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附属書A
(規定)
器差検査の方法(衡量法)
A.1 一般
器差検査の一般事項は,次による。
a) 検査場所 計量システムの器差検査の実施場所は,使用する実際の現場で設置された状態で計量シス
テムの購入者の引渡し前に実施する。
なお,表4の受渡検査以外の器差検査にこの規定を適用する場合は,製造事業者又は第三者機関の
試験設備で実施してもよい。
b) 動作条件 計量システムの動作条件の限界内で実施する。検査は,少なくとも,計量性能に影響する
装置を設置した状態で表A.1によって行う。
表A.1−充条件
充条件 圧力 あらかじめ定められた圧力a)
ガス温度 −40 ℃+85 ℃
(容器内水素燃料温度)
注a) 圧縮水素スタンドの圧力区分及びプレクール種類に応じて
選択された表から,外気温度と容器の初期圧力とに応じて
定められた充圧力の上限値(MPa)以下の値とする。
c) 検査の準備 検査の準備は,次による。
1) 検査を実施するための計量事前条件 定格動作条件下で実施しなければならない。検査を開始する
前に,計量システムは,製造事業者からの取扱説明書などに従って,熱的安定化を可能にするため
に十分であるとみなされる時間にわたり起動し待機状態にある運転モードになっていたことを検証
しなければならない。
2) 検査に使用する燃料 計量システムで供給される水素燃料を用いる。
3) 検査装置の仕様 検査装置の主な仕様を表A.2に例示する。充は,車両への充を模擬した条件
下で行う必要があるため,充モジュールも水素燃料タンクを模する必要がある。
表A.2−検査装置の構成例
検査装置 移動式製造設備又はこれに準ずる構成
容器 a) 圧縮水素自動車燃料装置用容器を一般複合容器として使用 36 L×3本
b) 国際圧縮水素自動車燃料装置用容器を当該容器と同等の取扱いで使用
附属品 圧縮水素自動車燃料装置用附属品を工業バルブとして使用
高圧ガス設備 圧縮水素スタンドの高圧ガス設備(水素が通る部分に限る。)に使用する材料
(水素が通る部分に限る。)
4) 充量 水素充量は,最小測定量相当及び最高圧力での充用として最小測定量の2倍以上とす
る。
5) 水素充 充は,計量システムのノズルを用い,検査装置のレセプタクルに接続して行う。
6) 検査の実施概要 検査の実施概要は,表A.3による。
――――― [JIS B 8576 pdf 36] ―――――
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表A.3−検査の実施概要
プリコンディショニング 被検査計量システムは,製造事業者が指定した予熱時間以上の期間,起動し待機
状態にある運転モードで電源を入れておく。次に,被検査計量システムは,検査
前に有用な参照値を表示するように調整する。この値は,可能な限りゼロ表示ま
で調整してもよい。
電源は,検査継続中は“オン”にしておく。
被検査計量システムの条件
実施 参照条件を安定に保ち,(シミュレートした)流量を適用しながら,少なくとも
計量値として2個の異なる値を記録する。各記録は,次の事項を含まなければな
らない。
a) 日付及び時間 e) 表示値
b) 温度 f) 器差の値
c) 相対湿度 g) 機能性能
d) 測定量の値 h) 大気圧
許容変動 全ての機能は,設計どおり動作しなければならない。全ての器差の値は,表1
に規定した最大許容誤差以内でなければならない。
A.2 検査の手順
検査の手順は,次による(図A.1参照)。
a) あらかじめ検査をする計量システムに水素燃料を一回以上空通しする。
b) 計量システムによる充は,計量のスタート,ノズルの取付けからノズルを取り外し充終了までの
一連の操作を調整なしで行う。充前後の容器の質量差と計量システムの質量値との差が表1の最大
許容誤差以内であることを確認する。充には,充後のノズル脱着のための脱圧操作による脱圧ガ
ス量も含まれるが,6.7.1の方法によって脱圧量を取り扱う。
c) 充は,検査容器に対して,次の充を計量システムの自動充で行う。
1) 所定回数
− 最高圧力での充で少なくとも1回以上とする。
− 最小測定量想定充で少なくとも1回以上とする。
2) シーケンス
− 検査容器を空に近い状態から充可能な最高圧力Pvまで充する。
− 検査容器を0.7 Pvまで排気する。
− 検査容器を0.7 PvからPvまで再充する。
d) 検査中の水素燃料及び容器の圧力管理及び温度管理は,次による。
1) 充は,計量システムの常用圧力範囲内で行う。
2) 検査容器内水素燃料温度が許容範囲を超えないように監視し,ガス温度範囲の上限の95 %以上に達
するおそれがある場合には,速やかに充を終了する。
e) 充準備は,次による。
1) あらかじめ水準出し,防振,防風,結露防止など必要な措置を講じておき,タンク内圧力(ガス量)
が空相当であることを確認し,タンク及び計量システム付近に取り付けられた各圧力及び各温度,
