JIS K 8982:2008 硫酸アンモニウム鉄(III)・12水(試薬)

JIS K 8982:2008 規格概要

この規格 K8982は、試薬として用いる硫酸アンモニウム鉄(Ⅲ)・12水(別名 : 鉄みょうばん)について規定。

JISK8982 規格全文情報

規格番号
JIS K8982 
規格名称
硫酸アンモニウム鉄(III)・12水(試薬)
規格名称英語訳
Ammonium iron (III) sulfate 12-water (Reagent)
制定年月日
1950年7月25日
最新改正日
2017年10月20日
JIS 閲覧
‐ 
対応国際規格

ISO

ISO 6353-3:1987(MOD)
国際規格分類

ICS

71.040.30
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
試薬 II 2020
改訂:履歴
1950-07-25 制定日, 1953-07-24 確認日, 1956-07-24 改正日, 1959-02-27 確認日, 1961-03-01 改正日, 1964-03-01 確認日, 1967-03-01 確認日, 1970-03-01 確認日, 1973-04-01 確認日, 1978-01-01 確認日, 1980-03-01 改正日, 1985-06-01 確認日, 1991-06-01 確認日, 1992-08-01 改正日, 1996-07-01 改正日, 2002-09-20 確認日, 2006-11-20 確認日, 2008-03-20 改正日, 2012-10-22 確認日, 2017-10-20 確認
ページ
JIS K 8982:2008 PDF [11]
                                                                                   K 8982 : 2008

pdf 目 次

ページ

  •  序文・・・・[1]
  •  1 適用範囲・・・・[1]
  •  2 引用規格・・・・[1]
  •  3 一般事項・・・・[1]
  •  4 種類・・・・[1]
  •  5 性質・・・・[2]
  •  5.1 性状・・・・[2]
  •  5.2 定性方法・・・・[2]
  •  6 品質・・・・[2]
  •  7 試験及び検査方法・・・・[2]
  •  7.1 試験及び検査方法の条件及び結果・・・・[2]
  •  7.2 純度 [FeNH4(SO4)2・12H2O] 27.3 希硫酸溶状・・・・[3]
  •  7.4 水不溶分・・・・[3]
  •  7.5 塩化物 (Cl)・・・・[3]
  •  7.6 硝酸塩・・・・[3]
  •  7.7 りん酸塩 (PO4)・・・・[3]
  •  7.8 ナトリウム (Na)・・・・[4]
  •  7.9 カリウム (K)・・・・[4]
  •  7.10 銅 (Cu)・・・・[4]
  •  7.11 マグネシウム (Mg)・・・・[4]
  •  7.12 カルシウム (Ca)・・・・[4]
  •  7.13 亜鉛 (Zn)・・・・[4]
  •  7.14 鉛 (Pb)・・・・[5]
  •  7.15 マンガン (Mn)・・・・[5]
  •  7.16 鉄(II)(Fe2+)・・・・[5]
  •  8 容器・・・・[5]
  •  9 表示・・・・[5]
  •  附属書JA(参考)JISと対応する国際規格との対比表・・・・[6]

(pdf 一覧ページ番号 1)

――――― [JIS K 8982 pdf 1] ―――――

K 8982 : 2008

まえがき

  この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本試薬
協会 (JRA) 及び財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格(日本産業規格)を改正すべきと
の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格(日本産業規格)である。これに
よって,JIS K 8982 : 1996は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。

(pdf 一覧ページ番号 2)

――――― [JIS K 8982 pdf 2] ―――――

                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
K 8982 : 2008

硫酸アンモニウム鉄(III)・12水(試薬)

Ammonium iron (III) ulfate 12-water (Reagent)

                           FeNH4(SO4)2・12H2O         FW : 482.19

序文

  この規格は,1987年に第1版として発行されたISO 6353-3を基に作成した日本工業規格(日本産業規格)であるが,対
応国際規格の規定の一部を技術的に変更して作成した日本工業規格(日本産業規格)である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。

