
うねり曲線 附属書 G の G.2 を参照する。あいまいさがないようにするために,通過帯域の両側のカ
ットオフ値を常に指示する。うねり曲線のための通過帯域のカットオフ値の指示は,JIS B 0633 によ
る粗さ曲線用のカットオフ値λc(λc は低域フィルタのカットオフ値)及び設計者が決める数 n によ
る指示 n×λc(n×λc は高域フィルタのカット値)である(図 10 参照)

a) 文書表現 b) 図面指示
参考 6.3.2 に従い,原国際規格では欠落していた基準長さの数を 3 として Wz の後に追加し
た。この例では,基準長さは 12×λc である[JIS B 0601 の 3.1.9(基準長さ)による]

図 10 粗さ曲線用のカットオフ値λc を基にしたうねり曲線用通過帯域
断面曲線 附属書 G の G.2 を参照する。あいまいさをなくすために,低域フィルタのカットオフ値λ
s を常に指示する。
断面曲線パラメータに高域フィルタ(基準長さ)を適用しないことが標準条件である。ただし,部
品機能のために高域フィルタが要求される場合には,高域フィルタのカットオフ値(基準長さ)を指
示する。
例 -25/Pz 225
6.5.3 モチーフパラメータ(JIS B 0631)

――――― [JIS B 0031 pdf 13] ―――――

10
B 0031 : 2003 (ISO 1302 : 2002)
粗さモチーフ 附属書 G の G.3 を参照する。評価長さが,JIS B 0631 の表 1 に推奨されるλs 及び A
の組合せによる場合には,評価長さを指示する必要はないが,それを 2 本の斜線“//”によって表す。
参考 低域フィルタを指示しない場合の標準値は,λs=0.008 mm とする。
うねりモチーフ 附属書 G の G.3 を参照する。低域フィルタ用の上限長さ A 及び高域フィルタ用の上
限長さ B を指示する。
評価長さが,JIS B 0631 の表 1 に推奨される A 及び B の組合せによる場合には,評価長さを指示する必
要はないが,それを 2 本の斜線“//”によって表す。
6.5.4 上限長さ(A 及び B)を指示し
負荷曲線に関連するパラメータ(JIS B 0671-2 及び JIS B 0671-3)
ない場合の標準値は,A=0.5 mm 及び B=2.5 mm とする。
粗さ曲線 附属書 G の G.4 を参照する。標準通過帯域と特別の通過帯域とが規定されている。
断面曲線 附属書 G の G.4 を参照する。JIS B 0671-3 に従って断面曲線パラメータを指示する場合,
あいまいさをなくすために低域フィルタのカットオフ値λs をパラメータ記号に付ける。
標準として,断面曲線パラメータには高域フィルタ(基準長さ)を適用しない。対象面の機能上,高域
フィルタが必要な場合には,高域フィルタ(基準長さ)を断面曲線パラメータに付ける。
6.6 許容限界値の指示片側又は両側許容限界値
6.6.1 一般事項 片側又は両側許容限界値を,表面性状の要求事項として指示する。許容限界値は,6.2,
6.3,6.4 及び 6.5 のように,パラメータ記号とその値及び通過帯域によって表す。
6.6.2 パラメータの片側許容限界値 パラメータ記号とその値及び通過帯域が指示されている場合には,
“16 %ルール”又は“最大値ルール”に従った片側許容限界の上限値を表す。
パラメータ記号とその値及び通過帯域の指示が,“16%ルール”又は“最大値ルール”に従ったパラメ
ータの片側許容限界の下限値を表す場合には,パラメータ記号の前に文字 L を付ける。
例 LRa 0.32
6.6.3 パラメータの両側許容限界値 両側許容限界値は,二つの限界値を上の行及び下の行に分けて表面
性状の図示記号に指示する。すなわち,文字 U に続くパラメータ記号とその上限値(
“16 %ルール”又は
)を上の行に,文字 L に続くパラメータ記号とその下限値を下の行に指示する(図 11 参
“最大値ルール”
。上限値及び下限値が,同じパラメータによって指示されている場合,上限値及び下限値であることが
照)
明確に理解できれば,記号 U 及び L を省略してもよい。
参考 常に記号 U 及び L を指示することが望ましい。
上限値及び下限値は,同じパラメータ記号及び同じ通過帯域である必要はない。
a) 文書表現 b) 図面指示
参考 原国際規格では,U Rz0.9;L Ra0.3 となっているが,Rz は一般に Ra の 3 倍を
0.9;L Ra
大きく上回ることが多いので,U Ra 0.3 に修正した。
図 11 両側許容限界値の指示

