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C 1910-1 : 2017 (IEC 61786-1 : 2013)
磁界計又は電界計
プローブ
センサ
検出回路 表示部
センサ
センサ
図1−磁界計又は電界計の概要
プローブは,3軸であることが望ましい。
注記 プローブの向きを変えて最大値を見付けることによって,1軸プローブを用いて電界又は磁界
だ円の長半軸の実効値を測定できる。1軸測定器で直交座標系の三つの軸方向成分の実効値を
測定し,式(3)に基づいて合成磁界も得ることができる。ただし,測定中に各方向成分の実効値
に大きな変化がない場合に限る。1軸測定器は,導体表面を基準とした電界測定に適している。
5.8.2 磁界計
測定器の寸法を明記することが望ましい。
プローブの寸法は,測定対象の磁界の場所による変化に対して適切であることが望ましい。プローブの
面積は,0.01 m2以下とする。3軸プローブの場合,三つのセンサが同心であるか,又はセンサの長さが0.05 m
以下のときには,センサ同士を可能な限り近づけることが望ましい。三つのセンサが占める空間の最大寸
法は,0.2 mを超えてはならない。
コイルプローブの断面は,円形又は方形であることが望ましい。同心コイルの交差部などにおいて,形
状が若干変形してもよい。
誘導電圧は,磁束密度の時間微分値に比例するので,検出回路には磁束密度の波形を再現するための積
分段を必要とする。
磁界計のきょう体内に内蔵するセンサの位置及び向きを,測定器本体又は取扱説明書に明記する。
5.8.3 電界計
電界計の寸法は,次に示す測定器の種類に応じて,製造業者が文書に明記することが望ましい。
a) 浮遊電位形電界計 : プローブを内蔵する部分の寸法の最大値。0.2 mを超えてはならない
b) 接地式電界計 : プローブ寸法及び接続用同軸ケーブルの長さ
5.8.4 電界計の支持物
電界計の支持物は,合成又は複合材料などでできた絶縁体とする。
プローブ支持方法ごとの支持物の寸法は,次による。
− 絶縁三脚で支持されるプローブ : 1 m(図2)
− 人が手に持つ絶縁棒で支持されるプローブ : 2 m(図3)
――――― [JIS C 1910-1 pdf 11] ―――――
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C 1910-1 : 2017 (IEC 61786-1 : 2013)
図2−絶縁三脚及び電界プローブ支持の張出棒(写真提供 仏送電会社)
図3−手で保持する絶縁棒を使った電界測定(写真提供 仏送電会社)
5.9 電磁両立性
5.9.1 イミュニティ
イミュニティは,次による。
a) 電源周波数電界 電源周波数で動作する高電圧機器の近傍で用いる磁界計は,20 kV/mまでの周辺電
界によって重大な影響を受けてはならない。すなわち,磁界計の指示値に及ぼす電界の影響は,0.2 μT
未満でなければならない。例えば,高電圧送電線の導体の近くなど,100 kV/m程度の強度の電界が存
在するような特殊な環境においては,このイミュニティに関する要求事項を厳しくしなければならな
い場合がある。電源周波数電界に対するイミュニティ試験は,A.2で規定する平行平板システムを用
いて行うことができる。
注記1 電界分布及び磁界計と使用者との相対位置によっては,測定器使用者の近接効果のため電界
が増減する可能性がある。電界測定中の使用者の影響については,JIS C 1910-2参照。
b) 電源周波数磁界 電源周波数で動作する高電圧機器の近傍で用いる電界計は,1 mTまでの周辺磁界に
よって重大な影響を受けてはならない。すなわち,電界計の指示値に及ぼす磁界の影響は,10 V/m未
満でなければならない。電界計は,JIS C 61000-4-8に規定する方法に従って試験する。
――――― [JIS C 1910-1 pdf 12] ―――――
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C 1910-1 : 2017 (IEC 61786-1 : 2013)
電源周波数磁界に対するイミュニティ試験は,A.1に規定するコイルシステムを用いて行ってもよ
い。
c) 放射電磁界 測定器の動作は,JIS C 61000-4-3で規定する周波数の放射電磁界の影響を受けてはなら
ない。試験レベルは,80 MHz2 GHzの周波数では,電界の実効値3 V/m,2 GHzよりも高い周波数
では,実効値1 V/mとする。
測定器は,JIS C 61000-4-3に規定する方法に従って試験する。
注記2 JIS C 61000-4-3:2012では,放送,無線通信,GSM,WiFiなどの無線周波数の適用を含めて,
周波数範囲を80 MHz6 GHzとしている。
測定器の動作は,150 kHz80 MHzの放射電磁界の影響を受けてはならない。試験は,
JIS C 61000-4-6に規定する方法に従って,実効値3 Vの電圧で行う。
これら二つの試験の間,測定器は,正常に動作し続けなければならない。
電池駆動の測定器(寸法がλ/4未満)で,接地及び他の(非絶縁)機器との接続がなく,かつ,充
電中に使用しないものについては,JIS C 61000-4-6に従った試験を行う必要はない。
注記3 ラジオ放送用アンテナ及び携帯電話の近傍における測定時のような特殊環境においては,
