JIS K 8949:2019 硫化ナトリウム九水和物(試薬)

JIS K 8949:2019 規格概要

この規格 K8949は、試薬として用いる硫化ナトリウム九水和物について規定。

JISK8949 規格全文情報

規格番号
JIS K8949 
規格名称
硫化ナトリウム九水和物(試薬)
規格名称英語訳
Sodium sulfide nonahydrate (Reagent)
制定年月日
1950年11月10日
最新改正日
2019年2月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

71.040.30
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
試薬 II 2020
改訂:履歴
1950-11-10 制定日, 1953-10-02 確認日, 1956-10-02 確認日, 1958-03-03 改正日, 1961-03-01 改正日, 1964-03-01 確認日, 1967-03-01 確認日, 1970-03-01 確認日, 1973-04-01 確認日, 1975-02-01 改正日, 1978-02-01 確認日, 1983-04-01 確認日, 1988-03-01 確認日, 1991-02-01 改正日, 1995-03-01 改正日, 2002-09-20 確認日, 2006-11-20 確認日, 2011-10-20 確認日, 2016-10-20 確認日, 2019-02-20 改正
ページ
JIS K 8949:2019 PDF [11]
                                                                                   K 8949 : 2019

pdf 目 次

ページ

  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[1]
  •  3 種類・・・・[2]
  •  4 性質・・・・[2]
  •  4.1 性状・・・・[2]
  •  4.2 定性方法・・・・[2]
  •  5 品質・・・・[2]
  •  6 試験方法・・・・[2]
  •  6.1 一般事項・・・・[2]
  •  6.2 純度(Na2S・9H2O) 36.3 水溶状・・・・[3]
  •  6.4 亜硫酸塩及びチオ硫酸塩(SO3として)・・・・[4]
  •  6.5 アンモニウム(NH4)・・・・[5]
  •  6.6 鉄(Fe)・・・・[8]
  •  7 容器・・・・[9]
  •  8 表示・・・・[9]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS K 8949 pdf 1] ―――――

K 8949 : 2019

まえがき

  この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本
試薬協会(JRA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改正
すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)である。
これによって,JIS K 8949:1995は改正され,この規格に置き換えられた。
なお,平成31年8月19日までの間は,工業標準化法第19条第1項等の関係条項の規定に基づくJISマ
ーク表示認証において,JIS K 8949:1995を適用してもよい。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS K 8949 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
K 8949 : 2019

硫化ナトリウム九水和物(試薬)

Sodium sulfide nonahydrate (Reagent)

                                Na2S・9H2O       FW : 240.18

1 適用範囲

  この規格は,試薬として用いる硫化ナトリウム九水和物について規定する。
警告1 硫化ナトリウム九水和物は有害で,粘膜,皮膚及び目に付着しないように注意する。また,
加熱及び酸との接触で有毒な硫化水素ガスが発生するので,排気に十分注意して取り扱う。
警告2 この規格に基づいて試験を行う者は,通常の実験室での作業に精通していることを前提とす
る。この規格は,その使用に関連して起こる全ての安全上の問題を取り扱おうとするもので
はない。この規格の利用者は,SDS(安全データシート)などを参考にして,各自の責任に
おいて安全及び健康に対する適切な措置をとらなければならない。

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 0050 化学分析方法通則
JIS K 0115 吸光光度分析通則
JIS K 0121 原子吸光分析通則
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8034 アセトン(試薬)
JIS K 8051 3-メチル-1-ブタノール(試薬)
JIS K 8107 エチレンジアミン四酢酸二水素二ナトリウム二水和物(試薬)
JIS K 8116 塩化アンモニウム(試薬)
JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8230 過酸化水素(試薬)
JIS K 8355 酢酸(試薬)
JIS K 8356 酢酸亜鉛二水和物(試薬)
JIS K 8541 硝酸(試薬)
JIS K 8550 硝酸銀(試薬)
JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬)
JIS K 8625 炭酸ナトリウム(試薬)
JIS K 8637 チオ硫酸ナトリウム五水和物(試薬)
JIS K 8659 でんぷん(溶性)(試薬)

――――― [JIS K 8949 pdf 3] ―――――

2
K 8949 : 2019
JIS K 8798 フェノール(試薬)
JIS K 8913 よう化カリウム(試薬)
JIS K 8920 よう素(試薬)
JIS K 8951 硫酸(試薬)
JIS K 8953 硫酸亜鉛七水和物(試薬)
JIS K 8982 硫酸アンモニウム鉄(III)・12水(試薬)
JIS P 3801 ろ紙(化学分析用)

