JIS B 7753:2007 サンシャインカーボンアーク灯式の耐光性試験機及び耐候性試験機 | ページ 6

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附属書(規定)放射照度及び放射露光量の測定方法

1. 適用範囲

 この附属書は,試験機の放射照度及び放射露光量の測定方法について規定する。
2. 概要 発光部からの放射は短時間的には安定しているが,長時間的にはガラス製フィルタなどの劣化
及び汚染によって低下するため,定期的に放射照度を測定する必要がある。最近では,試験時間を放射露
光量で管理する方法も行われている。これらの測定には,次のような方法がある。
a) 放射照度計を用いて,放射照度(W・m−2)又は特定波長における分光放射照度[W・m−2・nm−1]を測
定する。
b) 任意の時間内の放射照度の積分値を測定して,放射露光量(J・m−2)を求める。
c) 分光放射計を用いて分光放射照度[W・m−2・nm−1]を測定するとともに放射照度(W・m−2)を求める。
備考1. ガラス製フィルタを透過するサンシャインカーボンアーク灯の放射のスペクトルは,約250
3 000 nmの広範囲にわたっているが,試験機用の測定では,通常その中から紫外部(300
400 nm),紫外可視部(300700 nm又は300800 nm)又は特定波長(340 nm,420 nmな
ど)を選び出して測定する。そのために放射測定器の受光器の前に紫外用フィルタ,紫外可
視用フィルタ又は特定波長用フィルタを取り付けて測定を行う。
2. 特定波長は,試験する材料の光劣化作用波長を考慮して受渡当事者間で協定する。特定波長
として使用するフィルタの透過極大波長を選び,フィルタ透過率の半値幅を測定波長幅とみ
なす。
3. 分光放射照度を求める方法としてJIS K 7363に規定する方法を用いてもよい。ただし,この
方法は,太陽光を測定する場合を主体に規定がなされているので,試験機に用いるには修正
して用いる必要がある。
3. 測定器 放射照度及び放射露光量の測定には,次に示す光電効果及び熱電効果応用の放射測定器又は
分光放射計を用いる。
a) 光電式測定器 光電式測定器は,シリコン光電池などの光電式受光器を用い,発光部からの放射を光
電変換し,その出力を直接表示する放射照度計及び積算表示する放射露光量指示器がある。
放射照度計は,附属書参考図1に示すように受光器の光電流を増幅して測定するもので,1目盛の
値を(W・m−2)又は(W・m−2・nm−1)で付する。
放射露光量は,附属書参考図2に示すように受光器の光電流を増幅した後,パルス変換器によって
パルスに換え,規定時間内のパルス数を計数するもので,1カウント当たりの校正値を J・m−2又はJ・
m−2・nm−1で付する。
測定器には,紫外部(300400 nm),紫外可視部(300700 nm又は300800 nm),特定波長用(340
nm,420 nm)などの波長範囲別があり,それぞれ受光器の前に紫外用,紫外可視用,特定波長用など
のフィルタを取り付けて放射照度又は放射露光量を測定する。
附属書参考図12の入射光補正器は,これらのフィルタ,減光器,拡散器などを意味する。

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附属書参考図 1
附属書参考図 2
b) 熱電式測定器 熱電式測定器は,附属書参考図12に示す光電式受光器の代わりに,熱電式受光器を
用いたものであり,紫外部−可視部−赤外部の全波長(3003 000 nm)にわたる放射照度又は放射露
光量を測定する。
c) 分光放射計 分光放射照度を測定し,これから必要な波長の放射照度を求める方法であり,附属書参
考図35に示すように,発光体の分光分布が測定できる分光放射計を使用し,積分球又は拡散板を介
して測定する。
附属書参考図 3 附属書参考図 4

