JIS C 8109:2016 ネオン変圧器 | ページ 3

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表1−最高温度
測定箇所 最高温度a)

通常作動 異常作動
100 % Un 106 % Un
D3の場合 D6の場合
巻線
− 温度表示がない変圧器 105 170 170
b) b)
− 温度表示がある変圧器 tw
tw 100 172 159
105 179 166
110 187 173
115 194 180
120 201 187
125 208 193
130 216 200
独立形変圧器ケース 85 135
コンデンサ外郭
− 温度表示なし 50 60
− 定格最高作動温度tc表示あり tc tc+10
端子の外部配線 85 該当なし
ゴム又はポリ塩化ビニル絶縁線及びコード 85 該当なし
(絶縁体が機械的ストレスを受けない場合。)
c) c)
その他の線及びコード
注a) 変圧器を定格最高周囲温度で作動したとき,変圧器は,この表の最高温度を超えてはならない。
b) 異常作動の温度は,耐久試験D3又はD6によって変圧器が到達した最高温度を適用する。
c) 試験後に,絶縁体は変圧器の安定した作動に支障を来すような顕著な損傷があってはならない。
10.3 作動状態
機器組込形変圧器及び定格出力電流を指定している独立形変圧器の通常作動とは,変圧器がその通常負
荷(2.10参照)に接続してある状態を指す。定格出力電流の1 %を四捨五入で丸めたミリアンペアの値又
は1 mAのいずれか大きい方の許容値を,出力電流の測定値に適用する。
定格出力電流を指定しない独立形変圧器の通常作動,及び全ての変圧器の異常作動とは,次の条件のう
ち,最も過酷な状態を指す。
a) ランプ,又はランプが複数の場合はそのうちの1個(又は同等な通常負荷)が挿入されていない。
b) 変圧器の全ての出力巻線が短絡されている。
c) 二組以上の出力巻線をもつ変圧器の場合,一組が短絡しており,その他の巻線が通常負荷に接続され
ている。
d) 出力巻線の中性点を金属外郭に接続する変圧器の場合,より大きな短絡電流の巻線部分を短絡する。
他の巻線部分は通常負荷に接続する。この試験は,地絡保護をもつ変圧器には適用しない。
10.4 加熱試験後に変圧器が室温まで冷却された後も,表示は判読可能でなければならない。
10.5 変圧器は最初に安定状態が得られるまで,定格周波数の定格供給電圧の通常作動で試験し,その後,
巻線の温度を測定する。その後,定格供給電圧の1.06倍の異常作動で試験を繰り返す。
試験は,図2に示すように,風の当たらない区域で変圧器を2個の木製ブロックで支えて実施する。
木製ブロックは,高さ75 mm,幅10 mm,及び長さは変圧器の幅と同じか又は長いものとする。ブロッ

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クは,変圧器の端がブロックの外側角(ブロックの高さ及び幅の寸法許容差は±1.0 mmとする。)に合う
ように設置することが望ましい。
取付方法が,取扱説明書などで指示してある場合には,その方法に従う。
変圧器が2ユニット以上で構成されている場合,各ユニットを各ブロックで試験する。変圧器ケースに
含有されていない限り,コンデンサは風の当たらない区域に設置しない。
巻線の温度は可能であれば,次の式(1)を用いた抵抗法で測定し,他の全ての測定は熱電対又は同様の方
式で測定する。
R2
t2 2345. t1 2345. (1)
R1
ここに, t1 : 初期温度(℃)
t2 : 最終温度(℃)
R1 : 温度t1における抵抗値
R2 : 温度t2における抵抗値
この式(1)は,銅巻線だけに適用する。アルミ巻線用は,上記の数値234.5を229に代える。
周囲温度は,変圧器から150 mm離れた場所で,変圧器高さの半分の位置で測定する。
どの試験でも,混合物又はワニスが漏れ出てはならない。漏れ落ちないような,少量の漏れは除外する。
単位 mm
図2−加熱試験の木製ブロック及び変圧器の配置

11 耐久性

11.0A この試験は,定格最高作動温度(tw)の表示がある変圧器だけに適用する。
11.1 この試験は,事前に試験をしておらず,かつ,試験後新たな試験に用いない,新規の7台の変圧器
に対して実施する。
試験前に,定格周波数の定格供給電圧において,変圧器の最高無負荷出力電圧を測定する。