3 種類

  種類は,特級とする。

4 性質

4.1 性状

  硫化ナトリウム九水和物は,無色の結晶で,潮解性があり,水に極めて溶けやすい。長期間保存すると
空気中の酸素によって酸化されチオ硫酸ナトリウム及び亜硫酸ナトリウムを生じ,黄に変色する。炭酸ガ
スを吸収すると炭酸ナトリウムを生成する。

4.2 定性方法

  定性方法は,次による。
a) 試料1 gに水100 mLを加えて溶かし,その液5 mLに硫酸銅(II)溶液(100 g/L)5 mLを加えると,
黒い沈殿が生じる。
b) 炎色試験は,直径約0.8 mmの白金線の先端から約30 mmまでを塩酸(1+1)に浸し,炎の長さ約120
mm,内炎の長さ約30 mm程度としたガスバーナーの無色炎中に入れた後,放冷する。この操作を炎
に色が現れなくなるまで繰り返す。白金線の先端約5 mmを水で浸し,少量の試料を付着させたもの
をガスバーナーの無色炎中に入れると黄が現れる。

5 品質

  品質は,箇条6によって試験したとき,表1に適合しなければならない。
表1−品質
項目 規格値 試験方法
純度(Na2S・9H2O) 質量分率 % 98.0102.0 6.2
水溶状 − 試験適合 6.3
質量分率 %
亜硫酸塩及びチオ硫酸塩(SO3として) 0.1以下 6.4
アンモニウム(NH4) 質量分率 % 0.003以下 6.5
鉄(Fe) 質量分率 ppm 5以下 6.6

6 試験方法

6.1 一般事項

  試験方法の一般的な事項は,JIS K 0050及びJIS K 8001による。

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K 8949 : 2019
6.2 純度(Na2S・9H2O)
純度(Na2S・9H2O)の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。
1) 塩酸(2+1) JIS K 8180に規定する塩酸(特級)の体積2と水の体積1とを混合したもの。
2) でんぷん溶液 JIS K 8659に規定する特級又は1級のでんぷん(溶性)1.0 gに水10 mLを加えてか
き混ぜながら熱水200 mL中に入れて溶かしたもの。これを約1分間煮沸した後に冷却する。冷所
に保存し,10日以内に使用する。
3) 溶存酸素を除いた水 JIS K 8001の5.8 d)(溶存酸素を除いた水)による。
4) 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液 JIS K 8637に規定するチオ硫酸ナトリウム五水和物及びJIS K
8625に規定する炭酸ナトリウム又はJIS K 8051に規定する3-メチル-1-ブタノールを用い,JIS K
8001のJA.6.4 t) 2)(0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液)に従って調製,標定及び計算したもの。
5) 0.05 mol/L よう素溶液(I2 : 12.69 g/L) JIS K 8913に規定するよう化カリウム及びJIS K 8920に規
定するよう素を用いて,JIS K 8001のJA.6.4 w)(0.05 mol/L よう素溶液)に従って調製,標定及び
計算したもの。
b) 操作 操作は,次のとおり行う。
1) 試料1 gを全量フラスコ100 mLに0.1 mgの桁まではかりとり,溶存酸素を除いた水を加えて溶か
し,溶存酸素を除いた水を標線まで加える。
2) その25 mLを共通すり合わせ三角フラスコ300 mLなどに正確にとり,0.05 mol/L よう素溶液30 mL
を正確に加え,密栓して穏やかに振り混ぜる。
3) 5分間放置し,塩酸(2+1)3 mLを加え,0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液で滴定する。
4) この場合,でんぷん溶液は,終点間際で液の色がうすい黄になったときに約0.5 mLを加える。
5) 終点は,液の青が消える点とする。
6) 別に同一条件で空試験を行う。
c) 計算 純度(Na2S・9H2O)は,次の式によって算出する。
c
.0012 009 V2 V1 f
4
A 100
25
m
100
ここに, A : 純度(Na2S・9H2O)(質量分率 %)
V1 : 滴定に要した0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液の体積
(mL)
V2 : 空試験に要した0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液の体
積(mL)
c : 6.4の試験に用いた0.05 mol/L よう素溶液の量(mL)
f : 0.1 mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液のファクター
m : はかりとった試料の質量(g)
0.012 009 : 0.05 mol/L よう素溶液1 mLに相当するNa2S・9H2Oの質
量(g)を示す換算係数(g/mL)
6.3 水溶状
水溶状の試験方法は,次による。
a) 試験用溶液類 試験用溶液類は,次のものを用いる。

――――― [JIS K 8949 pdf 5] ―――――

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JIS K 8949:2019の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 8949:2019の関連規格と引用規格一覧