JIS B 7983:1994 排ガス中の酸素自動計測器 | ページ 2

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なお,燃焼管理などの目的で酸素,二酸化炭素,一酸化炭素などを測定する場合には,次に規定する材
質以外のものを用いてもよい。
(1) 採取管 採取管は,煙道壁などに取り付けて試料ガスを採取する管で,ステンレス鋼管,セラミック
管,石英管などを用いること。
(2) 粗フィルタ 粗フィルタは,試料ガス中のダストを除去し,水分が凝縮しない温度で用いる。フィル
タエレメントは,ステンレス鋼網,セラミック,カーボランダムなどを用いること。
(3) 導管 導管は,試料ガスを粗フィルタから試料導入口に導入する管で,原則として四ふっ化エチレン
樹脂を用い,必要に応じ水分が凝縮しないように保温又は加熱する。
(4) 除湿器 除湿器は,試料ガス又は反応用ガス中の水分を凝縮などの方法によって除去する装置で,空
冷,電子冷却などの方式を用いること。
(5) 微フィルタ 微フィルタは,試料ガス中の微細ダストを除去するためのもので,エレメントは,セル
ロース,合成樹脂などの材料を用いること。
(6) 吸引ポンプ 吸引ポンプは,試料ガスなどを吸引するポンプで,原則としてダイヤフラムポンプを用
いる。接ガス部は,耐食材料,例えば,硬質塩化ビニル,ふっ素ゴム,四ふっ化エチレン樹脂を用い
る。
なお,吸引圧は,9.8kPa [{1 000mmAq}] 以上,流量は採取管で0.5l/min以上を得られるものでなけれ
ばならない。
(7) アスピレータ アスピレータは,試料ガスを吸引するもので,駆動用に水,蒸気又は圧縮空気を用い
る。水又は蒸気駆動のものでは試料ガスの吸引とともに試料ガスの洗浄(1)及び冷却を行い,原則とし
てガスと水との分離器を備え,ドレンの回収,ガス押出圧の定圧化を行う。この場合の吸引圧は,4.9kPa
[{500mmAq}] 以上,流量は0.5l/min以上を得られるものでなければならない。
注(1) 多量の水とガスとの接触は,酸素の水に対する溶解又は溶解酸素の放出による誤差が生じやす
いので注意を要する。
(8) 流量計 流量計は,原則としてフロート形面積流量計を用いること。
(9) 切換弁 切換弁は,試料ガスと校正用ガスの流路切換,又はその他の流路切換の操作を行うバルブで,
手動又は電磁切換弁を用い,その材質は,耐食性のある材料を用いること。
(10) 絞り弁 絞り弁は,分析計に導入する試料ガスの流量を調節し,又は安定化させるための機構に用い
られるバルブで,ニードル弁などを用い,その材質は,耐食性のある材料を用いること。
6.3 分析計
6.3.1 磁気風方式に用いる分析計(磁気風分析計) 磁気風分析計は,図2に例を示すように,測定セル,
比較セル(形式によっては,これらが一体となる場合もある。),熱線素子,磁極,増幅器などからなり,
次による。
(1) 測定セル 測定セルは,磁極と熱線素子によって酸素分子の磁化,消磁を行い,磁気風を発生する部
分とする。
(2) 比較セル 比較セルは,熱線素子によって,試料ガスの熱対流を行わせる部分とする。
(3) 磁極 磁極は,磁界を発生させるためのもので,原則として永久磁石を用いること。
(4) 熱線素子 熱線素子は,電気抵抗の大きい細い金属線で,一定電流によって試料ガスを加熱するとと
もに,試料気流の速さの検出素子としての機能ももっているもの。
なお,この素子は試料ガスによる腐食を防ぐため,ガラスなどの耐食性材料で被覆される場合もあ
る。

