JIS C 1400-21:2005 風力発電システム―第21部:系統連系風車の電力品質特性の測定及び評価 | ページ 6

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C 1400-21 : 2005
切換運転のケース 発電機切換最悪ケース
切換運転の最大数,N10
切換運転の最大数,N120
回路インピーダンス位相角,Ψk(°) 30 50 70 85
フリッカステップ係数,kf(Ψk)
電圧変化係数,ku(Ψk)
B.7 高調波 この項は,半導体電力変換装置をもつ風車だけに関連する。
次数 出力 高調波電流 次数 出力 高調波電流
kW Inの% kW Inの%
2 3
4 5
6 7
8 9
10 11
12 13
14 15
16 17
18 19
20 21
22 23
24 25
26 27
28 29
30 31
32 33
34 35
36 37
38 39
40 41
42 43
44 45
46 47
48 49
50
最大総合高調波電流ひずみ(Inの%)
最大総合高調波電流ひずみにおける出力(kW)

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附属書B(参考)電圧変動及びフリッカ
この附属書(参考)は,本体及び附属書(規定)に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではな
い。
B.1 連続運転 連続運転におけるフリッカの測定及び評価手順を附属書B図1に示す。附属書B図1か
ら,測定手順は比較的広範囲で,評価手順はかなり単純であることがわかる。
附属書B図 1 連続運転におけるフリッカの測定及び評価手順
附属書B図1に示した測定手順を,次に記述する。
a) カットイン風速から15 m/sにわたる,多数の電圧um(t)及び電流im(t)の時系列データを測定する。
b) それぞれ測定された時系列データは,適切な短絡容量Sk,fic及び4種類の異なる回路インピーダンス
位相角Ψkをもつ仮想回路上の電圧変動を模擬するため,入力として用いる。
c) それぞれの模擬された瞬時電圧時系列データufic(t)は,フリッカ放射値Pst,ficを求めるため,IEC
61000-4-15に規定されているフリッカアルゴリズムの入力として用いる。
d) それぞれのPst,fic値は,原理的には選択された回路の短絡容量Sk,ficとは無関係なフリッカ係数c(Ψk)
へ正規化する。
e) 各回路インピーダンス位相角Ψkにおいて,4種の異なる風速分布を仮定し,フリッカ係数の重み付け
された累積分布関数Pr(c<x)を重み付け手順によって計算する。Pr(c<x)は,平均風速vaのレイリー分
布をもつサイトで測定した場合に得られるフリッカ係数を表す。
f) それぞれの累積分布において,フリッカ係数の99 %百分位数c(Ψk,va)を報告書に記載する。
評価手順は,単独又は複数の風車が連続運転している場合におけるフリッカ放射について,報告された
フリッカ係数をどのように用いるかを記述する。
B.2 切換運転 切換運転におけるフリッカの測定及び評価手順を,附属書B図2に示す。これらの手順
は,フリッカ同様に電圧変化についてもどのように測定・評価するかを記述する。附属書B図2から,測
定手順は比較的広範囲で,評価手順はかなり単純であることがわかる。

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附属書B図 2 風車の切換運転における電圧変化並びにフリッカの測定及び評価手順
切換運転の場合の測定手順を,次に記述する。
a) それぞれ指定された切換運転の種類において,多数の電圧um(t)及び電流im(t)の時系列データを測定す
る。
b) それぞれ測定された時系列データセットは,適切な短絡容量Sk,fic及び4種類の異なる回路インピー
ダンス位相角Ψkをもつ仮想回路上の電圧変動ufic(t)を模擬するため,入力として用いる。
c) それぞれの模擬された瞬時電圧時系列データufic(t)は,IEC 61000-4-15に記述されているフリッカアル
ゴリズムによってフリッカ放射値Pst,ficを求めるため,並びに1周期の最大電圧実効値Ufic,max及び最
小電圧実効値Ufic,minを求めるための実効値計算アルゴリズムの入力として用いる。
d) 各Pst,fic値は,フリッカステップ係数kf(Ψk)へ,各電圧変化Ufic,mac−Ufic,minは,電圧変化係数ku(Ψk)
へそれぞれ正規化される。
e) それぞれの回路インピーダンス位相角Ψkにおいて,測定されたフリッカステップ係数及び電圧変化係
数は平均する。
f) 平均フリッカステップ係数及び電圧変化係数は,各切換運転の種類に応じ,10分間の切換運転数の最
大値N10及び120分間の切換運転最大値N120とともに,報告書に記載する。
切換運転の評価手順は,報告されたフリッカステップ係数及び電圧変化係数を用い,特定のサイトにお
ける切換運転時のフリッカ放射及び電圧変化をどのように予測するかについて記述する。記述された手法
は,単独風車の場合及び複数風車の場合も同様である。
B.3 フリッカ係数の重み付け 次の例は,この規格で用いる4種類の異なる風速分布におけるフリッカ係
数c(Ψk,va)を求めるための重み付けの手順を示す。フリッカ係数の決定は,回路インピーダンス位相角Ψ
k=50 °の場合だけを示す。回路インピーダンス位相角30 °,70 °及び85 °についても同様の手順である。
附属書B図3は,回路インピーダンス位相角Ψk=50 °の場合の,一連の測定されたフリッカ係数c(Ψk)
を風速の関数として示したものである。

