JIS C 1910-1:2017 人体ばく露を考慮した直流磁界並びに1Hz~100kHzの交流磁界及び交流電界の測定―第1部:測定器に対する要求事項 | ページ 4

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C 1910-1 : 2017 (IEC 61786-1 : 2013)
場合には,(一つの周波数及び磁界強度において)一方向の磁界で確認することもできる。
注記2 磁界又は電界の合成値だけを測定する3軸測定器では,測定器の三つの軸方向における合成
値を確認することによって校正できる。
6.2.5 校正値
アナログ表示の測定器の場合は,測定器の各測定レンジに対して,フルスケールの30 %90 %の間の三
つ以上の強度を記録することが望ましい。デジタル表示の測定器の場合は,フルスケールの10 %90 %の
間の一つ以上の強度を記録することが望ましい。
異なる測定レンジの試験には,電圧注入法を用いてもよい。
自動レンジ切換機能をもつ測定器では,各レンジにおいてそのレンジ内の1点以上の代表値で校正する
ことが望ましい。
一つの磁界又は電界強度に対し,通過帯域の上限,下限及び中間の三つの周波数で校正することが望ま
しい。
校正中は,S/N比が十分高くなければならない。そうでない場合には,校正の不確かさとして考慮する。
校正が共振現象の影響を受けないように,校正に用いるループの共振周波数を校正周波数に比べて十分
高くすることが望ましい(A.1参照)。
接地平板付近の鏡像電流,及び強磁性物体の近接効果に起因する,校正磁界又は電界のじょう(擾)乱
は,無視できる大きさでなければならない(A.1参照)。
6.2.6 校正の不確かさ
校正の不確かさは,ISO/IEC Guide 98-3に従って評価する。
校正システムの磁界又は電界は,±3 %未満(包含係数1)の不確かさで求める。
磁界強度は,コイルの寸法,コイルの巻数及びコイルに流れる電流に基づいて計算(A.1参照)するか,
又は十分に小さい測定不確かさをもつ校正済みの参照磁束密度測定器を用いて直接測定する。校正の一部
として電圧注入法を用いる場合(A.1参照)には,注入電圧から等価磁束密度を求める。
電界強度は,平行平板の間隔及び電圧に基づいて計算(A.2参照)するか,又は十分に小さい測定不確
かさをもつ校正済みの参照電界計を用いて直接測定する。
校正の不確かさは,校正システムにおける磁界若しくは電界強度の不確かさ(±3 %)又は注入電圧の
不確かさ,試験対象の測定器の指示値の分解能,及び校正システム中に試験対象の電界計を繰り返し出し
入れしたときの指示値の変動などの要素によって決まる。背景磁界などの他の要因は,校正の不確かさを
更に大きくする可能性がある。校正作業における全体の不確かさ(包含係数1)は,±(5 %+10 nT又は
1 V/m)以下でなければならない。測定器の拡張測定不確かさを指定する場合には,包含係数は2とする。
すなわち,この場合には,拡張測定不確かさは,±(10 %+20 nT又は2 V/m)以下となる。校正は,国家
標準及び/又は国際標準に対して,トレーサビリティが保たれていなければならない。全ての不確かさの
取扱いについての指針及び不確かさの要因のリストを5.2に,例を附属書Bにそれぞれ示す。

6.3 校正に関する文書

  校正する前には,測定器の仕様(5.25.12参照)の情報に加えて,次に挙げる項目を明確にしておくこ
とが望ましい。それぞれの校正証明書には,合理的な理由がない限り,次の情報を記載する。
− 題目(例えば,“校正証明書”)
− 校正機関の名称及び所在地,並びに校正がその所在地以外で行われた場合はその場所
− 校正証明書の識別(製造番号など),校正証明書の各ページにそのページが校正証明書の一部であると
確実に認められるための識別,及び校正証明書の終わりを示す明瞭な識別

――――― [JIS C 1910-1 pdf 16] ―――――

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− 依頼者の名称及び所在地
− 用いた方法又は規格
− 校正対象測定器の記述,状態及び明確な識別
− 校正を実施した日付,並びに結果の有効性及び利用にとって重要な場合の校正対象測定器の受領の日

