JIS C 3002:1992 電気用銅線及びアルミニウム線試験方法

JIS C 3002:1992 規格概要

この規格 C3002は、電気用銅線及び電気用アルミニウム線の試験方法について規定。

JISC3002 規格全文情報

規格番号
JIS C3002 
規格名称
電気用銅線及びアルミニウム線試験方法
規格名称英語訳
Testing methods of electrical copper and aluminium wires
制定年月日
1950年7月15日
最新改正日
2018年10月22日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

IEC 60028:1925(NEQ), IEC 60092-3:1965(NEQ), IEC 60468:1974(NEQ)
国際規格分類

ICS

29.060.10
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
‐ 
改訂:履歴
1950-07-15 制定日, 1953-07-04 確認日, 1956-06-06 確認日, 1959-01-19 確認日, 1962-01-23 確認日, 1966-01-01 改正日, 1969-01-01 確認日, 1972-01-01 確認日, 1975-03-01 改正日, 1978-02-01 確認日, 1981-03-01 改正日, 1986-05-01 確認日, 1992-08-01 改正日, 1998-06-20 確認日, 2003-09-20 確認日, 2008-10-01 確認日, 2013-10-21 確認日, 2018-10-22 確認
ページ
JIS C 3002:1992 PDF [6]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
C 3002-1992

電気用銅線及びアルミニウム線試験方法

Testing methods of electrical copper and aluminium wires

1. 適用範囲 この規格は,電気用銅線(以下,銅線という。)及び電気用アルミニウム線(以下,アルミ
線という。)の試験方法について規定する。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 7502 外側マイクロメータ
JIS B 7507 ノギス
JIS B 7721 引張試験機
JIS C 3001 電気用銅材の電気抵抗
JIS K 8085 アンモニア水(試薬)
JIS K 8088 いおう(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8252 ペルオキソ二硫酸アンモニウム(試薬)
JIS K 8949 硫化ナトリウム九水和物(試薬)
JIS K 8984 硫酸銅 (II) (無水)(試薬)
2. この規格の対応国際規格を,次に示す。
IEC 28 (1925) nternational standard of resistance for copper
IEC 92-3 (1965) lectrical installations in ships. Part 3 : Cables (construction, testing and
installations)
IEC 468 (1974) ethod of measurement of resistivity of metallic materials
3. この規格の中で [{}] を付けて示してある単位は,従来単位によるものであって参考である。
2. 試験の種類 試験の種類は,表1のとおりとする。
表1 試験の種類
種類 試験方法適用項目
外観 3.
構造 4.
引張り 5.
導電率 6.
エッジワイズ曲げ 7.
めっき 8.
3. 外観 外観試験は,たば巻き,ドラム巻き又はボビン巻きのままで,目視,手触りなどによって,次
の項目を調べる。

――――― [JIS C 3002 pdf 1] ―――――

2
C 3002-1992
平滑度・傷・さび・裂け目・汚れ・接続点・笑い
なお,すずめっき銅線については,更に表面のめっきが均一に施されているかどうかを調べる。
4. 構造 構造試験は,試料の片端から採取した試験片につき,単線では直径,平角線では幅,厚さ及び
面取半径,より線では素線径,素線数,より方向,ピッチ及び外径について,次によって行う。
(1) 単線 直径の測定には,JIS B 7502に規定する外側マイクロメータ又はこれと同等以上のものを用い
1mmのけたのものについては,最小目盛が000 1mmの測定器具を用い
る。ただし,指定された径が000
1 1
る。
直径は,線軸に垂直な同一平面内でほぼ等しい角度をなす2か所以上を測り,その平均値をもって
表す。
(2) 平角線 厚さ及び幅は,(1)の測定器又はJIS B 7507に規定するノギス0.05mm目盛のものを用いて長
さ方向に2か所以上を測り,それぞれの平均値をもって表す。
面取半径は,ラジアスゲージ(Rゲージ)を用いて線軸に垂直な同一平面内の各面取部を測り,そ
の平均値をもって表す。
(3) より線
(a) 外径は,(1)のマイクロメータ又は(2)のノギスを用い,(1)の直径の測定と同様な方法で調べる。
(b) より方向については,Sより(右より)か,Zより(左より)かを調べる。
備考 Sよりとは,図1(A)のような方向をいい,これを右よりともいう。
これに対しZよりとは,図1(B)のような方向をいい,これを左よりともいう。
図1 より方向
(c) ピッチの測定は,同心よりの場合はその層の素線数nを数え,直尺を軸方向にあてがい,基準とす
る素線から (n+1) 番目の素線までの距離を測り,ピッチとする。
なお,より線の軸方向に紙をあてがい,素線の並びを写しとってから直尺で測定してもよい。
ピッチ倍数を層心径(1)の倍数で表すときは,次のようにする。
P
Pn
D1
ここに, Pn : ピッチ倍数
P : ピッチ (mm)
D1 : 層心径 (mm)
注(1) 層心径とは,その層に含まれるすべての素線の中心を連ねる円の直径をいう。

