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B 8002-1 : 2005 (ISO 3046-1 : 2002)
11.1 全般
11.1.1 出力を表示する目的 出力の表示は,次の二つの主目的のために必要である。
− 出力値の表示
− a)によって表示された出力は,同じ条件の下で,又は条件が異なる場合には,これによって生じる適
切な許容値以内で,実現可能なことを測定によって実証する。
呼び出力値が達成されるべき環境条件を指定するために,次の事項を規定する。
a) 軸出力の呼び方の種類及び必要な場合は大気条件及び運転条件。(11.4参照)
b) 負荷としての出力の種類(11.3参照)
c) 動力としての出力の種類(11.2参照)
d) 呼び機関回転速度(表1参照)
a),b),c)によって機関出力を表示する方法は,図1を参照。適切な出力コードについては,必要な
場合は12. を参照。
備考 a)からc)は組み合わせてもよい。製造方法に適している場合(例えば,連続燃料制限出力
のように)には,達成される出力は呼び出力に公差を付けてよい。このような公差及びそ
の値は製造業者が表示する。
a) 軸出力の呼び方 b) 負荷としての出力 c) 動力としての出力 d) 呼び機関回転速度
の種類 の種類 の種類
重要補機に限定せず
ISO出力 連続出力 すべての従属補機を
(3.3.7) (3.3.4) 装備したときの軸出
力(3.3.3)
燃料制限出力 呼び機関回転
(3.3.6) 速度(3.2.4)
重要従属補機だけ
サービス出力 過負荷出力
を装備したときの
(3.3.8) (3.3.5) 軸出力(3.3.3)
備考1. 図中の括弧内の数字はJIS B 8003の箇条を示す。
2. は,ISO標準出力に適用する。
は,サービス出力に適用する。
図 1 出力表示を示す図
11.1.2 出力及びトルク クランク軸から直接出力を取り出す機関の場合,この規格に規定する出力は,計
算又は測定された平均トルク及び,このトルクを伝達する軸の平均回転速度に比例する。
クランク軸以外から出力を取り出す機関の場合,被駆動機械に関する適切な日本工業規格(日本産業規格)を参照する。
11.1.3 組込み式動力伝達装置付き機関 増速装置又は減速装置を装着した機関の出力を表示する場合に
は,呼び機関回転速度における駆動軸先端の回転速度も記載する。
11.2 出力の種類
11.2.1 出力の種類には,図示出力及び軸出力がある。
――――― [JIS B 8002-1 pdf 11] ―――――
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B 8002-1 : 2005 (ISO 3046-1 : 2002)
11.2.2 ISO標準出力及びサービス標準出力を除き,6.3及び附属書Aに規定する補機を明示する。
a) IS B 8003の3.1.1及び3.1.3で定義する重要従属補機
b) IS B 8003の3.1.2及び3.1.3で定義する重要独立補機
c) IS B 8003の3.1.1及び3.1.4で定義する任意従属補機
11.3 出力適用の種類
出力適用の種類には,連続出力,過負荷出力及び燃料制限出力がある。
過負荷出力の使用が許容される期間及び頻度は使用条件によるが,過負荷出力が出せるように,燃料供
給量の最大制限値に対して余裕をもたせる必要がある。過負荷出力は,許容される期間及び頻度並びに特
定の機関回転速度によって決め,連続出力に対する百分率で表示する。
特別な指示がない場合には,機関適用に一致する回転速度において,連続出力の110 %過負荷出力は,
12時間運転の中で中断又は中断なしに1時間の間許容される。この期間は,連続出力の110 %まで任意の
過負荷出力に適用する。
備考1. 推進用機関の出力は連続出力が通常限界であるため,過負荷出力は適用しない。しかし,特
別な適用として,推進用機関は過負荷出力を用いる場合がある。
2. 発電機用機関には,JIS B 8009-1を適用する。
11.4 出力の呼び方の種類
出力の呼び方の種類として,ISO出力及びサービス出力がある。サービス出
力を確定するために,次の条件を計算にとり入れる。
a) 公的又はこれに準じる機関若しくは注文者が指定する大気条件(15.参照)
備考 例えば,国際船級協会連合(IACS)の規格を適用する推進用の主機関及び補助機関には,航路に
制限がない場合には,次の大気条件を使用する。
− 大気圧 px=100 kPa
− 大気温度 Tx=318 K(tx=45 ℃)
− 相対湿度 φx=60 %
− 海水又は水温度(給気冷却入口) Tcx=305 K(tcx=32 ℃)
b) 機関の一般的負荷条件
c) 所定の整備間隔
d) 機関の管理に要求される諸条件
e) 機関運転サービスに関係した情報(15.及び16.参照)
12. 出力の表記
12.1 出力コードの関連
11.1.1の要求結果として,この規格のコードの意味による出力表示は,三つの異
