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まで機器を冷却した後,該当する試験を連続して行う。
複合機器の場合には,モータ及び電熱素子を通常動作の状態で同時に動作させて試験を行う。この場合,
それぞれのモータ及び電熱素子に対しては,一度に該当する1試験を適用する。
機器は5.9.15及び5.9.16の試験もする。
使用者領域の着脱できる部分は,最も不利な位置に配置するか又は取り外す。
保守領域の着脱できる部分は,保守説明書に従って配置する。保守説明書がない場合は,その部分は最
も不利な位置に配置するか又は取り外す。
容器は,最も不利なレベルまで満たす。
5.9.3 電熱素子をもつ機器は,放熱を制限して,5.9に規定した条件の下で試験を行う。試験に先立ち,
通常動作で入力が一定になった後,電源電圧を定格入力の0.85倍の入力となる値にする。この試験中,電
源電圧の値をこの値に保っておく。
放熱を制限する例は,次の場合がある。
− 水なしで運転させる。
− ファンの電源を切る。
− 換気用開口部を覆う。
5.9.4 試験に先立ち,通常動作で入力が一定になった後,電源電圧を定格入力の1.24倍の入力となる値
にして,5.9.3の試験を再度行う。この試験中,電源電圧の値をこの値に保っておく。
5.9.5 入力を定格入力の1.5倍の値になるようにして,5.8に規定した状態で機器の試験を行う。5.8の試
験を行っている際に温度を制限する制御装置は,短絡しておく。
2個以上の制御装置をもつ機器の場合には,制御装置を順次短絡する。
制御装置がその他の機能も実行する場合は,温度制御をする部分だけ動かないようにする。
5.9.6 管形シーズ式電熱素子(シーズヒータ)又は埋込式電熱素子をもつ機器に対しては,5.9.5の試験
を再度行う。この場合,制御装置は短絡せず,電熱素子の一端はシーズに接続しておく。
機器に供給する電源の極性を逆にして,また,電熱素子の反対側の一端をシーズに接続して,上記試験
を繰り返す。
固定配線に接続したままにしておくようになっている機器及び5.9.5の試験を行っているときに全極遮
断が生じる機器に対しては,この試験は行わない。
中性線をもつ機器の場合には,中性線をシーズに接続して試験を行う。
埋込式電熱素子の場合には,金属外郭はシーズとみなす。
5.9.7 PTC電熱素子は,電力及び温度が一定になるまでその動作電圧を供給する。
それから,PTC電熱素子に加える電圧は,再び定常状態に達成するまで,その動作電圧を5 %上昇させ
る。試験は,そのPTC電熱素子が動作電圧の1.5倍の電圧に達するまでか,又はその電熱素子が破裂する
までのうち,いずれか初めに発生するまで繰り返す。
機器のその他の部分は,この試験中に加えられる電圧によって,損傷されないように注意を払わなけれ
ばならない。PTC電熱素子に加える電圧は別に供給してもよい。
5.9.8 モータを次の条件で拘束状態にして,機器を運転する。
− 回転子拘束時のトルクが全負荷トルクより小さい場合には,回転子の拘束。
− その他の機器の場合には,可動部の拘束。
2個以上のモータをもつ機器の場合には,個々のモータ単体で試験を行う。
保護装置付きモータユニットに対する代替試験については,JIS C 9335-1の附属書Dを参照。
――――― [JIS B 8561 pdf 11] ―――――
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補助巻線回路にコンデンサを使用しているモータをもつ機器は,回転子を拘束し,そのコンデンサを開
放(一度に1個だけとする。)して運転する。また,JIS C 4908に適合しないコンデンサを使用している場
合には,そのコンデンサを短絡(一度に1個だけとする。)して,上記試験を繰返す。
注記 この試験は,回転子を拘束した状態で行うが,それは,コンデンサをもつモータの中には,始
動するものがあったり,始動しないものがあったりして,結果がばらつくためである。
タイマ又はプログラマをもつ機器は,各試験を行う場合,タイマ又はプログラム制御装置で調整するこ
とのできる最大時間に等しい時間定格電圧で運転する。
その他の機器は,定格電圧を加えて定常状態に達するまで運転する。
試験中,巻線の温度を測定する。
機器は,試験するモータに対して最も不利な販売サイクルで運転する。
5.9.9 三相モータをもつ機器の1相の結線を外す。引き続いて,5.9.8に規定した時間,通常動作で定格
電圧を加えて機器を運転する。
5.9.10 遠隔制御若しくは自動制御によって運転するモータをもつ機器,又は連続運転を行う可能性のある
