この規格ページの目次
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C 8109 : 2016
2.10
実効負荷(effective load)
入力巻線に定格周波数の定格供給電圧を加えたとき,出力巻線に定格出力電流を流すために変圧器出力
端子に接続する放電ランプ。
2.11
高力率変圧器(high power factor transformer)
定格周波数の定格供給電圧を実効負荷に接続したとき,総合力率が0.85以上の変圧器。
2.12
定格最高周囲温度,ta(rated maximum ambient temperature, symbol ta)
製造業者が設定した,通常作動状態における当該変圧器の最高許容周囲温度。
2.13
定格最高作動温度(コンデンサケース),tc(rated maximum operating temperature, symbol tc)
通常作動状態における部品のいかなる外部表面で発生してもよい最高許容温度。
注記 少量であっても,コンデンサの内部損失は表面温度が周囲温度より高くなることにつながるの
で,そのための余裕が必要である。温度の差は,ケースの性質によって異なる。
2.14
定格最高作動温度(巻線),tw(rated maximum operating temperature, symbol tw)
変圧器の5年継続作動が可能な,製造業者が設定した最高巻線温度。
2.15
定格温度上昇(巻線),Δt(rated temperature rise, symbol Δt)
加熱試験(箇条10参照)の条件下で,製造業者が設定する巻線の温度上昇。
2.16
動作電圧(working voltage)
変圧器に定格電圧を供給したときの,過渡現象を無視した開路状態又はランプ作動状態で絶縁にかかる
最高実効電圧。
2.17
分離可能部品(detachable part)
工具,貨幣などを用いずに,手だけによって分離可能な部品。
2.18
形式試験(type test)
関連する仕様要求事項に該当する製品の設計が適合しているかどうかを判定するために形式試験試料に
実施する試験又は一連の試験。
2.19
形式試験試料(type test sample)
形式試験用に製造業者又は責任ある販売業者が提出した1個又はそれ以上のユニットを含む試料。
3 一般的要求事項
変圧器は,通常の使用状態において,使用者又はその周囲に危険をもたらさないように設計及び組み立
てられていなければならない。変圧器に組み込まれているコンデンサ及び他の部品は,該当するJISの要
求事項に適合しなければならない。
――――― [JIS C 8109 pdf 6] ―――――
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変圧器,その他の素子の適否は,通常,規定した全ての試験を実施して判定する。加えて,独立形変圧
器の外郭は,分類及び表示規定も含めてJIS C 8105-1に適合しなければならない。
4 試験上の一般的注意事項
4.1 この規格における試験は,形式試験である。
注記 この要求事項が許容している条件及び許容値は,目的別の形式試験試料(以下,試料という。)
に対する試験方法に関連している。この安全基準での試料の適合性結果は,当該試料の製造業
者の全製品の適合を確認するものではない。製品をこの安全基準に適合させることは,製造業
者の責務であり,形式試験に加えて受渡試験及び品質保証を行うことが望ましい。
4.2 特に規定しない限り,試験は,この規格の記載順に実施する。
4.3 特に規定しない限り,試験の間,試料は通常の使用状態の位置に取り付け,周囲温度は20 ℃27 ℃
とする。
4.4 形式試験用に,次のユニット数を用意する。
− 温度表示がない変圧器 : 1ユニット
− 温度表示がある変圧器 : 8ユニット(7ユニットは箇条11の耐久試験用であり,残りの1ユニットが
その他の試験用である。)
− 独立形変圧器の16.5の試験用 : 3ユニット
一般的に,変圧器タイプごとに全試験を実施する。類似した一定範囲の変圧器である場合には,製造業
者が同意したその範囲の変圧器を代表するものに対して試験を実施する。箇条11の耐久試験用の試料数は,
異なる特性をもつが同じ形状の変圧器を同時に試験する場合,又は製造業者若しくは試験機関による試験
結果を他の試験機関が認める場合,削減するか又は省略してもよい。
変圧器の正確な作動を確実にするために,必要がある場合,直列コンデンサを組み込むか又は取り付け
る。
4.5 箇条11の試験では,11.3の要求事項に7ユニット中6ユニットが適合した場合,試験結果は適合と
みなす。3ユニット以上が不適合となる場合,結果は不適合とみなす。
不適合数が2ユニットの場合,更に7ユニットに対して再試験を行い,この再試験において7ユニット
全てが適合した場合に限り,試験結果は適合とみなす。
4.6 複数の定格供給電圧,定格供給電圧範囲及び/又は複数の定格周波数をもつ変圧器の場合,最も不
利な供給電圧及び/又は周波数で各試験を実施する。
4.7 供給電圧及び周波数
供給電圧及び周波数は,次による。
a) 安定した供給電圧及び周波数 多くの試験の場合,供給電圧及び周波数は±0.5 %の一定範囲で維持す
