JIS B 8813:2013 電動ウインチ | ページ 2

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表1−等級
荷重の状態 荷重スペク 総運転時間a)
トル係数 h
Km b) 200 400 800 1 600 3 200 6 300 12 500 25 000 50 000 100 000
軽 0.125 M1 M2 M3 M4 M5 M6 M7 M8
(非常にまれに定格荷重を
受けるが,通常は軽荷重を
受ける機械装置)
中 0.25 M1 M2 M3 M4 M5 M6 M7 M8
(ある程度の頻度で定格荷
重を受けるが,通常は中荷
重を受ける機械装置)
重 0.5 M1 M2 M3 M4 M5 M6 M7 M8
(頻繁に定格荷重を受ける
が,通常は中荷重以上を受
ける機械装置)
超重 1.0 M2 M3 M4 M5 M6 M7 M8
(定常的に定格荷重を受け
る機械装置)
等級の考え方を,等級M4を例に,次に示す。
− 等級M4の電動ウインチは,荷重の状態が超重のとき,総運転時間が800時間を超えるように設計する。
− 荷重の状態が超重で総運転時間が1 200時間の電動ウインチは,等級M4と表示する。
注記 この表は,JIS B 8822-1:2001を基に作成している。
注a) 総運転時間は,予想される最大使用時間で表す。
b) 荷重スペクトル係数Kmについては,附属書Bを参照。

4.2 定格荷重

  代表的な定格荷重を表2に示す。
表2−定格荷重
単位 t a)
0.1 0.125 0.15 0.16 0.2 0.25 − − 0.32 0.4 − 0.5 0.63 0.75 0.8
1 1.25 1.5 1.6 2 2.5 2.8 3.0 3.2 4 4.8 5 6.3 7.5 8
10 12.5 15 16 20 25 − 30 32 40 − 50 63 − 80
100 − − − − − − − − − − − − − −
注記 この表は,JIS B 8832を基に作成している。
注a) 単位はキログラム(kg)で表示してもよい。

4.3 定格電圧及び定格周波数

  定格電圧は600 V以下とし,定格周波数は50 Hz及び/又は60 Hzとする。

4.4 電動機の定格

  電動機の定格は,次の短時間定格又は反復定格とする。
a) 短時間定格 短時間定格は,表3による。
表3−短時間定格
単位 min
5 7.5 10 15 20 30 40 50 60

――――― [JIS B 8813 pdf 6] ―――――

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b) 反復定格 負荷時間と休止時間との合計に対する負荷時間の割合を負荷時間率(%ED)で表し,各負
荷時間率と最大始動頻度との組合せを反復定格と定義して,表4又は表5による。
なお,2速形の反復定格については,負荷時間率では低速と高速との割合を1:2とし,最大始動頻度
では低速と高速との割合を2:1とする。
表4−反復定格(1速形の場合)
項目 1速形
負荷時間率 %ED 15 20 25 30 40 50 60
最大始動頻度 回/h 90 120 150 180 240 300 360
表5−反復定格(2速形の場合)
項目 2速形(低速/高速)
負荷時間率 %ED 5/10 7/13 8/17 10/20 13/27 17/33 20/40
最大始動頻度 回/h 60/30 80/40 100/50 120/60 160/80 200/100 240/120

5 性能

5.1 温度上昇

  温度上昇は,7.2.1又は7.2.2によって試験を行ったとき,電動機巻線及び電磁ブレーキ巻線の温度上昇
が表6の値以下でなければならない。
なお,周囲温度は,40 ℃以下とする。
表6−温度上昇限度
単位 K
区分 耐熱クラスa) 温度上昇限度
電動機巻線 120 (E) 75
130 (B) 80
155 (F) 105
180 (H) 125
電磁ブレーキ巻線 120 (E) 100
130 (B) 110
155 (F) 135
180 (H) 160
注a) 耐熱クラスの定義はJIS C 4003による。

5.2 始動電圧

  始動電圧は,7.3によって試験を行ったとき,巻上げができなければならない。

5.3 巻上ロープ速度及び巻下ロープ速度

  巻上ロープ速度及び巻下ロープ速度の許容範囲は,7.4によって試験を行ったとき,定格ロープ速度の表
示値1) に対して表7による。
なお,横引きの電動ウインチにおいては,ロープを巻き込む速度を巻上ロープ速度とし,ロープを巻き
出す速度を巻下ロープ速度とする。
注1) 表示値とは,カタログ,仕様書,銘板などに表示された値をいう。