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附属書参考図 5
4. 測定方法
4.1 発光部の放電条件 発光部の放電条件は,本体の表1(発光部の条件)に示すアーク電圧,アーク電
流とする。また,ガラス製フィルタを用いる場合は,本体の表2(ガラス製フィルタの仕様)に示すフィ
ルタごとに測定を行う。
4.2 測定位置 参考付図5の試験片ホルダを使用する試験機では,試験片ホルダの中央部,参考付図6
の傾斜形試験片ホルダを使用する試験機では,試験片ホルダの上側試験片の中央部近辺の位置とする。
なお,この測定位置の放射照度を試験片面の放射照度とする。
4.3 測定時のラックの状態 ラックは,JIS G 4305に規定するステンレス鋼板の表面仕上げがNO.2Bの
もの又はそれと同等の表面仕上げの板を固定した試験片ホルダで満たさなければならない。
4.4 測定 測定は,次による。
a) 光電式測定器の場合 受光器をラックに取り付け,光源の周囲を回転させて測定するか,又は試験に
影響を及ぼさない位置に固定して測定し,放射照度(W・m−2),分光放射照度(W・m−2・nm−1),放射
露光量(J・m−2)を求める。また,放射露光量を測定した場合には,必要に応じて,その値を点灯時
間で徐し,放射照度(W・m−2)を求める。
なお,受光器は放射による熱の影響を受けないような構造とする。
b) 熱電式測定器の場合 測定は,a)に準じる。
c) 分光放射計の場合
1) 分光放射照度標準電球を用いて,受光器の分光感度補正を行う。この補正は,最大の放射照度をも
つ波長の値を,相対値で100 %を超えない値にするため,並びに受光器が波長による感度特性をも
っているため,精密測定した波長ごとの相対値が,標準電球の各波長ごとの分光放射照度値と相対
的に合うようにするためで,例えば附属書参考図6に示す形になる。
なお,分光放射計の波長幅は,受渡当事者間の協定による。

――――― [JIS B 7753 pdf 28] ―――――

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附属書参考図 6
2) 発光部からの光を入射し,各波長ごとの分光放射照度を測定し,1)で測定した標準電球の相対値と
絶対値との関係から,附属書参考図7のように発光部の測定値を絶対値に値付けして分光放射照度
[W・m−2・nm−1]を求める。
附属書参考図 7
3) 2)で求めた分光放射照度を,附属書参考図8で示すように所定の波長領域で積分し,測定した位置
における放射照度(W・m−2)を計算によって求める。
附属書参考図 8
4) 3)で求めた放射照度の値を4.2の測定位置における放射照度に換算する。
なお,分光放射照度標準電球と1)4)の操作を自動的に行う分光放射計とを用いて,直接分光放射照度
を求めてもよい。

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5. 校正値の管理 放射測定器の校正値の経時変化に対する管理は,校正値付測定器及び校正用光源装置
を使用して次の方法で行う。
a) 測定用及び校正用の2台を用意し,校正には二つの受光器を光源に向けて並べて設置し,任意の時間
露光して,その結果の測定を比較する。
b) 校正用光源装置(校正用光源,安定光源及び点灯装置)を用意し,測定受光器と校正用光源装置とを
一定の間隔で設置して受光させ,使用前と使用後との測定値を比較する。
なお,a)及びb)の管理は,適切な頻度で行う。
備考 放射測定器に付けられた校正値は,特定波長用を除きサンシャインカーボンアーク灯の測定に
だけ有効であって,その他の光源への流用はできない。
参考 光源の校正を行う実用的な方法として,JIS K 7200[耐光(候)試験機の照射エネルギー校正
用標準試験片]による方法などがある。
関連規格 JIS A 1415 高分子系建築材料の実験室光源による暴露試験方法
JIS A 5759 建築用窓ガラス用フィルム
JIS B 7751 紫外線カーボンアーク灯式の耐光性試験機及び耐候性試験機
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JIS K 7350-4 プラスチック−実験室光源による暴露試験方法 第4部 : オープンフレームカ
ーボンアークランプ
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JIS B 7753:2007の関連規格と引用規格一覧