機器には,過負荷運転試験を行う。
定常状態に達するまで,通常動作で定格電圧を加えて機器を運転する。次に,負荷を重くして,モータ
巻線に10 %多く電流を流し,再び定常状態に達するまで機器を運転する。この間,電源電圧は定格電圧に
保っておく。このようにして,負荷を順次重くしていき,保護装置が作動するまで又はモータの回転が止
まるまで試験を繰り返す。
試験中,巻線の温度を測定する。
負荷を段階的に重くすることのできない場合には,モータを機器から取り外し,モータ単体で試験を行
う。
保護装置付きモータユニットに対する代替試験については,JIS C 9335-1の附属書Dを参照。
5.9.11 直巻モータをもつ機器は,最も軽い負荷をかけて,定格電圧の1.3倍の電圧で1分間運転する。
この試験を行った後,機器の安全性が損なわれないかを調べる。特に,巻線及び接続部には,緩みが生
じていないかを調べる。
5.9.12 回路全体又は回路の一部について,5.9.12 b)に規定した故障状態を起こさせて,電子回路の試験を
行う。ただし,5.9.12 a)に適合するものを除く。
JIS C 6575規格群に適合する小形ヒューズを作動させることによって,故障状態のもとでの機器の安全
性を確保している場合には,5.9.13の試験を行う。
試験中及び試験後,巻線の温度を測定する。さらに,機器は,5.9.14について調べる。特に,5.15.2 a)
に規定したテストフィンガ又は5.15.2 b)に規定したテストピンの充電部への接触を調べる。保護インピー
ダンスに流れる電流は,5.15.2 d)に基づき調べる。
プリント基板の導体が切断した場合には,次の3条件すべての試験を行う。
− プリント基板はJIS C 6065の20.1の燃焼試験を行う。
− 導体の緩みによって,充電部と可触金属部との間の沿面距離及び空間距離を調べる。
− 切断した導体を橋絡して5.9.12 b)の試験を行う。
注記1 上記各試験を行った後,部品を交換する必要がない場合には,電子回路に関する最後の試験
を行った後にだけ5.9.14の耐電圧試験を行えばよい。
注記2 通常,機器及びその回路図を調べることによって,起こさせる必要のある故障状態が分かる。
それによって,最も不利な結果になると思われる場合だけに限定して試験を行うことができ
――――― [JIS B 8561 pdf 12] ―――――
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る。
注記3 通常,試験を行う場合には,電源のじょう乱によって生じるおそれのある故障も加味する。
a) 次の条件のいずれにも適合する回路又はその一部には,5.9.12 b)に規定した1)6)までの故障状態を
適用しない。
− 電子回路が,次に述べるように小電力回路である。
− 電子回路が正しく機能しなくても,機器の他の部分に感電,火災,機械的危険又は危険に結び付
く機能停止保護対策に悪影響を及ぼすことがない。
小電力回路は,次の場合であり,JIS C 9335-1の図6にその例示がある。
定格電圧で機器を運転し,小電力か否かを知りたい点と電源の反対側の極との間に可変抵抗器を接続し
て,その抵抗値が最大になるように調整する。
次に,その抵抗器で消費する電力が最大になるまで抵抗値を減らす。5秒後にこの抵抗器で消費する最
大電力が15 W以下となる電源側に最も近い点を小電力点とする。電源側から見て小電力点以降の回路部
を小電力回路とみなす。電力計を用いて,可変抵抗器で消費する電力を測定する。
注記1 電源の片側の極からだけ測定を行う。この場合,小電力点が最も少なくなる極が望ましい。
注記2 小電力点を求める場合には,電源に近い点から始めるのがよい。
b) 次の故障状態を想定し,必要に応じて,一度に1故障を起こさせる。この場合,引き続いて起きる故
障も加味する。
1) IS C 9335-1の29.1に規定した値に満たない電位が異なる充電部相互間の沿面距離及び空間距離の
短絡。ただし,関連部分を十分密封してある場合は,この限りではない。
2) 各部品端子部の開放。
3) IS C 5101-14又はJIS C 6065の14.2(コンデンサ及びRC複合部品)に適合しないコンデンサの短
絡。
4) 集積回路以外の電子部品の任意の2端子間の短絡,この故障状態は二つの回路間のオプトカプラに
は適用しない。
5) ダイオードモードになるトライアックの故障。
6) 集積回路の故障。この場合,その部品が正しく機能しなくても,安全性に悪影響を及ぼさないこと
を確かめるために,危険に結び付くと考えられるあらゆる状況を調べる。
出力信号すべてが集積回路内で故障状態になると考える。ある出力信号が発生するおそれがないことが