なった文字で構成される文字コードの組合せを要求し,機関回転速度の記載によって補足する。
文字コード作成の方法は,図2に示す。
追加として,文字Cの後に連続出力を超える割合を表示してもよい(表3,番号3参照)。ここで,連続
出力が標準の10 %を超える場合には,この数字は文字Xに置き代わる(表3,番号4参照)。
12.2 コードによる出力の表示
コードを用いた機関出力は次のように記載する。
a) 文字は図2に示す。
b) 出力の数値及び単位。
c) 機関回転速度及び単位。
――――― [JIS B 8002-1 pdf 12] ―――――
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B 8002-1 : 2005 (ISO 3046-1 : 2002)
例
機関回転速度及び単位
出力及び単位
重要従属補機だけを装備したときの軸出力
連続出力
ISO出力
この表示は機関出力が過負荷かどうかは決定しない,もし機関出力が過負荷にできるならば,例に示す
ICXNのように,割合値を記載する。
d) 呼び機関回転速度
備考1. 図中の括弧内の数字は,JIS B 8003の箇条を示す。
2. 国際船級協会連合(IACS)に対応した国際航海に用いる推進用機関で11.4 a) に基づく標準大気条
件を用いる場合には,サービス出力の表示はSの代わりに出力コードとしてMを用いてもよい。
出力コードとしてMを用いる場合には,その使用場所での特殊な大気条件についての情報を表示
する必要はない。
図 2 出力コードによる出力表示の方法
――――― [JIS B 8002-1 pdf 13] ―――――
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B 8002-1 : 2005 (ISO 3046-1 : 2002)
12.3 出力コードによる出力表示の例
表3は共通出力表示のために用いるコードの例を含む。
表 3 共通出力表示のために用いるコードの例
番号 出力の表示 JIS B 8003箇条番号 コード (1)
1 ISO標準出力 3.3.8 ICN
2 ISO標準燃料制限出力 3.3.6,3.3.8 ICFN
3 ISO標準x %過負荷出力 3.3.8 (2) ICxN (3)
4 ISO標準10 %過負荷出力 3.3.8 (2) ICXN
5 重要従属補機装備ISO過負荷軸出力 3.3.3,3.3.5,3.3.7 ION
6 重要従属補機装備ISO過負荷燃料制限出力 3.3.3,3.3.5,3.3.6,3.3.7 IOFN
7 重要従属補機装備ISO燃料制限軸出力 3.3.3,3.3.6,3.3.7 IFN
注(1) 実際の使用の中で,この表及び図2のコード欄のコード文字は要求されない。
(2) この規格の11.3
(3) の数値を決定する。
例
− 10 %過負荷可能サービス標準出力はSCXNとなる。
− サービス標準燃料制限出力はSCFNとなる。
− 重要従属補機に限定せずすべての従属補機を装備したときのISO過負荷軸出力はIOBとなる。
13. 燃料消費量の表示
13.1 燃料消費量
使用された液体燃料の量は,質量単位(kg)又はエネルギー単位(J)で表示する。
使用された気体燃料の量は,エネルギー単位(J)で表示する。
製造業者によって特別な方法で明記されなければ,記載された燃料消費率はISO燃料消費率で表示する。
13.2 燃料の発熱量
13.2.1 液体燃料機関 ここでは蒸留燃料が指定された場合には,液体燃料機関の記載の質量単位で与えら
れた燃料消費率は,真発熱量42 700 kJ/kgによる。
その他の種類の燃料が指定された場合には,呼び燃料消費率は,エネルギー単位又は,質量単位及び真
発熱量の両方のいずれかを明記する。
参考 標準の発熱量とは異なる発熱量で換算する場合には,使用した発熱量を表示する。
13.2.2 ガス機関 すべてのガス機関の燃料消費率は,ガス燃料の真発熱量と関連付け,ガス燃料の種類を
表示する。
13.3 燃料消費率の表示
機関の燃料消費率は,次の事項を表示する。
a) SO標準出力
b) (特別契約で要求される場合)その他の呼び出力点及び特定の機関回転速度点
他の方法での表示を除いて,呼び出力における燃料消費率に対して+5 %の高い燃料消費は許容される。
14. 潤滑油消費量の表示
14.1 潤滑油消費量の値は参考値として用い,呼び出力及びそのときの機関回転速度における単位時間当
たりの体積L又は質量kgで表示する。
14.2 明記されたすり合わせ運転期間後の潤滑油消費量を表示する。
14.3 潤滑油交換時に捨てる油は,潤滑油消費量には含めない。
14.4 使用潤滑油を表示する。
――――― [JIS B 8002-1 pdf 14] ―――――
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B 8002-1 : 2005 (ISO 3046-1 : 2002)
15. 注文者が提供する情報