――――― [JIS C 3002 pdf 2] ―――――

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C 3002-1992
5. 引張り 引張試験は,試料の片端から採取した試験片につき,次の各項によって引張強さ及び伸びを
調べる。ただし,より線の場合は,引張強さを調べ,伸びは調べない。
(1) 試験片の準備
(1.1) 単線及び平角線の試験片は,長さ約400mmとし,その中央部に長さ250mmの標線を記す。より線
試験片では,つかみの間隔を500mm以上とれるように用意し,必要によっては試験片の両端を解
き,適当な合金又は樹脂で固める。
(1.2) 断面積の算出
(a) 単線の断面積は,4.(1)の方法で得られた直径から算出する。
(b) 平角線の断面積は,4.(2)の方法で得られた厚さ,幅及び面取半径から算出する。
(2) 方法
(2.1) 引張試験 引張試験は,次の条件の下で行わなければならない。
(a) 温度 温度は常温とし,必要があれば試験温度を記録する。
(b) 試験機 試験機は,JIS B 7721に規定された試験機とし,引張速さは,硬質,半硬質の銅線(めっ
きを施したものも含む。)及びアルミ線では100mm/min以下,軟質の銅線(めっきを施したものも
含む。)では300mm/min以下とする。
(2.2) 引張強さ及び伸びの算出
(a) 引張強さ 引張強さは,次の式によって単位面積当たりに換算する。
B F
A
ここに, 引張強さ (MPa) [{kgf/mm2}]
F : 最大引張荷重 (N) [{kgf}]
A : 断面積 (mm2)
(b) 伸び 伸びは,切断した部分を突き合わせて標線間の長さを測定し,次の式によって算出するか,
又はパーセントスケールで直読で求める。
l1 l0
100
l0
ここに, 伸び (%)
l1 : 突き合わせた標線間の長さ (mm)
l0 : 標線距離 (mm)
(c) 次の場合は,その試験を無効とする。
1 単線及び素線の試験片が標線内で標線から25mm以内又は標線外で切断し,規定に適合しない場
合。
2 より線の試験片がつかみ部分で切断し,規定に適合しない場合。
6. 導電率 導電率試験は,試料の片端から採取した試験片につき,次の各項によって行う。ただし,コ
ンダクティビティブリッジによって直接測定しても差し支えない。
(1) 電気抵抗の測定
(a) 電気抵抗の測定には,ダブルブリッジ又は電位差計を用いる。試験片の測定長は,原則として1m
又は50cmとする。
(b) 電気抵抗の測定室又は測定油槽温度は,1030℃までの範囲内の一定温度に保ち,試験片は測定前,
室温(又は油槽温度)と同温度に至るまで測定室内(又は油槽内)に放置する。