− 結果の有効性又は利用に関連する場合には,校正機関が用いた手順の引用
− 校正結果。適切な場合,測定単位を伴う。
− 校正証明書に発行権限をもつ人物の氏名,職能及び署名又は同等の識別
測定器の製造業者は,適用できる限り,次に挙げる全ての項目を記載した製造業者の校正手順に関する
文書を用意することが望ましい。
− 磁界発生コイルの形状及び寸法
− コイルシステムの共振周波数
− コイルシステムを流れる電流の測定器,測定器の不確かさ,及び最新の校正日
− 電圧測定器(電圧注入法の場合,A.1参照),測定器の不確かさ,及び最新の校正日
− 分圧器の分圧比(電圧注入法の場合,A.1参照),分圧比の周波数依存性,及び分圧比の不確かさ
− 平行平板の寸法及び間隔
− 平行平板の電圧を測定する測定器,測定器の不確かさ,及び最新の校正日
− 参照測定システムの不確かさ,プローブの寸法,通過帯域,及び最新の校正日
これらの情報は,依頼者からの要求に応じて提供できることが望ましい。適用できる限り,試験機関も,
これらの要求事項に適合することが望ましい。
注記 校正証明書に関する更なる指針を,JIS Q 17025:2005[36] の5.10に示す。

7 検証

  検証は,測定器の機能を使用前に確認するための簡潔な手順である。検証には,次の事項を含む。
− 電池の状態
− 必要な附属品
− 外観検査
− 校正日

――――― [JIS C 1910-1 pdf 17] ―――――

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附属書A
(規定)
校正方法
A.1 磁界計の校正
A.1.1 磁界発生器の利用
磁界計の校正は,通常,大きさ及び方向が既知のほぼ一様な磁界中にプローブを配置することによって
行う。円形及び方形のコイルシステムによって既知の磁界を発生できる[1],[7],[18],[25],[34]。例えば,
ヘルムホルツコイルは,このような磁界発生によく用いられる。正方形及び円形の単一コイル,並びに正
方形及び円形のヘルムホルツコイルによって発生する磁界の一様性の比較を図A.1[7]に示す。図A.1は,
各コイルシステムの軸からの規格化した距離の関数として,軸における磁界からのずれを百分率で表した
ものである。ここに,距離は直交座標系におけるものである(単一正方形ループについては図A.2,円形
ヘルムホルツコイルについては図A.3参照)。距離は,円形コイルの半径又は正方形コイルの半辺長に対す
る百分率値として与えられている。
単一円形ループ
単一正方形ループ
軸方向成分の磁界 (%)
円形ヘルムホルツコイル
正方形ヘルムホルツコイル
規格化した距離 (%)
図A.1−規格化した距離における軸方向成分の磁界の計算値(中心での値からの百分率偏差)[7]

――――― [JIS C 1910-1 pdf 18] ―――――

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図A.2−多重巻線の方形コイルの座標系及び形状[式(A.1)参照]
空間の全ての位置における磁界を計算するための式が閉形式で表され[19],[34],製作も簡単であること
から,磁界発生に使用される多重巻線の単一方形コイルについて,次に記載する。このコイルシステムで
は,構造が単純なため磁界の一様性は悪くなるが,校正の目的のためには十分な一様性を容易に得ること
ができる。
各辺2a×2bの方形ループが,空間の点P(x,y,z)に作る磁束密度のz方向成分は,式(A.1)で求まる[19],
[34]。
4
0IN 1 d C
Bz (A.1)
1
4 1 rr 1 C r r d
ここに, N : コイルの巻数
C1 C4 a x
C2 C3 a x
d1 d2 b y
d3 d4 y b
1
2 2
r1 a x b y z2
1
2 2
r2 a x b y z2
1
2 2
r3 a x b y z2
1
2 2
r4 a x b y z2
I : 電流の実効値(A)
μ0 : 真空の透磁率
x,y,z : 図A.2に示す座標

――――― [JIS C 1910-1 pdf 19] ―――――

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図A.3−円形ヘルムホルツコイル
半径Rの円形ヘルムホルツコイルの軸上の磁界は,式(A.2)で与えられる。
3 3
2 2 2 2
d d
x x
0 NI 2 0 NI 2
B 1 2 1 2
(A.2)
2R R 2R R
ここに, N : コイルの巻数
I : 電流の実効値
R=dかつx=0とした場合,Bは式(A.3)で表せる。
8 0 NI
B 3 (A.3)
52 R
式(A.1)は,電流ループの導体の断面積が無視できるものと仮定して導出している。参考のために,辺長
2aの正方形ループの中心における磁界は,式(A.4)となる。
0IN 2
Bz (A.4)
πa
式(A.1)は,1 m×1 mの正方形ループの中心及び中心付近における磁界の値を計算するために使われてい
る。ループ平面及びループ面から上下に0.03 m離れた平面の中心付近における磁界(図中の括弧内に記載)
を,中心の磁界強度との差の百分率として図A.4に示す。図A.4には,直径0.10 mの磁界プローブの寸法
も示す。直径0.10 mのプローブ断面全体にわたり,面の中心における磁界の値からのずれは,1 %未満で
ある。図A.5は,プローブ,校正用の正方形ループ及びコイルの励磁回路の概略である。

――――― [JIS C 1910-1 pdf 20] ―――――

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  • IEC 61786-1:2013(IDT)

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