JIS B 0642:2010 製品の幾何特性仕様(GPS)―測定器の一般的な概念及び要求事項 | ページ 4

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定義する。
− 測定器の一般的かつ限定的使用(例えば,通常の操作及び作業者)− 一般的な不確かさの要因を手引
として用いてよい。
− 他の計測特性との独立性
− 測定プロセスにおける測定器の測定の不確かさ
− 測定器に固有の物理的な原理の関連性
− 保守作業及びそれに伴う誤差同定
− 測定器の部品及び機能の関係
− 測定原理又は方法
− 他の計測特性と比較した重要度
特別な場合には,ニーズ及び測定器の意図した使用によりよく適合させるために,この規格に示された
以外の計測特性を定義することは,使用者にとって有益である。

6.3 指示測定器における一般的な計測特性

6.3.1  一般
多くの場合に,次のような計測特性が指示測定器に関連する。仕様及びMPE又はMPLの定義は,7.5
による。
6.3.2 目量及び分解能
6.3.2.1 一般
アナログ測定器では,目量若しくは分解能,又は目量及び分解能の両方は,関連する計測特性であり,
測定器の個別規格に明示しなければならない。目量,アナログの分解能,及びデジタル読取りのデジタル
ステップは,装置の不確かさ要因の下限を決定する。
6.3.2.2 目量
(3.28.2参照)
6.3.2.3 読取りの分解能
“分解能”(3.26参照)は,目量より小さくできるが,目盛の設計並びに目盛線及び指針の品質に依存す
る。
6.3.3 デジタルステップ
“デジタルステップ”(3.27参照)は,デジタル読取りの分解能であり,表示しなければならない情報で
ある。
6.3.4 指示誤差
“指示誤差”(3.16参照)は,箇条7に規定するMPE関数で定義し,明示しなければならない。次に示
すような条件を明示することは,重要である。
− 固定ゼロ又は浮動ゼロ
− 一方向への移動によるものか,又は両方向の移動によるものか(ヒステリシスを含む。)。
− 他の条件,例えば,空間的な姿勢,最高移動速度など。
個々の測定器の規格において,MPE関数は,パラメータ記号の方程式及び/又はパラメータに対する
MPE値の表によって示す。7.5.4に示す測定範囲の端点及び遷移点は,必ず表に記載する。
6.3.5 指示誤差幅,h
指示誤差幅,h(図5及び7.5.2参照)は,測定範囲における浮動ゼロ誤差のMPE関数が一定値の単純
な場合である。固定ゼロにおいては,指示誤差幅は,指示誤差の最大値及び最小値の絶対値の和に等しい。

――――― [JIS B 0642 pdf 16] ―――――

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注記 指示誤差幅は,固定ゼロ曲線上だけで明示されるので誤解されやすいが,測定器が浮動ゼロで
使用されるときの装置のMPE関数である。
6.3.6 ヒステリシス
指示のヒステリシス(3.24参照)は,指定された範囲(範囲が示されないときは全測定範囲)における
二つの異なる移動方向の同じ位置における指示値の差である。個々のヒステリシスの標準偏差,又は最大
値も重要なパラメータである。
ヒステリシスは,簡略化のために指示誤差のMPE関数に含まれ,移動方向の両方向における指示誤差
から得られる。ヒステリシスは,他の計測特性とも関連し,重要な場合がある。
6.3.7 温度関連特性
熱膨張の性質は,測定量又はゼロ点に対する温度影響に関係する“実効熱膨張係数”で示す。必要な場
合は,その不確かさを明示する。
幾つかの測定器において,測定器の温度変化に対する時定数Tcは,重要な情報であり,追加情報として
もよい。
6.3.8 測定力に関する特性
測定力のMPL関数は,関係する場合は,計測要求事項とする。測定力は,互換性のために測定器の個
別規格において,設計要求事項として示す。
測定力の繰返し性は,多くの場合に重要な特性であるが,その影響は,指示の繰返し性に含まれる。た
だし,特別の場合には測定力の繰返し性に注目することがある。
重力,すなわち空間の姿勢の影響は重要で,ゼロ点誤差及び指示誤差曲線の形に影響する場合は,必要
に応じて記述しなければならない。姿勢については特別な制限がない限り,一般要求事項で与えられる測
定力の計測特性及びMPL値は,測定器の空間におけるどのような姿勢にも適用しなければならない。
接触によって可動部分に加わる横方向の力の影響は,問題になることもあるので,必要に応じて,その
影響について記述し,規定しなければならない。
6.3.9 測定子の形状
測定子の形状,すなわち,丸め,面取り,表面性状などは,測定結果に影響することがあり,必要に応
じて要求事項として記述しなければならない。
6.3.10 その他の計測特性
幾つかの更なる計測特性が存在する。その例を次に示す。
− 視差(parallax) : 指標(index)及び目盛線(scale marks)に起因する。
− しきい値(threshold) : スティックスリップ(stick slip)
− 時間安定性(time stability) : 例えば,座標測定器(形状,その他),レーザダイオード。
− 応答特性(response characteristic) : 速度及び時間
6.3.11 附属装置
測定器を操作時に附属装置で保持する場合には,附属装置も不確かさに影響を与える。したがって,附
属装置も計測特性の要求事項となる。
附属装置の特性が影響する例を図4に示す。この測定スタンドは,測定ループの重要な部分で,剛性,
温度及び温度こう配が測定結果に影響を与える。