――――― [JIS C 3002 pdf 3] ―――――

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C 3002-1992
(c) 電気抵抗の測定は,測定電流が結果に影響を与えないようにしなければならない。
(2) 質量の測定
(a) 質量の測定は,電気抵抗を測定した長さについて行い,その両端の断面は平らに仕上げ,正確に測
定する。
(b) 質量の測定に用いるてんびんは,測定質量に応じて適当な感度のものを選択して使用する。
(3) 導電率の算出法 導電率の算出は,次による。
A C
100 又は 100
Rm Rm
B(20 t) D (20 t)
l2G l2
ここに, 柿 導電率 (%)
R : 電気抵抗 ( 圀
m : 質量 (g)
l : 測定長 (m)
t : 温度 (℃)
G : 密度 (g/cm3)
A,B,C,D及びGは,表2の定数である。
表2 定数
銅線 アルミ線
A 0.017 241 0.017 241
B 0.000 068 0.000 113
C 0.153 280 0.046 552
D 0.000 60 0.000 31
G 8.89 2.70
備考 この定数は,JIS C 3001に規定され
た標準軟銅の20℃における導電率
を100%とした場合の値である。
7. エッジワイズ曲げ エッジワイズ曲げ試験は,試料の片端から採取した試験片を1平面内にあるよう
に保ちながら図2のように線端の開きがマンドレルの径と等しくなるように完全に180度曲げ,き裂の有
無を調べる。
図2 エッジワイズ曲げ

――――― [JIS C 3002 pdf 4] ―――――

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C 3002-1992
8. めっき試験 めっき試験は,多硫化ナトリウム法又は過硫酸アンモン法によって行う。
(1) 多硫化ナトリウム法
(a) 試験片の準備 試料の片端から約200mmの試験片をとり,そのめっき面をアルコール,ベンジン
などで浸した布でよくふいた後,十分に水洗いする。
(b) 試験液 塩酸液は,JIS K 8180に規定する塩酸を,15℃における比重が1.088になるように蒸留水
で薄めて用いる。多硫化ナトリウム液は,JIS K 8949に規定する硫化ナトリウム100gをほぼ等量の
蒸留水に溶解し,15℃における比重が1.170の溶液を作り,これにJIS K 8088に規定する1級の硫
黄45gを加え,なるべく微温で加熱し,溶解させ,冷却した後ろ過し,これを蒸留水で薄めて15℃
における比重が1.142としたものを用いる。この溶液は,調製の後,密せんして冷暗所に保存する。
7日以上経過したものは,用いてはならない。
(c) 試験方法 各試験液を内径約50mm,高さ150200mmのガラス製の容器に入れ,15±2℃に保つ。
次に,試験片を塩酸液に1分間浸し,これを取り出してよく水洗いした後,多硫化ナトリウム液に
1分間浸す。これを取り出して水洗いする。
以上の操作を1回として規定の回数を行い,その表面に黒色の硫化銅が生成するかどうかを調べ
る。
(d) 試験液に浸す試験片の長さは,100200mmとし,浸した部分の上下約20mmを除いた中間の部分
について試験するものとし,同時に浸す試験片はなるべく同一径のものを用い,試験片の最大数N
は,およそ次の式によるものとする。
20
N
d
ここに, N : 試験片の最大数(本)
d : 試験片の公称線径 (mm)
試験液は,引き続いて試験を行う場合に限り,浸し回数10回まで用いることができる。
(2) 過硫酸アンモン法
(a) 試験片の準備 試料の片端から次の式に示す試験片の長さの和L (mm) が取り得るような試験片を
採取する。
300
L
d
ここに, L : 試験片の長さの和 (mm)
d : 試験片の公称線径 (mm)
次に,試験片のめっき面を,アルコール,ベンジン,石油エーテルなどで洗い,きれいな柔らか
い布でふきとり,乾かし,両端末の銅が露出しないようにワックスなどで密封する。ただし,ワッ
クスなどを塗布した両端末は,長さ (L) には含めないものとし,試験片は試験液に完全に浸すこと
ができるように必要によって適当な長さに切断してもよい。
(b) 試験液 試験液は,JIS K 8252に規定するペルオキソ二硫酸アンモニウム10gを約500mlの蒸留水
に溶かし,JIS K 8085に規定するアンモニア水(比重0.90)を75ml加え,更に蒸留水で1lに薄め
る。過硫酸アンモン液は,毎回新しいものを準備し,35℃以下に保持しなければならない。
(c) 比色標準液 JIS K 8984に規定する1級の無水硫酸銅0.200gを約500mlの蒸留水に溶かし,JIS K
8085に規定するアンモニア水(比重0.90)を75ml加え,更に蒸留水で薄めて1lにする。
(d) 試験方法 試験片を100mlの試験液を入れた試験管に完全に浸す。試験片は18±3℃の試験液中に

――――― [JIS C 3002 pdf 5] ―――――

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