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図2 磁気風分析計の構成例
6.3.2 磁気力方式に用いる分析計(磁気力分析計) 磁気力分析計の構成は,次による。
(1) ダンベル形 ダンベル形磁気力分析計は,図3に例を示すように,測定セル,ダンベル,磁極片,偏
位検出部,増幅器などからなり,次による。
図3 ダンベル形磁気力分析計の構成例
(1.1) 測定セル 測定セルは,試料ガス流通室で,磁極間に配置し,ダンベル及び不均等磁界発生磁極片
を内蔵しているもの。
(1.2) ダンベル ダンベルは,磁化率の小さい石英などで作られた中空の球体を棒の両端に付けたもので,
窒素又は空気を封入したもの。
(1.3) 磁極片 磁極片は,外部から永久磁石によって磁化され,不均等磁場を発生するもの。
(1.4) 偏位検出部 偏位検出部は,ダンベルの偏位を検出するためのもので,光源部及びダンベルの棒に
取り付けた鏡からの反射光を受ける受光器からなる。
(1.5) フィードバックコイル フィードバックコイルは,偏位量を打ち消す磁気を電流によって発生させ
るもので,一般に白金線が用いられる。
(2) 圧力検出形 圧力検出形磁気力分析計は,図4に例を示すように,測定セル,磁極,補助ガス用絞り,
検出素子,増幅器などからなり,次による。
(2.1) 測定セル 測定セルは,磁化率の小さい材質でできた試料ガス流通室で,その一部を磁極間に配置
する。

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(2.2) 磁極 磁極は,電磁コイルに周期的に断続して流れる電流によって励磁され,測定セルの一部に断
続的な不均等磁界を発生させるものとする。
(2.3) 検出素子 検出素子は,試料ガスに働く断続的な吸引力を補助ガス用絞りの背圧の差として検出す
るもので,素子には原則として圧力検出形又は熱式流量計形が用いられる。
また,補助ガスには,窒素,空気などを用いる。
図4 圧力検出形磁気分析計の構成例
6.3.3 ジルコニア方式に用いる分析計(ジルコニア分析計) ジルコニア分析計は,図5に例を示すよう
に,高温加熱部,検出器,増幅器などからなり,次による。
図5 ジルコニア分析計の構成例
(1) 高温加熱部 高温加熱部は,検出器を一定の高温度に保持するためのもので,電気炉,温度検出素子,
温度調節器などからなる。
(2) 検出器 検出器は,固体の酸素濃淡電池を形成し,起電力として検出するためのもので,ジルコニア
素子の両面に多孔質電極が取り付けられ,一方の側には試料ガスを流し,他の側には比較ガスを流す。
(3) 比較ガス 比較ガスは,試料ガスの酸素濃度との対比に用いられる濃度既知の酸素ガスで,通常空気
が用いられる。

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6.3.4 電極方式に用いる分析計(電極分析計) 電極分析計は,定電位電解形,ポーラログラフ形及びガ
ルバニ電池形の3形式とも,図6に例を示すように,検出器としてガス透過性隔膜,作用電極,対電極な
どを備えた電解そう,定電位電源(2),増幅器などからなり,次による。
注(2) 定電位電源は,ガルバニ電池形の場合は不要である。
(1) ガス透過性隔膜 ガス透過性隔膜は,電解そう中の電解質の流出や蒸発を防ぐとともに,ガス透過性
を利用して干渉成分の影響を低減させるもので,酸素の透過性に優れ,かつ干渉成分の透過率の小さ
い高分子隔膜で,四ふっ化エチレン樹脂膜などを用いる。
(2) 作用電極 作用電極は,電解質中に拡散吸収された酸素が電解還元されたときに,その濃度に対応し
た電解電流を発生させるための電極で,原則として白金又は金電極を用いる。
(3) 対電極 対電極は,電解そう中で作用電極と対の電気回路を構成し,酸素の還元に必要な所定の還元
電位を与えるための基準となる電極で,銀又は銀化合物,鉛又は鉛化合物電極などを用いる。
(4) 定電位電源(2) 定電位電源は,対電極に一定の電位を与えるための直流電源で,常時一定の起電力が
得られるもの,水銀電池などを用いる。
図6 電極分析計の構成例
6.4 指示記録計 原則として,公害計測用では酸素濃度を等分目盛(リニア目盛)で指示記録する。た
だし,公害計測用で酸素濃度をほかの計測器(例えば,二酸化硫黄自動計測器,窒素酸化物自動計測器)
の演算器入力として使用する場合又は燃焼管理用で酸素濃度を制御に使用する場合は,記録しなくてもよ
い。
6.5 附属装置 計測器には,次の附属装置を付加してもよい。
(1) リニアライザ リニアライザは,濃度と出力との関係を直線化させるために用いるもの。
(2) 自動校正器 自動校正器は,分析計のゼロ及びスパンの校正を一定周期ごとに自動的に行わせるもの。
(3) 平均値演算器 平均値演算器は,1時間ごとの濃度平均値を電気信号として得るために用いるもの。
7. 性能試験方法 性能の試験方法は次による。ただし,5.(1), (6), (12), (13)及び(14)以外の各項目につい
ては,その計測器の最小の測定目盛範囲における試験結果をもって,各測定段階(レンジ)ごとの性能と
してもよい。
(1) 試験条件 試験条件は,次による
(a) 温度 7.(9)以外の項目については10℃30℃の間の任意の温度,7.(9)の項目についてはこの温度範
囲内で,温度変化幅が5℃以上あること。
備考 10℃30℃の間の任意の温度で行われた試験結果,又は,その温度を基準として行われた試験