イミュニティに関する要求事項を厳しくしなければならない場合がある。
d) ファストトランジェント/バーストに対するイミュニティ 交流電源に接続して用いる測定器は,交
流電源ポート(磁界計と外部電源又はコンセントとのインタフェース)において,波高値2 kVの電圧
の影響を受けてはならない。試験は,JIS C 61000-4-4に規定する方法に従って行う。試験中,測定器
の一時的な性能低下があっても,自己回復可能なものは許容される。
e) 静電気放電(ESD) ほとんどの測定時において,測定器へ又は測定器からの静電気放電は発生しな
い。ただし,測定器のコネクタは,2 kVの接触放電電圧又は気中放電電圧の影響を受けてはならない。
試験は,JIS C 61000-4-2に規定する方法に従って行う。性能低下があってはならない。
5.9.2 エミッション
エミッションは,次による。
a) 高調波エミッション 定格出力50 W以上の測定器からの高調波エミッションは,JIS C 61000-3-2の
クラスAの限度値を満足しなければならない。
注記 電池駆動の測定器は,この要求事項へ適合しているとみなす。
b) 伝導妨害−0.15 MHz30 MHz(交流電源に接続する測定器の場合) 伝導妨害は,周波数の関数と
して表1で規定する限度値を超えてはならない(CISPR 11,表3参照)。
表1−試験場で測定するクラスBグループ1の機器に対する交流電源端子妨害電圧の限度値
周波数範囲 準せん頭値 平均値
MHz dB(μV) dB(μV)
0.150.50 6656a) 5646a)
0.505 56 46
530 60 50
周波数の境界では,小さい方の限度値を適用する。
注a) 周波数の対数値に対して直線的に減少する。
測定器の試験は,CISPR 11で規定する方法に従って行う。
c) 放射妨害−30 MHz1 000 MHz 9 kHz以上の周波数で動作する装置をもつ測定器からの放射妨害
――――― [JIS C 1910-1 pdf 13] ―――――
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C 1910-1 : 2017 (IEC 61786-1 : 2013)
は,次の限度値を超えてはならない(CISPR 11,表5参照 : 試験場において10 mの距離で測定する
クラスB グループ1の機器に対する放射妨害の限度値)。
30 MHz230 MHz(準せん頭値) : 10 m離れた点で30 dB(μV/m)
230 MHz1 000 MHz(準せん頭値) : 10 m離れた点で37 dB(μV/m)
測定器の試験は,CISPR 11で規定する方法に従って行う。
5.10 波高率
磁界の波高率が3の場合も,測定システムは,磁界の真の実効値を正確に測定できなければならない。
注記 実際には,波高率が大きい磁界が多く,検出器の増幅回路で不要な飽和が生じる可能性がある。
5.11 耐久性
測定器は,輸送時の振動及び衝撃に対して,十分な耐性をもたなければならない。キャリングケースが
あることが望ましい。測定器は,JIS C 60721-3規格群による保管クラス1M2,輸送クラス2M3及び動作
クラス7M3に適合しなければならない。
5.12 質量
測定器の質量は,明記することが望ましい。携帯形測定器の質量は,幾つかの工業環境下のように制約
のある状況においても,手に持って操作ができるように,できる限り軽いことが望ましい。
浮遊電位形電界計の質量は,2 mの長さの絶縁棒に取り付けて手で支持できるように,できる限り軽い
ことが望ましい。
5.13 測定器の選択
測定器の選択に当たっては,測定報告書に記載する事項に関する測定手順を考慮することが望ましい。
磁界又は電界の特性に応じて,適切な測定器を用いることが望ましい。
6 校正
6.1 一般事項
測定システムは,使用期間中は,校正する。全ての校正は,不確かさを明確にして実施し,その期間に
わたって国家計量標準又は国際計量標準に対してトレーサビリティが保たれていなければならない。
この規格では,磁界に対する校正として,次の3種類の方法について規定する。
a) 計算によって求めることのできる磁界中での測定器プローブの校正(コイル寸法及びコイルシステム
の電流は,測定によって求める。)
b) 電圧注入法による校正
c) 参照測定システムとの比較による校正
最初の方法が最も広く用いられており,6.2.2に詳細を規定する。他の二つの方法は,附属書Aで詳しく
規定する。
この規格では,電界に対する校正として,次の方法について規定する。
− 計算によって求めることのできる電界(平行平板システム)中での測定プローブの校正
6.2 校正手順
6.2.1 一般事項
6.2の校正手順は,適切な方法で全ての場合に適用することが望ましい。
校正は,定期的に行う。最初の間隔は,12か月が望ましい。校正間隔は,校正後の測定器の応答の変化
傾向及び使用状況を考慮して変えてもよい。
6.2.2 磁界校正システム
――――― [JIS C 1910-1 pdf 14] ―――――
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C 1910-1 : 2017 (IEC 61786-1 : 2013)
大きなレンジ(背景磁界の影響を顕著には受けないレンジ)の校正を行うときには,コイルシステム(A.1