注文者は次の情報を提供する。
a) 用途,機関からの要求出力とその他関連した詳細
b) 負荷条件として選ぶべき必要な出力及びそのときの回転速度を使用する頻度と運転継続時間
c) 使用場所の条件
1) 大気圧 : 最高と最低大気圧,圧力の情報がなければ海抜
2) 1年のうち,最も暑い月の毎日の最高気温及び最低気温の月間平均値並びに最も寒い月の毎日の最
低気温及び最高気温の月間平均値を求め,これを平均した気温
3) 使用場所における機関の周囲の最高及び最低の大気温度
4) 使用場所における最高温度状態のときの相対湿度(代わりに水蒸気分圧又は乾湿球温度)
5) 使用可能な冷却水の最高及び最低温度
d) 使用可能な燃料の諸元及び真発熱量
e) 相互に適用を合意した基準若しくは法的な規則,又は特別な要求に合致する必要性の有無
f) 注文者が提供する重要従属補機の特性
g) 機関が特別な用途に用いられる場合には,これに関する情報
16. 機関製造業者が提供する情報
機関の製造業者は次の情報を提供する。
a) 呼び軸出力及び必要に応じてその許容差
b) その時の機関回転速度
備考 回転速度を変化させて用いる場合には,機関が連続使用される場合及び短時間使用される場合
の出力も含めて,一般に出力−回転速度線図を提供する。
固定ピッチプロペラを用いた推進用主機関に対する代表的な例を図3に示す。注文者はこの
ような負荷線図に必要な情報を15.によって機関製造業者に提出するのがよい。
c) 機関の回転方向(JIS B 8001参照)
d) シリンダ数及びその配列(JIS B 8001参照)
e) 2サイクル,4サイクル及び過給機の有無。過給機がある場合には,機械式過給機,ターボ過給機又は
給気冷却器の有無
f) 機関の運転に必要な空気量
1) 燃焼及び掃気用
2) 冷却及び換気用
g) 供給される始動装置の方式及び必要な付加装置
h) 推奨する潤滑油の種類及び等級
i) もし必要な場合にはスピードドループ(JIS B 8002-4及びJIS B 8002-6参照)をもつ調速機の形式。
オールスピード調速機の場合には,可変範囲及びアイドル回転速度。また,必要に応じて,危険回転
速度範囲を指示する。
j) 冷却の方法,並びに潤滑油及び冷却液の循環流量並びに冷却系の容量
k) 空冷の場合には高温になった空気を排出する導管の取付け可否
l) 推奨する保守及び点検並びに分解検査の間隔
m) 推奨する燃料の諸元及び真発熱量
n) 機関燃料供給温度及び/又は粘度
o) 排気系統における最高許容背圧及び最大許容吸気負圧
――――― [JIS B 8002-1 pdf 15] ―――――
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JIS B 8002-1:2005の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 3046-1:2002(IDT)
JIS B 8002-1:2005の国際規格 ICS 分類一覧
- 27 : エネルギー及び熱伝達工学 > 27.020 : 内燃機関
JIS B 8002-1:2005の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB8001:1990
- 往復動内燃機関の構造に関する呼び方及び用語の定義
- JISB8002-4:1998
- 往復動内燃機関―性能―第4部:調速
- JISB8002-6:1998
- 往復動内燃機関―性能―第6部:過回転速度防止
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- 内燃機関―機関出力の決定方法及び測定方法―共通要求事項
- JISB8008-1:2009
- 往復動内燃機関―排気排出物測定―第1部:ガス状排出物及び粒子状排出物の台上測定
- JISB8008-2:2009
- 往復動内燃機関―排気排出物測定―第2部:ガス状排出物及び粒子状排出物の搭載状態での測定
- JISB8008-3:2000
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- 往復動内燃機関―排気排出物測定―第4部:各種用途の定常状態における試験サイクル
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- 往復動内燃機関―排気排出物測定―第6部:試験報告
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- 往復動内燃機関―排気排出物測定―第8部:エンジングループの定義及び決定方法
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- 往復動内燃機関―排気排出物測定―第9部:圧縮点火機関の過渡状態における排気煙濃度の台上測定での試験サイクル及び試験方法
- JISB8009-1:2001
- 往復動内燃機関駆動発電装置―第1部:用途,定格及び性能