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結果は,この温度範囲内における他の温度における試験結果も代表するものとする。
(b) 湿度 45%85%の間の任意の自然条件における相対湿度。
(c) 大気圧変化 自然条件における大気圧で変化幅は10hPa [{mbar}] (3)以内。
注(3) 1 bar=105 Pa
(d) 電源電圧 定格電圧±2%
(e) 電源周波数 定格周波数±0.2Hz
(f) 暖機時間 表1に示す時間以上を経過したものとする。
表1 暖機時間
測定原理 暖機時間 (h)
定置形 可搬形
磁気風方式 5 2
磁気力方式 5 2
ジルコニア方式 2 1
電極方式 4 1
(2) 繰返し性(再現性) 計測器にゼロガスを設定流量で導入し,最終値を記録紙上で確認した後,スパ
ンガスを同様に導入し,最終値を確認する。この操作を3回繰り返し,ゼロ値,スパン値の各々の平
均値を算出し,各測定値と平均値との偏差を求める。
(3) 指示のふらつき ゼロドリフト及びスパンドリフト試験における記録において,ドリフト及びスパイ
クノイズを除いた短時間(通常10分間)の指示の変動幅を指示のふらつきとする。
(4) ゼロドリフト ゼロガス(4)を設定流量で導入し,24時間連続測定を行う。ただし,可搬形は4時間と
する。この間におけるゼロ指示の設定値からの最大偏差を求める。必要な場合は,ゼロ値を最大目盛
値の5%程度に設定してもよい。
注(4) ジルコニア方式でのゼロガスは,校正に用いるゼロガス以外に窒素と空気とを一定比率で混合
したガスを用いてもよい。
(5) スパンドリフト ゼロドリフト試験において,試験開始時にスパン調整を行い,試験終了時(24時間
後。ただし,可搬形は4時間後)及び中間に2回以上ゼロガスをスパンガスに代えて導入し,最終値
を記録させる。これらのスパン値において,ゼロドリフトの影響がみられるときは,その変動を補正
する。最初のスパン調整時のスパン値と他のスパン値を比較し,差の最も大きいものをスパンドリフ
トとする。
なお,各スパン測定点は4時間以上離れていなければならない。ただし,可搬形は1時間以上離れ
ていなければならない。
(6) 直線性(指示誤差) ゼロ調整及びスパン調整を行った後,中間目盛付近の濃度の校正ガスを導入し,
指示記録させる。この指示値と校正用ガス濃度表示値との差を求める。
(7) 応答時間 校正ガス導入口(図1-1図1-4のDの箇所)から設定流量でゼロガスを導入し,指示安
定後,流路をスパンガスに切り換える。このときの指示記録での,スパンガス導入の時点から最終指
示値の90%値に達するまでの時間(分又は秒)を測定し,応答時間とする。
(8) 干渉成分の影響 ゼロ調整及びスパン調整を行った後,試験用ガス(5)を導入し,その指示値又は干渉
値を調べる。試験用ガス及び干渉影響の求め方は,表2による。
注(5) ジルコニア方式の試験は,3成分混合ガスで行い,ほかの方式は2成分混合ガスで行う。

――――― [JIS B 7983 pdf 10] ―――――

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JIS B 7983:1994の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 7983:1994の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC1302:2018
絶縁抵抗計
JISK0055:2002
ガス分析装置校正方法通則
JISK0095:1999
排ガス試料採取方法
JISK0213:2014
分析化学用語(電気化学部門)
JISK1107:2005
窒素
JISZ8103:2019
計測用語