――――― [JIS B 8813 pdf 7] ―――――

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表7−巻上ロープ速度及び巻下ロープ速度の許容範囲
定格ロープ速度 巻上ロープ速度の許容範囲巻下ロープ速度の許容範囲
m/min % %
2未満 ±20 −20+25
2以上 ±10 −10+25

5.4 ブレーキ

  ブレーキは,7.5によって試験を行ったとき,確実に停止しなければならない。また,荷が停止するまで
の距離は,1分間の巻上距離の1.5 %以下とする。

5.5 巻上電流

  巻上電流は,7.6によって試験を行ったとき,表示値1) 以下でなければならない。

5.6 過巻防止

  過巻防止は,7.7によって試験を行ったとき,過巻きを防止できなければならない。

5.7 過負荷特性

  過負荷特性は,7.8によって試験を行ったとき,各部に異常があってはならない。

5.8 絶縁抵抗

  絶縁抵抗は,JIS B 9960-32の18.3(絶縁抵抗試験)によって行い,規定を満たさなければならない。

6 構造

6.1 一般構造

  一般構造は,次による。
a) 電動ウインチは,電動機を用い,ベース又は台車(クラブ)の上に減速機,ドラム,ブレーキなどを
配置し,電装品及びその附属品を加えて構成され,ワイヤロープが巻き付けてあるドラムを減速回転
させることによって,荷の巻上げ,巻下げ,平面及び斜面の横引き(けん引)などを行う構造とする
(図1及び図2参照)。
注記 電動機を用いる代わりに油圧で駆動するウインチ,又は空気圧を利用して駆動するウインチ
は適用範囲に含まれないが,構造が類似している。電動機を用いないウインチの一般構造を
附属書Cに示す。

――――― [JIS B 8813 pdf 8] ―――――

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図1−電動ウインチ(巻上げ用)
図2−電動ウインチ(横引き用)
b) 電動ウインチをクラブ式クレーンなどで使用する場合は,シーブ,エコライザシーブ,フックなどが
接続される(図3参照)。

――――― [JIS B 8813 pdf 9] ―――――

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図3−電動ウインチ(クラブ台車付)
c) 電動ウインチの電気装置(電動機及び制御部)の保護方式は,JIS C 4034-5又はJIS C 0920の規定に
よる保護方式の分類に従い,その規定による性能を満足しなければならない。
なお,電動機及び制御部は一体又は連結される場合が多いが,電動機と制御部とが分離している場
合,又はそれぞれの保護方式が異なる場合は,電動機と制御部との間で保護等級が低い方,又はそれ
ぞれの保護方式を表示してもよい。
d) 外観は,使用上有害なきず,割れ,さび,まくれ,その他の欠陥がなく,各部の仕上げは良好でなけ
ればならない。
e) 溝付きドラムの溝にワイヤロープが巻き込まれる方向と当該溝に巻き込まれるときの当該ワイヤロー
プの方向との角度は,4°以内とする(附属書D参照)。
f) 溝付きドラム以外のドラムに係るフリートアングルは,2°以内でなければならない(附属書D参照)。
g) ロープがドラム上で多層巻きされる場合,フランジ部でのフリートアングルは,ロープの乗り上げを
防止するため,0.5°を超えた角度とする。

6.2 ワイヤロープ

  ワイヤロープの選定は,JIS B 8835-1による。ガイドされていない荷を一本づりのロープでつる場合は,
非自転性ロープの使用が望ましい。

6.3 ドラム

  ドラムは,次による。
a) ドラムは,溝なし又は溝付きのいずれでもよい。
b) 溝付きドラムは,溝が滑らかで,表面にロープの損傷の原因となる欠陥があってはならない。また,
エッジ部分には丸みをもたせる。
c) ドラムは,ロープの締付け力及びロープによる側圧力に耐える構造とする。
d) ロープの巻出し下限位置で,ドラムに少なくとも2巻き以上残っていなければならない。
e) ロープ固定端におけるドラムのロープ端末止めは,ドラムに巻いたロープの余巻きによる摩擦の影響

――――― [JIS B 8813 pdf 10] ―――――

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