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11.2 変圧器の巻線は,定格最高作動温度の数値を決定する11.4に規定する耐熱試験に耐えなければなら
ない。
温度条件は,目標試験期間が,製造業者の選択によって30日間又は60日間になるように調整する。表
示がない場合の目標試験期間は,30日間とする[7.2 b)参照]。
11.3 変圧器が室温に戻った後,次の要求事項を満たさなければならない。
a) 定格周波数の定格供給電圧において,変圧器の最高無負荷出力電圧は11.1で測定した数値の5 %以内
でなければならない。
b) 15.2のb) d)に従って測定した絶縁抵抗は,1 MΩ以上でなければならない。
c) 変圧器は,15.3に規定する耐電圧試験をb)に規定する同様の部分に実施し,これに耐えなければなら
ない。試験電圧は,入力側の定格電圧の2倍の数値,及び出力巻線と金属外郭とを接続する変圧器の
出力側の動作電圧の1.1倍とする。
出力巻線と金属外郭とを接続する変圧器は,15.4の誘導試験の方法に従って耐電圧試験を実施する。
ただし,試験電圧は,定格供給電圧の1.1倍とする。
11.4 この細分箇条に規定する耐熱試験中,7台の変圧器は恒温槽内に設置し,回路には定格供給電圧を加
える。
これらの変圧器には,通常使用と同様の電気的機能をもつものを用いる。試験の対象とならないコンデ
ンサ,部品又はその他附属品は,回路から切り離し,恒温槽外で再度接続する。巻線の作動状態に影響を
及ぼさない場合は,その他の部品は取り外してもよい。
注記1 試験の対象とならないコンデンサ,部品又はその他附属品を切り離す必要がある変圧器の場
合,製造業者は変圧器からこれらの部品を切り離し,必要な接続を取り外してある特別仕様
の変圧器を提供することが望ましい。
通常作動状態を確保するため,通常,変圧器は通常負荷(2.9参照)で試験する。通常負荷等価抵抗は,
常に恒温槽外に設置する。
その後,恒温槽用サーモスタットは,恒温槽内温度が各変圧器の最も高い巻線温度が表2の試験温度と
おおむね同じになるように調整する。
表2−試験温度
単位 ℃
定格最高作動温度tw 耐熱試験の理論的試験温度
30日間 60日間
100 165 152
105 172 159
110 179 165
115 186 172
120 193 178
125 200 185
130 207 192
目標試験期間が60日間であることを示す“D6”の表示がない変圧器の目標試験期間は,30日間とする。
7時間後に,実際の巻線温度を抵抗法によって決定し,必要がある場合,恒温槽内のサーモスタットを
目標試験温度にできる限り近づけるために再調整する。それ以後は,サーモスタットが恒温槽内温度を正

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確に±2 ℃に維持していることを確認するために,1日1回恒温槽内温度を測定する。
24時間後に,巻線温度を再度測定し,式(2)を用いて変圧器の最終試験期間を決定する。試験を実施して
いる変圧器の最も熱い巻線の実際の目標温度と理論値との許容差は,目標試験期間の3分の2以上,2倍
未満とする。
この24時間後の測定からは,巻線温度を一定に保つ操作をしない。周囲温度だけは,恒温調整によって
安定化してもよい。
各変圧器の試験期間は,変圧器を電源に接続したときを開始点とする。
試験の終了時,該当する変圧器は電源から切り離す。ただし,他の全ての変圧器の試験が終了するまで
は恒温槽から取り出さない。
注記2 表2の理論的試験温度は,定格最高作動温度twにおいて5年間の継続運転に相当する。
この箇条では,最終試験期間を,次の式(2)を用いて算出する。
1 1
log L log L04 500 (2)
T Tw
ここに, L : 最終試験期間(日数)
L0 : 1 826日(5年間)
T : 理論的試験温度 (t+273) (K)
Tw : 定格最高作動温度 (tw+273) (K)
なお,定数4 500は,経験値である。

