JIS B 7726:2017 ロックウェル硬さ試験―試験機及び圧子の検証及び校正 | ページ 2

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均等な4区間以上を校正する。測定範囲は,通常のロックウェル硬さ(AH及びK)については,0.25 mm,
ロックウェルスーパーフィシャル硬さ(N及びT)については,0.1 mmとする。
6.3.4 押込み深さ測定装置の動作範囲の位置がサンプルに合わせて変化する長作動の押込み深さ測定装
置をもつ試験機では,押込み深さ測定装置は電気的に全範囲にわたって連続的であることを確認すること
ができなければならない。これらの試験機は,次の手順で押込み深さ測定装置を検証しなければならない。
a) 測定装置の全ストロークのほぼ最大,中間点及び下限の3か所で,それぞれ約0.05 mmの測定範囲を
4区間以上の等間隔で押込み深さ測定装置を検証する。
b) ストロークの全範囲にわたってアクチュエータを操作し,変位測定が連続的であるか確認する。変位
指示は継続的に全範囲にわたって表示しなければならない。
6.3.5 押込み深さ測定装置は,AH及びKスケールでは±0.001 mmで,N及びTスケールでは±0.000 5
mmで正しく表示できなければならない。これは,各レンジのスケールで±0.5 HRに相当する。

6.4 試験動作時間の校正

6.4.1  試験動作時間は,試験機の製造時,及び試験動作時間に影響する修理を受けたときに試験機の製造
業者によって検証をしなければならない。その他の場合は,完全な試験操作時間の検証は,直接検証の項
目として要求しない(表11参照)。
6.4.2 試験動作時間は,JIS Z 2245の箇条7(試験)に規定されている各試験動作に関する時間に適合し
なければならない。
6.4.3 自動的に試験動作時間を制御する試験機の場合,試験動作時間を検証するために使用する測定器の
測定の不確かさ(k=2)は,0.2秒を超えてはならない。試験動作時間の測定の不確かさ(k=2)は,JIS Z
2245で規定された動作時間制限を超えないことが望ましい。
6.4.4 手動で試験動作時間を制御することを使用者に要求する試験機の場合,試験機は規定する試験動作
時間を達成することができることを検証しなければならない。

6.5 試験機のヒステリシスの検証

6.5.1  試験機は,試験時に試験機の各部材(例えば,機枠,試料ホルダなど)のひずみによって影響され
ないことを保証するために検証を行わなければならない。ひずみ強度の影響は,軸受上の試料ホルダーに
直接又は永久変形を避けるための間座を介して,先端が球状(直径10 mm以上)の模擬圧子による繰返し
硬さ試験によって検証しなければならない。模擬圧子の代わりとして試料台と圧子軸との間に平行ブロッ
クを置いてもよい。この模擬圧子,間座及び平行ブロックの材質は,少なくとも60 HRC以上の硬さをも
たなければならない。
6.5.2 6.5.1で規定した方法で繰り返しロックウェル硬さ試験を行う。この試験は,通常用いるスケール
のうち,最も大きな試験力で実施しなければならない。最大10回のひずみ検証を行い,最後の3回の結果
を平均して求める。
6.5.3 最後の3回の試験の平均値は,通常のロックウェルの球圧子スケールB,EG,H及びKを使う
場合,ロックウェル硬さで130±1.0でなければならない。他のロックウェルスケールを使用する場合,ロ
ックウェル硬さで100±1.0でなければならない。

7 試験機の間接検証

7.1 一般要件

7.1.1  間接検証は,基準片による試験を行うことによる試験機の校正及び検証を含む。
7.1.2 間接検証は,JIS B 7730に従って校正された基準片を用い(23±5) ℃の温度で行う。この温度範囲

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外で検証を行ったときは,報告書に記載する。

7.2 間接検証の手順

  試験機の間接検証は,次の手順によって行う。
− 試験機の検証は,使用する各スケールについて行う。
− 検証するスケールごとに,表2に示す各硬さレベルの硬さ基準片を用いる。
− 使用目的の範囲に近いものを選択する。
− 基準片の校正時と同じ試験動作時間で実施することが望ましい。
− 基準片の校正面だけ試験に使用できる。
− それぞれの基準片について,少なくとも5点の試験を試験面上に均一に分布するように行い,硬さ値
を0.2 HR単位以下で読み取る。
− 検証の実施前に,試験機が障害なく作動し,基準片,圧子及び受け台の座りが正しくなるように,予
備試験を2点以上行う。
− これらの予備試験は結果から除外する。
− 試験は,JIS Z 2245に従って行う。
表2−各スケールの検証に用いる基準片の硬さレベル
ロックウェル硬さ 用いる基準片の ロックウェル硬さ 用いる基準片の
試験スケール 硬さレベル 試験スケール 硬さレベル
A 2040 HRA K 4060 HRK
4575 HRA 6580 HRK
8095 HRA 85100 HRK
B 1050 HRB 15N 7077 HR15N
6080 HRB 7888 HR15N
85100 HRB 8994 HR15N
C 1030 HRC 30N 4254 HR30N
3555 HRC 5573 HR30N
6070 HRC 7486 HR30N
D 4047 HRD 45N 2031 HR45N
5563 HRD 3261 HR45N
7077 HRD 6377 HR45N
E 7077 HRE 15T 6780 HR15T
8490 HRE 8187 HR15T
93100 HRE 8893 HR15T
F 6075 HRF 30T 2956 HR30T
8090 HRF 5769 HR30T
94100 HRF 7082 HR30T
G 3050 HRG 45T 1033 HR45T
5575 HRG 3454 HR45T
8094 HRG 5572 HR45T
H 8094 HRH
96100 HRH