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附属書B図 3 風速の関数としてのフリッカ係数
図のフリッカ係数を用い,各風速分布のフリッカ係数c(Ψk,va)を得るには,次のステップを実行する。
− フリッカ係数c(Ψk)を,1 m/s幅の風速ビンへ区分する。
− 各風速ビン内の測定数を決定する。
− 各風速ビンの重み付け係数wiを決定する。
− 重み付けされた累積分布Pr(c<x)を決定する。
− フリッカ係数c(Ψk,va)を与える99 %百分位数を決定する。
この例の場合の風車のカットイン風速vcut−inは,3 m/sである。カットイン風速未満及び15 m/sを超える
領域の測定データは,非常に少なく,これらの測定値は,考慮されていない。カットイン風速を超え,15 m/s
未満の風速時の測定結果だけ,フリッカ係数c(Ψk,va)の決定に用いる。
風速ビン,各風速ビンの測定数,各風速ビンにおける測定フリッカ係数の相対出現頻度fm.i並びに年平
均風速va=6 m/s,7.5 m/s,8.5 m/s及び10 m/sの場合のレイリー分布fy,iを,附属書B表1に示す。

――――― [JIS C 1400-21 pdf 29] ―――――

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C 1400-21 : 2005
附属書B表 1 カットイン風速から15 m/sまでの各風速ビンの測定回数Nm,i,発生頻度fm,i及びfy,i
風速ビン範囲 測定数 fm,i fy,i fy,i fy,i fy,i
% % % %
m/s Nm,i % 6 m/s 7.5 m/s 8.5 m/s 10 m/s
3−<4 30 5.38 11.64 8.21 6.64 4.98
4−<5 36 6.45 12.57 9.44 7.83 6.02
5−<6 45 8.06 12.37 10.04 8.59 6.80
6−<7 33 5.91 11.26 10.04 8.91 7.32
7−<8 42 7.53 9.58 9.53 8.83 7.56
8−<9 33 5.91 7.67 8.65 8.41 7.56
9−<10 33 5.91 5.80 7.52 7.74 7.34
10−<11 69 12.37 4.15 6.29 6.88 6.93
11−<12 87 15.59 2.82 5.07 5.94 6.39
12−<13 60 10.75 1.82 3.95 4.97 5.75
13−<14 45 8.06 1.11 2.97 4.05 5.07
14−<15 45 8.06 0.65 2.16 3.21 4.37
合計Nm 558
重み係数wiは,風速の出現頻度fy,iと測定されたフリッカ係数の相対出現頻度fm,iの比である。附属書
B表2に各風速ビンの重み付け係数wiを示す。
附属書B表 2 各風速ビンの重み係数wi
風速ビン範囲 wi wi wi wi
m/s 6 m/s 7.5 m/s 8.5 m/s 10 m/s
3−<4 2.165 1.527 1.236 0.927
4−<5 1.949 1.464 1.214 0.933
5−<6 1.533 1.245 1.065 0.843
6−<7 1.904 1.698 1.507 1.237
7−<8 1.273 1.267 1.173 1.005
8−<9 1.297 1.462 1.423 1.278
9−<10 0.980 1.272 1.308 1.241
10−<11 0.335 0.509 0.557 0.561
11−<12 0.181 0.325 0.381 0.410
12−<13 0.169 0.367 0.463 0.535
13−<14 0.138 0.368 0.502 0.628
14−<15 0.081 0.267 0.398 0.542
各風速ビンにおいて,重み係数を測定回数倍したものの総和を附属書B表3に示す。
附属書B表 3 各風速ビンで重み係数を測定回数倍したものの総和
va(m/s) 6.0 7.5 8.5 10.0
Nbin
454.40 467.99 457.64 424.60
wi Nm,i
i=1
次のステップで,フリッカ係数c(Ψk)に従い,測定結果をソートしたものを附属書B表4に示す。附属
書B表4で,最上行は,風速範囲3 m/s15 m/sのフリッカ係数c(Ψk)の最大値を表す。フリッカ係数c(Ψ
k)の最大値は,100 %百分位数で,重み付けされた累積分布係数Pr(c<11.495)=1.0を意味する。附属書B
表4の次の行は,前行値から関連する測定値の重み係数(附属書B表2)を重み係数の総和(附属書B表3)で

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  • IEC 61400-21:2001(MOD)

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