分かった場合には,それに関連する故障は考えない。サイリスタ,トライアックといった部品は,故障状
態6)は適用しない。マイクロプロセッサは,集積回路として試験する。
さらに,小電力点を電源の極(小電力点測定を行った方の極)に接続して,各小電力回路を短絡する。
故障状態を起こさせる場合には,5.8に規定した条件で機器を運転するが,電圧は定格電圧を加える。
故障状態は,定常状態になるまで維持する。
機器内で電源の遮断が生じた場合には,その時点で試験を打ち切る。
5.10に適合するために作動する電子回路をもつ機器の場合には,上記1)6)までの1故障を起こさせ,
関連する試験を繰り返す。
密閉した部品,その他これに類する部品には,故障状態6)を適用する。ただし,他の方法によって,そ
の回路を調べることができる場合は,この限りでない。
部品製造業者の仕様どおりに使用している正温度係数抵抗器 (PTCs),負温度係数抵抗器 (NTCs) 及び
電圧従属抵抗器 (VDRs) は,短絡させない。
――――― [JIS B 8561 pdf 13] ―――――
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5.9.13 5.9.12 b)に規定する故障状態に関して,電気用品の技術上の基準を定める省令(昭和37年通商産
業省令第85号)別表第三に適合するヒューズ又はJIS C 6575規格群に適合する小形ヒューズを作動させ
て機器の安全性を保っている場合には,その小形ヒューズの代わりに電流計を用いて試験を再度行う。
測定された電流がヒューズ定格電流の2.1倍以下の場合には,その回路は保護が十分であるとはみなさ
ず,したがって,この場合にはヒューズを短絡して試験を行う。
流れる電流がヒューズ定格電流の2.75倍以上の場合には,その回路は保護が十分であるとみなす。流れ
る電流がヒューズ定格電流の2.1倍を超え,2.75倍未満の場合には,ヒューズを短絡して次の時間試験を
行う。
− 速断形ヒューズの場合には,関連する時間又は30分間のいずれか短い方の時間。
− タイムラグヒューズの場合には,関連する時間又は2分間のいずれか短い方の時間。
− 速断形又はタイムラグである旨の表示のないヒューズは,関連する時間又は4分間のいずれか短い方
の時間。疑義を生じた場合には,ヒューズの最大抵抗値を加味して電流の測定を行う。
JIS C 6575規格群に規定の溶断特性に基づいて,ヒューズが保護装置としての役目を果たしている
か否かを調べる。JIS C 6575規格群には,ヒューズの最大抵抗値を算出するのに必要な事項も盛り込
んでいる。その他のヒューズは,5.9.2に基づく故意に作った弱い部分とみなす。
注記 特殊な特性をもつヒューズは,その特性を考慮する。
5.9.14 試験中に,機器に炎の発生,金属の溶融,危険な量の有毒性又は可燃性ガスの発生及び温度上昇は
表3の測定箇所を調べる。
試験後及び各部の温度がほぼ室温と同じ温度になるまで機器を自然冷却したとき,外郭に5.15.2につい
て調べ,また,機器が引き続き運転できる状態にある場合には,機器は5.15.1について調べる。
表3−異常時における温度上昇測定箇所
測定箇所
・試験用コーナの壁,天井及び床a)
・電源コードの絶縁物a)
注a) モータ駆動機器の場合には,これらの温度上昇は測定しない。
試験後,各部の温度がほぼ室温と同じ温度になるまで自然冷却したときの機器の絶縁部は,5.1に規定し
た耐電圧試験を行う。
この場合,試験電圧は次による。
− 基礎絶縁は,1 000 V。
− 付加絶縁は,定格電圧が130 Vを超える機器に対しては2 750 V,その他の機器に対しては1 500 V。
− 強化絶縁は,定格電圧が130 Vを超える機器に対しては3 750 V,その他の機器に対しては2 500 V。
通常使用時に導電性の液体に浸す機器又は導電性の液体を入れる機器の場合には,耐電圧試験に先立ち,
機器を24時間水に浸すか又は水を満たしておく。
試験中,溶融したプラスチックの放出がないかを調べる。
80 ℃を超える温度をもつ液体,蒸気又は固体の物体は,人身損害を引き起こすおそれがあるような,予
期しない場所からの放出がないかを調べる。
試験後,5.2の試験を行う。
注記 耐電圧試験は,電気絶縁に影響を与えるおそれがある場合は,各試験後に実施してもよい。
――――― [JIS B 8561 pdf 14] ―――――
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5.9.15 機器は,定格電圧を供給し通常動作で運転する。通常使用で予想される動作又は欠陥を適用する。