7.3 繰返し性

7.3.1  各基準片について,H1,H2,H3,H4,··· Hnは,小さい方から並べた硬さ値である。特定の検証条
件の下で,試験機の繰返し性rは,ロックウェル単位で式(1)によって求める。
r Hn H1 (1)

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平均硬さ値Hは,式(2)によって求める。
H1 H2 H3 H4 ....Hn
H (2)
n
ここに, H1,H2,H3,H4,··· Hn : それぞれのくぼみ付けに対応する硬さ値
n : 全試験数
7.3.2 試験機の繰返し性は,試験機が表3の状態を満足しなければならない。また,繰返し性の許容値を
図A.1及び図A.2に示す。
表3−試験機のかたより及び繰返し性の許容値
ロックウェル 基準片の かたよりの 試験機の繰返し性の
硬さスケール 硬さレベル 許容値 許容値a)
b r
A 2075 HRA ±2 HRA 0.02×(100−H)
75超え95 HRA ±1.5 HRA 又は0.8 HRA b)
B 1045 HRB ±4 HRB 0.04×(130−H)
45超え80 HRB ±3 HRB HRB
80超え100 HRB ±2 HRB
C 1070 HRC ±1.5 HRC 0.02×(100−H)
又は0.8 HRC b)
D 4070 HRD ±2 HRD 0.02×(100−H)
70超え77 HRD ±1.5 HRD 又は0.8 HRD b)
E 7090 HRE ±2.5 HRE 0.04×(130−H)
90超え100 HRE ±2 HRE HRE
F 6090 HRF ±3 HRF 0.04×(130−H)
90超え100 HRF ±2 HRF HRF
G 3050 HRG ±6 HRG 0.04×(130−H)
50超え75 HRG ±4.5 HRG HRG
75超え94 HRG ±3 HRG
H 80100 HRH ±2 HRH 0.04×(130−H)
HRH
K 4060 HRK ±4 HRK 0.04×(130−H)
60超え80 HRK ±3 HRK HRK
80超え100 HRK ±2 HRK
15N,30N, 全ての範囲 ±2 HR-N 0.04×(100−H)
45N 又は1.2 HR-N b)
15T,30T,45T 全ての範囲 ±3 HR-T 0.06×(100−H)
又は2.4 HR-T b)
注記 繰返し性の許容値r及び/又はかたよりbの許容値の範囲の要求は,
ASTM E18と異なる場合がある。
注a) は硬さ値の平均
b) いずれか大きい方の値とする。

7.4 かたより

7.4.1  かたよりbはロックウェル単位とし,特定の試験機の校正条件で式(3)によって求める。
b H HCRM (3)
ここに, H : 式(2)による硬さの平均値
HCRM : 基準片の証明書の値
7.4.2 試験機のかたよりは,表3に示す値を超えてはならない。

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7.5 校正結果の不確かさ

  試験機の校正結果の不確かさの適用は,受渡当事者間の協定によることとし,不確かさの求め方は,附
属書B又はその他の方法を参考として求める。

8 ロックウェル圧子の検証及び校正

8.1 一般要件

  圧子の検証及び校正は,(23±5) ℃の温度で行う。この温度範囲外で検証を行った場合は,報告書に記
載する。圧子の検証及び校正に使用する機器は,国家標準にトレーサブルなものを使用する。