――――― [JIS B 0031 pdf 14] ―――――

                                                                                             11
B 0031 : 2003 (ISO 1302 : 2002)
7. 加工方法又は加工関連事項の指示 表面性状パラメータの値は,輪郭曲線の細部形状による影響を強
く受ける。そのために,パラメータ記号とその値及び通過帯域を指示するだけでは,表面機能に対して必
ずしもあいまいさのない指示をしたことにはならない。したがって,加工方法が輪郭曲線の特定の細部形
状にある程度影響を及ぼすなどの理由から,多くの場合,加工方法を指示することが必要である。
対象面の加工方法は,図 12 及び図 13 のように,文書表現にしたり,表面性状の図示記号に付けて指示
することができる。図 13 の表面処理は,ISO 1456 の記号を用いて指示した例を示す。
a) 文書表現 b) 図面指示
図 12 加工方法及び加工後の表面性状の要求事項の指示
a) 文書表現 b) 図面指示
図 13 表面処理及び表面性状の要求事項の指示
8. 筋目の指示 加工によって生じる筋目(例えば,加工工具の刃先によって生じる筋目)とその方向は,
表 2 及び図 14 の例に示す記号を用いて,表面性状の図示記号に指示することができる。記号による筋目の
指示(図 14 では,直角方向を表す記号)は,文書表現には適用しない。
表 2 の記号は,表面性状の要求事項が指示された対象面の筋目とその方向を示す。
参考 筋目の方向とは,加工によって生じる主要な(際立った)筋目模様の方向とする。
図 14 投影面に直角な筋目の方向

――――― [JIS B 0031 pdf 15] ―――――

次のページ PDF 16

JIS B 0031:2003の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 1302:2002(IDT)

JIS B 0031:2003の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 0031:2003の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB0021:1998
製品の幾何特性仕様(GPS)―幾何公差表示方式―形状,姿勢,位置及び振れの公差表示方式
JISB0601:2013
製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状:輪郭曲線方式―用語,定義及び表面性状パラメータ
JISB0631:2000
製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状:輪郭曲線方式―モチーフパラメータ
JISB0632:2001
製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状:輪郭曲線方式―位相補償フィルタの特性
JISB0633:2001
製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状:輪郭曲線方式―表面性状評価の方式及び手順
JISB0641-1:2020
製品の幾何特性仕様(GPS)―製品及び測定装置の測定による検査―第1部:仕様に対する合否判定基準
JISB0651:2001
製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状:輪郭曲線方式―触針式表面粗さ測定機の特性
JISB0671-1:2002
製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状:輪郭曲線方式;プラトー構造表面の特性評価―第1部:フィルタ処理及び測定条件
JISB0671-2:2002
製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状:輪郭曲線方式;プラトー構造表面の特性評価―第2部:線形表現の負荷曲線による高さの特性評価
JISB0671-3:2002
製品の幾何特性仕様(GPS)―表面性状:輪郭曲線方式;プラトー構造表面の特性評価―第3部:正規確率紙上の負荷曲線による高さの特性評価
JISB0672-1:2002
製品の幾何特性仕様(GPS)―形体―第1部:一般用語及び定義
JISZ8114:1999
製図―製図用語
JISZ8313-1:1998
製図―文字―第1部:ローマ字,数字及び記号
JISZ8317:1999
製図 ― 寸法記入方法 ― 一般原則,定義,記入方法及び特殊な指示方法