1 適用範囲

  この規格は,試薬として用いる硫酸アンモニウム鉄(III)・12水1) について規定する。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 6353-3 : 1987,Reagents for chemical analysis−Part 3 : Specifications−Second series (MOD)
なお,対応の程度を表す記号 (MOD) は,ISO/IEC Guide 21に基づき,修正していることを
示す。
注1) 別名 : 鉄みょうばん

2 引用規格

  次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS K 8001 試薬試験方法通則
JIS K 8085 アンモニア水(試薬)
JIS K 8136 塩化すず(II)二水和物(試薬)
JIS K 8180 塩酸(試薬)
JIS K 8322 クロロホルム(試薬)
JIS K 8810 1-ブタノール(試薬)
JIS K 8913 よう化カリウム(試薬)
JIS P 3801 ろ紙(化学分析用)

3 一般事項

  試験及び検査方法の一般的な事項は,JIS K 8001による。

4 種類

  種類は,特級とする。

――――― [JIS K 8982 pdf 3] ―――――

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K 8982 : 2008

5 性質

5.1 性状

  硫酸アンモニウム鉄(III)・12水は,うすい紫の結晶で,空気中で風解する。水に溶けやすく,エタノ
ールにほとんど溶けない。

5.2 定性方法

  定性方法は,次による。
a) 試料0.1 gに水20 mlを加えて溶かす(A液)。A液5 mlに塩化バリウム溶液 (100 g/l) 1 mlを加えると,
白い沈殿が生じる。
b) 液5 mlにヘキサシアノ鉄(II)酸カリウム溶液 (50 g/l) 1 mlを加えると,濃い青が現れる。
c) 液10 mlに水酸化ナトリウム溶液 (300 g/l) 1 mlを加えると褐色の沈殿が生じ,これを熱するとアン
モニアが発生する。

6 品質

  品質は,箇条7によって試験及び検査したとき,表1に適合しなければならない。
表1−品質
項目 規格値
純度 [FeNH4(SO4)2・12H2O]質量分率 % 99.0 以上
希硫酸溶状 試験適合
水不溶分 質量分率 % 0.005 以下
塩化物 (Cl) 質量分率 ppm 5 以下
硝酸塩 試験適合
りん酸塩 (PO4) 質量分率 % 0.001 以下
ナトリウム (Na) 質量分率 % 0.01 以下
カリウム (K) 質量分率 % 0.01 以下
銅 (Cu) 質量分率 % 0.002 以下
マグネシウム (Mg) 質量分率 % 0.001 以下
カルシウム (Ca) 質量分率 % 0.01 以下
亜鉛 (Zn) 質量分率 % 0.003 以下
鉛 (Pb) 質量分率 % 0.001 以下
マンガン (Mn) 質量分率 % 0.005 以下
鉄(II)(Fe2+) 質量分率 % 0.001 以下

7 試験及び検査方法

7.1 試験及び検査方法の条件及び結果

  試験及び検査方法の環境は,JIS K 8001の3.7(試験操作など)(1)(試験の環境)による。湿度管理は,
必要に応じて実施する。また,表1で規定する各品質項目は,次の各試験及び検査方法によって行う。得
られる測定値の計算方法及び規格値に対する判定は,JIS K 8001の3.5(測定値)によって行い,これに適
合しなければならない。
7.2 純度 [FeNH4(SO4)2・12H2O]
試料1 gを0.1 mgのけたまではかりとり,共通すり合わせ三角フラスコ300 mlに入れ,水50 ml,塩酸
(2+1) 10 mlを加えて溶かす。これにJIS K 8913に規定するよう化カリウム3 gを加えて溶かし,直ちに栓
をして暗所に30分間放置した後に水100 mlを加え,0.1 mol/lチオ硫酸ナトリウム溶液で滴定し,終点の
近くで,でんぷん溶液約0.5 mlを指示薬として加え,滴定を続ける。終点は,液の色が青から無色に変わ