損傷した構成部品又は部品は,各試験後に取り替える。
故障状態の例は,次の場合がある。
− 機器中の欠陥
・ プログラムが,任意の位置で停止する。
・ プログラムの任意の部分において,電源の一相以上の遮断及び再接続
・ 構成部品の短絡又は開放
・ 電熱素子を通常使用で,オン及びオフに切り換えるコンタクタの主接点を“オン”位置に固定す
ること。ただし,直列接続された2組以上の接点を備えている機器を除く。このことは,互いに
独立して動作する2個のコンタクタを設けるか,又は独立した2組の主接点を動作させる2個の
独立接触子をもつ1個のコンタクタを設けることで,達成してもよい。
・ バルブの故障
・ 空気圧又は水圧による制御装置の故障
・ 貨幣又は物品の経路の詰まり。詰まりが機器の外側から分かるならば,次の送出は試みない。そ
うでなければ,機器は次の送出ができなくなるまで運転する。導電材料に物品を包み込むことは,
考慮しなければならない。
− 使用者による誤った操作
・ ノブ,ハンドル,スイッチ又はプッシュ・ボタンの不適正な作動
・ 装置利用可能手段による販売動作の中断
・ 扉又はふたの不適正な開放又は閉止
− 保守説明書の不適切な適用
・ 不適正な日常的な清掃。5.2.5のスポンジテストは,使用者領域及び保守領域のすべての表面に適
用する。ただし,清掃説明書が定める表面は除く。
・ 最も不利な位置での,制御装置,スイッチ又はプログラマの設定
・ 不適正なローディング
・ 不適正な貨幣回収
・ 扉又はふたの不適正な開放又は閉止
・ ノブ,ハンドル,スイッチ又はプッシュ・ボタンの不適正な作動
− 使用者による悪用
・ 販売用開口部のふさぎ
・ 危険を引き起こすおそれがある可動部品の拘束
一般に,試験は最も不利な結果を与えると予想できる故障状態に限る。
機器の中に,水を入れない運転がより厳しい条件であると考えられる場合は,試験は上水道を閉じた状
態にして行う。ただし,販売作動中は閉じない。
5.9.16 可触開口部をもつ機器は,塩化ナトリウム含有率が約1 %の水0.25 Lを各開口部にゆっくり注入
して試験する。開口部が垂直面にあるならば,水は開口部に向けて噴射する。可触開口部は,貨幣又はカ
ードの差入れ口を含む。
5.10 販売作動
販売作動試験は,定格周波数に等しい周波数の定格電圧に等しい電圧を加え,実販売状態で収納する全
量分について,売切状態になるまで次の試験条件で行う。
――――― [JIS B 8561 pdf 15] ―――――
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JIS B 8561:2007の国際規格 ICS 分類一覧
- 55 : 包装及び物流 > 55.230 : 配送機械及び自動販売機械
JIS B 8561:2007の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISC0922:2002
- 電気機械器具の外郭による人体及び内部機器の保護―検査プローブ
- JISC1102-2:1997
- 直動式指示電気計器 第2部:電流計及び電圧計に対する要求事項
- JISC1102-3:1997
- 直動式指示電気計器 第3部:電力計及び無効電力計に対する要求事項
- JISC1102-4:1997
- 直動式指示電気計器 第4部:周波数計に対する要求事項
- JISC1211:1995
- 電力量計(単独計器)
- JISC1509-1:2017
- 電気音響―サウンドレベルメータ(騒音計)―第1部:仕様
- JISC4908:2007
- 電気機器用コンデンサ
- JISC5101-14:2014
- 電子機器用固定コンデンサ―第14部:品種別通則:電源用電磁障害防止固定コンデンサ
- JISC60068-2-75:2019
- 環境試験方法―電気・電子―第2-75部:ハンマ試験(試験記号:Eh)
- JISC6065:2016
- オーディオ,ビデオ及び類似の電子機器―安全性要求事項
- JISC6575:1975
- 電子機器用筒形ヒューズ
- JISC8280:2011
- ねじ込みランプソケット
- JISC8280:2021
- ねじ込みランプソケット
- JISC9335-1:2014
- 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性―第1部:通則
- JISC9335-2-34:2019
- 家庭用及びこれに類する電気機器の安全性―第2-34部:電動圧縮機の個別要求事項
- JISZ8401:2019
- 数値の丸め方
- JISZ8731:2019
- 環境騒音の表示・測定方法