8.2 ダイヤモンド圧子

8.2.1  一般的な条件
この規格のこの項目に準拠した円すい形のダイヤモンド圧子の信頼性を確認するために,直接検証及び
校正並びに間接検証は,全ての圧子に対して行わなければならない。
8.2.2 ダイヤモンド圧子の直接校正及び検証
8.2.2.1 ダイヤモンドの円すい(錐)部と球状先端部とは正接し,押込み深さ0.3 mm相当の領域まで研
磨しなければならない。どの面も欠損などがあってはならない。
8.2.2.2 圧子の形状の検証は,直接測定又は光学的に実施できる。検証は等間隔に4断面(例えば,0°,
45°,90°,135°)以上で行わなければならない。コリメータ装置による測定も可能である。この場合,
四つ以上の中心角を測定し,また中心角120°の測定が含まれることが望ましい。
先端半径及び円すい角の測定が接続領域を含むことを避けるために,80 m120 mの間のダイヤモン
ド表面の部分は無視してもよい。
注記 ダイヤモンドの先端球及び円すい部の接続位置は,先端半径及び円すい角度に依存して変化す
る。理想的に完全な幾何学的形状の圧子の接続部は,圧子取付け軸に垂直な線上で中心から100
mに位置している。
8.2.2.3 ダイヤモンド圧子の形状を確認するために使用する測定器の不確かさは,信頼水準95 %で計算さ
れた次の拡張不確かさ以内でなければならない。
− 先端角度 : 0.1°
− 先端半径 : 0.005 mm
8.2.2.4 ダイヤモンド円すい部の頂角は,120°±0.35°でなければならない。
8.2.2.5 圧子先端部は,球状でなければならない。その平均半径は,8.2.2.2に規定した軸方向の各断面計
測によって求めた,少なくとも四つの単一半径測定値から求めなければならない。個々の単一半径測定値
は,(0.2±0.015) mでなければならない。また,平均値は(0.2±0.01) mでなければならない。一つの断
面測定から定めた単一半径からの凹凸部の偏差は,0.002 mmを超えてはならない。
注記1 ここの単一測定値は,その二つの同心円の半径の平均値である。
注記2 ローカル偏差が0.002 mmを超えないとは,(内接)円と(外接)円との間の間隔は0.004 mm
以下であることを意味する。
8.2.3 ダイヤモンド圧子の間接検証
8.2.3.1 ダイヤモンド圧子の性能の間接検証は,JIS B 7730の要件を満たす校正したダイヤモンド圧子で,
JIS B 7730の要件を満たす基準片に一連の試験を行った結果と比較しなければならない。
注記 試験機の示す硬さ値は,先端半径及び円すい角の寸法だけでなく,ダイヤモンドの表面粗さ及
び結晶軸の向き並びにダイヤモンド保持部の座りにも依存する。

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間接検証は,JIS B 7730の箇条6(基準片の校正手順)に規定する手順によって,JIS B 7730の箇条5(校
正用試験機)の関連の項目を満たす校正用試験機を使用して実施することが望ましい。
ダイヤモンド圧子は次に示すように,用途に合わせた形で認定することもできる。
− ダイヤモンド圧子を用いるロックウェル硬さスケール用
− ダイヤモンド圧子を用いるロックウェルスーパーフィシャル硬さスケール用
− ダイヤモンド圧子を用いるロックウェル硬さ及びスーパーフィシャル硬さスケールの両用
− ダイヤモンド圧子を用いるいずれか単一のスケール,又は限られた組合せ
注記 歯車の歯の断面の硬さ試験のためのサイドカットダイヤモンド圧子のような場合,試験力の限
定によって試験スケールを減ずること,又はその他の考慮事項が必要なことがある。
8.2.3.2 間接検証に使用する基準片は,圧子の検証対象のスケールに応じて,表4表8に示すいずれか
の硬さレベルを選択しなければならない。ダイヤモンド圧子を限られた数のスケールで検証する場合は,
HRCスケールに対する表6及び/又は任意の他のダイヤモンドスケールに対する表8で規定した適切なス
ケールの行(複数可)の基準片を使用する。
注記 表5に示す代替の硬さレベルは,他の国際標準で校正された圧子に対応するために設けられて
いる。表4又は表5に従った校正は,同等の結果を得ることができるとみなす。
表4−ロックウェル硬さ及びロックウェルスーパーフィシャル硬さ(A,C,D及びN)で用いる
ダイヤモンド圧子に対する硬さレベル
スケール 呼び硬さ 硬さレベル
HRC 23 2026
HRC 55 5258
HR45N 43 4046
HR15N 91 8894
表5−ロックウェル硬さ及びロックウェルスーパーフィシャル硬さ(A,C,D及びN)で用いる
ダイヤモンド圧子に対する代替の硬さレベル
スケール 呼び硬さ 硬さレベル
HRC 25 2228
HRC 63 6065
HR30N 64 6069
HR15N 91 8894
表6−ロックウェル硬さ(A,C及びD)で用いる
ダイヤモンド圧子に対する硬さレベル
スケール 呼び硬さ 硬さレベル
HRC 25 2228
HRC 63 6065

――――― [JIS B 7726 pdf 10] ―――――

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JIS B 7726:2017の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 6508-2:2015(MOD)

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JIS B 7726:2017の関連規格と引用規格一覧