12 保護等級

12.1 独立形変圧器は,JIS C 0920に規定されたIP20以上の保護等級を備え,どのような充電部であって
も,次によってだけ触れることができるように設計しなければならない。
− 鍵又は工具の使用
− 保護外郭を開けることで作動するインタロックスイッチによって,電源から切り離した後
ラッカー,エナメル,塗装,及び紙,綿又はこれらと類似の材料による内張りは,充電部への接触に対
して必要な保護をもつとみなさない。
なお,出力巻線に接続している場合であっても,金属外郭は,充電部とみなさない(16.2参照)。
屋外で用いる変圧器は,JIS C 0920に規定されたIPX3以上の水の浸入に対する保護等級を備えなけれ
ばならない。
12.2 適否は,変圧器の保護等級コードの表示に対応しているJIS C 8105-1の第9章(じんあい,固形物
及び水気の侵入に対する保護)の試験によって判定する。
外郭内の充電部への接触及び固体異質物質の侵入に対する保護等級2の判定には,想定される全ての位
置に,JIS C 0920の付図1(関節付きテストフィンガ)に示すテストフィンガを,必要な場合,10 Nの力
で加圧して試験する。
液体浸入に対する保護等級の判定には,通常使用と同じように変圧器に外部配線を取り付け,ねじ込み
グランドがある場合には,2.5 N・mのトルクで締め付ける。

13 直列コンデンサへの電圧

13.1 直列コンデンサをもつ変圧器は,一次巻線に温度過昇防止装置又は同様の装置を接続しなければな
らない。変圧器は,1個又は複数のコンデンサを短絡し,異常作動の試験を実施する。

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温度過昇防止装置は,表1の最高巻線温度に達する前に作動しなければならない。
13.2 コンデンサには,放電抵抗器を付けなければならない(JIS C 4908参照)。
13.3 通常作動において,変圧器を定格供給電圧で試験する場合,直列コンデンサにかかる電圧は,コン
デンサの定格電圧を超えてはならない。
適否は,測定によって判定する。
13.4 10.3に規定する異常作動において,各コンデンサにかかる電圧は,試験電圧[7.2 d) 参照]を超え
てはならない。ただし,試験電圧を表示していない場合の試験電圧は,コンデンサの定格電圧の1.3倍と
する。
適否は,10.2の試験によって判定する。

14 耐湿性

  通常使用で想定される湿度に対して,変圧器は防湿でなければならない。
適否は,次の試験によって判定する(箇条15も参照)。
変圧器は,相対湿度を91 %95 %の間に維持した試験箱の中で48時間調整する。変圧器を設置した箱
内の空気温度は,20 ℃30 ℃の間で選択した任意の温度tを±1 ℃に維持する。
試験箱の中で調整する前に,変圧器の温度は,t ℃(t+4) ℃の間に設定する。
変圧器は,製造業者の指示がある場合は,その指示に従って,取り付ける。
ケーブル引込口をもつ場合は,開放状態にする。ノックアウトをもつ場合は,そのうち1個を開放する。
上記の調整後,絶縁試験前に,目視できる水滴は吸取り紙によって除去する。

15 絶縁抵抗及び耐電圧

15.1 変圧器の絶縁抵抗及び耐電圧は,適切なものでなければならない。
適否は,15.2及び15.3の試験によって判定する。さらに,出力巻線と金属外郭とを接続する変圧器は,
15.4の試験によって判定する。これらの試験は,箇条14の試験直後に,取り外した部品を再度取り付け
て,変圧器温度を指定温度にした箇条14の試験箱又は部屋の中で行う。露出面は,表面の水分を布で拭き
取る。
非金属外郭の変圧器は,外部表面を金属はくで覆う。
15.2 絶縁抵抗は,約500 Vの直流電圧で,電圧印加して1分後に測定する。
絶縁抵抗は,次の全ての箇所を続けて測定する。
a) 分離可能な異なる極性の充電部間
b) 電気的に入力巻線に接続する充電部と,絶縁材料の外部部品を包む金属はくを含む金属外郭との間
c) 出力巻線と金属外郭とを絶縁する場合,電気的に出力巻線に接続する充電部と金属外郭との間
d) 箇条20の規定に適合するために必要な絶縁内張りがある場合は,金属外郭とその内張りの内面と接す
る金属はくとの間
絶縁抵抗は,2 MΩ以上でなければならない。
15.3 耐電圧試験
周波数50 Hz又は60 Hzで,実質的に正弦波である試験電圧を15.2に規定する箇所に1分間印加する。
試験電圧は,次による。
− 全ての変圧器に対しては,出力巻線と金属外郭とを接続して,入力側に定格供給電圧の2倍に1 000 V
を加えた電圧を印加する。

――――― [JIS C 8109 pdf 15] ―――――

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JIS C 8109:2016の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61050:1991(MOD)
  • IEC 61050:1991/AMENDMENT 1:1994(MOD)

JIS C 8109:2016の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 8109:2016の関連規格と引用規格一覧