相対湿度,日時及びはかりの指示値(又はゼロ)を記録する。また,計量システムの条件,プレク
ール温度,常用圧力及び指示圧力を記録する。
2) 充量に相当する分銅を装置に載せて,はかりの指示値を確認した後,記録し,分銅を降ろし,は
かりの指示値を読む。
――――― [JIS B 8576 pdf 37] ―――――
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3) 計量システムを通常の充填操作に入った状態の充モードにする。
はかりの設置(検査装置に内蔵)
(水平確認,ウォームアップ,風袋でゼロの安定性確認)
検査質量範囲に付きはかりの校正
(所定精度以上の分銅を用いスパン校正)
初期圧力の調整
圧力容器の初期質量計量(風袋引き操作)
カウンタ表示確認,ノズル接続,計量システム起動
充作業(所定充圧まで)
(ホース内脱圧)
高圧容器装置からノズルの取り外し
充完了後,質量表示機構の質量値の読取り
(脱圧量補正後の値)
はかりの表示値の確認
(器差の算出)
圧力容器内の水素燃料を放出
所定回数繰返し
器差の決定
図A.1−衡量法による検査手順
f) 充手順は,次による。
1) 計量システムを通常の充操作に入った状態の充モードにする。
2) ノズルを検査装置のレセプタクルに接続する。
3) 通常の充を行う。
――――― [JIS B 8576 pdf 38] ―――――
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4) 計量システムの自動終了によって最高圧力まで充を行う。
5) 最小測定量の充は,最小測定量をプリセット又は0.7 Pv圧からの最高圧力まで充を行う。
6) ノズルホースの脱圧を行う。
7) ノズルをレセプタクルから外す。
8) はかりの質量指示値を確認する。計量するときは,はかりに外力がかかってはならない。したがっ
て,充ホース,配管,ケーブル類などは接続しない。
9) 次の項目について記録する。
− 検査項目(最高充圧力,最小測定量,回数,日時時間及び計量システムの銘板表記)
− 計量システムの質量表示値
− 各部の圧力及び温度,相対湿度,大気圧及び重力加速度(重力加速度は,必要な場合に記録する。)
− 計量システムの条件(プレクール温度,常用圧力及び指示圧力)
− 器差の計算
− 機能評価
注記 器差検査成績書の例を表F.2に示す。
A.3 検査装置
検査装置は,次による。
a) はかりは,JIS B 7611-1又はJIS B 7611-2の規定に適合し,かつ,次のいずれかの事項に適合するも
のを用いる。
− 計量法に基づく検定証印又は基準適合証印が付されているか,又はb) の分銅と載せ替えて使用す
るもの。
− 目量は,検査の際に通過させる水素の質量(最小測定量未満の場合は最小測定量)に対して1/1 000
未満で,かつ,最小測定量に対する最大許容誤差及び被検査計量システムの目量の1/10以下のもの。
b) 分銅は,一級基準分銅より上位の基準分銅又はこれと同等以上の精度の分銅。
c) 次の外乱などを抑制できる構造とする。
− 風防(風などの外乱及び防御)
− 結露,氷結などの影響を受けないように,露点の管理を行う。
− ノズルは,取り外すことができる。
− ホース,配管又はケーブル類の影響が大きい場合は,取り外すことができる。
− 過度の温度変化圧力変化による影響を少なくするため,監視制御できる。
− 車など外部からの振動
d) 計量誤差要因を小さくするため,次の項目を検査現場で考慮することが望ましい。
− 大気圧,気温及び湿度
− 重力加速度
− 装置の経年変化
− 水準及び偏荷重
A.4 検査結果における精度等級の取扱い
器差検査の結果,計量システムに表記されている精度等級と異なる等級に表記を変更することはできな
い。ただし,受渡当事者間の協定によって,下位の精度等級に変更することはできる。この場合,表1に
――――― [JIS B 8576 pdf 39] ―――――
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規定する下位の精度等級の目量及び箇条16に規定する精度等級の表示を満足するようにしなければなら
ない。
――――― [JIS B 8576 pdf 40] ―――――
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JIS B 8576:2016の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.040 : 線及び角度の測定 > 17.040.30 : 測定機器
JIS B 8576:2016の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB7611-1:2005
- 非自動はかり―性能要件及び試験方法―第1部:一般計量器
- JISB7611-2:2015
- 非自動はかり―性能要件及び試験方法―第2部:取引又は証明用
- JISZ8103:2019
- 計測用語