る。ただし,実際の測定中は,電圧は規定した試験値の±0.2 %の範囲に調整する。
変圧器温度は供給電圧に依存するため,安定した電源を用いる。調整後,再設定した電圧で変圧器
が最終温度に達するまで十分な時間を確保する。
周波数変動の影響を受ける主電源には,特殊な対策が必要である。インダクタンスの電流は,主電
源の周波数変動に対応して変動する。低い周波数は,変圧器の電流を増加させ,温度の上昇につなが
る。±0.5 %の周波数変動は,許容範囲内である。
長期間にわたる試験(例 耐久試験)の場合,それぞれ規定値の変動は,電圧は±2 %,及び周波
数は±1 %とする。
――――― [JIS C 8109 pdf 7] ―――――
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b) 供給電圧の波形 供給電圧の高調波は,3 %以内とする。高調波は,基本電圧を100 %とした個々の調
波の実効値の合計とする。
用いる電源のインピーダンスは,変圧器のインピーダンスよりも低いものとする。測定中に発生す
る条件下であっても,この要求事項を満たすように注意する。
5 定格
5.1 定格無負荷出力電圧(V)の推奨値は,次による。
1 250,1 600,2 000,2 500,3 150,4 000,5 000,6 300,8 000,10 000,12 000,15 000
5.2 定格出力電流(mA)又は定格二次短絡電流(mA)の推奨値は,次による。
10,12.5,16,20,25,31.5,40,50
推奨値以外も許容するが,定格二次短絡電流は,50 mAを超えてはならない。
注記 対応国際規格(注記を含む。)には,Rシリーズに関する記載があるが,この規格では削除した。
6 分類
6.1 変圧器は,設置方法によって次のように分類する。
a) 独立形変圧器
b) 機器組込形変圧器
6.2 変圧器が出力巻線を接地する場合には,次のように分類する。
a) 1個の接地端子をもつ変圧器
b) 2個の接地端子をもつ変圧器(1個は変圧器本体の接地用,残りの1個は巻線の接地用で地絡保護装置
を経由して接地する。)
7 表示
7.1 必須表示
特に規定のない限り,変圧器の表面の見えやすい箇所に,容易に消えない方法で次の事項を表示しなけ
ればならない。
a) 商標,製造業者名,又は責任ある販売業者名による出所表示
b) 製造業者のモデル番号又は形式名
c) 定格供給電圧又は電圧範囲
d) 定格入力電流(A)又は定格入力(VA)
e) 定格供給周波数
f) 定格無負荷出力電圧。定格無負荷出力電圧の表示は,次による。
− 出力巻線を接地端子に接続しない変圧器の場合 : ...kV(例 4 kV)
− 出力巻線の一端を接地端子に接続する変圧器の場合 : E-...kV(例 E-4 kV)
− 出力巻線の中性点を接地端子に接続する変圧器の場合 : ...-E-...kV(例 3-E-3 kV)
g) 定格出力電流及び定格二次短絡電流。それぞれを(mA)又は(A)で表示し,斜線で区切る(例 30/40
mAは,定格出力電流が30 mAで定格二次短絡電流が40 mAであることを意味する。)。ただし,短絡
状態においても箇条10に規定する通常作動の試験に適合する場合は,定格出力電流を表示しなくても
よい。
――――― [JIS C 8109 pdf 8] ―――――
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7.2 該当する場合に表示する事項
該当する場合,変圧器の表面の見えやすい箇所に,容易に消えない方法で次の事項を表示しなければな
らない。
a) 巻線が定格最高作動温度twをもつ変圧器には,変圧器上にその数値を5 ℃ごとの数値で,記号twの
後に表示する。
b) wの表示がある変圧器で,製造業者の選択によって箇条11による標準耐久試験を60日間実施(耐久
試験D6)したものには,tw表示のすぐ後に,識別記号“(D6)”を表示する。
30日間実施する標準耐久試験(耐久試験D3)の場合は,識別記号を表示する必要はない。
c) 定格最高周囲温度の許容上限温度が25 ℃以外の変圧器には,その数値を5 ℃ごとの数値で記号taの
後に表示する。
d) 変圧器の的確な作動を確保するために必要な交換可能なコンデンサをもつ場合には,定格電圧,定格
静電容量,定格作動温度及び試験電圧を表示する。
e) 力率改善コンデンサに接続している追加の端子をもつ変圧器には,静電容量及び力率数値と関連する
回路を示す配線図を表示する。
f) 独立形変圧器の場合には,次の記号を表示する。
g) 独立形変圧器の場合には,IEC 60417に従って,“危険電圧”の記号5036(2002-10)を表示する。
h) 他の要求事項によって更に記号を必要とする場合には,関連性がある限りIEC 60417及びその補足規
定集に従う。
i) 接地端子をもつ場合,IEC 60417の記号5019(2006-08)の図記号を表示する。
この図記号は,ねじなどの容易に取り外すことができる部品に表示してはならない。ただし,2個
の接地端子をもつ変圧器の場合,地絡保護装置に接続する方の接地端子にはこの図記号の代わりに
“E”の記号を表示しなければならない。
j) 機器組込形変圧器の場合には,機械器具に組み込む場合以外には用いることができない旨を表示する。