――――― [JIS K 8982 pdf 4] ―――――

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K 8982 : 2008
る点とする。別に,同一条件で空試験を行い滴定量を補正する。この場合,0.1 mol/lチオ硫酸ナトリウム
溶液1 mlは,0.048 22 g FeNH4 (SO4)2・12H2Oに相当する。
7.3 希硫酸溶状
希硫酸溶状は,試料1 gに水10 ml及び硫酸 (1+5) 1 mlを加えて溶かし,水を加えて20 mlにする。濁
りの程度の適合限度標準は,JIS K 8001の5.2(溶状)(1)(濁りの程度の適合限度標準)(a)(澄明)を用
いる。

7.4 水不溶分

  水不溶分は,JIS K 8001の5.3(不溶分及び可溶分)(1)(水不溶分)による。この場合,試料20 gをと
り,水100 mlを加え,加熱して溶かす。

7.5 塩化物 (Cl)

  溶液の調製,操作及び判定は,次による。
a) 試料側溶液 試料3.0 gに水15 ml及び硝酸 (1+2) 15 mlを加えて溶かし,水を加えて60 mlにする(B
液)。B液20 ml(試料量1.0 g)を用いる。
b) 標準側溶液 B液20 mlに硝酸銀溶液 (20 g/l) 1 mlを加え,水浴中で10分間加熱した後,冷却し,洗
浄ろ紙[JIS P 3801に規定するろ紙(化学分析用)(5種C)]を用いてろ過した後,ろ紙を水5 mlで
洗い,ろ液と洗液とを合わせる。
c) 操作 試料側溶液に硝酸銀溶液 (20 g/l) 1 mlを加え,標準側溶液に塩化物標準液 (Cl : 0.01 mg /ml)
0.50 mlを加え,それぞれに水を加えて30 mlとし,15分間放置する。
d) 判定 試料側の濁りは,標準側の白濁より濃くない。

7.6 硝酸塩

  溶液の調製及び操作は,次による。
a) 試料溶液 試料3.0 gに水23 mlを加えて沸騰するまで加熱する。JIS K 8085に規定するアンモニア水
6 mlを加えた後,冷却し水を加えて30 mlとする。ろ過してろ液を用いる。
b) 操作 a) のろ液10 mlをとり,JIS K 8001の5.10[硝酸塩 (NO3)](1)(インジゴカルミン法)による。
この場合,インジゴカルミン溶液 (1.8 g/l) 0.10 mlを用いる。NO3として質量分率約0.005 %以下であ
る。

7.7 りん酸塩 (PO4)

  溶液の調製,操作及び判定は,次による。
a) 試料側溶液 試料1.0 gに水10 ml及び硝酸 (1+2) 4 mlを加えて溶かし,水を加えて20 mlにする。
b) 標準側溶液 りん酸塩標準液 (PO4 : 0.01 mg/ml) 1.0 ml,硝酸 (1+2) 4 ml及び水を加えて20 mlにする。
c) 操作 試料側溶液,標準側溶液それぞれを分液漏斗100 mlに移し,七モリブデン酸六アンモニウム溶
液 (50 g/l) 4 mlを加え,3分間放置する。クロロホルム・1-ブタノール混液2) 10 mlを加えて1分間振り
混ぜた後,再び放置する。分離したクロロホルム・1-ブタノール混液相を共通すり合わせ平底試験管に
移し,再び,水相にクロロホルム・1-ブタノール混液5 mlを加えて1分間振り混ぜた後,放置する。
分離したクロロホルム・1-ブタノール混液相を前の共通すり合わせ平底試験管に移し,水相は捨てる。
共通すり合わせ平底試験管の全クロロホルム・1-ブタノール混液に塩化すず(II)溶液 (10 g/l) 3) 10 ml
を加えて1分間振り混ぜた後,放置する。
注2) クロロホルム・1-ブタノール混液の調製は,JIS K 8322に規定するクロロホルム75 mlにJIS K
8810に規定する1-ブタノール25 mlを加える。
3) 塩化すず(II)溶液 (10 g/l) の調製は,JIS K 8136に規定する塩化すず(II)二水和物10 gに

――――― [JIS K 8982 pdf 5] ―――――

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JIS K 8982:2008の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 6353-3:1987(MOD)

JIS K 8982:2008の国際規格 ICS 分類一覧

JIS K 8982:2008の関連規格と引用規格一覧