――――― [JIS B 0642 pdf 17] ―――――

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図4−附属装置の測定ループ

6.4 実量器-一般的な計測特性

6.4.1  一般
多くの場合に,次のような計測特性が実量器に関連する。仕様のタイプ及びMPEタイプ又はMPLタイ
プの定義は,箇条7による。
6.4.2 目量及び分解能
6.4.2.1 一般
目盛のある実量器の場合は,目量若しくは読取りの分解能のいずれか一方,又はそれらの両方を仕様に
明示しなければならない(6.3.2参照)。
6.4.2.2 目量
(3.28.2参照)
6.4.2.3 読取りの分解能
(6.3.2.3参照)
6.4.3 形状の特性
実量器の形状は,幾何公差表示方式(JIS B 0021参照)を基に表す。実量器の計測特性と形状誤差とは
互いに独立したものとして定義する。
寸法公差と幾何公差とを関連付ける場合は,最大実体公差方式(JIS B 0023参照)を使用することがあ
る。
6.4.4 角度の特性
角度(実量器での形体間の相対的方向)は,JIS B 0021,JIS B 0022などによって指定する。実量器の角
度及び誤差は,互いに独立したものとして定義する。
寸法及び形状の仕様を組み合わせるために必要な場合には,最大実体公差方式(JIS B 0023参照)を使
用することがある。
6.4.5 実効熱膨張係数
(6.3.7参照)
6.4.6 長期安定性
特別な実量器では,経時的な安定性が重要な計測特性となる。この場合には,長期安定性は,実量器の
規格に含めなければならない。
例 ブロックゲージ,ステップゲージ,標準尺

――――― [JIS B 0642 pdf 18] ―――――

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6.4.7 その他の計測特性
そのほかに,幾つかの更なる計測特性が存在する。例を次に示す。
− ヤング率の影響
− 方向及び支持の影響
− 測定力及び重力の影響
− 測定子の形状の影響

7 計測特性の表示方法及び規定方法

7.1 一般

  測定器の計測特性は,次によって特徴付けることができる。
− 単一の特性値又は誤差
− 一連の特性値若しくは誤差,又はそれらの関数
単一の特性値は,一つの基準点に基づくか,又は基準点に依存しない場合がある。一連の特性値は,図・
表において対となる座標点を形成し,例えば,もう一つのパラメータの呼び値又は真値に相当する値をも
っている。図・表において点を結んだ線は,測定範囲内の計測特性を表す特性曲線又は誤差曲線を描く(図
5参照)。特性曲線及び誤差曲線の値は,測定範囲内でどの点が基準点として選ばれたかに依存しているの
で,異なっていてもかまわない。使用条件は,計測特性の仕様又は要求と結び付けて記述又は定義する。

7.2 特性曲線の表示-固定ゼロ及び浮動ゼロ

7.2.1  一般
特性曲線は,指示測定器の場合に,様々な種類の指示誤差曲線として最も頻繁に使われる。まれに特性
曲線は,指示誤差以外の特性の表示にも使われる。ダイヤルゲージの測定力がその例である。固定ゼロ曲
線又は浮動ゼロ曲線のいずれを使うかは,計測特性の性質及び/又は校正方法による。固定ゼロ曲線から
浮動ゼロ曲線を作成することができる。
7.2.2 固定ゼロ
指示誤差曲線は,固定基準点(固定ゼロの例は,表2及び図5を参照)を基準として描く。図7は,図
5に示したデータを浮動ゼロ表示に変換した例である。
固定基準点が,測定器の実際の範囲内で他の測定点へ動かされると,誤差曲線は,図の中で上下に移動
し,それぞれhp,hnで示す指示値の正負の最大誤差が変化する(図6参照)。
指示誤差幅h及び誤差曲線の形は,変化しない。
固定基準点を動かすことは,範囲内の異なる測定点における指示誤差をゼロに調整することと同等であ
る。あいまいさを避けるため,固定基準点は,測定器の指示誤差を報告するときには,定義して報告しな
ければならない。
表2−同一の測定器の異なる基準点を使ったときの指示誤差の例
基準点 指示長さ(mm)
の位置 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
(mm) 指示誤差(μm)
0 0 7 11 8 16 16 24 21 7 2 −7
6 −24 −17 −13 −16 −8 −8 0 −3 −17 −22 −31
10 7 14 18 15 23 23 31 28 14 9 0

――――― [JIS B 0642 pdf 19] ―――――

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h 指示誤差幅(浮動ゼロ)
hp 正の最大誤差(固定ゼロが指示長さ0 mmの場合)
hn 負の最大誤差(固定ゼロが指示長さ0 mmの場合)
L 指示長さ
E 指示誤差
注記1 固定基準点が0 mmの測定点の場合の固定ゼロ(表2の1行目のデータ)
注記2 hの意味については,7.5.2を参照。
図5−指示誤差曲線の例
L 指示長さ
E 指示誤差
注記1 固定基準点が測定点0 mm,6 mm及び10 mmの場合の固定ゼロ(表2からのデータ)。
注記2 適用できる場合には,指示誤差曲線は,極座標又は対数目盛に表示してもよい。
図6−指示誤差曲線の例(基準点を移動した場合)

――――― [JIS B 0642 pdf 20] ―――――

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JIS B 0642:2010の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 14978:2006(MOD)

JIS B 0642:2010の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 0642:2010の関連規格と引用規格一覧