k) 屋内だけで用いることを意図した変圧器の場合には,屋内用の旨を表示する。
7.3 その他の情報
変圧器に表示することが可能な場合,次に示すように表示してもよい。
a) 巻線の定格温度上昇を,5 ℃ごとの数値で“Δt”の記号の後に表示する。
b) 高力率変圧器のものは,変圧器の表面の見えやすい箇所に,“高力率”と表示する。
7.4 独立形変圧器の場合には,“危険電圧”の記号,出所表示,製造業者のモデル番号又は形式名,及び
該当する場合には保護等級コードを,工具なしでは取り外すことができない(分離可能部品ではない)変
圧器の外郭となる外部表面に表示しなければならない。
その他の表示は,外郭を開けるか又は取り外したときに目視できる箇所に表示してもよい。
7.4A 機器組込形変圧器の場合には,7.1に規定する表示のうち,定格供給周波数及び定格二次短絡電流,
並びに機械器具に組み込む場合以外には用いることができない旨について,包装容器の表面に,容易に消
えない方法で表示してもよい。
7.5 7.17.4Aへの適否は,目視検査によって確認する。
7.6 表示は,耐久性があって判読可能でなければならない。
適否は,目視検査及び水に浸した布片を用いて15秒間,更に,石油系溶剤に浸した布片を用いて15秒
間,表示を手でこすって確認する。
――――― [JIS C 8109 pdf 9] ―――――
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この試験後,表示は判読可能でなければならない。
注記 この石油系溶剤は,芳香族分の最大容積分率が0.1 %,カウリブタノール価が29,初期沸点が
約65 ℃,蒸発温度が69 ℃及び密度が約0.68 g/cm3からなる溶剤ヘキサンが望ましい。
8 電気特性
8.1 出力巻線が複数ある場合も含み,定格無負荷出力電圧と定格出力電流との積又は積の和が2 500 VA
を超えてはならない。
8.2 変圧器を定格周波数の定格供給電圧に接続し,変圧器の制御装置のタップ入力巻線が最高電圧に設
定してあるとき,無負荷出力電圧は,定格無負荷出力電圧の110 %又は関連する定格範囲の上限値を超え
てはならない。
適否は,測定によって判定する。
8.3 変圧器を定格周波数の定格供給電圧に接続しているとき,短絡電流は,表1に規定する最高温度を
超えない値とする。
適否は,測定によって判定する。
8.4 変圧器を定格周波数の定格供給電圧に接続しているときの短絡電流は,定格二次短絡電流の+5 %又
は2 mAの大きい方を超えてはならない。
適否は,測定によって判定する。
9 磁気影響
通常使用で,変圧器は過度の磁気漏れを起こしてはならない。
適否は,定格周波数の定格供給電圧における通常負荷に相当する入力電流を測定し,更に,500 mm×500
mm×1.5 mmの鋼鉄板を変圧器の支持表面の下で変圧器より20 mm離した位置に設置した後に測定を繰り
返して判定する。入力電流は,このような条件で5 %を超えて変化してはならない。
10 加熱
10.1 試験実施前に,周囲温度25 ℃で各巻線の抵抗値を測定する。
10.2 試験は,10.5の要求事項に従って実施し,変圧器が安定状態に達した後に,温度は表1に規定する
通常作動状態及び異常作動状態における最高温度を超えてはならない。
表1は,独立形及び機器組込形変圧器に適用する。
注記 安定状態とは,測定した温度が1時間で1 Kを超える上昇が認められない場合,又はそれぞれ
の状態での作動が7時間を経過した場合と考える。
――――― [JIS C 8109 pdf 10] ―――――
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JIS C 8109:2016の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61050:1991(MOD)
- IEC 61050:1991/AMENDMENT 1:1994(MOD)
JIS C 8109:2016の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 8109:2016の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISC2134:2007
- 固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
- JISC2134:2021
- 固体絶縁材料の保証及び比較トラッキング指数の測定方法
- JISC3315:2000
- 口出用ゴム絶縁電線
- JISC4908:2007
- 電気機器用コンデンサ
- JISC60068-2-75:2019
- 環境試験方法―電気・電子―第2-75部:ハンマ試験(試験記号:Eh)
- JISC60695-2-11:2016
- 耐火性試験―電気・電子―第2-11部:グローワイヤ/ホットワイヤ試験方法―最終製品に対するグローワイヤ燃焼性指数(GWEPT)
- JISC7615:1973
- ネオン管
- JISC8105-1:2017
- 照明器具―第1部:安全性要求事項通則
- JISC8147-2-10:2017
- ランプ制御装置―第2-10部:管形冷陰極放電ランプ(ネオン管)の高周波動作用電子インバータ及び変換器の個別要求事項