参照)によって生成されるほぼ一様な磁界中に磁界プローブを置く。センサの各軸を順番にコイルシステ
ムの軸と一致させる。プローブ断面上の任意の点における磁界の値とその中央における値との最大偏差は,
1 %未満でなければならない。
方形及び円形ループシステム(ヘルムホルツコイルを含む。)によって発生する磁界の情報を,参考文献
[7],[18],[28]及び[34]並びにA.1に示す。例えば,1 m×1 mの巻数が多い正方形ループが発生する磁束密
度は,直径0.10 mのプローブに対する磁界の一様性の要求を満足する(A.1参照)。センサが大きく又は小
さくなる場合,プローブ全体において指示された磁界の一様性のレベルを確保するためには,ループの寸
法を大きく又は小さくすることで対応できる。電圧注入法又は参照磁界計との比較によっても校正できる
(A.1参照)。
非一様の磁界の平均値を求める場合,及び/又は空間分解能を重要視しない場合に用いる大形プローブ
に対しては,校正時の磁界の一様性に対する要求を緩和してもよい。このときには,プローブ断面上の任
意の点における磁界の値と,その中央における値との最大偏差は,1.5 %以下が望ましい。例えば,1.3 m
×1.3 mの正方形ループが発生する磁界は,直径0.20 mのプローブに対する磁界の一様性の要求を満足す
る。
3軸磁界計の各軸の校正は,磁界計の仕様に示す強度及び周波数において,正弦波の磁界又はその等価
電圧(電圧注入法の場合)によって行う。校正用コイルの通電電流は,高調波成分をほとんど含まないも
の(総合ひずみ率1 %未満)でなければならない。
6.2.3 電界校正システム
校正時には,A.2に規定するように,測定器の形式に応じた平行平板によって生成されるほぼ一様な電
界中に,電界計のプローブを置く。平行平板の中央における電界値と,無限大平行平板によって発生され
る一様な電界の値との差は,1 %未満でなければならない(A.2参照)。測定器のプローブを平板間に置い
たときに近接効果を避けるために,平行平板の間隔は,十分大きくなければならない(A.2参照)。例えば,
対角の長さが0.23 m以下の浮遊電位形電界計の場合,1.5 m×1.5 mの平板を0.75 mの間隔で配置した平行
平板の中心において校正できる。浮遊電位形電界計が大きく又は小さくなる場合,平行平板の寸法を大き
く又は小さくすることで対応できる。センサの各軸を順番に電界の方向と一致させる。
注記 通常,測定時に用いる支持物に固定した状態でプローブの校正を行うこともできる(この場合
には,平板を2 mの高さに水平配置する必要がある。)。ただし,プローブの3軸方向の校正は
できない。プローブだけにすれば,3軸方向の校正を行うことができる。
単軸の電界計及び3軸の電界計の各軸の校正は,測定器の仕様に示す強度及び周波数において,正弦波
電界によって行う。
平行平板に電圧を印加するための交流電源は,高調波成分をほとんど含まないもの(総合ひずみ率2 %
以下)が望ましい。これが不可能な場合には,高調波成分を記録するとともに,高調波成分が校正結果に
及ぼす影響が無視できることを検証することが望ましい。
6.2.4 3軸プローブの校正
3軸プローブの各軸の校正を行う場合には,各センサの検出回路間のクロストークだけでなく,プロー
ブの等方性を確認する。3軸プローブの各センサの軸は,磁界又は電界の方向と一致するように順番に向
きを合わせることが望ましい。センサの一つの軸と,磁界又は電界方向とを一致させた状態で,残りの二
つのセンサの出力が当該センサの出力の3 %未満となることが望ましい。
注記1 3軸プローブをもつ磁界計の校正は,ほぼ同じ磁束が全てのコイルと鎖交すると近似できる
――――― [JIS C 1910-1 pdf 15] ―――――
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JIS C 1910-1:2017の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61786-1:2013(IDT)
JIS C 1910-1:2017の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.220 : 電気学.磁気学.電気的及び磁気的測定 > 17.220.20 : 電気的及び磁気的量の測定
JIS C 1910-1:2017の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC61000-3-2:2019
- 電磁両立性―第3-2部:限度値―高調波電流発生限度値(1相当たりの入力電流が20A以下の機器)
- JISC61000-4-2:2012
- 電磁両立性―第4-2部:試験及び測定技術―静電気放電イミュニティ試験
- JISC61000-4-3:2012
- 電磁両立性―第4-3部:試験及び測定技術―放射無線周波電磁界イミュニティ試験
- JISC61000-4-4:2015
- 電磁両立性―第4-4部:試験及び測定技術―電気的ファストトランジェント/バーストイミュニティ試験
- JISC61000-4-6:2017
- 電磁両立性―第4-6部:試験及び測定技術―無線周波電磁界によって誘導する伝導妨害に対するイミュニティ
- JISC61000-4-8:2016
- 電磁両立性―第4-8部:試験及び測定技術―電源周波数磁界イミュニティ試験